感想も楽しく読ませていただいています!
3月、それはクソゲーの季節である。
なので、ひと月くらい余裕を持った今の時期に買うのが賢い買い方であるという主張にトレーナーさんは首をかしげている。きっと、そんなことやるよりトレーニングしようとか言いたいに違いない。
最近では、トレーニングで手を抜いていることが徐々にバレてきているのか、トレーナーさんのトレーニング内容を強化しようという意志をひしひしと感じる。
去年のキングちゃんたちとの模擬レースの後くらいまではガラス細工を扱うようだったのになぁ。
一周走った後の疲れましたアピールが面倒くさくてさぼっていたからなのか、
トレーナーさんがお使いに行く代わりに重さの違う蹄鉄を付けられたり、タイヤを引っ張らされたりと謎の強化が迫っているのだ。しまいには、ボクシングだとか水泳だとか
蹄鉄を変えるくらいなら時間は大して変わらないからいいが、水泳は
なお、トレーニング後のマッサージ兼状態チェックで負荷や疲労度を正確に把握されてしまっているので、旗色が悪く防戦一方である。
今日もトレーニング後にどのゲームをしようかと考えながらトレーナー室に行くと、トレーナーさんがホワイトボードとパソコンをにらめっこしているところだった。普段だと怪しいトレーニング器具を設置してたりするんだけど、と思って声をかける。
「あれ、トレーナーさん、どうしたんですか?」
よほど集中していたのか、声をかけるまで私が部屋に入ってきたのに気が付かなかったらしい。少し不意を突かれた様子でトレーナーさんが答える。
「ああ、実はそろそろレースプランを固めようと思ってね。東京か中山でって希望だったからそれを抜き出して考えてるんだけどね。」
そのとき、私の頭に電流が走る。
そういえばウマ娘のレースってみんなどのくらい出るんだろう。
レースは大体土日にやってるけど、土日両方ってことは流石にないはずだ。GⅠみたいななんか大きくて凄そうなレースは誰が何にでるという話をよく聞くが、それ以外にどんなレースに出てるかは聞いたことがない。
実は前日に慣らし用のレースとかを走ったりするんだろうか。いや、むしろ同じ日の朝とかに走るとか?
キングちゃんやスぺちゃんと話すのはいわば全国大会の決勝みたいなレースなわけで、たしかその予選みたいななんとかトライとかいうレースもあるって授業で聞いた覚えがある。
ピラミッドみたいな図でOPとか3勝とか書いてたから一個の大きいレースにでるまでに5回か6回くらい予選があるんだろうか。そうなると、凄い回数レースに出ることになるなぁ。
いやいや、サッカーとかのプロも連日やるとだめなんじゃなかったっけ。でもプロ野球は毎日か。陸上競技はどうだったかな。オリンピック期間って短そうだし、毎日走るとかあるのかな。
ともかく、ブラック部活状態は回避しないといけない。まずは土日両方レースみたいなのを回避、上手くいったら二週連続の回避が目標か。推薦生とはいえ、そのくらいの人権はあるはず。
ここまでのことを私自慢の白色?黒だっけ?の脳細胞が一瞬で導き出した。土日連日は流石に嫌だなぁ。その場合、月曜代休にならないかなぁ。それならレースくらい出るんだけど。
「トッ、トレーナーさん」
「ウィー?どうした?」
優しく振り返るトレーナーさんに精いっぱい愛嬌のある顔を作る。
「実はお願いがもう一つくらいあって・・・
あの~、土日両方ともレースというのは嫌だなぁと」
その言葉を聞いたトレーナーさんは驚いたように早口になる。
「両日?レースの翌日にレースっていうこと?もちろんだよ。ウィーにそんな無理をさせる気はないよ。心配しないでも大丈夫だよ。」
これはもう一押ししても大丈夫だろう。
「それと~、できれば、走った次の週はお休みがいいな」
「もちろん、走った週とその次の週はトレーニング含め休んで脚をいたわろう。」
トレーニング休み、一回のレースでトレーニング2週間さぼれる?
