ガラスの脚系TSナマケモノ娘   作:ヤキブタアゴニスト

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感想、いつも楽しく読ませていただいています。
最近、少し真面目?な回が多かったきがするので息抜きです。





大感謝祭の輝き

 

オータムハンディキャップの次のレースはと考えると、ちょうど良さそうなレースとして毎日王冠があった。距離といい場所といいなかなか良さそうだ。

 

ちょうどグラスちゃんも走るみたいだったので一緒に走ることになった。グラスちゃんとは去年の12月以来だから随分久々だ。

 

そう思っていたら、なんと毎日王冠はスズカさんも走るらしい。それにエルちゃんまで走るということで、知り合いだらけになりそうだ。

 

 

学校の方もみんなが夏合宿を終えて帰ってきて賑やかになった。

ステイ先輩はマックイーンさんとトレーニングに勤しんでいたようで、荷物がぶちまけられた床には履き潰されたシューズと擦り減った蹄鉄が転がっている。

ものすごく日焼けしているキングちゃんは海で泳いでスタミナを鍛えたらしい。

バーベキューにスイカ、海鮮丼にカレー、スペちゃんは夏合宿の話を聞く限り食べてばかりだけど大丈夫なのだろうか。

 

 

 

オータムハンディキャップはいつもとあまり変わらなかった。一番の問題は夏の熱気であって、蹄鉄が重いのはちょっとそんな気もするくらいだ。それにしても1600mはいいな。ダービーが2400mの長丁場だったからか余計に楽に感じる。

 

問題だったのはレース終わりのインタビュー。

いつも通りの受け答えをして、最後に次のレースが毎日王冠だと言った時だった。

蜂の巣を突いたかのようにザワザワと騒がしくなる。なんか前にもあった気がするなこの展開。

 

ちょっとして周りが落ち着くと、親切なことに記者さんがスズカさんも出ることを教えてくれた。いや知ってるんだけどね。

 

 

 

 

 

 

 

9月も後半になると、秋のファン大感謝祭なるものが開かれる。去年までは寮で寝ているところをキングちゃんに連れ出されていたのだが、今年はなんとステイ先輩がやる焼きそば屋台で看板娘をすることになったのだ。

 

これをやらなかったら、生徒会からの依頼で大食い大会にでるハメになるところだった。

 

いや、スペちゃんが出るのに勝てるわけないじゃん。この間の期間限定三段盛りハンバーグを1日で完売に追い込んだモンスターに誰が勝てるのだろう。

エントリーしたキングちゃんとタイキ先輩は本当に尊敬してしまう。

 

 

 

ファン大感謝祭当日、ステイ先輩になぜか勝負服に着替えさせられて屋台まで連れて行かれる。

 

そして暴君と書かれた鉢巻と「私が最強です」と書かれた襷が出てくると、あれよあれよという間に私に装着されてしまった。

聞くところによると、知り合いに賭けで負けたんだとか。内容は勝負服でこれをつけて看板娘をやることだったそうだが、誰との指定がなかったので私がやるハメになったとか。

妙に機嫌よく看板娘をやらないかと聞いてきたと思ったけど騙された!いや騙されてはないけど思ったのと違った。

 

 

棒立ちで看板を持っている私(看板娘って看板を持つ娘って意味だっけ?)を横目にステイ先輩とそのトレーナーさん、それから何故かマックイーンさんの3人はてきぱきと開店の準備をこなしていく。

 

店名のゴールド焼きそばというのは置いておいて、メニューを見ると意外にも種類が多い。オーソドックスなグランプリ焼きそば、トウガラシタップリの暴君焼きそば、海鮮入りの金船焼きそば、おすすめとだけ書いてあるドリーム焼きそば、等々。

 

 

そして、いよいよ開場。

お客さんが一斉に場内になだれ込んでくる。

そして私が声を張って客呼びをするまでもなく、ゴールド焼きそばはあっという間に長蛇の列となった。そのせいで、私は最後尾の案内に徹することに。

 

これは意外と面白かった。沢山の人が来るけど、基本的に私をちやほやしてくれるので嫌な感じはしない。

いつもはファンの人たちはスタンドの中にいるので直接話すことはないけれど、目の前で応援されたりするのは新鮮だ。中には何故か私を見て拝んでくる人や襷と鉢巻を見て笑いを堪えられなくなる人もいた。

