Hedgehog in Borderland   作:M.T.

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すぺえどのくいいん(4)

リナside

 

 私は、ドレッドと一緒に、ヘイジ君達とは反対側の方角からタワー内部に攻め込んだ。

 ニラギとカタビラさんの話だと、お互いの得意と不得意を補い合えるように『びしょっぷ』と『ないと』が一人ずつタッグを組んで、それぞれ反対側から敵陣に攻め込む、というのが、この『げぇむ』での作戦の要だった。

 正直、『ビーチ』の仲間を殺したドレッドとタッグを組むなんて、はらわたが煮え繰り返る思いだったけど、私の方がヘイジ君よりドレッドとの付き合いは長いから、ドレッドの得意分野と苦手分野を把握している私が組む他なかった。

 

 ドレッドと一緒にタワーに攻め込んだ私は、いきなり肩を斬りつけられて思わず尻餅をついた。

 

「うぅっ……」

 

「クッソが…!!」

 

 私が肩の傷を押さえていると、ドレッドは前方にハンドガンの銃口を突きつける。

 ドレッドの目の前には、『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』側の『ないと』…アシビが立っていた。

 アシビは、血のついたナイフをぎらつかせて、私達を睨んだ。

 

「……脆い」

 

 そう言ってアシビは、まるで陽炎のようにゆらっと動くと、一気に距離を詰めてくる。

 ドレッドは、アシビに向かってハンドガンを発砲した。

 だけどドレッドが発砲した弾丸はアシビには一発も当たらず、アシビを見失っていた。

 

 この動き、見た事がある。

 ヒヅルちゃんが、同じような動きをしていた。

 呼吸や足音、気配を殺して、相手の意識の死角に忍び込む技術。

 でもアシビは、ヒヅルちゃんよりさらに気配を消すのが上手い。

 多分元の世界で、殺し屋かスパイでもやっていたんじゃないかと思う。

 

「クソッ…どこに消えた…?」

 

 ドレッドは、ハンドガンを構えてアシビを警戒する。

 その直後、アシビがドレッドの背後から現れて、ドレッドの背中をナイフで斬りつけた。

 

「ぐぁ…!!」

 

「ドレッド!!」

 

 ドレッドは咄嗟に避けたから致命傷を負わなかったものの、それでも戦闘が困難になる重傷を負った。

 それでもドレッドは、立ち上がって叫んだ。

 

「走れ!!」

 

「っ…でも…」

 

「狙いは『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』だろうが!!こんな所で足止めてる場合じゃねぇだろ!!」

 

 ドレッドは、背中に傷を負いながらも、私に向かって叫ぶ。

 私は、彼が『ビーチ』でした事は絶対に許さない。

 だけど、今の彼の悪足掻きを無駄にするわけにはいかない。

 私は、最上階に向かって全速力で走った。

 

 ドレッドは、慣れた手つきでハンドガンのマガジンを交換すると、私を追いかけようとするアシビに向かって発砲する。

 アシビは、素早い動きでドレッドの撃った弾を避けると、スローイングナイフを投げつけてくる。

 私とドレッドは、咄嗟にナイフを避けたけど、私は一本避けるのをミスって左脚の太腿にナイフが掠った。

 

「あ゛っ!!」

 

 うぅ、痛い……!

 アイツ、何て身体能力してんのよ…!

 化け物かよ……!

 『ないと』ですらあの強さなんて…ますます『げぇむくりあ』が絶望的に思えてきた。

 

 クソッ、チクショウ…

 何でこんなクソゲーに参加しちゃったんだろ、私…

 こんな目に遭うくらいなら、ネズミ君とヤヨイちゃんが残るって言った時、私も一緒に残っとけばよかった…!

 

「うぅ……クソが…こんなところで、殺されてたまるか……!」

 

 私は、脚が痛むのを我慢して、全力で走ってアシビから逃げた。

 でも多分、このまま逃げてもアシビに追いつかれる。

 だったらもう、殺られる前に殺るしかない。

 何としてでも、アイツを仕留めないと…!!

