ガラスの脚系TSナマケモノ娘   作:ヤキブタアゴニスト

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寒空の京成杯

中山レース場、本日のメインレース、京成杯GⅢ。芝の1600m。

コースの側に雪が積もって非常に寒々しい中でのレースとなりました。

 

今年を占うクラシック級最初の重賞レース、7名と少数ながら実力者が揃いました。

 

 

枠入りは順調です。

注目のウィトルムペデスが7枠7番に入ります。ジュニア級を6戦6勝で終えた彼女はクラシックでも一番名乗りを上げることができるのか。

それとも彼女の勢いを止めるウマ娘が生まれるのか。

 

 

5枠5番、ハイパーミニマムが収まります。彼女はウィトルムペデスとこれで3度目の対決になります。

 

最後に4枠4番、ロケットブルボンが入ってゲートに収まりました。

 

 

 

 

スタートしました。大きな出遅れはありません。

ウィトルムペデスもいいスタートを切りました。

 

大勢のファンが見つめる中での注目の先頭争い。誰が行くのか。

まずはハイパーミニマムとウィトルムペデスが並んで上がっていきます。青いゼッケンロケットブルボンはやや後方。

 

いきます!!!

 

やはりウィトルムペデスが一気に加速してハイパーミニマムを競り落としました。

内ラチ沿いにコースを切り込んで完全に飛び出た形でレースが進みます。

 

前走と全く同じ形で後続と差を離しながら2コーナーに向かいます。

 

先頭は悠々とウィトルムペデス、5バ身離れてハイパーミニマム背を追います。ぴったりついて黒のゼッケンはビロードスマイルが続きます。

中段、緑のゼッケンはエムワンアサヒ内側からじっくりと、末脚勝負かロケットブルボンは外々を回ってのレースとなっています。

 

早くも第2コーナー中間を集団が通過して、やや縦長の展開になってきました。

 

向こう正面に入ってウィトルムペデスは後続との差を10バ身以上に広げました。ペースを上げてきましたウィトルムペデス。前走と同じ形で差をどんどんと広げます。

 

2番手集団は内を回ってハイパーミニマム、外から位置を押し上げてビロードスマイル。後ろと4バ身の差をつけていますが、前を行くウィトルムペデスを捉えきれるのか。

 

さあ、早くも、早くもウィトルムペデスが大きく大きく差をつけたまま向こう正面から第3コーナーに侵入してきます。ジュニア王者ウィトルムペデスがこのまま押し切るのか、それとも後続のウマ娘が仕掛けるのか。

 

ハイパーミニマムは前を伺うもビロードスマイルは少し苦しいか。エムワンアサヒがゆっくりと加速して差を縮めにかかるが、ウィトルムペデス独走状態か。

 

 

第4コーナーのカーブに入ってきました。先頭を走るウィトルムペデス、後続との差が全く縮まらない。未だに15バ身以上のリードを保ったままレースは短い中山の直線に託されます。

 

2番手集団も固まって来ましたが前には迫れない。

 

さあ、残り400m。後ろのウマ娘は間に合うのか。

 

どよめきはありません。拍手に送られてウィトルムペデス先頭です。

リードを非常に大きくとったまま最終直線に入ります。これはセーフティーリードになるのか。

 

ハイパーミニマムがわずかに単独2番手に上がってきた。そして、ロケットブルボンも外目をついて一気に上がって2番手争い。

 

しかし、しかし、ウィトルムペデス独走です。あと200m。完全に独走態勢。

クラシック初戦を貫禄の逃げ切り勝ちでデビューからの連勝を7に伸ばしました。

 

2番手争いはハイパーミニマムが粘っています。外からロケットブルボンが追いすがる。

 

先頭ウィトルムペデス今ゴールインしました。

 

20バ身以上のリードを保ったまま重賞を鮮やかに勝ち切ってみせました。

 

 

2着は接戦、内ハイパーミニマムがわずかに有利か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ウィトルムペデス視点

 

 

 

 

 

 

 

初詣という概念を一体誰が思いついたのかは不明だが、間違いなく人の心というものがないのだろう。

少しでも人の心があれば、わざわざクソ寒い冬に神社に行くなんていう奇特な行為を考えつかないし、少しでも賢さがあれば思いついても口には出さないものだ。

そういって実家の床にへばり付いていたのが1年前。

 

しかし、残念ながら私の両親は学習する生物である。

今年はなんと根回しのためにトレーナーさんを抱き込んでいたらしい。

 

