『
ヘイジside
俺達が『
『
「ただいま」
「ヘイジ…!!」
俺が皆との待ち合わせ場所に戻ると、ヒヅルが真っ先に駆け寄ってくる。
俺が戻ってきて安堵の表情を浮かべたヒヅルだったが、すぐに俺が脇腹を怪我している事に気がつく。
「ヘイジ、どうしたの…その怪我…」
「…ああ、ちょっとな……」
ヒヅルが心配そうな表情を浮かべるので、俺はバンダに刺された脇腹の傷を軽く撫でながら口を開く。
幸い内臓には刃が届いていなかったし、治療は数針縫って止血するだけで済んだ。
殺しはしなくとも、重傷を負わせる事だってできたはずなのに…バンダの奴、俺から『今際の国』の情報を聞き出す為にわざと軽傷で済ませたんだな。
「……誰にやられたの」
ヒヅルは、ギリっと歯を食いしばった。
俺が本当の事を言えば、きっとヒヅルはバンダを恨む。
だけど俺は、脇腹を刺したバンダの事は恨んでないし、そんな事はどうでもいいと思ってる。
10ターン目では、バンダの事を恨んでいるようなそぶりを見せたが、あれは『
『
もちろんセト君を焚き付けて死なせた事や、俺が9ターン目でのヤバの凶行を止めるのを邪魔したのは許さないが、今更蒸し返すつもりはない。
今は、『ぷれいやぁ』同士で恨み合ってる場合じゃない。
何より、こうしてまた皆と会えた事を喜ばなきゃいけない気がする。
「いいんだよ、ヒヅル。そんな事は」
「良くないよ…ヘイジにそんな傷を負わせた奴の事なんて、見過ごせるはずがないよ…」
俺が言うと、ヒヅルはふるふると首を横に振る。
俺は、俺の服の裾を掴むヒヅルの身体をそっと抱きしめた。
「もう、いいんだ…オレは、その気持ちだけで十分だから…」
俺がそう言ってヒヅルの背中に手を回すと、ヒヅルは俺の胸に顔を埋めた。
するとヒヅルが、俺に抱きついたまま唐突に口を開く。
「……ねぇヘイジ。さっきまで、女の人と一緒にいた?」
「えっ、何で…」
確かに、さっきまでダイナと一緒にいたけど…
お前、何でそんな事わかるんだよ。
俺が尋ねようとすると、ヒヅルは視線を下に落とした。
「……何となく」
「お前、エスパーか何かか?」
ニーナといい、ヒヅルといい、女の子って何でそういう勘が鋭いんだろう…
「立ち話も何だし…中入ってから聞かせてよ。『げぇむ』の話」
そう言ってヒヅルは、俺の手を取って仮宿の中に案内した。
俺は、ダイナと一緒に『げぇむ』を『くりあ』した事を皆に話した。
ダイナは、『げぇむ』を『くりあ』した後、一人でどこかへと去っていった。
今思えば、よくあんな奴とパートナーを組めたなと思う。
…そういえば、『
……思い出せないな。
◆◆◆
ダイナside
――あざぁした!皆さんのおかげで生き残れたっス!
――アキナ、行く宛がないならお前も『ビーチ』に来ないか?
――いえ!ジブン、人多いの苦手なんで!遠慮しときます!
