Hedgehog in Borderland   作:M.T.

60 / 90
はあとのじゃっく(2)

ヘイジside

 

 『げぇむ』『どくぼう』。

 難易度『♡J(はあとのじゃっく)』。

 

 制限時間は1時間。

 最後の5分間だけロックされる『どくぼう』の中で、自分の首輪に現れたマークを当てれば、次のターンへと進める。

 

 『♡J(はあとのじゃっく)』が『げぇむおおばぁ』になれば、残った『ぷれいやぁ』は全員『げぇむくりあ』。

 生存者が残り2人になれば、『♡J(はあとのじゃっく)』唯1人が『げぇむくりあ』。

 

 禁止事項は3つ。

 ロックされた『どくぼう』内に2人以上がいた場合。

 他者の『どくぼう』への入室を妨害した場合。

 他者を自力で解答できない状態にした場合。

 

 

 

「いかに人を、信用させるかの…『げぇむ』!?それって…どういう意味なの…?」

 

 アイゼンさんの言葉に、サトミさんが反応する。

 するとアイゼンさんが口を開いた。

 

「さぁ…とにかく、『♡J(はあとのじゃっく)』はこの中に1人しかいないわけですし、敵の出方もわからない今は、皆さんがなるべく協力し合う方向で、進めてみませんか?」

 

 アイゼンさんは、右手の人差し指を立てながら提案する。

 するとイッペー君が手を挙げる。

 

「オ…オレは賛成だぜ!全員の前で堂々と、1人ずつ自分のマークを皆に教えて貰えばいい!そうすりゃ、絶対ウソなんてつけねーだろ?『♡J(はあとのじゃっく)』がボロを出せば、全員が生き残るかもしれねぇんだ。無闇に疑って、殺し合う必要なんてねーよ!!」

 

「ウン、それいいね!ウルミ乗った!」

 

「じゃ…じゃあ、オレも…」

 

「私も…いいですか?」

 

 イッペー君がアイゼンさんの提案に乗ると、クマ耳パーカー女子のウルミ、カケルさん、カネコさんの三人も提案に乗った。

 『♡K(はあとのきんぐ)』の時は、1ターン目は話すら聞いてくれない人がほとんどだったけど、今回は協力的な人がいて良かった。

 平和的に『げぇむくりあ』できるなら、それに越した事はない。

 

「オーケー、乗った」

 

「あの、私も…」

 

 俺とダイナも、イッペー君の提案に賛成した。

 だけど他の皆は、手を挙げなかった。

 

「あれ…こんだけなのか…?」

 

 俺を含めて5人しか賛成しないこの状況を見て、イッペー君が困惑する。

 するとミノーも手を挙げた。

 

「まーそれもいいけど、まずはもうちょい『♡J(はあとのじゃっく)』を絞ってみねースか?『♡J(はあとのじゃっく)』っていうからには男っしょ!女は除外していいのかな?」

 

「女性ではない可能性は高いですが、男性と決めつける根拠が弱い。先入観は危険ですね」

 

 ミノーが言うと、アイゼンさんが返す。

 

「その意見にはオレも賛成だ。実際、『♡K(はあとのきんぐ)』は女のフリをして参加者の中に紛れ込んだ男だったからな」

 

 アイゼンさんの言葉に俺が賛成しつつ『♡K(はあとのきんぐ)』の生還者である事を打ち明けると、他の参加者達のどよめきが廊下に反響する。

 他の皆が混乱する中、メイサさんが俺に尋ねる。

 

「ちょっと待って…あなた、『♡K(はあとのきんぐ)』を倒したの!?」

 

「ああ。この『げぇむ』みたいに、参加者の中に紛れ込んだ絵札の主を探し出す『げぇむ』だった」

 

 俺がメイサさんの言葉を肯定しながら、頭に被っていたパーカーのフードを脱いで顔を見せる。

 すると、他の参加者達が動揺する。

 正直、俺が『♡K(はあとのきんぐ)』を倒した事は、皆の前で話すかどうかすごく迷った。

 だけど『♡K(はあとのきんぐ)』を倒した奴がいるって事実を『♡J(はあとのじゃっく)』に突きつける、それだけでも殺し合いの抑止力にはなる。

 この状況で俺を騙して殺そうとする奴は、それこそ『♡J(はあとのじゃっく)』か、トドロキさんの時みたいな絵札の主の手先…それか余程のバカだ。

 どのみち、『♡J(はあとのじゃっく)』に先手を打たれたら負けなんだ。

 だったら後手に回ってる場合じゃない。

 

「とにかく、『♡J(はあとのじゃっく)』の出方がまだわからないうちは、この場にいる全員が容疑者と考えるべきだ。思い込みで誰かを盲信するのも、逆に疑って蹴落とすのも、リスクがデカいんだよ。アイゼンさんやイッペー君の言う通り、皆で協力し合って焦らずに『♡J(はあとのじゃっく)』を探すのが定石だと思う」

