Hedgehog in Borderland   作:M.T.

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【番外編その5】はあとのくいいん(1)

アリスside

 

 俺とウサギは、アウトドアショップで身なりを整えてから、最後の『げぇむ』である『♡Q(はあとのくいいん)』の『げぇむ』会場へ向かった。

 俺達が『♡Q(はあとのくいいん)』の『げぇむ』会場へ行くと、既に会場の前に人が集まっていた。

 そこには、見覚えのある人達もいた。

 

「あれって…もしかして…」

 

 俺とウサギが近づくと、門の前に集まっていた人達が振り向く。

 

「アリスっ!?」

 

「何やて!?」

 

「アリス君!」

 

「ウサギ!!」

 

「うおおおお前ら生きてたか!!」

 

「無事だったのね」

 

「アリス君!!」

 

「ウサギちゃん!!」

 

「アリス…さん…?」

 

 クイナやマヒル、クリハラさん、アン、リナ、ネズミ、ヤヨイ…『ビーチ』の皆が、俺達を見て喜んでいた。

 

「ハハッ…皆っ!!」

 

 俺は笑顔で、皆に声をかけた。

 すると見覚えのある男の子が、俺の方へ駆けつけてくる。

 

「ドードー…?ドードー…なのか…!?」

 

 ドードーは、俺に飛びつくと、俺の身体を強く抱きしめながら大泣きした。

 俺がドードーの頭を撫でていると、クイナがズカズカと歩み寄ってきて、俺にキツいゲンコツを喰らわせてきた。

 クイナは、『どんだけ心配したと思てんねんお前ら!!』と怒鳴ったかと思うと、らしくもなく涙を流しながら大声で泣いた。

 そんなクイナを見て、俺とウサギも、つられて泣いた。

 俺達は、1週間ぶりの再会を喜び合った。

 

 

 

「何か…久しぶりに笑ったな…」

 

「ああ」

 

「私も…」

 

「まーな!」

 

 俺達は、久々に皆で笑い合った。

 この日初めて会ったヘイヤやカタビラさん、トカゲやメイともすぐに打ち解けた。

 

「じゃあ、そろそろ行くか」

 

 俺が声をかけても、皆は立ち上がらなかった。

 

「もしかして、誰かが今『げぇむ』に参加してる最中なのか?でなきゃ何で皆して会場の前で…」

 

「これよ」

 

 俺が尋ねると、アンが答える。

 アンが指した方を見ると、『エントリー数無制限 制限時間なし』『武器等の持ち込み可』と書かれた貼り紙が、門に貼ってあった。

 

「確かに…不気味だな…」

 

「よりによって、最後の『げぇむ』は心理型の『(はあと)』、せっかくここまで協力して生き残ってきた私達が…最後に来て醜い本性を曝け出して、互いに殺し合う展開だけは、避けたいところでしょ?」

 

 アンは、最後の『げぇむ』を警戒しながら口を開いた。

 するとクリハラさんも、顔を引き攣らせながら口を開く。

 

「しかも、『♡J(はあとのじゃっく)』と『♡K(はあとのきんぐ)』を倒した経験者(ヘイジ君)の証言を聞かされちゃあ…なぁ」

 

「いやー…『♡K(はあとのきんぐ)』みたいな『げぇむ』には二度と参加したくないね」

 

 クリハラさんが言うと、トカゲが青ざめながら苦笑いを浮かべ、メイも激しく頷いていた。

 どんだけヤバい『げぇむ』だったんだよ、『♡K(はあとのきんぐ)』…

 

「けど…じゃあ誰が行くんだって話になると…」

 

「ねぇ…」

 

 クリハラさんやトカゲから他の『(はあと)』の『げぇむ』の内容を聞かされたからか、他の皆が言葉を濁す。

 するとクイナが啖呵を切る。

 

「こん中の誰かを人身御供になんかできるかいな!ここまで来たら、全員で参加したらええやないかい!」

 

「誰かが行ってくれるなら、アタシはその方が助かるけどね。行きたい人が行けばいいってのが原則じゃん?」

 

「この人選が既に、『(はあと)』の心理戦の第一段階ってところなのかな」

 

 ヘイヤが言うと、マヒルも口を開く。

 地面に座り込んだヘイヤは、頭を掻きながら口を開いた。

 

「ただ、何にせよ…急ぎたいんだよねー。このままじゃアタシらの仲間が…アグニが死んじゃうからさ」

 

「アグニ…!?」

 

 ヘイヤが言うと、『ビーチ』の皆が驚く。

 

「アグニさんは…オレ達の為に…命を懸けて『♠︎K(すぺえどのきんぐ)』を…!」

 

「……その、何つうか…オレが不甲斐ないばかりに、アンタらの仲間を危険な目に遭わせちまったな…すまない」

 