「………あの時ジブン、何で素直にヘイジさんの指示に従っちゃったんスかねぇ」
そう言ってあの時の私は、変装を解いた。
「うふふふ、ヘイジ君。かっこよかったなぁ…またどこかで会えたらいいなぁ。うふふふっ」
ヘイジ君。
本当はね、私、ずっと前から君に会ってるんだよ。
『
あの時から私、あなたに一目惚れだったの。
いつかあなたの事、ぐちゃぐちゃに壊せたらいいな。
◆◆◆
ヘイジside
俺が『
「そっか…じゃあリーダーは、ダイナさんのおかげで『げぇむくりあ』できたんスね」
「そういえばネズミは、『
「ああ、オレが行った時はもうエントリー枠が埋まっててエントリーできなかったんス」
「そっか…」
既にエントリー枠が埋まってる…って事は、誰かが今『
一体誰が…
……まさかとは思うけど、チシヤだったりして。
「これで残る『げぇむ』はあと6種か…」
俺が言うと、クリハラさんはため息をついてから、メガネをクイっと上げて口を開く。
「いいや、
「……えっ?」
いや、6種だろ。
だって、今残ってるのは、『
俺が残っている絵札を数えていると、ヒヅルが俯いたまま口を開く。
「あのねヘイジ…謝らなきゃいけない事があるの…本当に、ごめんなさい……」
ヒヅルは、俺のパーカーの裾を掴んで口を開く。
えっ、何…?
すげぇ怖いんだけど。
「オレさ…ヘイジが一人で命懸けてるのに、何もできないのがもどかしくて…それで、ヘイジが『
「…………えっ?」
ヒヅル…お前、今何つった?
俺がいない間に、『
「オレらは止めたぞ」
クリハラさんは、呆れた様子でため息をつきながら言った。
いや、待って。
まだ状況が整理できてないんだが。
「『
「うん」
「たった一人で?」
「…途中で居合わせたクイナと一緒にだけど」
コイツ……マジかよ。
つい3日前まで死にかけだったのに、もう動き回る元気があんのかよ。
あと、『げぇむ』でクイナさんに会ったんだな。
クイナさんがいたって事は、アリス達は無事なのかな…
「なぁヒヅル。クイナさんがいたって事は、アリスとウサギ、それとタッタも一緒だよな。アリス達には会わなかったか?」
「…待って。まず、オレが『げぇむ』に参加した時の事を、順番に話すから」
そう言ってヒヅルは、『げぇむ』に参加した時の事を話し始めた。
◆◆◆
ヒヅルside
6時間前。
俺は、『
『げぇむ』会場は、世田谷区の三軒茶屋にある多摩武道館だった。
クリハラさんには大反対されたけど、制止を押し切って1人で『げぇむ』会場に来た。
俺が『げぇむ』会場に到着すると、見覚えのある人影がちょうど『げぇむ』会場に入ろうとしていた。
「クイナ…?」
「ヒヅル…!アンタ、こないな所におったんか」
「まぁ…ね。死んだと思ってた?」
「まさか。また会えると思てたで。ヘイジは?」
「今、『
「アリスとウサギは、『げぇむ』を降りた。せやから今は、ここにはおらん。タッタは……」
「……そう」
最後まで聞かなくてもわかる。
タッタは、『げぇむ』で命を落とした。
わかってはいた。
誰一人死なずに『げぇむくりあ』するなんて…そんな事ができる程、絵札の『げぇむ』が生易しくはないって事は。
「…タッタには、謝っておきたかったんだけどな。『ねくすとすてぇじ』が始まる前…酷い事言っちゃったと思うから」
俺は、俯きながら言った。
『腑抜け』だの、『黙って見てろ』だの、今思えば酷い事を言ったと思う。
……もう、謝る事も、できないんだね。
「…あかん、雨降ってきた。続きは中入って話そか」
「……うん」
クイナは、先に武道館の門をくぐった。
気のせいかな…俺には、クイナがタッタの死を思い出して泣きそうになるのを堪えているように見えた。
ーーー
エントリー数 無制限
げぇむ 『ちゃんばら』
難易度
ーーー
