エルフのめん屋さん 作:しょうゆラーメンがすき
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魔術とは本物の魔法使いや魔女が使える魔法を属性という概念に落とし込むことで、凡人でも奇跡を起こせるようにしたものである。
しかしながら凡人が奇跡を起こすためには概念について深く知り、原理を解明する必要がある。故に我々は科学を学び、属性という概念への理解を深めねばならないのだ。
「キサラ、何を読んでいるんだい?」
「パンフレット。入学式で貰ったやつ」
俺が通うDAWN魔術学園は文字通り魔術を学ぶ世界有数の教育機関である。なんかしょっちゅう爆発するし重傷者も出るし、ヤバいやつらが一つの寮に収監されてたりするが世界有数の教育機関である。
……いや、それでいいのか世界有数の教育機関。まず俺としては思うわけよ。OBOGが良くない。自由な校風がウリらしいけど卒業生の一人がひぃ婆ちゃんだぞ。しかも俺が知ってるOBOGはみんなあんなんだ。面白い人達だなとは思ってたけどどう考えても俺の情操教育には良くなかったただろ。よく俺はあの環境でまともに育ったと思うよ。だって兄貴と姉貴はイカれちまってたわけだしさ……。
「リナミ〜 遊びに来たぞ〜!!!」
閑古鳥が鳴いている店内に爆音と共に来訪者がエントリーする。
その来訪者の外見は緑髪の少女、声もまた見た目通りのもの……、それはちょうど俺の目の前にいる見た目だけ少女な婆ちゃんと瓜二つであり、その人物は婆ちゃんに抱きついた。
ゲェッ!? ひぃ爺ちゃん!
「おぉ! キサラもいたのかぁ!! 授業はどうだ?? しかし可愛いなぁお前も本当に!!」
彼……、いや彼女? は俺のひぃ爺ちゃん……、爺ちゃんと言っていいのか? いや、生物学的にはひぃ爺ちゃんなのでひぃ爺ちゃんと呼ぶが、彼は俺の曽祖父であるメレア・コロリンである。学園の教頭もやっている。……ダメだ、頭がこんがらがってきた。なんか去年いきなりあの姿になったんだよな……。わけがわかんねぇ。
ひぃ爺ちゃんは一応人間であり寿命も本来80年程度のはずだった。だがエルフのひぃ婆ちゃんが好きすぎるあまり、肉体を改造して自らの遺伝情報を持つホムンクルスに魂を転写?することで半永久的な不死を成し遂げたらしい。意味が分からないしこの技術ができて200年くらい経った今でも魔法使い以外ではひぃ爺ちゃん以外に同じことはできないそうだ。 一度理論を聞かせてくれたこともあったが全く理解できなかった。
ひぃ爺ちゃんは一昨年まではヒューマンの老人の姿だったんだけど……、なんか事故があったらしくて今はひぃ婆ちゃんとそっくりな俺の姉貴と同じ姿をしている。早く元の姿に戻ってくれ。頭がおかしくなる。
「そういえば昨日の爆発見たか?? 」
「見ましたよ、凄い爆発でしたねぇ」
「そうだろうそうだろう! いやぁ、会心の出来だったなぁ!アレは!!」
あと、ひぃ爺ちゃんは爆破狂いである。建築物を爆破解体するのがどうしようもなく好きらしい。幼い頃は家がちょくちょく建て替わることは普通なのだと思っていたのだが、普通ではなかった。頭がおかしいだろ。なんで自分の家を定期的に爆破するんだよ。どんな教育方針だ。こんなんが教頭だから学園全体がおかしいんだよ。さっさと辞任しろよ。金ならあるだろ。ひぃ婆ちゃんと隠居してろよ……。
「キサラの言葉は相変わらず心に響くなぁ……。隠居してゆっくりとした生活を送れなんて言ってくれるなんて本当に優しいよお前は……。
ひぃ爺ちゃんついに耳が遠くなったのか……? どこをどう聞いたらその感想が出てくるんだよ。
「ああそうだ、キサラにお小遣いをあげよう。テストでいい点とったんだろ? ご褒美だぞ!」
わぁい! ひぃ爺ちゃんだいすき!!