土曜日はグラスちゃんのアルゼンチン共和国杯。
ありがたいことに東京レース場での開催なのでエルちゃんと一緒に見に行ったのだが、レース前のグラスちゃんには物凄く喜ばれた。
やっぱり友達が来てると嬉しいよね。
グラスちゃんは普段おとなしいけど、レース前になるとものすごい気迫を纏っている。それが自分に飛んでくる時は恐ろしくてたまらないが、外から見ているとかっこいいなぁ。私もそんな風格が欲しい。
エルちゃん曰く、普段から薙刀の鍛錬を積むとああなるらしい。えっ、グラスちゃんそんなことしてたのか。でもなんか納得だ。
レースの距離は2500mという長距離に分類されるレース。ダービーと100mの差だが、スタート直後が坂なのが大変だそうだ。
まあ、グラスちゃんにはそんなことも関係ないようだ。最後の直線、真ん中から抜け出して堂々とゴールを先頭で駆けて行った。
レースを終えたグラスちゃんは久しぶりに見たいい笑顔だった。
日曜日の菊花賞はテレビで見ていたがセイちゃんの独壇場といった感じだった。気持ちよさそうにリードを取ったセイちゃんはそのまま内側のラチにそって気持ちよさそうに走って逃げ、あっという間に3000m彼方まで走り抜けていった。なんというかレース全体をコントロールしたかのような感じでなめらかにペースを変えて後ろを戸惑わせているようだった。
一方で、キングちゃんとスぺちゃんは真横にならんでお互いを睨みつけながらレースをしていたのだが、スパートし始めたのが遅すぎたのかセイちゃんに追いつくことは出来なかったみたいだ。
トレーナーさんが言うには、互いにマークしあった結果セイちゃんに意識が向いておらずペースをコントロールされてしまったとのこと。流石はセイちゃんである。ふとした瞬間に意識の隙間から襲い掛かってくるのだ。
というかなんだレースをコントロールするって。必殺技っぽいし私もちょっとやってみたい。
そういえば、中継を見ていたところ何度も私の名前が出てきたのでびっくりした。たとえるなら普段授業中生徒を当てない先生がいきなり私を目掛けて質問の刃を突き立てて来たような驚きだ。
まあ、出るとか出ないとかでゴタゴタしてたからね。私も東京かせめて中山レース場だったらちょっとは出ることを考えたんだけどなぁ。
あと、菊花賞のファンファーレはなかなか良かった。というか私が走るレースのファンファーレは大体いつも同じなので、ちょっと新鮮な感じがする。ファンファーレにもバリエーションなるものがあるんだなぁ。確か、天皇賞春の時もこんな感じだったので長距離レース用なのかな?
そういえば、スズカさんは検査の結果、脚のなんとかとかいう腱が炎症の前段階とかで休養に入ることになってしまった。日常生活は問題なく送れるものの、走ることは基本的に禁止されているので不満そうだ。
不便そうなのでステイ先輩に貰った私のセグウェイ、良い子ちゃん号をスズカさんに貸してあげることにした。
喜ばれたのはいいんだけど、充電が持たないのが玉に瑕って毎日どれだけの距離を乗っているのだろうか。私なんかは3日に1回の充電で十分なんだけどね。
スズカさんはジャパンカップに出れなくなってしまったものの、エルちゃんやスぺちゃんとは一緒に走れるみたいだ。それに、エアグルーヴ先輩もでるんだとか。
そして、有馬記念の方はグラスちゃんを始めとしてセイちゃんやキングちゃんも出る予定だし。シニア級だとブライト先輩やフクキタル様も出るかもしれないとのこと。
知らない人ばっかりだとちょっと気まずいけど、このくらい知り合いがいれば楽しそうだ。
あと、ステイ先輩はどっちも出るらしい。ソウデスカ。イイエナンデモ。
それから、ジャパンカップには海外のウマ娘も来るらしい。きっとフェロモンを振り撒く超絶美ウマ娘とかが来るに違いない。楽しみだなぁ。
時間の流れは早いもので、菊花賞が終わって少したつと学園はジャパンカップの色に埋め尽くされる。
私の走る姿にエフェクトをつけたカッコいいポスターがあちこちに貼ってある。センスがあるなぁ。
それからステイ先輩のポスターも見つけたのだが、なんか健気に頑張るウマ娘みたいな扱いだ。絶対中身を知らない人が作ったな。
スペちゃんは何やらハチマキを巻いて頑張ってトレーニングしているらしい。なんか物凄く想像できるな。最近よく話すスズカさんが嬉しそうに話してくれた。
というか聞くところによるとエルちゃんとキングちゃん、グラスちゃんにセイちゃんも一緒にやってるみたいだ。みんな仲がいいな……あれ?
少し肌寒くなってきた昼下がり、最近では珍しく誰もいない旧理科室のソファに靴下まで脱いで横たわる。なんとなく、こっちの方が脚の疲れが取れる気がするのだ。
レースに出るようになって一年と少し。
いつの間にやら随分大事になってしまった。
最初は驚いていた観客の数にも動じなくなり、なんだかんだと聞いてくるマスコミ連中の扱い方も格段に上手くなった気がする。
けれども、やっていることは何一つ変わらない。
やたらと仰々しく開くわりにタイミングが分かりにくいあのゲートから出て、1600mだとか2000mだとか決められた距離の先にあるゴール板を他より早く走り抜ける。
レースに名前が付いて派手な煽り文句が飛び交うようになっても、目の前にあるのは芝であり蹄鉄でそれを踏み荒らすのは全く同じだ。
そして、すごいらしいレースになればなるほど、走ること以外の部分がどんどん大きくなる。3分走ることについて、謎の式典やらインタビューやらが山のようにある。
なんでこんなことになっちゃったんだろうか。
去年の今頃は走るレースについてあれこれ言われなくて楽だったな。トレーナーさんと2人で考えればそれで良かったのに。
そもそも私はそこまで大きいレースを走りたいわけじゃない。移動しなくてよくて、暑くも寒くもなくて、泥だらけにならなくて、出来れば短めのレースが良いかなくらいの希望しかないのだ。
まあ、あと2回だし文句言うほどでもないか。
いろいろ終わったら一日中のんびりゲームでもしたいなぁ。
そろそろ投稿頻度落ちるかも。