 

「あっ、ちなみに私とヘイジさんは『♡J(はあとのじゃっく)』じゃないですよ。私達、前に『♡9(はあとのきゅう)』を一緒に『くりあ』した事があるので」

 

 俺が言うと、ダイナも自分と俺を指差しながら言った。

 するとイッペー君が俺に話しかける。

 

「アンタ達、顔見知りだったのか?」

 

「まぁ…一応」

 

 イッペー君が話しかけてきたので、俺はダイナと面識がある事を正直に答えた。

 

「一緒に『げぇむ』を『くりあ』した事があるって事は、この二人が『♡J(はあとのじゃっく)』じゃないのは確定って事でいいんスかね」

 

「断定はできませんが…『♡J(はあとのじゃっく)』の可能性は低いでしょうね」

 

 ミノーが言うと、アイゼンさんは顔の前で手を組んで営業スマイルを浮かべながら言った。

 すると、カケルさんが何かを閃いた様子で右手を挙げる。

 

「そうだ!オレ、いい事思いついたぜ!自分のマークは、コイツらに教えてもらえばいい!」

 

 カケルさんは、俺とダイナを指しながら言った。

 それを聞いたイッペー君とカネコさんは、俺とダイナを見る。

 

「そっか、この二人はオレ達の中じゃ『♡J(はあとのじゃっく)』の可能性が一番低いから…」

 

「確かに…『♡J(はあとのじゃっく)』じゃないなら、嘘をつく理由がないですしね」

 

「んじゃ、オレのマーク頼むわ!」

 

「あの…わ、私も…」

 

 皆で協力して生き延びる方針に協力的だったイッペー君、カケルさん、カネコさんは、俺のところに来た。

 するとその時だった。

 

「行った奴は脱落確定だな!」

 

 ヤバが、俺にマークを聞きに来た3人に向かって言った。

 イッペー君は、いきなり否定的な発言をしてきたヤバに反論する。

 

「何でそんな事がアンタにわかるんだよ!?」

 

「その青年にマークを聞くだけ無駄だ。ソイツらには、お前達に本当のマークを教える理由が無いのだからな」

 

「は!?どういう事だよ!?」

 

「まだわからんのか?その2人は、身内以外の人間に片っ端から嘘を教えるだけで『げぇむくりあ』できてしまうのだぞ。既に安全圏にいる者が、赤の他人に易々と本当のマークを教えると本気で思っているのか?」

 

「そんな!私は嘘のマークを教えたりなんかしません!股が裂けても!!」

 

 ヤバが他の参加者の不信感を煽るような事を言うと、ダイナが反論する。

 …それを言うなら、『口が裂けても』だろ。

 

「それともお前達の中に、ソイツらの信用を得て、あわよくば身内同士の信頼関係を崩そうとしている『♡J(はあとのじゃっく)』がいたりするのかな?」

 

 ヤバが心なしか面白そうに言うと、さっきまで俺にマークを聞きに行こうとしていたカケルさんとカネコさんが後退りをする。

 他の参加者達も、俺とダイナを警戒して距離を取った。

 コイツ…初っ端から皆で協力して『げぇむくりあ』する方針を潰してきやがった。

 

 …きっと、今の皆に俺が何を言っても、聞く耳を持ってくれないだろう。

 でも、だからって何もしなかったら、『♡K(はあとのきんぐ)』の二の舞だ。

 根気よく、皆と信頼関係を築かないと。

 

「オレは、誰かに嘘をついて殺したりなんかしない。もし、オレ達を信用してくれるって人がいるなら…いつでも声をかけに来てくれ」

 

 俺は、他の皆に協力を呼びかけた。

 だけど皆は、俺を警戒して離れていった。

 

「ちょ…皆どこに…!?」

 

 イッペー君は、去っていく皆を呼び留めようとした。

 そんな皆を見て、ミノーがポツリと呟く。

 

「一致団結って、難しいんスねー」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 あの後、皆はいくつかのグループに分かれた。

 クマ耳パーカー女子のウルミ、カケルさん、カネコさん、サトミさん、ヒビノの5人は、イッペー君のチームに加わった。

 俺がトイレに行っている間にダイナが皆に協力を持ちかけていたらしく、ダイナがトボトボと俺のところに来る。

 …この様子だと、無理だったみたいだな。

 

「ヘイジさん…ダメでした。皆、全然話を聞いてくれなくて…」

 

 全然話を聞いてくれなかった、か…

 

「…なぁ。ちなみに、何て声を掛けたんだ?」

 

「えっと…『尺八でも本番でも何でもしますから話を聞いてください』って…」

 

 …………。

 