 ドードーが言うと、カタビラさんは、『ビーチ』の皆に頭を下げて謝った。

 あのアグニが、ドードー達を守る為に、『♠︎K(すぺえどのきんぐ)』を…

 

 アグニ…そっか…

 アイツも、変われたんだな…

 

「状況は、こっちも同じよ…チシヤとニラギ…それとヒヅルも、瀕死の重傷なの。元の世界で治療しないと、3人とも助からないわ」

 

「ヘイジは……今は、3人のところにいる。最後までアイツらのところにいてやりたいからって…」

 

 ウサギと俺は、皆に事情を説明した。

 すると皆がどよめく。

 

「はああああーーーーーあああ!!?あんの…問題児共ぉ!!どーやったらこの短時間でそんな重大なトラブルが起こんだよ!!」

 

「ヘイジさん…」

 

「何だと…ヒヅルが…!?」

 

「嘘でしょ…」

 

 クリハラさんは、顎が外れるくらいに大口を開けて怒鳴り、ドードー、カタビラさん、ヘイヤの3人も驚いていた。

 

「あの3人か…!いけ好かん奴等やけど…見殺しにしてしもうたら、後味…悪いわな。ここで…迷っとる時間はあらへんっちゅー事か…」

 

 クイナは、焦りの表情を見せながら言った。

 俺は、他の皆に、ある提案をする事にした。

 

「ここにいる皆はさ…この最後の『げぇむ』を『くりあ』できれば、生き残ってる『ぷれいやぁ』全員が元の世界に帰れるかもしれない…って、考えてんだよな…?」

 

「だったらどーなの?」

 

「誰が『くりあ』しても皆が戻れるんならさ…皆を危険な目に遭わせたくないって理由で、オレ1人が『げぇむ』に参加するってのはダメかな?」

 

 俺が手を挙げながら立候補すると、皆がどよめく。

 

「ソイツはありがたい申し出だけど…本気…なのかよ?」

 

「…まあ、カッコいいように言っちまったけど、実のところはさ…やっぱオレ、どうしても知りてーんだわ。『答え』を。『今際の国』に来て、今日までずっと…生きる事が…ただその日を生き延びる事だけが目的の毎日だった…やっぱオレには進む為に必要なんだよ、『答え』が。これが『今際の国』の国民と会う最後の機会になるかもしんねーなら、『♡Q(はあとのくいいん)』と話したい。くだらねー事かもしんねーけど、これが立候補の本当の理由かな」

 

 俺は、頬を掻いて笑いながら言った。

 するとウサギも、手を挙げて立候補する。

 

「だったら……私も行くわ。過去の『げぇむ』には、2人で協力しないと『くりあ』できないものもあった…信頼できるパートナーがいる事で、有利に働く『げぇむ』かもしれないなら、()()は、必要でしょ?」

 

「読みが外れて、仲間内での殺し合いの『げぇむ』だったら?」

 

「それでも『2人』なら、()()は…()()()よ…覚悟なら、できてる…!!」

 

 アンがウサギに尋ねると、ウサギは覚悟を決めた表情で言った。

 すると今度は、クイナが手を挙げる。

 

「そないな事言われた日にはウチも、その『2人』の席に立候補せんワケにはいかへんな!アンタらだけに全部押しつけて、高みの見物決めれるかいな。3人やと多いっちゅうなら、どっちかが譲ってくれるとありがたいんやけど?」

 

「クイナ………」

 

 …何となく、クイナならそう言う気がしてたよ。

 

「皆は、どうしたい?」

 

 俺は、他の皆に意見を聞いた。

 するとその場にいた全員が、順番に意見を言った。

 

「心理戦は気乗りしないけど…クイナと同意見よ」

 

 アンが。

 

「オレは初めから…誰かが何とかしてくれるとは、思ってませんから」

 

 ドードーが。

 

「本当は私達はもう…これ以上『げぇむ』に参加する気なんてなかったの…けど…」

 

「何で来ちゃったんだろうね…?」

 

「きっと…自分の未来を誰かに任せたくはなかったんだよ…」

 

 マシロ、クロエ、イチローが。

 

「ドードーが行かないならアタシはパス。誰も行かないならアタシが行く」

 

 ヘイヤが。

 

「僕も自分の眼で『答え』を見てみたいかな。最期までそれを求めて死んだ、友人の為にも」

 

 マヒルが。

 

「好きな人と、好きに生きたい。それ以外に、理由がいるのかい?」

 

「トカゲ君が参加するなら、私も」

 

 トカゲとメイが。

 

「オレが今日まで生きてこられたのは、ヘイジさんのおかげだから…今度はオレがヘイジさんを助けたい」

 

「私も…ネズミ君についていくわ」

 

 ネズミとヤヨイが。

 