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

アシビside

 

 俺の元の世界での職業は、ヒットマン…所謂殺し屋だった。

 生まれてすぐに売り飛ばされ、チャイニーズマフィアに買われた俺は、殺し屋として育てられた。

 父親はおろか、母親の顔も知らない。

 日本にある支部に転属する事になった俺は、『今際の国』に来る1ヶ月前から、日本人のフリをして日本に滞在していた。

 

 別に、人を殺す事に罪悪感は無い。

 俺にとって人を殺す事は、コーヒーブレイクとほとんど同じ感覚だ。

 だが、マフィアの犬として使われるだけの人生に、果たして意味はあるのだろうか。

 俺のいるべき場所が、他にあるんじゃないのか。

 時々、そう思った。

 ほんのささやかな願いは、天に届いた。

 

 『今際の国』に迷い込んだ俺は、初日で『♠︎6(すぺえどのろく)』の『げぇむ』に参加し、たまたま一緒に『げぇむくりあ』したキサガタと、ひょんな事から意気投合した。

 その後、クオンやケンゴと出会って、途中から4人で『げぇむ』を攻略した。

 『ねくすとすてぇじ』が始まったのは、俺が『今際の国』に迷い込んでから65日目の事だった。

 俺達がルーナに出会ったのは、『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』の『げぇむ』会場だった。

 ルーナと一緒に『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』を難なく『くりあ』した俺達は、『今際の国』の永住権を手にするか手にしないかの二択を与えられ、全員『今際の国』に残る事を選んだ。

 

 ルーナと一緒に『げぇむ』をしていて、わかった事がある。

 俺の本当の居場所は、ここだった。

 俺はこの国で、永遠にルーナと『げぇむ』をして生きていく。

 俺が生きる理由は、それだけでいい。

 

 

 

「………逃がさん」

 

 俺は、ルーナを追って最上階に向かった女を追おうとした。

 するとその時、背後からドレッドヘアーの男が俺に体当たりを仕掛けてくる。

 

「行かせるかよ…!!」

 

 …しつこいな。

 まだ暴れる元気があったのか。

 コイツは…確か、『ビーチ』とやらにいた猛者『ぷれいやぁ』の一人だったか。

 なるほど、道理でしぶといわけだ。

 ……だが、俺には及ばない。

 

「遅い」

 

「ぐぁ…!!」

 

 俺は、体当たりを仕掛けてきたドレッドヘアーの腹を、サバイバルナイフで突き刺した。

 これだけでは致命傷には至らないが、暴れれば出血多量で命を落とす程度には痛手を負わせた。

 今はコイツより、まずは逃げた女の始末が先だ。

 

「寝ていろ。貴様は後で殺してやる」

 

「クソッ……」

 

 俺は、腹を押さえながら倒れるドレッドヘアーに、そう言い残して女を追った。

 女を殺した後は、コイツも殺す。

 …まあ、どのみちあの負傷じゃ永くはないだろうがな。

 

 それにしても…あの女、よもやあの負傷でルーナに挑むつもりではあるまいな。

 どちらにしろ、敵の『ないと』を殺しておけば、後が楽になる。

 俺は、床に垂れた血痕を追った。

 血痕は、ひとつ上の階の一室の前で止まっていた。

 

 あの女…ルーナを追ったと思わせて、ここで俺をやり過ごすつもりだったか。

 だが、これでは逃げた場所が丸わかりだ。

 …所詮は素人か。

 

 俺は、ハンドガンで鍵を壊すと、脚でドアを蹴破った。

 どこに隠れても無駄だ。

 必ず引き摺り出して殺してやる。

 

 女の血痕は、ベランダに続く窓の前で途切れていた。

 念の為、周囲を警戒しながらベランダの前まで来た。

 部屋に罠は無い。

 迎撃態勢を取りつつ、ベランダの窓を開ける。

 

 ベランダには、女の血痕がついていて、ベランダの柵に服で作ったロープが繋がれていた。

 あの女…まさか、ベランダから飛び降りて下の階に逃げ込んだのか…!?

 周囲に狙撃手がいない事を確認してから柵に手をかけて下を覗いた、その瞬間だった。

 俺の顳顬に、銃弾が着弾した。

 

「がっ……!!」

 

 俺が右側を振り向くと、そこには、拳銃を構えた女がいた。

 クソッ……油断…した……!!

 この俺が、あんな女に……!!

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

リナside

 

「はぁ…はぁ……痛ぅうっ…!!」

 

 アシビが侵入した部屋の()()()()()()()()()に逃げ込み、手持ちの銃(グロック26)で奴を撃った私は、右肩と左脚の激痛に顔を歪めながらも、作戦がうまく行った事を心の中で喜んだ。

 さっきは、トラップを仕掛けた部屋に誘導しようとして失敗した。

 アイツに小細工は通用しない。

 アイツを迎え撃つのに身を隠せる場所を色々探したけど、どれも真っ先に殺される未来しか見えなくて、結局最後はベランダに追い詰められた。

 