 …うん。

 そりゃあ、断られるに決まってるだろ。

 

 というか、こんな状況だからって簡単に身体売るなよ…

 ダメ男に引っかかりやすいのって、そういうとこなんじゃないかな。

 

「やめてくれマジで…信用失くすだけだから」

 

「ご、ごめんなさい…癖でついやっちゃいました…」

 

 癖って…

 自虐癖が身体に染み付いてんのか。

 どんだけ今までの彼氏達に乱暴に扱われてたんだよ。

 

「…もういいよ。話し合いはオレがするから。ダイナはこの刑務所内を探索してくれ。何か気付いた事があったら、どんな事でもいいから報告してほしい」

 

 ダイナが泣きながら謝るので、俺はダイナを落ち着かせた。

 とりあえず、話を聞いてくれそうな人を冷静に見極めないとな…

 

「現金は今数万円しかないけど、ブラックカードにゴルフの永久会員券もあるわ!空の小切手、見た事ある?あなたの望むものは何でもあげるから、私のマークを教えてよ!」

 

 メイサさんは、ミノーの前でブランド物の財布を広げて見せていた。

 彼女は、元の世界では裕福な人だったんだろうけど…彼女が持っているものはどれも、この国では価値のないものだ。

 じゃあマークを教えてやる、となる奴はいない。

 

「ウーム、見えますぞ!迷えるあなたの行く道が!神の声は儂にのみ聴こえます。まずは儂を信じなさい」

 

 教祖らしき男性、ロクドーさんは、帽子の女子のタケダさんを自分の信者にしようとしていた。

 何とかタケダさんを信者にする事はできたみたいだけど…まあ、2、3ターンが限界だろうな。

 

「相手にマークを教えるのを躊躇う気持ちもわかります。この状況じゃ誰だって初対面の相手を警戒しますよね。…では、私が先にあなたのマークを教えるか、あなたが先に私のマークを教えるかでは、どちらがいいでしょう?」

 

「えっと、じゃあ…あなたが先なら…」

 

 アイゼンさんは、エイコさんからマークを聞き出そうとしていた。

 アヤカ程じゃないが、あの人の人心誘導の技術はかなりのものだ。

 おそらく、元の世界では営業マンか何かだったんだろう。

 だがアヤカとは決定的に違うのは、あの人は他人を一切信用していない。

 

 となると、残りは…

 

「まずはオレの計画(プラン)を聞いてくれ。協力するかどうかは、アンタに任せるよ」

 

「いいわよ。そのプランとやらを聞かせてもらおうかしら」

 

 左眼の下に傷のあるミツルギさんと、()()()()のカリヤさんがパートナーになったみたいだ。

 平和的にこの『げぇむ』を攻略するなら…あの2人と早いうちに信頼関係を築いておきたいところだ。

 

「大船に乗ったつもりでいろ。私に従ってさえいれば、私がお前を生かしてやる」

 

「…ヤバさん」

 

 さっきのスーツの女性、コトコさんは、すっかりヤバに心酔していた。

 ヤバは、主体性の弱いコトコさんに目をつけ、コトコさんをパートナーに選び他の参加者と関わらせないようにしている。

 この『げぇむ』は、一人と絶対的な信頼関係があれば生き残れるからな…

 …まぁ、コトコさんが『♡J(はあとのじゃっく)』か、トドロキさんの時みたいな『♡J(はあとのじゃっく)』の手先じゃなければの話だが。

 

「僕と、友達になろう」

 

「…は、はい…」

 

 バンダは、右眼を前髪で隠したエンジさんとペアを組んでいた。

 エンジさんは、この短時間ですっかりバンダに懐柔されている。

 …それにしても、エンジさんは何で危険人物のバンダをパートナーに選んだんだろうか。

 バンダが殺人鬼だって事を知らないのかな。

 

「…イジさん。ヘイジさん!」

 

 急に後ろから声をかけられ、ハッとして振り向くと、ダイナが後ろに立っていた。

 

「あっ、ごめん。何?」

 

 …全然気づかなかった。

 考え事してると周りが見えなくなる癖、直さないとな。

 

「えっと…食糧庫からお菓子と飲み物持ってきたので、良かったらどうぞ」

 

「ありがとう」

 

 ダイナは、食糧庫から紅茶とビスケットを持ってきてくれた。

 俺とダイナは、二人で袋に入ったビスケットを分け合いながら、互いに報告をし合った。

 ダイナは、食堂と食糧庫を調べてくれていたらしいが、その話を聞いて俺はこの『げぇむ』の主催者である『♡J(はあとのじゃっく)』の周到さと狡猾さに、顔を引き攣らせずにはいられなかった。

 