「おいおい、こういうのは年功序列だろうが。こんな枯れ葉みてーなオッサンなら、仮にしくじっても損失はゼロだしな」

 

「自分で言ってて恥ずかしくねーのかアンタ…まあ、オレも半分同意見だがな」

 

「ちょっと、抜け駆けはズルいわよ!先生が行くなら、私も行くわ!」

 

 クリハラさんとカタビラさん、そしてリナが。

 

「ちゅーわけや。見くびんなやアリス!この最後の『げぇむ』会場の前に集まった人間に、他人任せに自分だけ生き残ろうなんて輩は1人もおらへん!!」

 

 そう言ってクイナは、笑顔を浮かべる。

 他の皆も、クイナと同意見だった。

 

「……そっか。皆行きたいんじゃ、仕方ないよな…じゃあ…ジャンケンでもしてみるか?」

 

 俺が言うと、クイナが呆れ返る。

 

「………ジャンケン?」

 

「オレ達って…ここに来る前はさ…自分の事だけ考えてりゃ良くて、他人と関わっても損する事の方が多い…そんな世界にいたんだよな。それが今じゃ皆して…おかしいよな。……オレは、皆に会えてよかったよ。誰が選ばれても文句無し。ジャンケンで勝った『2人』に、快く、最後の『げぇむ』を託すってのは?」

 

 俺は、思い切って皆に提案した。

 すると皆が、呆れたような表情を浮かべる。

 

「…ははっ」

 

「変な奴!」

 

「オレ、ジャンケン強いですよ」

 

 俺が言うと、マヒル、ヘイヤ、ドードーが笑った。

 

「しょーがねーなー!!乗りゃいーんだろっ!!」

 

「言っとくが、町内会主催の大晦日ジャンケン大会7連覇のオレ様を舐めんじゃねーぞっ!!」

 

 イチロー達も渋々参加して、クリハラさんに至っては一番ノリノリだった。

 

「しゃああ!!絶対勝ァつ!!」

 

「「「「「せぇーのォ!!ジャンケン、ポンっ!!」」」」」

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

クリハラside

 

 結局、ジャンケンに勝ったのは、アリスとウサギの2人だった。

 2人は、最後の『げぇむ』会場へと足を踏み入れた。

 

「行っちゃったね…」

 

「ああ…」

 

「ホントに頼りになんのかよ、あの2人?」

 

「もちろんですよ」

 

「まぁー、ドードーが言うなら、オレは信じるけどよ」

 

 アリスとウサギにここで今初めて会ったヘイヤは半信半疑だったが、ドードーが2人を信じると、カタビラも2人を信じた。

 

「あの2人なる確率って…」

 

「1/136」

 

 マヒルが口を開くと、アンが即答する。

 

「まぁこの流れやと…当然の引きかもな」

 

「……そうだな」

 

 クイナがそう言うので、俺も頷いた。

 きっとあの2人だから、最後の『げぇむ』への切符を手に入れたんだろうな。

 アイツらなら、きっと大丈夫だ。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

アリスside

 

 俺とウサギは、『♡Q(はあとのくいいん)』の『げぇむ』会場へと足を踏み入れた。

 ヘイジが参加したという『♡J(はあとのじゃっく)』や『♡K(はあとのきんぐ)』のような『げぇむ』なら、信頼できるパートナーがいた方が有利になる。

 だけどもしその裏をかいて、『♡7(はあとのなな)』のような、1人しか生き残れない『げぇむ』だったら…?

 

 …考えるまでもない。

 俺にはもう、覚悟はできてる。

 

「なあ…ウサギ」

 

「何…?」

 

「さっきウサギが言ってた、『覚悟』ってやつ…あれさ、オレもできてっから…もしこの『げぇむ』が、参加者同士で殺し合わなきゃならない『げぇむ』だった時は、オレは迷わず自分の命に代えてでも、ウサギを生かすから。ウサギ、今日までありがとな。いつも、ずっと、オレを支え続けてくれて、本当に、本当にありがとな」

 

 俺は前を見て、隣を歩くウサギに感謝を伝えた。

 するとウサギは、俺より一歩前に出て口を開く。

 

「…何度も、言わせないでよ。『お互い様』って言葉、知らないの?私だって、命を懸けて、あなたを守るわよ」

 

 俺とウサギは、『げぇむ』会場のドアを開けた。

 目の前には、白いバラで埋め尽くされた、バラ園があった。

 

「ここ…は…バラ園…!?」

 

 バラでできたアーチの下には、『『げぇむ』『くろっけぇ』』と書かれたスタンドが置かれていた。

 その先へ進むと、そこはバラに囲まれた広場になっていて、四角い芝生の奥には、黒いドレスに身を包んだ女が鎮座していた。

 

「晴れて、良かったわね。何せ屋外の『げぇむ』だから、嵐の中だと大変だもの。ようこそ。最後の『げぇむ』会場へ♡」

 