武道館の門をくぐると、最初に通されたのは、蔵のような部屋だった。
部屋のモニターには、♠︎Jの絵札が表示されている。
参加者は、俺とクイナを含めて15人いた。
部屋には、剣や棍棒、槍なんかの武器が大量に置いてあった。
ふとテーブルの上に目を向けると、三角スタンドが置いてあった。
ーーー
武器の持ち込みは可
ただし飛び道具のみ不可
ーーー
どうやら、蔵の中にある武器は自由に使っていいって事らしい。
他の参加者を見てみると、蔵の中にある武器を手に取っていた。
刃物好きの俺としては、眺めてるだけでテンション上がるけど、別にここに置いてある武器を使うつもりはない。
あんまり重い武器は機動力殺すだけだし。
暇だし、『げぇむ』が始まるまでは今まで参加した『げぇむ』の話でもしてよっと。
俺がクイナと話していると、他の参加者が話しかけてくる。
「おいおいネーチャン!そんな軽装で大丈夫か〜?」
「これは『
他の参加者は、この蔵の中にある剣やら棍棒やら盾やらを装備していた。
そんな参加者達に、クイナが呆れた様子で言い放つ。
「人の心配しとる暇があんなら、自分の心配せんかい。ウチは
「オレも…コレ1本で充分かな」
クイナが拳を握りしめると、俺もお気に入りのナイフを抜いた。
しばらくすると、蔵の反対側の扉がひとりでに開いた。
『げぇむ』会場に足を踏み入れると、会場の中心には巨大なリングが設置されていて、奥の少し高くなった台座みたいなところに人影が見えた。
そこは板張りの床になっていて、和装のジーサンが俺達に背を向けて刀を研いでいた。
「おぉ、これはこれは…えらいぎょうさん来はったなぁ。まだこないに生き残っとったとは…嬉しゅうてたまりまへん」
ジーサンは、俺達が『げぇむ』会場に足を踏み入れると、俺達の方を向いて座布団に座り直した。
「ようお越しやした。儂は
『
剣道家
「あのジーサンが…」
「『
『
『
だけどその前に俺は、『
「見えてない……?」
俺の勘だけど、多分『
だけど俺にとっては、そんなのは安心材料でも何でもなかった。
俺は、肌で感じていた。
盲目に老体というハンデを背負っていてもなお、その気になればここにいる『ぷれいやぁ』のほとんどを秒殺できるバケモンだって事を。
《げぇむ『ちゃんばら』。難易度『
「対戦って…ジーサン、アンタがオレらをまとめて相手すんのかよ?」
「ホンマはそれが一番ええんですけれども…儂は見ての通り老い先短いジジイやさかいに、皆はんをまとめて相手できる元気なんてあらしまへん。そこで皆はんには、ここにおる『今際の国』の国民全員と戦うていただきます。そこで勝ち抜いた人だけが儂と戦える…という事でひとつ、どうですか」
よく言うよ…
何が『ジジイだから全員を相手できる元気はない』、だ。
アンタがここにいる誰よりもバケモンだろ。
《皆様には、これから3つの『らうんど』に挑戦していただきます。『らうんど』を勝ち抜いた『ぷれいやぁ』のみが、次の『らうんど』に進む事ができます。『ふぁあすとらうんど』では、このリング上で『今際の国』の国民20名と戦っていただきます。反則ナシ。場外、降参、失神もしくは死亡した場合は即『げぇむおおばぁ』。30分が経過した時点で生存していた『ぷれいやぁ』は、『せかんどらうんど』進出となります》
「『今際の国』の国民20人って…」
「どこにいんだよ…!?」
アナウンスが鳴ると、他の参加者達が会場を見渡す。
すると『
全員が全員、刃のついた武器を持っている。
…なるほど、だから『ちゃんばら』か。
「ヒャハハハ!!久々に血ィ見れるぜ!!」
「おい見ろよ、女がいるぜ!!」
「あの女、良い身体してやがる。しかも上玉ときた!」
「チビの方も楽しめそうだぜェ、ぐひひっ」
うわぁ、コイツら本当に『今際の国』の国民?