 刑務所内は、鏡や窓ガラスが全て撤去されていて、窓は全て黒塗りされた鉄格子。

 塗装に使われている塗料はマット調で、自分の姿はほとんど映らない。

 厨房にある包丁や食器は全てセラミックで、全ての蛇口やシンクに艶消し加工が施されていたらしい。

 水面の反射を利用したカンニング防止のためか、コップや洗面器や鍋のような、水面が見える容器は一つもない。

 さらには、水だと反射物になるから、トイレと浴室以外の水回りは全て、水の代わりにトマトジュースが出てきたそうだ。

 

 俺が今持っている紅茶の容器も、ペットボトルの代わりに白いプラスチックボトルにラベルが貼られている。

 今思えば、貴金属の持ち込み禁止という『るうる』は、金属製の持ち物でカンニングするのを防ぐ為だ。

 …本当に、ここには反射物になるものが何もないんだな。

 

「あの…このターンは私達だけでもマークを教え合いませんか?まずは、私達だけでもこのターンを生き延びないと…」

 

「ああ、そうだな」

 

「じゃあまずは私から教えますね。ヘイジさんのマークは、『♠︎(すぺえど)』です」

 

「…ありがとう。ダイナのマークは…『(だいや)』だよ」

 

 俺とダイナは、まずは二人でマークを教え合った。

 すると、その時だ。 

 

 

 

 ――ゴッ

 

 

 

 突然、俺達がさっきまでいた一般房の廊下から物音が聴こえてきた。

 俺とダイナが様子を見に行くと、そこには鼻や口から血を流して膝をついているセト君がいた。

 

「う…うあ…う…」

 

「あーあ。テメーがさっさとオレのマーク教えねーから、手が出ちまった」

 

 俺達の中で一番図体の大きいゲンキが、セト君を殴っていた。

 するとイッペー君とヒビノが止めに入る。

 

「ア…アンタ、何してんだよ!?」

 

「ひどい…殴るなんて…!!」

 

「…何、スットンキョーな事言ってんだ?『るうる』の禁止行為は、『他者を自力で解答できない状態にした場合』。つまり、自分の足で『どくぼう』まで歩けて口さえ利けりゃあ、何したっていいって事だよな?」

 

 ゲンキが言うと、他の皆が黙り込む。

 

「やめろ」

 

 俺は、セト君の前に立って、ゲンキを止めた。

 

「マークならオレが教えてやる。だからもう、彼に手を出すな」

 

 俺は、マークを教える代わりに、セト君を殴るのをやめるよう言った。

 代わりに誰かがマークを教えれば、セト君はこれ以上殴られずに済む。

 

「あ?バカかテメーは。テメェにマーク聞いたって意味ねーだろーが。どうせオレに嘘のマークを教えて殺すつもりなんだろ?そうすりゃあテメーは『くりあ』できるもんな」

 

「そんな事しない。アンタのマークは『♣︎(くらぶ)』。本当だ」

 

 俺が言うと、ゲンキはセト君をチラッと見たかと思うと、俺を見てニカッと笑う。

 

「へへっ、そうか。ありがと…よォっ!!」

 

「がはっ…!!」

 

 ゲンキは、いきなり俺の腕を掴んできたかと思うと、俺の腹に膝蹴りを叩き込んできた。

 俺はそのまま吹っ飛ばされて、後ろの鉄格子に背中を叩きつけられた。

 ゲンキに膝蹴りを喰らわされた俺は、膝をついて逆流した胃液を床にぶち撒けた。

 俺を蹴り飛ばしたゲンキは、セト君の髪を掴んで脅す。

 

「ひっ…!!」

 

「やっぱテメーから聞く事にしたわ。あのガキは信用ならねぇからな。さっさとオレのマークを教えてくれや」

 

「だ、『(だいや)』…!!」

 

 ゲンキがセト君を脅すと、セト君は咄嗟に嘘のマークを教えた。

 

「あなたのマークは…『(だいや)』です…」

 

 セト君がマークを教えると、他の皆が目を見開く。

 ゲンキは、セト君の目を見て、すぐにセト君の答えが嘘だと見抜いた。

 

「いーや嘘だな。まーだ反抗的な目ェしてるもんよォ。そりゃそうだろうよ。オレみてぇなイカレた野郎にゃ、真っ先にこの場から、消えてほしいだろうからなァ。ンナメたマネしてんじゃねーぞガキがァ!!いっちょ前にこのオレを、殺そうとしてくれてんのかァッ!!このボケがァッ!!ホントの事教えやがれ!!マジで殺すぞ!!アァッ!?」

 

 セト君に嘘を教えられて逆上したゲンキは、罵声をあげながら何度もセト君を踏みつけた。

 その様子を、他の皆は顔色を悪くして見ていたり、顔を背けたりしていた。

 ボロボロになったセト君は、床に臥したまま、今にも消え入りそうな声でゲンキのマークを教えた。

 