 服でロープを作って下に逃げるか、隣のベランダに飛び移るかで迷って、服で作ったロープを囮に隣のベランダに飛び移る事にした。

 ウサギちゃん程じゃないけど、私だってバレーやってたから跳躍力にはそこそこ自信がある。

 隣のベランダに飛び移るくらいなら、この怪我でもできる。

 一瞬でも奴を油断させれば、こっちにも勝機がある。

 ベランダにロープが繋がれているのを見れば、いやでもそっちに注意が向く。

 あんな化け物を殺すには、これしか方法が無いと思った。

 

 アシビを罠に嵌めて顳顬を撃ち抜いた私は、周囲を警戒してから、念の為にもう一度撃ってトドメを刺そうとする。

 すると案の定と言うべきか、顳顬を撃たれたはずのアシビが、私に向かって銃を向けて発砲してくる。

 

「ひっ!?」

 

 嘘でしょ…!?

 頭を撃ったのに、何で生きてんのよ…!!

 まさか、頭に被ったフードに緩衝材でも仕込んでたわけ…!?

 せっかくここまで追い詰めたのに、死……

 

「ゼェッ…ゼェッ……」

 

 私が死を覚悟したその時、アシビに追いついたドレッドが、大型のハンドガン(ソーコムピストル)でアシビを撃ち抜いてトドメを刺した。

 今度こそアシビが絶命し、モニターに映った黒のナイトの駒にバツ印がつけられ、『ぷれいやぁ』チームの得点が0点から3点に変わる。

 これで、『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』チームとの点数差は10点。

 『げぇむ』を『くりあ』するには、『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』か、『くろのくいいん』と『くろのるうく』か『くろのびしょっぷ』を殺す事が必須になる。

 一番配点が低い駒を一人殺すまでに、こっちは13人も失った。

 幸先がいい…とは、言えないわね。

 

 ふとドレッドの方を見ると、お腹に血が滲んでいた。

 アイツ…あの後もアシビに刺されたのね。

 私がため息をつくと、ドレッドが私を見る。

 

「……おい。お前、元の世界で看護師やってたろ……治せ」

 

 ドレッドは、息を切らしながら言った。

 コイツのした事は、許さない。

 だけど結果的にコイツが私を助けた事に対しては、感謝しなきゃいけない。

 

「…わかったわ。そっち行くからちょっと待ってて」

 

 私は、ドレッドのいるベランダに行くと、持参した救急ポーチで応急手当をした。

 今すぐ『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』を追いたいのは山々だけど、今は怪我を回復させないと…

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

ヘイヤside

 

 だいぶ遠回りして弓矢の有効射程まで『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』に近づいた私は、『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』を狙って矢を放つ。

 さっきのレーザーにカタビラが巻き込まれて『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』に狙われてたけど、何とか私が間に合って、カタビラは殺されずに済んだ。

 レーザーの威力的に生きてるのがほぼ奇跡だけど、『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』チームの点が増えてないって事は、カタビラはまだ生きてる。

 つーか『きんぐ』が『るうく』を助けるとか、ジョブが逆転してる気がするんだけど。

 

 『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』は、私が放った矢を避けると、さっきまで持っていたスナイパーライフルからアサルトライフルに持ち替えて、私に向かって発砲してきた。

 クッソ、ライフルを二丁持ってるとか聞いてないし…つーかアイツ強すぎじゃね?

 何であんな隙だらけなのに、誰一人としてアイツに傷ひとつ負わせられないのよ…!!

 

「チッ、チョロチョロ逃げてんじゃねーよ!」

 

 『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』のいるタワーからそう遠くない高層ビルからニラギがスナイパーライフルで撃った弾を、『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』は横に転がり込んで回避した。

 『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』が態勢を立て直す前に、今度は毒矢で狙い撃つ。

 だけど『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』は、私の放った矢を顔のスレスレでキャッチして止めると、今度はピストル型グレネードランチャーを抜いて、私のいるビルに向かって銃口を向けてくる。

 

「ちょっ…そんなんアリ!?」

 

 やばっ、逃げないと…!!

 

 私が咄嗟に逃げた直後、『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』が撃ち込んできたグレネードが炸裂して、私のいるタワーの一角が吹き飛ぶ。

 危なかった…

 あと少し逃げるのが遅かったら、爆発に巻き込まれてた。

 クッソ、何か『♠︎7(すぺえどのなな)』に巻き込まれた時の事思い出してきた。

 このまま『げぇむおおばぁ』とかふざけんな。

 絶対、アイツを倒して生き残ってやる…!!