最高じゃないか!?ホワイト部活万歳!!
一回レースに出るだけで2週間だらだらできるなら全然走る。
トレーニングなんていくらしてもやってるかなんてわかんないけど、レースに沢山出れば理事長にも推薦の面目が立つだろう。
「もしかして・・・、トレーニングよりレースの方が好きなのか」
「はい。もちろん。」
??不思議な質問だ。普通練習だけしたい人はいないと思うんだけどなぁ。
「分かった。とりあえず、デビュー戦は9月6日の中山で行こうと思うが大丈夫か。」
「はいっ!」
「よし、その後のことはまた今度相談しよう。
ところで機嫌がいい時に言うのも気が引けるな・・・
西・・・サイレンススズカとスペシャルウィークのトレーナーから聞いたんだが・・・
ウィーはウイニングライブを怖がっていると」
「えっ」
頭の中で悪意なくトレーナーさんにそのことを話しているスぺちゃんが想像出来てしまった。餌付けして口止めすべきだったか。
「授業でしっかり練習していれば、本格的な練習は一か月前くらいから始めてもいいかなと思ったんだけどな。ウィー、ウイニングライブの授業をトレーナーのところで練習するといって出ていないそうだな。」
やべっ、学年が上がってトレーニングの一部がウイニングライブに割り当てられていたのを無視していたからか。
「いやー、それは、あのー」
こうして割引チケットによって追いつめられた私は横暴なトレーナーによって近隣のカラオケ店に連れ込まれるのであった。
響けファ〜ンファ~レ~!届け!ゴ〜ルま~で~♪
我ながら綺麗な声が響く。古典的な表現だが、鈴が鳴るような歌声だ。
普段の声はもちろん聞いているが、歌声として聞くとどこか現実離れしたような儚さも感じられる。
輝く未来を~ 君~と見~たいから~♪
まず、とりあえず歌ってみようとのことでマイクを握らされ、流れてきたMake debut! もともと歌が好きなほうでは無かったが綺麗な声で歌うのは思っていたよりテンションが上がる。今までカラオケに興味がなかったのは声のせいなのかもしれない。
勝利の女神も夢中~にさせるよ~♪
スペシャルな~明日へ繋がる~~♪
Make debut~♪
ダンスは嫌だが歌だけなら意外と悪くない。気分がのってきたので、思わず立ち上がって歌い始める。
一歩踏み出すよ一歩♪ いつでも世界は開いてる~♪
これがウマ娘の本能ってやつなんだろう。私はきっと天性のアイドルなのだ。
いつか笑える♪ 最高だけ目指して~~~♪ ゆこ~う~♪
I believe~♪
夢の~先~ま~で~♪
カラオケで高得点は取ったことなかったけど、もしかしたら95点を超えているかもしれない。そんな希望をもって画面を見つめると
タッタタタッタター!
軽快な効果音を伴って表示された点数は81点だった。
なんか納得行かないなぁとトレーナーさんの方を見ると
「ウィーはもう少し気持ちを抑えて歌った方がいいかもね」
とのことだった。
トレーナーさんがいうには、初めの方は音程から抑揚まで完璧で指摘する点が一切無かったそうだ。ただ、立ち上がって歌いだしたあたりから音程とリズムがぐちゃぐちゃになっていたということを極めて控え目で穏当な表現で伝えてくれた。
私の意志が出てくると天性のアイドルが引っ込んで転生した音痴の要素がでるみたいだ。
その後、なんだか悲しい気分になって歌ったwinning the soulとユメヲカケルはトレーナーさん及びカラオケの採点双方から極めて高い評価を得たのだった。
評価、お気に入り、感想、ここすき等々なにとぞよろしくお願いします。誤字報告もありがとうございます。
そろそろこいつもデビューする予定です。
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