「………ら……ぶ。『♣︎(くらぶ)』で…す…」

 

 セト君が本当のマークを教えると、ゲンキはニカッと笑った。

 

「それで、いいんだよ。次のターンも頼むぜェ…自分のマークは自分で何とかしとけよ」

 

 そう言ってゲンキは、一人でどこかへと去っていく。

 するとダイナが、俺のもとに駆け寄って、俺の背中を摩ってくる。

 

「大丈夫ですか…?」

 

「ダイナ…お前、今までどこにいたんだ?」

 

「すみません…思いっきり気配消して隠れてました」

 

 判断が早いな…

 

「あの…こんな事あんまり言いたくないですけど、もう余計なお節介はやめた方がいいですよ」

 

 ダイナは、俺の口周りをハンカチで拭いてから、イッペー君達に介抱されているセト君を一瞥して言った。

 

「万が一にもヘイジさんが殺されたら、困るのは私です。他の人を救えても、自分が『げぇむおおばぁ』になったら意味ないじゃないですか。ヘイジさんが『げぇむおおばぁ』になったら私、もう生きていけないです…」

 

「……ごめん」

 

 ダイナが震える声で言うので、俺は俯いたまま謝った。

 これ以上ゲンキを刺激したら、ダイナにまで迷惑をかけちまう。

 かといって俺は、セト君を見捨てる事なんてできない。

 

「それより、そろそろ5分前です。早く『どくぼう』に入らないと…」

 

「ああ、そうだな……」

 

 俺とダイナは、『どくぼう』がある部屋のドアを開けた。

 あの後、結局セト君とメイサさんがイッペー君のグループに入って、全員がパートナーを見つけたみたいだ。

 俺は、『22』と書かれた『どくぼう』に入室した。

 すると『どくぼう』のロックがひとりでにかかる。

 

《制限時間5分前になりました。ロックされた5分の間に自分の首輪のマークを、口頭で当てて下さい》

 

「『♠︎(すぺえど)』」

 

 俺の声が、『どくぼう』の中で反響する。

 『どくぼう』の中で、5時間にも感じる5分間が過ぎていく。

 そしてとうとう、制限時間になった。

 

《制限時間になりました。1ターン目の生存者は、22名中22名。それでは次のターンも、パートナーを信じて頑張って下さい》

 

 アナウンスが流れると同時に、『チチチチチチ…』と2、3秒ほど首輪から小さな音が鳴り、やがてピタリと止まる。

 多分、俺の首輪のマークが変わったんだと思う。

 俺は、ロックが解除された『どくぼう』の扉を開けた。

 向かいの『どくぼう』から出てきたダイナの姿を見て、思わずため息が溢れる。

 

 …よかった。

 誰も死ななかった。

 

「誰も…死ななかった…」

 

「あの…ありがとう。あなた達のグループに入れてもらえなかったら…私今頃、どうなっていたか…」

 

 イッペー君は安堵の表情を浮かべ、メイサさんはイッペー君達に礼を言っていた。

 

「よくぞ儂を信じてくれたァー!!それで良いのですッ!!」

 

 ロクドーさんは、パートナーのタケダさんに大声で感謝を告げていた。

 ロクドーさんの勢いに、タケダさんは若干引いていた。

 

「あの…ヘイジさん。飲み物取りに行きたいので、ついてきてくれませんか?私、緊張したせいか喉乾いちゃって…」

 

 ダイナは、俺のパーカーの袖を引っ張りながら話しかけてくる。

 俺は、ダイナに付き合って一緒に食糧庫で飲み物を選んだ。

 ダイナが飲みたがっていたコーラが、ダイナの背だと届かない位置に置いてあったから、俺が代わりに取った。

 

「コーラで良かったか?」

 

「え、ええ…ありがとうございます」

 

 俺は、ダイナの分のコーラを取った後、自分の飲み物を取ろうとした。

 だけどその時、ある事に気がついた俺は、飲み物を選ぶ手を止めた。

 

「…なぁ、ダイナ」

 

「何ですか?」

 

 ダイナに話しかけた俺は、コソッとダイナに耳打ちする。

 すると、それを聞いたダイナは僅かに目を見開く。

 俺は、この『げぇむ』を『くりあ』する上で重要な事を、ダイナに話した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

ミツルギside

 

 2ターン目が始まってすぐ、またゲンキがセト君に暴力を振るってマークを聞き出そうとしていた。

 よりにもよって、さっきのターンでセト君を庇ったヘイジ君が席を外しているタイミングを狙うなんて、卑劣な奴だ。

 …俺も、人の事は言えないけどな。

 

「まだ手間かけさせてぇのかッ!?さっさと教えろよ!!いつになったらシツケを覚えんだテメェはよォォ!?」

 

「ス…イマセン…教えます…『(だいや)』…『(だいや)』です…だからもう…殴らないで…」

 