今にも『汚物は消毒だ〜!!』とか言い出しそうな連中だなぁ。
まぁ、国民の中でも掃き溜めみたいな奴等が『ふぁあすとらうんど』を任されるんだろうけどさ。
「タダで死ねると思うなよ?オレ達は、リングの上でなら『ぷれいやぁ』を好きにしていいって、『じゃっく』に言われてる」
「お嬢ちゃん達、とことん運がねぇなぁ!死ぬまでオレらにここで可愛がられるなんてよ!」
うーん…何かコイツら自分達が勝つ前提だけどさ。
俺が『
っていうかクイナは男だけど…お前らそれでいいの?
「ねえ、一個質問いい?」
「構しまへん」
「制限時間内にコイツら全員ぶっ殺したらどうなんの?」
俺が言うと、『
そしてすぐに、豪快に笑い出した。
「おもろい事言いはるお嬢はんやな。そん時は、生き残りはった皆はんで『せかんどらうんど』に挑んでもらうで。まあ、出来たらの話やけど」
「オッケー、じゃあさっさとやろう」
「はっはっは、元気があるのはええ事やなぁ。ほんなら、皆はんリングに上がりなはれ。儂の開始の合図と同時に『げぇむすたあと』や」
『
『
開始の合図と同時に、『げぇむ』が始まる。
俺は、国民達から距離を取りつつ、素早くジャケットを脱いだ。
すると国民達が下品な目を向けてくる。
…何かこれ、デジャヴなんだけど。
「イかせてやっから、かかって来いよ」
脱いだジャケットを右腕に巻き付けた俺は、国民達を軽く挑発する。
すると案の定、下卑た表情を浮かべた連中が、俺のところにわらわら集まってきた。
俺は、お気に入りのナイフを抜くと、国民達の視界の外に逸れた。
「あれっ、消え──」
国民達の動揺を誘った俺は、そのまま適当に3人斬りつけた。
そのうち1人の首が、リングの上にゴトッと落ちる。
飛び散る血飛沫を見て、連中はようやく状況を理解した。
「望み通り逝かせてやったぜ、あの世にな」
そう言って俺が顔についた返り血を拭うと、連中は自棄を起こしたのか、武器を取って俺に襲いかかってきた。
最初からそうしとけよ、バカが。
「このクソガキィ!!」
「3人倒したくらいで、調子に乗ってんじゃねぇ!!」
バカ共は、俺目掛けて武器を振り回してくる。
パワーはなかなかだけど、『
俺は、襲いかかってきたチンピラをまとめてナイフでぶった斬って殺した。
チラッとクイナに目を向けると、チンピラがメイスを振り回しながらクイナをリングの際に追い詰めていた。
「おいおい、逃げんなよネーチャン!オレらと楽しい事しようぜ!」
そう言ってチンピラがメイスをブンっと振り回すと、クイナは姿勢を低くしてチンピラの攻撃を避けて懐に入り込んだ。
「お断りや!お前みたいなんは、これでも喰らっとけ!!」
「ぐはぁっ!!」
クイナが正拳突きを叩き込むと、直撃を喰らったチンピラは大きく仰け反って倒れ込む。
その瞬間、チンピラの頭をレーザーが貫いた。
そういや、ノックアウトでも『げぇむおおばぁ』って言ってたな。
「クソ、よくも!」
「セイッ!!」
クイナは、襲いかかってきたチンピラを空手の技でぶっ倒したり、相手の力を利用して場外に突き落としたりしていた。
なるほどね、追い詰められたんじゃなくて、リングの際に誘い込んだのか。
にしても、やっぱり本職の人って動きに無駄がないよね。
「よそ見してんじゃねぇ!!」
俺が思わずクイナの技に目を奪われていると、命知らずのチンピラが襲いかかってきたので、ナイフでぶっ刺して殺した。
…何つーか、絵札戦の割にはレベル低くない?