 

それから、結構な人に写真を撮られた。そういえば、制服のウマ娘の写真を撮ったりするのは禁止というルールだった気がするが、今の私はばっちり勝負服姿。バッチリ撮ってくださいとでも言っているようなものか。まあ、減らないからいいか。

 

売れ行きも順調そのもので、昼前の時点で早くもトウガラシと海鮮がなくなりそうな勢いだ。

ステイ先輩もそうだけどマックイーンさんもヘラ捌きが尋常ではないな。そして、一番凄いと思ったのは会計から受け渡しまでを物凄い勢いで捌いていくステイ先輩のトレーナーさんだ。トレーナーというのは一人残らずエリートだというのが良くわかる。私がやるとお釣りの計算すら怪しそうだ。

 

 

恥ずかしかったのは知り合いが来た時だ。

朝一番に来たのはトレーナーさんだ。スぺちゃんのトレーナーさんと一緒にやってきて、一目見た瞬間驚きながらも噴き出していたのを私は見ていたからね。

 

次に来たのはグラスちゃんとエルちゃんだった。最初は2人とも少し高めのテンションで話しかけて来たものの、突然落ち着いた感じで最後に毎日王冠が楽しみですねと残して去っていった。こんな日にまでレースのことから意識をそらさないのは流石にレースが好きすぎないだろうか。

 

そして、なんとセイちゃんと一緒にスぺちゃんもやってきた。なんと、大食い大会に出るというのに既に両手がバナナとニンジンで埋まっている。口に入れたままなにやらフガフガ言っていたが色々大丈夫だろうか。

 

さらに悪ガキトリオもやってきた。

ときどき連絡はとっているが、対面で会うのは何だかんだ久しぶりだ。まあ、正確にはこの間のレースのウイニングライブで見つけたので、一応会ってはいるのか?

勝負服を間近で見るのは初めてだったらしく、3人そろってレースやライブの時と何が違うのかを真剣な顔で議論し始めたので絞めておいた。

なお、こいつらは3人そろって暴君焼きそばに挑戦し、泣きそうになっていたので笑ってやった。

 

続いて父がやってきた。なんでも母は用事があって来れなかったらしい。

ちょっと目を潤ませながら「ウィーは最強だよ」といって抱きしめるのはやめてほしい。周りの人が見ているのに恥ずかしすぎる。

 

 

大感謝祭も終わりに近づくころ、スズカさんがやってきた。

そして、私の姿を見るや否や立ち止まり、じーっとこっちを見つめている。

 

そして、

 

「でも、それでも、私の方が速いですから」

 

と一言残して走り去っていった。

それを見たステイ先輩がサムズアップしてくる。

うーん、カオスだ。

 

 

なお、途中非常にマナーの悪いちびっ子ウマ娘集団が襲来し、ステイ先輩と親し気に話していたがあの子たちは一体?

 

なお、メインイベントたる大食い大会はあっさりスぺちゃんが優勝した。堂々の先行逃げ切りの横綱相撲だったらしい。日本一おいしく食べるウマ娘になりますと宣言したシーンが学園公式ウマチューブに載り、結構な再生数を獲得したんだとか。

キングちゃんとタイキ先輩は三コーナー途中でバタンキュー。残りは既に食べ終わっていたスぺちゃんのおなかに収まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ファン大感謝祭が終わるといよいよ秋も本番、本格的な昼寝シーズンが到来する。

ただ、それと同時に東京レース場でのレースも始まってくるので休日ゆっくり寝ていると歓声で起こされそうなのが難点だ。今のところはそんなことはないが、ダービーの時のような騒がしさだと流石の私も寝続けるのは大変そうだ。

 

トレーナーさんはといえば毎日王冠で私がどう走るべきかを考えていて最近私のお世話がおざなりだ。そこまで複雑な作戦にされても、私は覚えていられないんだから、ちょっとは私の機嫌を取るべきだと思う。

こないだ一個下のふわふわ好きな子に昼寝場所の相談をしたときに、人工衛星ってカメラとかのパーツは凄いけど脳味噌にあたるコンピュータはゲーム機以下なんだという話を聞いたが、その時に感じた既視感の原因が分かった気がする。

 




感想、高評価、お気に入り等お願いいたします。



次回はトレーナー視点当たり入れてそのあとが本丸予定。
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