「次は2秒で教えろよ。でねーと指、折っちゃうから」

 

 セト君からマークを聞き出したゲンキは、一人で去っていく。

 

「あ…の…野郎…!!もう我慢できねー!!」

 

 立ち去ろうとするゲンキの背後に、イッペー君が立った。

 

「い…いい加減にしろよアンタ…こんなやり方…間違ってるだろ…!!」

 

「…………さてはお前、バカなんだろ?1人の答えだけじゃ心許ねぇと思ってたんだ。念の為にもう1人くれェ、聞いとこうか」

 

 そう言ってゲンキは、イッペー君を殴った。

 とてもじゃないが、見るに堪えない。

 奴はきっと、俺達の計画には賛同しないだろう。

 俺達の計画に引き入れるべきは、()()だ。

 

「行こうか、カリヤ」

 

「ええ」

 

 俺とカリヤは、廊下を出て食堂へ向かった。

 すると同じタイミングで、ヘイジ君が食堂から出てくる。

 

「ヘイジ君…だったかな」

 

「ミツルギさん…」

 

 俺とカリヤの姿を見て、ヘイジ君は安心したような表情を見せる。

 パートナーの女の子の姿が見当たらないが…一緒に行動してるんじゃないのか?

 

「パートナーの子は?今いないのか?」

 

「ああ、今トイレです。アイツ、コーラこぼしちゃって。大慌てで服洗いに行きましたよ。案外おっちょこちょいなとこあるんだなぁって…」

 

 俺が尋ねると、ヘイジ君は頭を掻きながら苦笑した。

 会場に入ってきた時は、猛者『ぷれいやぁ』特有の立ち振る舞いをしていたから一応マークしていたが、蓋を開けてみれば、イッペー君のような真面目で優しい青年だった。

 気の優しそうな彼が『♡K(はあとのきんぐ)』を倒したというのはにわかに信じ難いが、人を見通す力を持つ俺にはわかる。

 彼の言葉には、嘘偽りは一切ない。

 ヘイジ君は、信用に足る人物だ。

 

「ヘイジ君。君を信用できる人物だと見込んで、話がある。少しでいい。オレ達の話を聞いてくれないか?」

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

ヘイジside

 

 俺は、ミツルギさんとカリヤさんの話を聞く事にした。

 俺の理想は、誰も殺し合わずに『♡J(はあとのじゃっく)』を探し出す事だ。

 その方針に一番共感してくれそうだったのがこの二人だったから、話を聞く事にしたわけだが…

 

「『げぇむ』を降りる…!?」

 

「ああ…放棄するんだ。この国での無意味な殺し合いの一切を」

 

「…………」

 

 ミツルギさんとカリヤさんの提案は、殺し合いを放棄して、確実に半年は生きられるこの刑務所の中で穏やかに過ごすというものだった。

 確かに、無意味に殺し合って『げぇむおおばぁ』になるくらいなら、たとえこの中に『♡J(はあとのじゃっく)』がいたとしても、ここで食料が尽きて餓死するまで平穏に過ごしていた方がいいのかもしれない。

 きっとそれが、正しい選択なんだ。

 

 

 

「それにしても、最近の保存食ってクオリティ高いですよね」

 

 ニーナ…?

 何で、ニーナがここにいるんだ。

 それだけじゃない。

 アヤカとアイ、そして『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』まで…

 みんな、俺が殺した人達だ。

 

「ここには食糧が半年分ありますし、清潔なトイレとお風呂もありますし…外よりずっと快適ですよね」

 

「案外…刑務所暮らしってのも悪くないな」

 

「えー、アタシはもっと美味しいもの食べたい!ステーキとか、カルパッチョとか、アボカドディップのバーニャカウダとか!」

 

「食べすぎですよアヤカさん。太っても知りませんから」

 

 4人は、テーブルの上に広げたお菓子を囲んで談笑していた。

 ここにはないはずのティーカップが人数分置かれていて、まるで銃弾が貫通したような穴が開いている。

 

「あ、そういえば、皆さん知ってます?ヘイジさん、ヒヅルちゃんと一緒にいつか雪を見に行く約束してるんですって」

 

「何それ、超カワイイ!え、アタシも行きたい!」

 

「この国には夏しかありませんものね。雪といえば…行った事あります?横手のかまくら祭り」

 

「カマクラって、ダイブツで有名なあの?」

 

「アラヤダ違うわよぉ、そっちのかまくらじゃないわ」

 

「そうか」

 

 『♠︎Q(すぺえどのくいいん)』が天然発言をすると、他の3人が可笑しそうに笑った。

 そんな中、アヤカは穴の開いたティーカップに紅茶を注ぎながら口を開く。

 

「まぁ、アタシは自分の意思でこの国に残る事を選んだから、別にそれはいいんだけどさ。元の世界がそんなに楽しいなら、もっと足掻いてみればよかった」

 

 …もっと足掻いてみればよかった、か。

 

「それじゃ、そろそろ行かないと」

 

「そうですね」

 

 そう言って4人は、席を立つ。

 俺は咄嗟に、4人を呼び留めた。

 俺は、ニーナ達に尋ねた。

 

 俺は、これからどうすればいい?

