脳無(幼女)のヴィランアカデミア   作:殻木の弟子

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骸ちゃん(の素材)を殺した強盗殺人犯…誰なんやろなあ(白目)


第5話

「ホタテ美味しい!」

 

お寿司って美味しいよね。

 

異能解放戦線と合体したわたし達(ヴィラン)連合は、解放戦線の拠点の一つ、群訝山荘でお寿司を食べていた。

 

「しかし、骸ちゃんがあっさり受け入れたのは意外だった…」

 

「みんながいいって言うことなら、わたしは反対しないよ」

 

そんなことを話していると、ロン毛の男・・・スケプティックがやって来た。

 

「時間だ、来い」

 

「・・・みんな、行こう」

 

新組織のお披露目タイムだ。

 


 

「異能解放軍及び敵連合は、融合し新たな名を冠する!!」

 

「考案は私リ・デストロと連合スピナー!さァ!その名を!死柄木弔!」

 

壇上に姿を現した、連合・解放軍の幹部達。

 

「超常解放戦線」

 

「“(ヴィラン)”の名を排し“異能”の枠組みを更に広く解釈できるものとした」

 

「又、壇上の9名を行動隊長に任命し傾向別に部隊編成を行う」

 

死柄木が顔に着けた『左手』を手に取る。

 

「まァ・・・名前なんてこれ(・・)と同じ飾りだ。好きにやろう」

 

構成員達から歓声が上がる。

 

ヒーロー社会を真正面から破壊し得る組織が今、誕生した。

 


 

「ねえ、なんかNo.2ヒーローいなかった?」

 

壇上から見えた、あの赤い羽。

ニュースで見たことがある。

 

「ホークスだろ?頼れる仲間だよ・・・」

 

「・・・ふーん」

 

荼毘の口調的に、絶対そんな風には思ってない。

多分スパイだろうね。

 

「ふふ・・・いいこと思いついちゃった・・・」

 

スパイがいるなら、それを逆に利用してやろう。

わたしに()を運んで来てもらうために。

 

 

 

 

 

「うーん、ケーキ美味しい!」

 

「骸ちゃん何食べても感想それだよな・・・」

 

今日はクリスマス。

というわけで、わたしはホールケーキを1人で食べている。

 

「あ、ホークスも食べる?」

 

「いえ、俺は遠慮しときます」

 

ふっふっふ。

わたし達に馴染もうと頑張ってるねぇ。

スケプティックにもうお前の素性を調べ尽くしてもらったから、無駄なんだけどさ。

 

「じゃあ、トゥワイス食べる?」

 

「おう!貰っとくぜ!」

 

トゥワイスはホークスを信じてるよね・・・。

人の信用につけ込むとか、陰湿なヤツ。

 

「おっ、うめぇなこれ!」

 

「そうでしょ〜?素材にこだわったお高いやつだからね」

 

「仁くんだけずるい!私も食べます!」

 


 

「チッ・・・。またふざけた量を食い散らかしやがって・・・」

 

『スケプティック・・・スケプティック・・・。聞こえる・・・?』

 

突然、脳内に骸の声が響き渡る。

 

「!?」

 

『返事はしなくてもいい。脳内に直接話しかけてるから』

 

『・・・要件は何だ』

 

『あの鳥野郎を利用して、ヒーロー共を――』

 


 

そして、あっという間に時間は流れ、3月下旬。

 

「・・・どうなってんだよ、なあ!!」

 

ヒーロー達による、超常解放戦線への奇襲作戦が始まった。

 

「襲撃日時は暗号でやりとりしました。いやー、大変でしたよ」

 

最も危険な個性『二倍』を持つトゥワイスの、捕縛または殺害。

それがホークスの最優先目的だ。

 

「あぁぁ・・・。またかよォオオお・・・」

 

ホークスの羽根に取り囲まれたトゥワイス。

 

「信じてあげねぇとかわいそうだって、思ったから!」

 

「・・・ありがとう」

 

 

「ほら、言った通りでしょ?トゥワイス」

 