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

キサガタside

 

 俺の元の世界での職業は、総合格闘家だった。

 俺は、格闘技で頂点を獲るために、学生時代から常に己を高みへと押し上げてきた。

 だが俺はある日、とてつもなく分厚く、そして高い壁にぶち当たった。

 

 朱雀(スザク)

 当時の格闘技界の絶対王者。

 目元に傷のある、赤い眼をした男だった。

 自分に厳しく、ファンサービスや笑顔を全く見せない厭世家で、野性のままに生きる孤高の覇王という印象だった。

 今まで一度も負けた事がなかった俺が、ワンパンでノックアウトされて胃液を撒き散らした雪辱は、今でも鮮烈に覚えている。

 俺は奴を目標に掲げ、奴を倒す為だけに人生の全てを捧げてきた。

 奴から王者の座をもぎ取る事だけが、俺の生きる理由だった。

 

 だが俺は、結局一度も朱雀に勝つ事はできなかった。

 奴は事故で後遺症を負い、引退を余儀なくされた。

 後から聞いた話じゃ、嫁さんの親戚同士の集まりに行った時、落石事故に巻き込まれて、妊娠中の嫁さんを庇って重傷を負ったらしい。

 奴の引退はショックだったが、それはまだ耐えられた。

 

 今から10年前、俺は朱雀と積もる話をしに、奴の家を訪れた。

 金持ちの嫁さんと結婚したアイツは、城みてぇな豪邸に住んでいた。

 そこで俺は、信じがたいものを目の当たりにした。

 

「こんにちわ…えっと…たかなしひづる…3さい、です…」

 

「ヒヅルちゃ〜んよくできまちた〜!よ〜しよしよし!」

 

「やー、パパおヒゲジョリジョリするー!」

 

「どうだ弞三。オレの娘、超カワイイだろ。将来絶対美人になる。それに頭も良い。将来が楽しみだな〜!」

 

 久々に会った奴は、未だかつて見せた事のない満面の笑みを浮かべ、俺に見せびらかすように幼い娘とイチャイチャしていた。

 ハッキリ言って気色悪いと思った。

 奴は、しばらく見ない間に筋肉が落ちて痩せ細り、顔つきも柔らかくなっていた。

 俺を下した時の突き刺すような眼差しも、鬼神の如き覇気も、まるで感じられなかった。

 

 ふざけるな。

 ()()()()()

 俺がかつて超えようとしていたお前は、一体どこへ行ったというんだ。

 勝手に勝ち逃げして、他者を蹴落としてまで高みへ登る野性を捨て、こんなぬるま湯に浸かって、お前は、俺の知ってるお前じゃない。

 

 それから4年後、さらに俺を絶望のどん底に突き落とす出来事が起こった。

 奴が、嫁さんと大喧嘩して離婚した。

 かつて庭付きの豪邸に住んでいたアイツは、故郷の田舎に帰って、通院しながら家業を手伝う生活を送っていた。

 離婚した嫁さんに引き取られた娘が虐待まがいの扱いを受けているらしく、娘がいつでも逃げてこられるように貯金をしていて、金を一銭も無駄にしない為に質素な生活をしていると言っていた。

 

 格闘技界の絶対王者としてその名を轟かせていた頃の奴の面影など、どこにも無かった。

 俺は、こんな弱い男に負けたつもりはない。

 奴に勝つ為に捧げてきた俺の人生は、一体何だったんだ。

 頼むから……

 奴と共に己を高め合った頃の日常を、返してくれ。

 

 

 

「ゼェ…ゼェ…クソッ…!!」

 

「どうした?その程度か?」

 

 俺は、『ぷれいやぁ』側の『びしょっぷ』の一人、ミドーと拳を交えていた。

 弱い、弱すぎる。

 かつて朱雀に殺されかけた日を思えば、まるで取るに足らん。

 所詮は素人だな。

 俺は、初めて朱雀に負けた日に喰らったボディーブローを、ミドーの鳩尾に叩き込んだ。

 

「ぐふっ…!!」

 

 俺のボディーブローが直撃したミドーは、腹を抱えて倒れ込む。

 ふん、朱雀が俺に喰らわせた雪辱のボディーブローの重みは、こんなものじゃなかったぞ。

 俺がそのままミドーの首をへし折ってトドメを刺そうとした、その時だった。

 ミドーは、ハンドガンを抜いて俺に向かって発砲してくる。

 だが、ミドーが撃った弾は、俺の顔面スレスレを通っていった。

 いくら銃を持っていようが、当たらなきゃ意味がない、そう思った瞬間、上から勢いよく水が噴き出た。

 

「チッ…!!」

 

 上を見上げると、天井のスプリンクラーから大量の水が噴き出していた。

 コイツ…まさかこれを狙って…!?