 

 

 『♡Q(はあとのくいいん)

 加納(かのう)未来(ミラ)

 学者

 

 

 

 俺は紅茶を飲みながら余裕そうに話すその女に、見覚えがあった。

 ミラ。

 元『ビーチ』幹部の女だ。

 

「あなたは…『ビーチ』幹部の…ミラ…!?」

 

「あれはただの気晴らし。退屈なのよ…国民は『ふぁあすとすてぇじ』では、『げぇむ』の監視しかする事がないから。あなた達は知らないでしょうけど、あなた達2人は、『ビーチ』に来る前から、他の国民に会っていたのよ?……もっとも、あなた達が参加した『げぇむ』を担当していたわけでは、ないけれど」

 

 ウサギが尋ねると、ミラは飄々とした態度で答える。

 俺とウサギが、『ビーチ』に来る前から、国民に会ってた…だと…?

 …いや、今はそんな事より……

 

「…そんな事よりも、答えてくれないか?何の為にオレ達は、同じ人間同士で『げぇむ(こんな事)』をしなきゃならない…?『今際の国』って、何なんだ…?」

 

「悪いけれど、その質問には答えられない。これはルールというより、()()()の問題だから。けれど、これだけは言っておいてあげる。余計な勘繰りは不要。正真正銘これが、あなた達が参加させられる最後の『げぇむ』よ」

 

「そんなはぐらかしはもう…ウンザリなんだ。いいから答えろよ。ダチが…大勢の仲間が…死ななきゃならなかった、納得できる理由を──」

 

「死にたくならない?物事に答えを、人生に意味を求めてばかりいる、そんな面倒な生き方をしていると」

 

 何、だと…?

 

「あらゆる時代で相対化されてきた命の価値観は、どれも私を納得させてくれなどはしない。生きる事に意味などは無いかもしれない。自分という存在に価値などは無いかもしれない。だからすぐに安価な『答え』を求めたがる。要はただ、退屈なのよ。私達は『答え』が欲しいんじゃない。無益で無駄なだけかもしれない人生の中で、高邁なる使命のようなものを作り出す事で、ただ退屈を紛らわせていたいだけ。『答え』探しはやめて、今あるものに感謝し大事になさい。理由などを求めるから、人生は苦しむ」

 

「…心理戦が得意なんだろうが、オレはそんな揺さぶりには動じない。必ずアンタから、この国の『答え』を聞き出してやる…!!」

 

 俺は、ミラの揺さぶりには耳を貸さず、ミラに宣戦布告した。

 するとミラは、ソーサーの上にティーカップを置きながら口を開く。

 

「怪物の心を覗くつもりなら、用心なさい…闇の奥に踏み込む程、あなたの心は相手にも見られている。既に私には、あなたがよく見える。そう…深い闇のトンネルの奥から、抜け出てきたばかりなのね…だったら尚の事、気をつけなくちゃ。人は一度闇に堕ちると、習慣(クセ)になるのよ♡」

 

 ミラの言葉には、妙に重みがあった。

 まさに今、俺が抜け出てきたトンネルが、背後にある。

 一歩でも退けば、引き摺り込まれそうだ。

 

「そろそろ、『るうる』の説明を始めてもいいかしら?これから私達が行う『げぇむ』は、難易度『♡Q(はあとのくいいん)』、『くろっけぇ』」

 

 ミラは、笑顔を浮かべながら『げぇむ』の説明を始めた。

 最後の『げぇむ』は、ただミラとクロッケーで勝負をすればいいというものだった。

 ミラは、黒いピンヒールを脱いで、運動靴に履き替えながら、クロッケーのルールを説明した。

 

「かなり複雑な決め事が多いから、実際にプレーしながら覚えるといいわ」

 

「やりながら…って、随分と『♡Q(あなた)』に有利な『げぇむ』なのね」

 

「そうでも、ないわよ」

 

 ウサギが言うと、靴を履き替えたミラは、俺達の方を振り向きながら微笑む。

 

「何故なら、このクロッケーの試合を3セット、最後まで『とちゅうきけん』せずにただやり終える事が、『あなた達(ぷれいやぁ)』の『げぇむくりあ』の条件だからよ♡『とちゅうきけん』とはすなわち、『げぇむ』を続行する意志を自ら放棄する事。それがあなた達の、『げぇむおおばぁ』の唯一の条件よ」

 

 何、だと……!?

 

「競技の勝敗は関係無く、最後までプレーするだけで…『くりあ』できる、『げぇむ』…!?」

 

「そう。クロッケーの規定を守ってプレーする事以外に、『るうる』は一切なし。あなた達が『げぇむ』を棄権しない限り、私も最後まで『げぇむ』を続行する意志がある事は、保証しておくわ」

 

 これまで参加してきたどの『げぇむ』も、『るうる』だけは絶対だった。

 ここまでの彼女の言葉には嘘は無いはず。

 これが人の心を壊す『(はあと)』の心理戦なら、駆け引きは、どこで生まれる…!?

