衝撃の連勝を続けてきたウィトルムペデス、そして覇権交代を狙う17人との2400mでの駆け引きはどんな結末に終わるのでしょうか。クライマックスの時が近づいてきました。
歴史を重ねての日本ダービー。芝2400m、今年は稍重で争われます。
ゲート前、ウマ娘たちがすでに集まってゲート入りの時を待っています。
ウィトルムぺデスは非常に落ち着いています。ダービーとあっては胸の内ではとても平静ではいられないでしょうが、その熱さを内に秘めてレースで解放する。それが彼女を覇者たらしめていると言えるでしょう。
スペシャルウィークは前走、皐月賞では力は見せたものの2着。ダービーでの雪辱なるか。3枠5番に入ります。
ゲート入りは順調です。大外ウィトルムペデスも収まりました。
世代のプライドが激突する、日本ダービー、今、スタートしました。
一際いいスタートを切ったのはウィトルムぺデス。
やはり今日も行きます。大外から快速で飛ばして内側に位置取りを上げていきます。
セイウンスカイは今日は控えめか、ウィトルムぺデスに続いて後ろから内側に入っていきます。
内枠のキングヘイローは前目につけて、スペシャルウィークはどうするか。
ライトリフレッシュも今日は先行策でいきます。
大歓声です。大歓声に送られて先頭のウィトルムぺデスは早くも1コーナーに向かいます。このウマ娘を好きに逃げさせてしまっている。
この歓声が一周後、またウィトルムぺデスに向けられるのでしょうか。
2番手にセイウンスカイ。ウィトルムぺデスを2バ身後ろから追跡します。
続いてキングヘイローは内側から、今日は内枠を生かしての先行策で前を狙える位置につけました。
外から来た来たスペシャルウィークです。
グッと押し上げてポジションをとりに来ました。
5番手に黄緑の勝負服ライトリフレッシュ、有力ウマ娘を睨んでこの位置につけています。
外からシンセイライト、後ろは詰まって横に広がってカーブを曲がっていきます。
先頭ウィトルムぺデスは早くも5バ身差をつけて2コーナーに入っていきます。セイウンスカイはついて行きません。差が少しずつ離れて行きます。
ペースは平均ペース、決して早くはありません。これは楽に逃げてしまうのか。
先頭から後方まで少しバラけた隊列になりました。
先頭は依然、ウィトルムぺデス。ウィトルムぺデス、7バ身のリード。
セイウンスカイは2番手に控えて虎視眈々。すぐ後ろからスペシャルウィークはここまで押し上げた。外からセイウンスカイに並ぼうとする勢い。
向こう正面に入りました。キングヘイローは内側、経済コースを進みます。
外から行っているのがエムパシオ、内は半バ身後ろからライトリフレッシュ。
後方集団はシンセイライトが引っ張ります。
一番後ろからヤマトインフェラー、ここから届くのか。
先頭、ウィトルムぺデスは後ろを確認してリードを維持、10バ身離したまま快調に飛ばして残り1000を通過。
ついにレースは3コーナーに入って大欅の向こう側を過ぎて行きます。
セイウンスカイとスペシャルウィークは並んで前を伺っている。内を回るセイウンスカイ、外を回るスペシャルウィーク。この2人はいつ動くのか。
おおっと、キングヘイローが行きます。
この位置から、3、4コーナーの中間に差し掛かろうというところ。なんとキングヘイロー勝負をかけます。
あっという間にスペシャルウィークに並んだ。外から一気に躱すーー!
そして、躱されたスペシャルウィークとセイウンスカイもギアをあげてキングヘイローを追走。
有力ウマ娘が一気にウィトルムぺデスを仕留めにかかっていく。
しかし、ウィトルムぺデスはもう直線に入ろうというところ。勝負は東京の長い直線に託された!