 俺がスプリンクラーに気を取られた瞬間、ミドーが両腕で俺の首を絞めてくる。

 

「貰った…!!」

 

「がっ…げほっ…!!」

 

 クソッ、油断した…!

 この野郎、初めからこれが狙いで……!!

 早く何とかしねぇと、オチる…!!

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

ミドーside

 

 俺はキサガタがスプリンクラーに気を取られた一瞬の隙に、奴の首を絞めた。

 アマチュアだからと油断したんだろうが、隙さえ作れればこっちにも勝機はある。

 そのままキサガタの首をへし折ろうとした、その瞬間だった。

 

 

 

 ――パンッパァ…ン!!

 

 

 

「な……!?」

 

 銃弾が、俺の身体を貫いた。

 横を見ると、そこにはいつの間にか頭巾で顔を隠した女…『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』が立っていた。

 クソ…油断した……

 いつからいたんだ……

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

ニラギside

 

「ギャハハハハハ!!!見つけたぜぇ、ニラギくぅん!!」

 

「チッ…」

 

 俺は、『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』側の『くいいん』…クオンとかいう女から逃げていた。

 クオンは、クスリでもキメてやがんのか、ハイになってアサルトライフル(89式小銃)をぶっ放してやがる。

 クソッ、何で誰一人としてあの変態女を足止め出来ねぇんだ。

 こっちのチームの雑魚にはほとんど期待してなかったがよ…どうせ殺されんならせめて骨折くらいはさせとけよ。

 おかげで一発カスっちまったじゃねぇかよ。

 

「ガハッ、ゲホッ…!!」

 

 チッ…『♣︎K(くらぶのきんぐ)』の『げぇむ』ではしゃぎすぎたか…

 どのみちこりゃあ、永くねぇな。

 

「おいおい大丈夫か?苦しそうだな」

 

 俺が血反吐を吐きながら咳き込んでいると、クオンが面白そうに笑いやがる。

 クオンは、ライフルの銃口を俺に突きつけてきやがった。

 

「楽にしてあげる♡」

 

 あー、クソッ。

 ここで『げぇむおおばぁ』かよ。

 どうせなら、もっと楽しんどきゃあ良かったな。

 

 撃たれる、そう思った瞬間、何かが俺の目の前に飛び込んできた。

 ソイツは、俺に飛びついて思いっきり押し倒し、銃弾を回避したかと思うと、次の瞬間にはナイフで銃を真っ二つにしてクオンに飛びかかっていた。

 ヒヅル…新入りのガキの分際で俺ら武闘派のNo.4に成り上がった女だ。

 アサルトライフルの弾が肩に掠ったヒヅルは、クオンを睨みつけた。

 

「痛っ…てぇなぁ…クソ女」

 

「まぁたテメェかぁ…会いたかったぜクソガキぃぃ!!」

 

 ヒヅルが斬りかかると、クオンはバトルナイフで応戦しながら楽しそうに笑った。

 ヒヅルは、クオンとナイフを交えながら俺に話しかける。

 

「何となく『くいいん』がいそうな気がしたから()()()()()()()()…アンタこんなとこで何してんの」

 

「見てわかんねーのかよ、バカガキ」

 

「ごめん」

 

 俺が嫌味を言ってやると、ヒヅルが謝る。

 …チッ、謝ってんじゃねぇよ。

 こっちが調子狂うだろうが。

 

 ヒヅルとクオンは、ナイフと格闘によるシンプルな近接戦を繰り広げた。

 キ●ガイ女二人がナイフを振るう度に、銀閃が飛び交う。

 若干ヒヅルの方が押してはいるが、クオンも十分バケモンだ。

 不用意に近づけば、何が起こったのかもわからないまま輪切りにされんのは目に見えてる。

 俺は、銃弾がカスったせいか重くなった身体を引きずって、コイツらのナイフが届かない距離まで離れた。

 流石にこりゃ巻き込まれたくねぇからな。

 

「……誰が助けてくれなんて頼んだ」

 

 俺が話しかけると、ヒヅルはクオンと斬り合いをして火花を散らしながら答える。

 

「助けたつもりはない。オレはただ、この女を殺さないと気が済まないだけだから」

 

 助けたつもりはない…か。

 相変わらず生意気なクソガキだな。

 

 ヒヅルがナイフを振るうと、クオンがナイフで受ける。

 するとクオンのナイフがピシッと刃こぼれする。

 

「チッ…」

 

 クオンは、刃こぼれしたナイフを投げ捨てて一度距離を取り、素早くナイフを抜いた。

 ヒヅルが逃がすまいと目に留まらぬ速さで駆け抜けた、その瞬間だった。

 

「がはっ…!!」

 