 

 …この『げぇむ』に勝つ為には、どこまでも冷静に疑え!!

 『♡Q(ミラ)』の目論見を見極めるんだ!!

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 こうして、俺と『♡Q(ミラ)』のクロッケー対決が始まった。

 クロッケーは本来シングルスなら1対1でプレーするものらしく、ウサギの右腕の怪我を理由に、俺と『♡Q(ミラ)』がシングルス対決をする事になった。

 当然といえば当然だが、『げぇむ』会場に足を踏み入れた以上、俺が『とちゅうきけん』すればウサギも巻き添えを喰らう。

 ウサギの為にも、絶対に3セットをやり遂げないといけない。

 そして、『げぇむ』が終わる前に、必ず『♡Q(ミラ)』の口から『答え』を聞き出してやる…!!

 

「やった!」

 

 勝負自体の勝敗は関係ないとはいえ、ミラは、命がかかった状況で、純粋にプレーを、楽しんでいた。

 考えろ…

 『♡Q(ミラ)』の身になって考えるんだ…!!

 

 これは俺の『げぇむ』だ。

 俺がミラならどう動く?

 何を思う?

 俺が…ミラなら…

 

 …見えない。

 彼女の中身(こころ)が、一切…

 

「勝った!」

 

 俺が悩んでいる間にも、1セット目が終わった。

 1セット目は、ミラの勝ちだった。

 まあ、俺が初心者だから、当然といえば当然だが…

 

「流石にこの暑さだと、汗かいちゃうわね。少し休憩しない?英国(イギリス)のスポーツらしく、お茶でもいかがかしら?」

 

 そう言ってミラは、俺とウサギに紅茶とスイーツを振る舞った。

 

「さ、遠慮なく召し上がれ♡」

 

 そう言うミラを警戒しつつも、ミラが先に紅茶を飲むのを見て、俺も一口紅茶を飲んだ。

 

「…一体、何なんだよこれは…?正直なところ…オレにはアンタの目論見がさっぱり読めねぇ…これを後2回繰り返すだけで『くりあ』…こんな事に、何の意味があるんだよ…?」

 

「相変わらず、理由を求めるのが好きなのね。お互い最後になるかもしれないお茶会を、素直に楽しめばいいじゃない?」

 

「そうだな……どうせ何考えてるかわかんねーなら、話したい事を話した方がいいのかもな…『今際の国』が何なのかを、教えろよ」

 

「言ったでしょ。その質問には答えたくないって」

 

 俺が尋ねると、ミラは『答え』をはぐらかした。

 するとウサギが、俯いたまま口を開く。

 

「…もう、やめようよアリス…わかってるんでしょ?『♡Q(ミラ)』のペースに乗るのは危険だって…これ以上、踏み込まないで。ミラの目論見が何であれ…彼女の言葉に耳を塞いで、残りの2セットを終わらせれば、私達は元の世界に戻れるわ」

 

 ウサギは、早く『げぇむ』を進めるよう俺を説得した。

 ウサギが俺を説得しても、ミラは涼しい顔をしている。

 

「……ウサギに、言ったよな…死んでいった仲間と、今生きてる皆の為に、戦いたいって…生きてる皆の為に、この『げぇむ』は必ず『くりあ』してみせる!けどやっぱオレには…死んでったダチの為に、『答え』を知る事も同じくれぇ大事なんだ!!その為なら…敵の罠の中にだって飛び込んでやる!!」

 

 俺は、どうしても『答え』を知りたい。

 そうじゃなきゃ、カルベやチョータ…皆の死に、どうしても納得できない。

 ミラから『答え』を聞き出して、皆で元の世界に帰るんだ。

 

「…仕方、ないわね。そこまで聞きたいのなら、話してあげましょうか?この国の『答え』を」

 

 ミラは、目を伏せてカップをソーサーに置きながら口を開いた。

 聞けるのか…!?