これじゃあ俺が初日に『くりあ』した『
『せかんどらうんど』は、もっと面白いのを用意してもらいたいもんだ。
開始から1分が経つ頃には、リングの上にいた国民は全員血溜まりの中に転がっていた。
『ふぁあすとらうんど』は、15人中12人が生き残った。
俺がナイフについた血を拭いていると、クイナが話しかけてくる。
「…えらい容赦ないな、アンタ。元の世界で何やっとったん?」
「ただの中学生。…父親が格闘技の元チャンプだけど」
「アンタのオトン、まさか朱雀か?」
「……知ってたんだ」
「知らん方がおかしいわ。日本人で初めてヘビー級の王者になったレジェンドやぞ。…なるほど、道理で中学生が今まで生き残っとったわけやな」
俺が目をぱちくりさせると、クイナが呆れ返る。
するとその時、『
「ほぉ、通過者は12人…か。思てたより生き残りはったなぁ。流石は猛者『ぷれいやぁ』の皆はんやなぁ。せやけど、本番はこれから。『せかんどらうんど』は、儂の選んだ戦士達と戦うていただきます」
『
歩き方からして、さっきまでの奴等とはレベルが違う。
ようやく、絵札の『げぇむ』らしくなってきた。
「『せかんどらうんど』は、私達が担当させていただきます。私は、
剣道家
得意ジャンル 『
「
槍術家
得意ジャンル 『
「
薙刀家
得意ジャンル 『
「
フェンサー
得意ジャンル 『
『せかんどらうんど』を担当する4人は、横に並んで挨拶をした。
4人はそれぞれ、日本刀、槍、薙刀、レイピアを携えていた。
「この4人は全員、
《『せかんどらうんど』の『るうる』説明。参加者は、戦いたい戦士を1人選んで戦っていただきます。『ふぁあすとらうんど』同様、『場外』、『降伏』、『意識不明』のいずれかの状態になった時点で『げぇむおおばぁ』。4ブロックに分かれて殺し合いをし、戦士を倒した参加者のみが、『さあどらうんど』に進出できます》
『ぷれいやぁ』全員が対戦相手を決めると、リングが4つに割れる。
4つに割れたリングの上には、『せかんどらうんど』担当の国民が1人ずつ立っていた。
俺は、対戦相手のオダがいるリングに移動した。
すると、俺と同じリングに上がったガタイのいいオニーチャンが話しかけてくる。
「なぁ、手を組まないか?」
「は?」
「オレ達の対戦相手は、今までの奴等とはレベルが違う。単騎で挑んだって、勝ち目は薄い。まずは全員で襲いかかって国民の体力を削るんだよ」
なるほどね。
自分が生き残りたいから、全員で奇襲をかけて国民を確実に殺すつもりか。
まあ、作戦としては悪くない…かな。
けどこれ、『
雑魚がいくら徒党組んだところで、その道のプロには勝てないと思うけど。
…でもまぁ、体力減らしとくに越した事はないか。
「…OK、協力して国民をぶっ殺そう」
俺はとりあえず、他の2人と協力する事にした。
まあ…どうせ生き残れないと思うけど、せいぜい頑張れ。
《それでは、『せかんどらうんど』、『すたあと』》
『せかんどらうんど』開始と同時に、他の2人がオダに襲いかかった。
だけど、その直後だった。
刀を抜いたオダは、日本刀を抜いてオニーチャンの持っていた武器を真っ二つに叩き斬ると、そのままオニーチャンを斬り捨てた。
「な…速……!!」
もう1人が呆気に取られていると、オダはもう1人の男を刀で真っ二つに斬った。
開始1分も経たずに2人を殺したオダは、刀についた血を振り払い、俺の方を向いて刀を構える。
「あとは貴女だけですね」
「そーだね」
オダと1対1になった俺は、ナイフを抜いてオダの正面に立つ。
「お手並み拝見」
「っ!!」
その直後、オダは一瞬で距離を詰めて斬りかかってきた。