 『♡J(はあとのじゃっく)』探しは、もうやめるべきなのか?

 生き残る為に『げぇむ』を続けて殺し合いに加担し続ける事が、本当に正しい事だって言えるのか?

 

「それを決めるのはアタシ達じゃなくてあなたよ、ヘイジ君。アタシはただ、アタシの望む生き方を選んだ。それだけよ。あなたにも、見つかるといいわね。悔いのない生き方が」

 

 アヤカが微笑んだその瞬間、4人は風に吹かれた砂のように消えた。

 

 

 

「…………」

 

 気が付けば、幻は消えて、俺の意識は現実に引き戻されていた。

 俺は、ポツリと口を開く。

 

「……なぁ。ミツルギさん、カリヤさん。さっきオレ、『♡K(はあとのきんぐ)』を『くりあ』したって話したよな。実は『♡K(はあとのきんぐ)』も、今回の『♡J(はあとのじゃっく)』みたいに、制限時間の無い『げぇむ』だったんだ」

 

「!?」

 

「アンタらのように、殺し合いを放棄して、『♡K(はあとのきんぐ)』との共生を選ぶ道もあったはずなんだ。それなのにオレは、『♡K(はあとのきんぐ)』を殺して、『げぇむ』を終わらせた。何でだと思う?」

 

「さぁ…どうして?」

 

 俺が話すと、カリヤさんが尋ねる。

 俺は、『♡K(はあとのきんぐ)』の『げぇむ』を思い出した。

 俺が『♡K(はあとのきんぐ)』で多くの犠牲者を出してしまったのは、犠牲になった人達に、俺の事を信じさせる事ができなかったから。

 そして何より、俺が心の底から、彼らの事を信用してやる事ができなかったからだ。

 

 信じる為に一番やらなきゃいけない事、それは本心を偽らない事だ。

 俺は、二人を信じる為に、本心を話す事にした。

 

「オレは、“死”にたくなかったんだ。オレは今まで、自分が生き残る為に人を蹴落としてきた。救えなかった命も、たくさんあった。オレは今、その人達に生かされてる。『げぇむ』を降りたら、オレの中で大事な何かが死んじまう気がした。だから『♡K(はあとのきんぐ)』を殺した」

 

「ヘイジ君…」

 

「……ごめんなさい。オレはどうしても、『げぇむ』を降りる事には同意できない」

 

 俺は、ミツルギさんとカリヤさんに頭を下げて謝った。

 俺が『げぇむ』を続ける道を選んだのは、死の恐怖に怯えている他の『ぷれいやぁ』達を助けたいからとか、『答え』を知りたいからとか、そんな綺麗な理由じゃない。

 

 俺は、死にたくなかったんだ。

 『でぃいらぁ』達を殺してまで、命懸けで『げぇむ』を『くりあ』して生き延びた。

 どんなに世界が残酷でも、俺の大切な人達と一緒に生きる為に、戦うって決めた。

 たとえ俺1人でも、戦らなきゃいけない。

 『生きる』っていうのは、そういう事だ。

 

 殺し合いが悪い事だって事くらい、知ってる。

 俺の考えが異常だって事もわかってる。

 だけどどうしても俺は、『げぇむ』の放棄には賛同できない。

 

「そうか…君なら、オレ達の理念に共感してくれると思っていたんだがな。時間をとらせてすまなかった」

 

 ミツルギさんとカリヤさんは、席を立った。

 俺は咄嗟に、ミツルギさん達を呼び止めた。

 

「あの!全員で協力して、皆で生き残る道を探すのには賛成です。オレも、誰かを疑って殺し合ったりしないように、皆を説得してみます」

 

 俺が声をかけると、ミツルギさんは一瞬足を止めて、俺の方を振り向いた。

 

「ありがとう」

 

 そう言ってミツルギさんは、カリヤさんと一緒に食堂を去っていく。

 しばらくして、ダイナが食堂に戻ってきた。

 

「ヘイジさん、何の話してたんですか?」

 

「あぁ…ちょっと、この国でどう生きていきたいかって話をな」

 

 俺が言うと、ダイナは首を傾げながら瞬きをする。

 その直後、ダイナは何かを思い出したように俺に何かを握らせる。

 

「あ、そうだ。はいこれ、ガム」

 

「えっ?」

 

「さっきのコーラのお礼です。美味しいですよ」

 