 この国の、『答え』を…

 

「本当…なんだな!?」

 

「…ただし、これから何を聞いたとしても、それを知りたがったのはあなた自身よ。それだけは、忘れないでね」

 

 ミラは、そう俺に忠告した。

 …わかってるよ。

 どんなにふざけた『答え』だろうと、救いのない『答え』だろうと、知らなきゃいけないんだ。

 それを知る為に、俺はここに来たんだ。

 

「時にあなた達は、未来の世界を想像した事はある?」

 

「………未来?」

 

「ナノテクノロジー、再生可能エネルギー、万能細胞、仮想現実(バーチャルリアリティ)人体冷凍保存(クライオニクス)、テラフォーミング…あなた達の知る時代の科学技術は、まだまだロマンと希望に満ち溢れている。喜ぶべきかな。それらは全て、現実のものとなった。それどころか人類の科学技術は、あなた達の想像を遥かに凌ぐ発展と進歩を急激に遂げていったのよ。始まりは、クラウドの急速な発展による世界の可視化から。30年のうちに途上国の経済は成長し、人類の生活水準の垣根は次第に取り払われていったわ。50年後、遺伝子操作により人は長命化した。向神経薬を用いた脳内ホルモンのバランス管理により、高い知性と幸福感を保てるようにもなった」

 

 ミラは、いきなりわけのわからない話をし始めた。

 何でいきなり、未来の科学技術の話なんか…

 

「ちょ…ちょっと待てよ…アンタは今…何の話をしてるんだ…!?」

 

「何の……って、わかっているんでしょう?私は今あなた達に、千年先までの未来の話をしているのよ」

 

 …………は?

 

「……千年…?…未…来…!?」

 

「人類がより高い知能を得た事により、ゲノム化学、量子力学、脳科学…あらゆる分野における世界の解明はいよいよ止まらなくなったわ」

 

 ミラは、俺達のいる現代よりも遥か先の未来の話をし始めた。

 正直、俺達には、聴いているだけがやっとの、荒唐無稽な話だった。

 

 80年後、アバターや仮想現実(バーチャルリアリティ)が生活の大部分を占めるようになった。

 100年後、あらゆる万病の治療法が発見されて人は『老い』を克服した。

 150年後、遺伝子の改変によって攻撃欲求を抑制する技術が発達し、人は『争い』を克服した。

 200年後、環境コントロール技術の発達により『災害』は消滅し、『仕事』は全て汎用ロボットに取って代わられた。

 300年後、脳のメカニズムは解析し尽くされ、思考や記憶の移植により人は『死』を克服した。

 『国』や『資本』の概念は消滅し、人は食糧の管理と科学の発展を、より高度な人工知能に一任するようになった。

 400年後、物理学は完結し、人は宇宙の果てに辿り着き、『神』と呼ばれる存在も科学で解明された。

 500年後、万物の因果律が発見され、イレギュラーな事は何も起こらなくなった。

 道徳観や文化や風習も消滅し、歴史も、宗教も、必要なくなった。

 

「全てが完璧に管理された永久的制御機関のもとで不老不死になった人類は、その先の500年間を、脳の快楽物質のみを日々摂取しているだけでよくなった。時間の束縛は弱まり、断片的な記憶が飛び交う虚ろな感覚の中で、いつ、何を、誰となどなく、幸せの絶頂だけを永遠に味わい続けている…それが、私達人類が望んだ文明の進歩の果てにある、千年後の未来の世界よ」

 

 ミラの話の後、沈黙が続いた。

 何一つ、ミラの話についていけなかった。

 だがそんな中、ウサギが口を開いた。

 

「…あなたの言っている事が、真実かどうかは今はどっちでもいい…その話と『今際の国』が、どう繋がるの…!?」

 

「世界が完結した悠久の時間が、数百年も続いたある日、人々に、ほんの些細な変化が起こった…退屈したのよ。快楽回路活性システムの受信をやめた最初の1人が、何気なく興味を持ったそれは…今や時代錯誤の、900年以上前の科学技術…仮想現実(バーチャルリアリティ)

 

 それって…

 まさか……

 

「……アンタは…まさか…『今際の国(ここ)』が…『架空の世界(そう)』だなんて事は…言わないよな…?」

 

「つまり、『今際の国』にいる私達は皆、千年後の人類。プレイヤー達は緻密にプログラムされた壮大なゲームフィールドで、その時代設定に合わせた記憶を持つ、好きなアバターになりきり、まさにたった今、生き死にのスリルをゲームとして興じている最中なのよ」

 

 ミラの話に全くついていけなかった俺がやっと打ち立てた、信じたくない仮説を…ミラはあっさり肯定した。

 

「結局人はね、『退屈』だけは、克服できなかったのよ…食糧、健康が豊富で、永遠の生存が保証され、今日を大切に生きる必要のなくなった人類は、耐え難い退屈を得た事を知った。快楽や幸福では決して満たされる事のない、人間の本質的な欲望…それは…『苦しみたい』。結局、人は行き着いてしまった。極限の苦しみの中にある、『生存本能』こそが、唯一その欲求を満たしてくれる。退屈故に、『生』を実感しなければ生きられない贅沢病…今の時代の記憶しか持たないあなた達でも、心当たりはあるでしょう?」

 

 確かに…元の世界では、人生を退屈に思う事もあった。

 けど、だからって…そんな話…

 