 ナイフの間合いに入っていないはずのヒヅルの腹に、ナイフが刺さった。

 ギリギリで掴んで止めたおかげで致命傷は免れたが、決して浅くはない刺し傷からは血が溢れ出して滴る。

 …スペツナズナイフか。

 まあ不意打ちにはもってこいだわな。

 ヒヅルに傷を負わせたクオンは、ゲラゲラと高笑いした。

 

「アハハハハッ、やぁっと当たった!!」

 

 ヒヅルが痛みと動揺で怯んだ一瞬の隙に、クオンがヒヅルを斬りつけようとする。

 俺は、ナイフを振りかぶったクオンの腹に、懐に忍ばせておいたハンドガンの銃口を向けた。

 ガキに借りを作るなんざまっぴらだ。

 狩りってのは、獲物が獲物狙ってる時が一番チャンスなんだよ。

 

「ネーチャン、そりゃ悪手だぜ」

 

「っ!?」

 

 俺は、クオンに聴こえるか聴こえないかの声で呟いて、ハンドガンの引き金を引いた。

 クオンは反射的に退いたが、もう遅ぇ。

 避け切れなかった銃弾が、奴の腹にカスった。

 ヒヅルが怯んだおかげで、俺が割り込む隙が生まれた。

 チシヤ(ヤツ)の戦法をパクるのは癪だが、勝てりゃ万万歳だ。

 

 カスリ傷さえ与えりゃあ、あとはこっちのもんだ。

 クオンが怯んだ隙に懐に入り込んだヒヅルが、クオンの喉を思いっきり切り裂いた。

 

「がっ…!!」

 

 ヒヅルは、大量の血糊を浴びながらも、表情ひとつ変えずにクオンの身体を何度も切り裂いた。

 10回くらいは切り裂いたところで、クオンはニィっと笑みを浮かべ、ゴポッと大量の血反吐をぶち撒けて倒れた。

 血が飛び散ったモニターを見ると、黒のクイーンの駒にバツ印がつけられ、『ぷれいやぁ』チームの得点の表示が3点から12点に変わる。

 対する『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』チームの得点は、18点。

 あと2人殺されれば、『げぇむくりあ』する方法が『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』を殺す他なくなる。

 まぁ、どのみち『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』をぶっ殺す以外の勝ち方なんざ考えてなかったがよ。

 

 だがこの傷じゃ、すぐには動けねぇな…

 この状態で『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』を狙いに行ったところで、かえって足引っ張るだけだ。

 ヒヅルも、致命傷じゃないとはいえすぐに飛んだり跳ねたりはできねぇはずだ。

 となりゃあ、ここで体力を回復させるしかねぇわけだが…

 ……あ、そうだ。

 ガキとはいえ上玉が目の前にいる事だし、ちょうどいい機会だ。

 

 ヒヅルは、持参してきた水筒の水を腹にぶっかけて洗い流し、クオンの死体から剥ぎ取った服を破いて作った即席の包帯を自分の腹に巻いて止血すると、ナイフについた血をハンカチで念入りに拭いてから、バッと振り向く。

 

「次、『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』!!」

 

 そう言って駆け出そうとするヒヅルの手首を掴んで、血で汚れた床に押し倒した。

 そのまま馬乗りになって首を締めると、ようやく自分が何をされるのか気付いたのか、ヒヅルがキッと俺を睨んでくる。

 

「何するの……?」

 

「どうせ『げぇむ』時間はまだまだたっぷりあるんだ。景気づけに一発ヤっとこうぜ」

 

「そんな事、してる場合じゃない…」

 

 俺が首を絞めると、クソガキが俺を睨んできやがる。

 

「ぁがっ……!!」

 

 クソ生意気なガキの口に、銃を突っ込んで黙らせた。

 さっきのアシストで、銃弾から庇われた借りはチャラだ。

 何でコイツが消えた途端に、スカッとするどころか虚しくなったか、ようやくわかった。

 俺はまだ、コイツを壊してなかったんだ。

 コイツを犯して、穢して、壊しちまえば、俺は……

 

「ん゛っ…んんっ…!」

 

「ひゃはは、テメェもオレもどうせこの怪我じゃすぐにはここを動けねぇよ」

 

 ブラトップを引っ掴んで胸の上まで捲ってやると、巨乳が丸出しになる。

 ガキのくせにデケェ乳しやがって。

 生意気なクソガキは俺の趣味じゃねぇが、この際俺をムカつかせやがるこのガキに嫌がらせができりゃあ何でもいい。

 

「んーーーーっ!!」

 

 ヒヅルは、激しく暴れて俺から逃げ出そうとする。

 コイツ、チビのくせに何つー馬鹿力だ…!!