「あぁ…ありがとう」

 

 俺は、ダイナからガムを受け取った。

 ふと、壁に設置されたタイマーに目を向ける。

 残り時間はあと15分か。

 そろそろマークを確認しておきたいな。

 

「あのぅ…今回も一緒にマーク教え合いましょ。ヘイジさんのマークは、『(はあと)』です」

 

「それじゃあ、次はオレがダイナのマークを教えるよ」

 

「はい、お願いします」

 

 俺が言うと、ダイナは俺に背を向ける。

 ダイナの首輪のディスプレイには、『♣︎(くらぶ)』のマークが表示されていた。

 

「『♣︎(くらぶ)』」

 

 俺がマークを教えると、ダイナは安堵のため息をつく。

 ダイナが嘘をついている様子はなかった。

 

 …大丈夫。

 今回のターンも、俺達は生き残れる。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

セトside

 

 僕は、今回のターンもゲンキとかいう男に散々殴られた。

 奴は卑劣にも、さっきのターンで庇ってくれたヘイジさんがいないタイミングを狙って、僕を殴ってきた。

 僕だけじゃなく、僕を庇ったイッペーさんまで、奴に殴られてボロボロになった。

 

「ス…スイマセン…ボクの為に…ホントに…スイマセン……」

 

「い…いんだよ…オレが…正しいと思って動いただけの事だ…」

 

 僕が謝ると、イッペーさんは僕に気を遣わせないように無理して笑顔を浮かべた。

 僕にはその笑顔が、逆に心苦しかった。

 するとその時、ウルミさんが不満そうな表情を浮かべながら口を開く。

 

「あのさー、イッペー君。この際だからハッキリ言うよん。セト君は、グループから外した方がいいよ」

 

 ウルミさんは、僕とイッペーさんに冷めた目を向けながら言った。

 わかってはいた。

 だけどいざ現実を突きつけられると、理解が追いつかない自分がいた。

 

「何…言ってんだよ…!?こんな状況でコイツを見捨てたら…!!」

 

「これ以上この子と一緒にいたら、ウルミらにまで危険が飛び火すんのは目に見えてんじゃん。女の子だって大勢いるのに、もしもの事があった時に、イッペー君責任取れんの?どうしてもキミがセト君を見捨てられないって言うなら、ウルミ、このグループを抜けるだけだから」

 

「オレも…ウルミに一票かな…アイツはマジでやべーよ…」

 

「私もよ」

 

 ウルミさんがイッペーさんに反論すると、カケルさんとサトミさんもウルミさんに賛成した。

 カネコさんやヒビノさん、メイサさんも、口には出さないだけで、ウルミさんと同じ意見だった。

 

「……なあ、セト…今回だけはお前のマークを教えるよ…けど、もう…その次は…」

 

 イッペーさんは、僕の顔を見ずに言った。

 

「…いいんです。仕方ないですから…」

 

 これ以上食い下がったら、僕を庇ってくれたイッペーさんに迷惑をかけてしまう。

 僕は自分の足で、イッペーさんのグループを出て行った。

 グループを抜けた僕は、誰の目にもつかない場所で蹲った。

 

「これから…どうしたら…」

 

 あの男がいる限りきっと、次のターンでは誰も…

 僕にマークを教えてくれない…

 僕を庇ってくれたヘイジさんも、パートナーのダイナさんにまで危害が及べば、迷わず僕を切り捨てるに違いない。

 

 あの…男さえ…

 あの男さえいなければッ…!!

 

 

 

「『あの男を殺せ』」

 

 どこからか、声が聴こえてきた。

 

「暗く…くぐもった唸りが聴こえたのなら、それは僕じゃなく…君自身の声だ…」

 

 声がした方を振り向くと、僕が座っていた一般房の入り口に、バンダさんとエンジさんが立っていた。

 バンダさんは僕に歩み寄ると、ゆったりとした、抑揚のない声で僕に語りかける。

 

「あの男は、君の事を侮っている…いや、あの男だけじゃない…君を取り巻く全ての人間が、本当の君を知らない。僕には見える、青く、激しく滾る君の猛りが。僕だけが本当の君を理解する事ができる。君は今よりもっと高貴な存在になれる人間だという事を」

 

 そう言ってバンダさんは、僕に包丁を差し出してきた。

 

「さぁ、飛び立とう。あの男を殺せば君は、誰も手の届かない存在になれる」

 

「ハ…ハハッ!あなたに…どこまでもついていきます…!」

 

 バンダさんが包丁を差し出すと、エンジさんが笑った。

 バンダさんは…バンダさんだけが、本当の僕を理解してくれた。

 あの男さえ殺せれば、僕は……

 

 

 

 『げぇむ』『どくぼう』

 

 難易度『♡J(はあとのじゃっく)

 

 2ターン目 残り22名

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。