「だけど人は、死んでしまえばそれまで。できる事なら、安全な状況で『苦しみ(それ)』を味わいたい。けれど仮想(バーチャル)だと知ってしまっていては、本来の苦しみを味わう事はできない。だから現在の記憶を一時的に抹消して、仮の記憶を持つアバターとして『今際の国』を体験し、この国での『死』と共に現実世界へと帰還した後に、ここでの記憶を反芻する事で、『生』への喜びを実感し、永遠に続く日々の退屈を紛らわせているのよ。約まるところ、人は、死という期限がなければ生きられない。だからこそ死ねなくなった人類にとって、死を疑似体験してみたいという欲求そのものが、一大娯楽として栄えるようになっただけの事…今のあなた達にわかりやすく言うと、『今際の国』に行くという行為は単なるレジャー。感覚を刺激し、大脳に適度な負荷と新鮮な興奮をもたらす…海外旅行のようなものよ♡」

 

 そう言ってミラは、笑顔を浮かべる。

 また、しばらくの間、沈黙が続いた。

 その静寂を打ち破るように、またミラが口を開く。

 

「…だから、言いたくなかったのよ。ゲームである事を覚えていては、誰も真剣にプレーできないでしょ?」

 

「…じゃあ、死んだ皆は…?」

 

「とっくに現実世界に戻って、今頃今回の体験話で盛り上がってる頃じゃないかしら」

 

「何で…千年も前のオレ達の時代なんだ?」

 

「何だかんだで、一番人気なのよ。時代の狭間で生きる目的が何もないあなた達が、歴史の終焉を迎えた生きる必要のない私達の心をとらえたのよ。ついでに言うとね、全ての『げぇむ』を『くりあ』した『ぷれいやぁ』には、元の世界に戻るか、この国の国民になるかの選択肢が与えられるわ。国民になれば自分達で『げぇむ』を創作・運営する楽しみや、次に勝ち上がってきた数百人の『ぷれいやぁ』と全面対決する、より生存率の低いステージでのスリルを味わえる。無理ゲーってやつ?」

 

「何で…アンタが…そんな事を全部知ってんだよ…?」

 

 淡々と語るミラに、俺は尋ねる。

 そうだよ…元『ぷれいやぁ』のはずのミラが、何でそんな事知ってんだよ…

 

「それは、私が…このゲームを始めた最初の1人。このシステムの管理人だからよ」

 

 ミラは、頬杖をついて不敵な笑みを浮かべながら答えた。

 

「もはや私はね、このゲームをプレーする事にすら退屈してしまったの。今の私のもっぱらの楽しみは、見ている事なのよ。『今際の国(ここ)』で生きていく、『人』というものを…」

 

 そんな…

 そんなものが、俺の求めていた、『答──────

 

 

 

「なーんていうのは、全部ウソ♡」

 

 …………。

 

 …………。

 

 ………?

 

 ……?………?

 

「…は?」

 

 ウ、ソ…?

 どういう、意味だよ…それ…

 

「ウ…ソって…何が…?」

 

「だから、全部よ。千年後も仮想現実も、何もかも全部私の作り話。あなた達が気に入りそうな『答え』を、思いつくままに話してみただけ。騙された?」

 

 ミラは、無邪気な笑顔を浮かべながら言った。

 何だよ、コイツ…

 何なんだ…!?

 

「…アンタ、ふざけてんのか…!?」

 

「ええ、ふざけてるのよ♡」

 

 は…?

 

「まだわからない?『答え』なんてものは、私の返答如何でどうにでもなるって事が。今の『答え』がお気に召さないのであれば、()()にしましょうか?」

 

 そう言ってミラは、作り話をペラペラ話し始めた。

 

 やれ、宇宙人に侵略されて、人体実験をされている、だの。

 突如発生した催眠物質を含む花粉によって全人類が昏睡状態に陥って、長い夢を見ている、だの。

 太陽と地球の間に発生したブラックホールによってできた反宇宙に、一部の人類が迷い込んだ、だの。

 核戦争で地上は人が住めなくなって、地下に移住した大富豪達が、人工記憶を持ったアンドロイドに『げぇむ』をやらせてギャンブルに興じている、だの。

 死に際の誰かの脳が見ている、走馬灯とも呼べない無意味な記憶の乱立、だの。

 

 『答え』を必死に求める俺達を、おちょくって遊んでいた。

 こんな…こんな事の為に、俺は…ここまで来たっていうのかよ…!?

 

「…まだ、必要かしら?何て言ってほしいの?ここがどこならいいの?理由なんていくらでも用意できるというのに。そろそろ、わかってきた?あなたが求めているものが、『答え』などではないという事が。私達は皆、退屈で退屈で仕方ない膨大な『生きる』という時間を、それぞれが必死になって紛らわそうとしているだけだという事が。…思いの外、長話になってしまったわね。そろそろ2セット目を始めましょうか。ありがとう。あなた達のおかげで、とても有意義な退屈凌ぎができたわ」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 2セット目。

 ミラは相変わらず、純粋にプレーを楽しんでいた。

 

 動じるな…惑わされるな…!!