さあ、大歓声に押し出されてウィトルムぺデスはここからどんなレースを展開していくのか。
あっと、これはどうしたウィトルムぺデス。スパートに入れず減速している。
内ラチ沿い何かトラブルか。
後ろからキングヘイローが一気に距離を詰めてくる。
内からはセイウンスカイも伸びてくる。
そして、スペシャルウィーク、スペシャルウィークが間を割ってやってくる。
あと4バ身、3バ身、ウィトルムぺデスは厳しいか。
キングヘイロー、ついにウィトルムぺデスの背中に手が届くか。そして、スペシャルウィーク、内から一気に伸びていく。
あと400。ついに捉えた。
先頭はキングヘイロー、それをスペシャルウィークが躱しにかかる。セイウンスカイも足を伸ばす。
ウィトルムぺデスはここまでか。
しかし、しかし、ウィトルムぺデスが内からもう一度差し返す。伸びたセイウンスカイをあっという間に捉えていく。
キングヘイローを捉えたスペシャルウィークが先頭、しかし内からウィトルムぺデス。セイウンスカイは少し苦しいか。
あと200を切った。
そして、内から盛り返したウィトルムぺデスは2番手に上がった。キングヘイローは伸びが厳しい。
真っ向勝負。
スペシャルウィーク、ウィトルムぺデス。
半バ身、並んだ並んだ、スペシャルウィークいっぱいになったか。ウィトルムぺデスが前に出た。しかし、スペシャルウィークも食らいつく。
しかし、しかし、やはり強かった。
ウィトルムぺデス、2冠達成!!!
苦しいレースでしたが、気迫で2冠目を掴み取りました。スペシャルウィークは2着。
ついに決めた13連勝、無敗の2冠ウマ娘。そして秋の大舞台へ、ウィトルムぺデスの覇道は続きます。
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ウィトルムペデス視点
ダービーでのトレーナーさんからの指示はいつものように逃げることだった。けれども、レースの距離は今まで走ったことのない2400m。
この長いレースを無茶苦茶なペースで走れば疲れてしまうということで、後ろのウマ娘からある程度の距離を離して走るという戦法を取ることになった。
ということで、綺麗にスタートを切った私はすぐに先頭に立って内側に。
なんとセイちゃんも他のウマ娘もどうやら逃げでは来ないようだ。楽に先頭に立った私は言われた通りにゆっくりと速度を上げていく。
この辺りの走り方は我ながら大分上手くなったんじゃないだろうか。
しばらくすると後ろとの距離がそれなりに空いたので、ちょっと速度を緩める。何度か背中に視線を感じるものの、順調に1人だけのレースを走る。
そういえば、私の領域というのは発動しないのだろうか。ウマ娘の勝ちパターンらしいし、多分それは私の場合は逃げだろう。
そんなことを考えながらコーナーを進む。というか長いな。まだコーナーなのか。
そういえば、領域というのはウマ娘の願いを具現化したものだったはず。私の願いは...
そこまで考えたとき、私はすでに直線に入りつつあった。
そして、私の目の前ではこの世のものとは思えない風景が広がっていた。
ふかふかのソファー。机の上にはお菓子とジュースが取り揃えられ、下には充電器が完備されている。
棚にはソフトの箱と単行本がずらりと並び、下にはハードとコントローラーがところ狭しと並んでいる。その真ん中で私は横になって惰眠を貪る。
が、その幻覚は一瞬で終わり、いきなりレースに引き戻される。
そして、気がついた時には周囲の景色が流れる速度がゆっくりになっていた。
慌てて、再度踏み込むも、いつのまにか横にはセイちゃんとスペちゃん、奥にはキングちゃんもいる。
ここで、一気に抜いたらちょっと気持ちいいだろうなー。
そんな考えが頭の裏にフワフワ飛んでいる。
最後の直線、私は脚を思いっきり地面に叩きつけた。
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優雅な昼寝
スタミナが少なくなった状態で先頭に立った時、周りと自分の速度を下げ、持久力を少しだけ回復する。