「!?」

 

突然、ホークスの背後から、少女の声が響く。 

それと同時に、トゥワイスの姿が崩れ、溶けて消える。

 

「残念、それはコピー」

 

「・・・」

 

無言のまま、そちらに羽根を飛ばすホークス。

 

「おっと、危ない」

 

しかしそれは、骸によって全て叩き落される。

 

「5歳の女の子を殺そうとするなよ・・・罪悪感とか無いわけ?」

 

骸はヘラヘラ笑って言う。

 

「まあないか。自分を信用してくれたトゥワイスを利用して、その上殺そうとするような奴だもんね」

 

骸はニヤニヤしているが、目は全く笑っていない。

 

「ひどい奴だと思うよね・・・みんな」

 

「本当だぜ!よくも俺を騙そうとしやがったな、クソ野郎!!気付いてたけどな!!」

 

「嘘つけ。お前さっきめっちゃ泣いてただろ」

 

骸の背後から現れたのは、Mr.コンプレスとトゥワイスだった。

 

 

 

 

 

 

「忍法 千枚通し!!」

 

エッジショット達により、解放戦線のメンバーが無力化される・・・かに思われた。

 

「・・・なんだと!?」

 

しかし、解放戦線のメンバーの肉体は即座に崩れ落ち、泥のようになって消える。

 

「トゥワイスの個性か!」

 

「ならば、こいつらの本体はどこにいる!?」

 

 

 

 

 

「信用されてると思った?そんなわけないでしょ」

 

「・・・いつから気付いた」

 

骸と言葉を交わしつつも、ホークスはトゥワイスに狙いを定める。

彼だけは確実に始末しなければならない。

 

「あー、演技はよかったよ?駄目だったところを上げるとしたら、公安所属だってバレたことと、お前の生まれかな・・・」

 

そう言うと骸は、とある新聞記事をホークスに見せた。

 

「お前の父親は連続強盗殺人犯だったわけだけど、その最初の被害者が誰か、お前は知ってる?」

 

「・・・!」

 

新聞記事に載っていたのは、犠牲になった親子の写真。

 

「『ヒーローが到着したときには、合川纏さん(40)と娘の合川(かさね)ちゃん(5)は敵に殺害されていた』・・・。これも公安にちょっと情報の改ざんを受けてるけど、大事なのはこの重ちゃん」

 

骸が懐から写真を取り出し、ホークスに放り投げる。

 

「記事についてた写真を拡大したものなんだけど・・・誰かにそっくり(・・・・・・・)だと思わない?」

 

ホークスが手に取った写真。

それは、骸にそっくりな少女が映った家族写真だった。

 

「・・・」

 

「おもしろいと思わない?わたしを殺した奴の息子が、わたしの仲間を殺しにくるなんてさぁ・・・」

 

骸はニヤニヤ笑っているが、その目には強い怒りが浮かんでいる。

 

「お前をただ殺すだけじゃもったいない。だから、利用してやろうと考えた!本当に重要な内容は『テレパス』で話し、お前達が襲撃を実行する日を誘導した!」

 

コンプレスが大量のビー玉を取り出し、圧縮を解除する。

 

「一昨日からコピーに入れ替えておいたんだ・・・気付かなかったでしょ?」

 

本物の(・・・)解放戦線の幹部達が、姿を現す。

 

「感謝するよ鷹見啓吾!わざわざわたしに(ヒーロー)を持ってきてくれて!」

 

『バリア』+『ジャミング』!

 

群訝山荘を中心に、大規模なバリアが展開される。

 

「みんな、準備はいい!?」

 

『ウオォォォォッ!!!』

 

これは、『ヒーローによる超常解放戦線捕縛作戦』ではない。

『超常解放戦線によるヒーロー殲滅作戦』である。

 

「さあ、皆殺しの時間だ!!」




骸ちゃんは、「ホークスがトゥワイスを騙して殺そうとしたこと」に怒っています。
「自分を殺した男の息子である」ことはあんまり気にしていません。

次回は蛇腔病院サイドです。
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