 

「おいおい、大人しくしろよ。『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』が来ちまうだろうが。何なら、今ここで頭吹き飛ばしてやろうか?」

 

 ヒヅルの口に突っ込んだ銃の引き金に指をかけると、ヒヅルはようやく大人しくなった。

 ズボンをパンツとスパッツごとずり下ろしてきつく閉じた脚をこじ開けようとした、その時だった。

 俺の頭に、何かがコツン、とぶつけられる。

 

「……あ?」

 

 俺が部屋の入り口を見ると、ハンドガンを持った女と、ヒヅルが連れてきたガキが立っていた。

 ガキの手には、石が握られていた。

 

「あなた、こんなところで何してるの…!?」

 

「おっ…お姉ちゃんをいじめるな…!」

 

 女は震えた手でハンドガンを構えながら俺に話しかけ、クソガキは震えた声で俺を睨みつけた。

 こんな弱そうなのがまだ生きてやがったのか。

 俺がそう思った、その瞬間だった。

 

「おらあああああああっ!!」

 

「っ…がはっ!!」

 

 俺がヒヅルから目を離した隙に、ヒヅルが俺の脇腹に思いっきり膝を入れてくる。

 堪らず俺がよろけながら血反吐を撒き散らした瞬間、ヒヅルは横に転がって俺から逃げた。

 ヒヅルが俺から離れると、女が俺にハンドガンの銃口を向けてくる。

 

「チッ…!!」

 

 あー、クソッ。

 邪魔が入った。

 ヒヅルが両手首の紐を噛みちぎって拘束を解いていると、ガキがヒヅルに駆け寄って両手を肩に添える。

 

「お姉ちゃん、大丈夫!?」

 

「げほっ、げほっ…平気……何とも、ないから…どっかに隠れてろ…」

 

 ガキがヒヅルの肩を揺すると、ヒヅルは腹を押さえながら答える。

 さっき布で縛った腹の傷口からは、血が滲み出ていた。

 

「待って、動かないで!今手当てするわ」

 

 女は、急いでヒヅルに駆け寄って応急処置をした。

 ガキは、ヒヅルに寄り添いながら、怯えた目で俺を睨んできやがる。

 どいつもこいつも、どこまでも俺を苛立たせやがる。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

ケンゴside

 

 俺の元の世界での職業は、eスポーツプレイヤーだった。

 小学生の頃、地元でメチャクチャゲームが上手いって有名な高校生の先輩に一度だけゲームで勝って、将来食っていくならこれだって思った。

 毎日ゲームやって、大会に出場して賞金を獲得して、俺の人生はそれで満たされていたはずだった。

 なのに俺の両親は、『いつになったら就職するんだ』だの、『いい歳してゲームばっかりやってて恥ずかしくないのか』だの、口を開けば文句ばかりだった。

 事あるごとに、一流企業に就職した兄貴と俺を比べて、嫌味ばかり言ってくる。

 別に親の脛を齧っているわけでもなく、きちんと自分の家に住んで、自分の力で稼いだ金で生活してるってのに、一体何が不満だっていうんだ。

 独り立ちした子供に世間体を求めるなんて、押し付けがましいにも程がある。

 

 

 

 『今際の国』に迷い込んだ俺は、初日で『♢6(だいやのろく)』の『げぇむ』に参加し、『げぇむくりあ』した。

 その後、クオンやキサガタ、アシビと出会って、途中から4人で『げぇむ』を攻略した。

 『ねくすとすてぇじ』が始まったのは、俺が『今際の国』に迷い込んでから60日目の事だった。

 俺達がルーナに出会ったのは、『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』の『げぇむ』会場だった。

 ルーナと一緒に『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』を難なく『くりあ』した俺達は、『今際の国』の永住権を手にするか手にしないかの二択を与えられ、全員『今際の国』に残る事を選んだ。

 

 俺は、誰も俺の才能を否定しないこの『今際の国』と、俺を強者として認めてくれるルーナが好きだ。

 俺は、この国で永遠に殺し合いをする為に生まれてきたんだ。

 

 

 

「ぐふふふふ…よもや『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』側の最終兵器がこのオレ様だとは誰も思うまいて」

 

 俺は、ルーナがグレネードを発射して爆破した反対側のタワーの様子を記録した監視カメラの映像を眺め、敵の『きんぐ』の位置を確認してからスマホを操作した。

 俺のメインウェポンは、この国にだけ存在するレーザー砲だ。

 すさまじい衝撃波を放ちながら降り注ぐこのレーザー砲は、その気になればなれば地形を変形させるレベルのレーザーを放つ事ができる。

 