俺は、反射的にオダの攻撃を避けて、ナイフで反撃をする。
あっぶな、避けるのが遅れてたら真っ二つにされてた。
さっきの有象無象とは明らかに格が違う。
俺は、オダの攻撃を避けつつ、お気に入りのナイフで応戦した。
「ねぇ。勝ったらその刀、コレクションにしていい?」
「…ほう、私に勝つつもりでいると?」
そう言ってオダは、俺に斬りかかる。
刀といえば、ラスボスに刀を見せてもらった事があったけど、動きの無駄のなさも、攻撃の重みも、ラスボスとは格が違う。
そういえば『
俺は、ナイフでオダの攻撃をいなしつつ、隙を見て斬りかかった。
金属音と火花が幾度となく飛び交う。
俺は、『
こんなところで手こずってる場合じゃないんだよね。
「いざ…!!」
オダは、さっきまでとは比べ物にならないスピードで斬りかかってくる。
どうやら向こうも、この一撃で決着をつけるつもりらしい。
俺は、全神経を極限まで集中させて、ナイフを振るった。
「が…はっ……!!」
俺の振り下ろしたナイフはオダの心臓に突き刺さり、持っていた刀も真っ二つに折れた。
オダは、大量の血を流しながら、その場で膝をついて倒れ込んだ。
「確かにさっきの奴等とは格が違ったよ。でも、オレが苦戦する程じゃないね」
このブロックの唯一の生存者となった俺は、リングを降りた。
確かに、思ったよりは強かった。
だけど殺しに特化したプロに比べれば、所詮はアマチュア止まりだね。
《Aブロック、決着。試合時間、3分47秒》
俺がリングの側面にもたれかかって他のブロックの決着がつくのを待っていると、隣のリングからクイナと、他の参加者2人が降りてくる。
他の参加者2人は、クイナのおかげで生き残れたらしく、クイナに礼を言っていた。
クイナは、腕や顔にかすり傷ができてはいたけど、次の戦いに支障出ないかな…?
《Bブロック、決着。試合時間、5分21秒》
「クイナ、大丈夫?」
「何やアンタ、人の心配なんぞするタチやったか?」
「だって…『
「…そないな事やと思うたで。安心せぇ、擦り傷や」
クイナが言うと、俺は安堵のため息をついた。
『
こんなところでくたばられたら、俺が困る。
俺とクイナが他のブロックの決着を待っていると、しばらくして他の参加者が2人、リングから降りてくる。
そのうち1人は、何度も剣で身体を刺されたのか、全身がボロボロになっていた。
「女2人が生き残るとはな。ま…せいぜい、『さあどらうんど』では足を引っ張らないでくれよ」
参加者の中では俺とクイナの次に強そうなオニーサンが、俺とクイナを一瞥して嫌味を言った。
するとクイナがカチンときた様子でオニーサンに詰め寄る。
「その台詞、そっくりそのまま返したるわ、ボケ」
「言っとくけどオレ、オニーサンの10倍は強いから」
嫌味を言うオニーサンに対して、クイナが煽り返すと、俺もクイナに続けてオニーサンを挑発するような事を言った。
その時、どこからかブザーが鳴る。
《全てのブロックの試合が終了しました。『せかんどらうんど』の通過者は、6名》
アナウンスの直後、『
俺達が階段を登って『
「よぉオダ君達を倒してここまで来はったなぁ。『せかんどらうんど』を通過したんは、皆はんが初めてやで」
「よく言うぜ、そっちは高みの見物してただけだろうが」
「そら申し訳あらしまへん。せやけど、前座はここまでや。約束通り、ここからは儂が皆はんのお相手をさせていただきます」
そう言って『
ここからが本番ってか…
…上等じゃん。
───今際の国滞在三十五日目
残り滞在可能日数
小鳥遊火鶴 121日
『げぇむ』『ちゃんばら』
難易度『
『さあどらうんど』 残り6名