トレーナーさんは年末でだらけ切っていた私から鮮やかにYESを奪っていったのだ。

要するにいつもの空返事をしていたせいで、気がついた頃には元旦から正午前の起床を強いられる結果になっていたというわけだ。

 

 

トレーナーさんと一緒に家から近くの神社まで歩いていると例の悪ガキトリオと遭遇した。

真冬にもかかわらず薄手のTシャツ姿の彼らは僅かに積もった雪でもって雪合戦に興じているらしい。なんとも小学生男子的な行動だ。

こちらに気が付いてないようなので、からかってやろうとブロック塀の上に薄く積もった雪を集めて握る。

狙いを定めて投げようと振りかぶると、慌てたトレーナーさんから静止された。

 

さらに悪いことにその騒ぎで悪ガキトリオがこちらに気づいたようだ。

 

彼らは先ほどまでの行動と打って変わって好青年ですよという態度で私の頭越しにトレーナーさんと挨拶を行い、見る見るうちに打ち解けていった。そして、あっという間に彼ら3人も含めての初詣イベントへと発展したのだった。

 

 

 

なお神社の混雑によって待たされた私はあまりの寒さに初詣が終わった瞬間に彼らをおいて神社から帰宅したのだが、残念なことにこれは両親からのお怒りをいただく結果に終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トレセン学園にもどると、その日から数日で大量の雪が降ったことで世界が一変した。

 

 

この銀世界において、トレーニングは消滅した。

 

 

というのは大げさだが、積もった雪を除去する諸々の作業が終わるまでは外でのトレーニングは強い制限を受けるようになるのだ。

 

ただ、雪と冷気によって昼休みのお昼寝スポットは減少の一途をたどっている。

最近開拓した旧理科室は空き部屋かつ日差しがちょうどよく差し込むのでなかなかのスポットなのだが、そういうところは昼寝仲間も当然チェックしている。

最近では隣のクラスの葦毛のウマ娘に先着を許すことが多く、寝心地の最も良いソファは彼女に取られることが多い。

 

 

 

 

 

のらりくらりとトレーニングを避けていると、いよいよレース本番を迎える。

この京成杯は中山レース場での1600mといういつものコース。

しかも重賞レースということは3週間の天国が約束されるのだ。

 

 

などと目論んだところで寒いものは寒い。それも一際の寒さである。

 

 

生憎の曇りで最高気温はなんとたったの7度、レース場にもあちらこちらに雪山ができており絵面からしても寒くて仕方がない。

 

そして、なぜか体操服でのレース。頭がおかしいとしか思えない所業である。

せめて勝負服ならばちゃんと長袖だし、手袋までしているのでそれなりに寒さには強いのになぁ・・・

 

 

走れば温かくなるといえばそうなんだけど、ゲートで待つ時間が寒くてしょうがない。

 

人数が少ないこともあって、作戦はいつも通りの逃げということなのでゲートを出てから真っすぐ先頭に立つ。

 

前回のグラスちゃんのように追いかけまわしてくるウマ娘もいないので後は悠々自適にコースを走り終えればよいだけである。

 

走っていると思ったよりも寒さを感じなくなってくる。

なんだかんだ走るというのは熱を発する運動なのもあって、体を温めてくれるのだろう。

 

 

考えてみれば連日寒い中で走るより、今日は走って明日からは暖かい室内でだらだらすればいいのだからレースに出るというのは実に合理的である。

 

 

 

 

なお、レース翌日はなんと最高気温が4度、1日中みぞれ混じりの雪が降るというひどい天気だったので私はひそかに胸をなでおろした。

 

そういえば最近、トレーナー室の冷蔵庫にちょっと苦いジュースとカップケーキが用意されるようになった。

トレーナーさんおすすめの一品らしく、味もなかなかにおいしい。カップケーキはもちろんのことジュースの方も苦味の中にコクがあって素晴らしい。ゲームのお供に最高である。

暫くの休憩は窓の外の雪を眺めつつ寛ごう!!

 

 

 

ちなみに、次のレースは2月の共同通信杯、去年スズカさんが走っているのをキングちゃんやスぺちゃんと見に行ったあのレースだ。

 

そして今日寮から登校するとき、どうしてか私が共同通信杯に出ることを把握していたたづなさんからいいレースにしてくださいねと激励を受けることになった。

 

いったい何だったんだろう・・・

 

 

 




評価、お気に入り、感想、ここすき等々なにとぞよろしくお願いします。誤字報告もありがとうございます!!


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