 これが『(はあと)』の心理戦なら、ミラの言動には全てに意味があるはずだ…!

 

 俺達の『げぇむおおばぁ』の条件は、俺がこの『げぇむ』を『とちゅうきけん』する事だけ…

 つまりミラはこの『げぇむ』に勝つ為に、俺が『げぇむ』を続行できない精神状態に追い込む事が目的のはず…

 この苛立ちこそが、向こうのペース…

 ミラの狙い通りに平常心を奪われている事を、まずは自覚しろ…!!

 

 …けれどもしかしたら、それすらもがフェイクなら…?

 彼女が最初に話した『答え』が真実なら…死んだ皆は生きてるのか?

 文字通り、これがただのゲームなのだとしたら…彼女がここまでただ無邪気にプレーを楽しめるのも、もっともだ…

 

 ダメだ…

 頭がフワフワして…

 思考がぼやけてくる…

 

 俺はどうしたい…

 ミラのペースに乗るのをやめて、『げぇむくりあ』を優先すべきなのか…!?

 それとも…

 危険を冒してでもミラに食いついて、本当の『答え』を知りたいのか…!?

 

 俺はふと、ウサギの方を見た。

 ウサギの言葉が、脳裏に蘇る。

 ウサギは、ミラのペースに乗るべきじゃないと言っていた。

 

 …そうだよな。

 皆で帰ろう。

 『答え』なんて、知らなくても生きていける。

 やっと、もうすぐ、あそこに帰れるんだ。

 

 もう、考えるな。

 考えるな。

 感情を、思考を、遮断しろ。

 これ以上、『答え』を求めるな!!

 

 けど…本当に……

 理由もわからないまま勝手な『げぇむ』で殺された皆は、それで、我慢できるのかよ…?

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 結局俺は、自分がどうしたいのかもわからないまま、2セット目を終えた。

 気がつけば、日が落ちて空は赤く染まっていた。

 

「また、私の勝ちね!それにしても、全然プレーに集中できてなかったみたいだけど?流石に、疲れたわね。また少し、休憩をとりましょうか」

 

 そう言ってミラは、また俺とウサギに紅茶を振る舞った。

 …もう、何も喋るな。

 ミラのペースに、惑わされるな。

 

「急に無口になっちゃったけど、それって何かの作戦?『答え』探しは、もうやめたんだ…?」

 

「いいんだもう…本当はアンタも、『答え』なんて知らねーんだろ…?」

 

「その質問自体から、まだ未練を断ち切れてない様子が窺えるわね。これほど簡単な『くりあ』を目の前に用意しても尚葛藤を取り払えないとは、『答え』へのその執着は、見事だわ。それって偏に、死んだお友達のせいかしら?」

 

 ………え?

 

「可哀想に…そのお友達はあなたにとって、精神的支柱とも言えるような、大切な大切な存在だったのね…ちなみに、あの『♡7(げぇむ)』をあなた達に用意したのは、この私。あなた達があんまりにも仲良しだから、イジワルしたくなっちゃった♡」

 

 な…んだ…と…!?

 コイツが…俺のダチを…殺した…?

 カルベを、チョータを、シブキさんを…

 

 …殺す。

 殺す、殺すッ…!!

 

「う…ああ…ああッ…!!」

 

 俺は叫びながら席から立ち上がって、ミラにショットガンの銃口を向けた。

 

「アリスッ!!」

 

 よくも…よくも俺のダチを…!!

 殺す…殺してやる…!!

 

「ようやく、あなたの綺麗な感情を見せてくれたわね。『恨み』は、人が生きていく上で最も大きな動力源の一つよ」

 

 ミラは、銃口を向けられてもなお、平然としていた。

 何なんだ、コイツの余裕は…!?

 

 俺はふと、会場前に『武器等の持ち込み可』という貼り紙が貼ってあった事を思い出した。

 ただクロッケーをするだけの『げぇむ』に、何故武器がいる…?

 この『げぇむ』の『るうる』は、ただクロッケーの規定を守ってプレーをする事…

 俺が『げぇむ』を続ける意志がある限り、ミラは『げぇむ』を降りない…

 『げぇむくりあ』の条件は、俺がミラとクロッケーをやり終える事だけ…

 『げぇむおおばぁ』の条件は、俺が自らの意志で『とちゅうきけん』をする事だけ…

 つまり、俺が今ここでミラを殺したら…

 

「そう…か…やっと……わかったよ…アンタの…この『げぇむ』の…本当の狙いが…!!」

 

 

 

 

 

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