 だがこの武器の欠点は、あまりにも強力すぎて場所と威力を選ばないと『げぇむ』会場そのものを消しかねない事、そしてエネルギーを充填する為に発射までに時間を食っちまう事だ。

 だから俺は、『げぇむ』の終盤まで何もせずにコソコソと隠れてなきゃいけなかった。

 武器が弓矢だから、自分の安全を確保しつつ攻撃できる反対側のタワーを選んだんだろうが、それが仇となったな。

 

 狙いは敵の『きんぐ』がいる反対側のタワー、発射レベル6。

 さっき敵の『るうく』を殺そうとした時の威力は、レベル3だった。

 あの時は威力が弱すぎてうっかり殺し損ねたが、レベル6を喰らえばまず即死は免れない。

 『きんぐ』さえ死ねば、残りは全員『げぇむおおばぁ』。

 残念だったな、文字通りチェックメイトだ。

 

「撃つよぉ〜…撃っちゃうよぉ〜…さぁん、にぃ〜、いぃ〜ち…」

 

 俺がレーザー砲を撃とうとした、その瞬間だった。

 バキャッと音を立てて、俺の持っていたスマホ型のスイッチが吹き飛ぶ。

 振り向くと、後ろには、俺が重傷を負わせた敵の『るうく』…カタビラが立っていた。

 

「よぉ……探したぜ。さっきはよくもやってくれたな」

 

 そう言ってカタビラは、得物のハンドガンを構える。

 カタビラは、躊躇なくハンドガンを撃ちまくった。

 

「チッ……!!」

 

 俺は咄嗟に、カタビラの撃った弾を避けた。

 まさか、あの時重傷を負わせた奴に居場所がバレた上にここまで追い詰められるとは、想定外だ。

 …だが甘かったな。

 狙うなら、スイッチじゃなく、躊躇なく俺の頭を吹き飛ばすべきだった。

 こんな事もあろうかと、予備のスイッチを用意してあ──

 

「ウゼェんだよ、それ」

 

 声がした方を振り向くと、そこには敵の『きんぐ』のヘイヤがいて、弓矢を構えていた。

 な…んで…!?

 あり得ねぇ、なんでテメェがこっちにいる!?

 さっきまで反対側のタワーにいたはず…

 まさか、反対側の人影は、デコイ…!?

 

 俺が仮説を立てた瞬間、矢が俺の頭を穿った。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

ヘイジside

 

 俺とホロさんが『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』を探していると、モニターに表示されている黒のルークの駒にバツ印がつけられ、『ぷれいやぁ』チームの得点が12点から17点に変わる。

 

「17点…誰かが『るうく』を仕留めたのか…!?」

 

 これで、『くろのびしょっぷ』か、『くろのきんぐ』のどっちかを斃せば、俺達が逆転できる。

 俺とホロさんが廊下に出ようとした、その瞬間だった。

 

「キャアアアアアアッ!!!」

 

 『ぷれいやぁ』の女性の叫び声が、廊下の奥から聴こえた。

 『げぇむすたあと』の時点でこのタワーの最上階に待機していて、この階のどこかに身を潜めていたんだ。

 

「いやぁああ…!!来ないで…来ないでぇえ…!!」

 

 肩や脚を撃たれた女性は、泣いて身体を引きずりながらハンドガンを発砲していた。

 だが、途中で弾が切れて、カチッと引き金を引く音だけが響く。

 女性の目の前には、散々俺達が探していた女が、ハンドガンを構えながら立っていた。

 

「『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』…!!」

 

 そこにいたのは、『くろのきんぐ』こと『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』だった。

 

 

 

 『げぇむ』『ちぇっくめいと』

 

 難易度『♠︎Q(すぺえどのくいいん)

 

 残り196分

 

 生存者 14名

 

 

 

 

 




キサガタの年齢をミスっていたのに今気づきました。
他のキャラの設定をコピペしたのがそのままになっていたようです。
ここでチラッとヒヅルパパ情報。

朱雀(スザク)
42歳。
昔は日本初の格闘技の世界チャンピオンだったが、14年前に当時妊娠中だった妻を庇って事故に遭い、その際重傷を負って引退を余儀なくされた。
離婚した後家を追い出され、現在妻子とは別居中。
ゴリゴリの武闘派からマイホームパパに転身してキサガタから理不尽な恨みを買った不憫な人。

♡J編にオリキャラを登場させるつもりなんですが、定員を増やすのと原作通り20人で進めるのとどちらがいいですか?

  • 人数増やす
  • 原作通り20人で進める
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