本稿では都合のためミレニアム印のしずかな電気自動車 or たくさんのせられるヘリがあることにしておきます。
ミレニアム 廃墟/ウォッチポイント外郭
『先生、間もなく作戦エリアに到達します。目視範囲内で異常はございますか?』
”今のところ事前情報通りだよ。戦闘痕はあるけど…これはあの日の?”
「はい。C&Cによる前回調査時とも相違ありません」
ウォッチポイントと呼ばれる施設の近傍。以前の調査と戦闘により粗方の防衛設備が沈黙しているエリアまでは問題なく到着することができた。
ここまでは廃墟らしく多少のドローンが徘徊していたものの、それ以外の特殊な戦力は見られず、水没地区とは距離があるためか預言者ケテルや類似する大型兵器の反応も無し。今のところ救助作戦は順調と言ってよいだろう。
…とはいえ、本番ここからだ。
「先生、”エア”から連絡は?」
”新しく
「ユズのように静かな性格なのですね。ロッカーを開けて回る必要があるならばアスナ先輩に声を掛けるべきだったでしょうか」
”アスナたちは他の任務みたいだから、仕方ないよ”
ロッカー探しはともかく、エアから
作戦エリア、つまりウォッチポイントが近づくごとにアロナとプラナが少しずつ変な感じがしているのだと言う。例の赤い封筒に感じたものと同種の……
”…ちなみに二人とも、体調に異常はない?”
「うん。私は何とも無いよ」
「私も作戦遂行に問題はありません」
『もちろん、病弱系美少女の私ですが今のコンディションは抜群です』
…エイミ、トキは二人とも何も感じていない。この場に居ないヒマリはまぁ一旦放っておいて良いだろう。シッテムの箱へのアクセスしかり、ウォッチポイントにはオーパーツに干渉する設備でもあるのだろうか。
”何か不調があったらすぐに言ってね。この先は戦闘になるだろうから”
”それじゃあ、ウォッチポイント襲げ………エア救助作戦、開始!”
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「周辺の敵性ドローン排除完了。無名の守護者タイプが残骸のフリしてるのはびっくりしたけど、あんまり強くなくて良かった」
「これまでと異なり経年劣化が見られました。色彩の尖兵としての戦闘データも十分ありますから、エリドゥの演算抜きでもアビ・エシェフの敵ではありません。ピース、ピース。」
作戦エリア突入から数分。目的の建物まであと大通り1つというところで目に付いたエネミーの排除が完了する。エイミの言う通り、転がっていた無名の守護者が急に起動したのには驚いたもののさしたる障害とはならなかった。
あの日、色彩の尖兵が限りなく迫る戦線を単騎で押し留めたトキにすれば急に動くだけのそれらはもはや片手間に処理できる的と評して相違ない。
経年劣化が見て取れるほど古いと言うのが気になるが、考察は帰ってからでも良いだろう。
”ヒマリ、この通りの先に見える大きい建物がウォッチポイントだよね?エアが分かりやすい場所に居ればいいけれど”
『はい、そこが目的の施設です。侵入したら警備システムをハッキングしてエアさんを探しましょう』
軽いやり取りで気を締め直し、目的地へ向けて前進を再開する。広い通りには残骸を含めて敵影無し。このまままっすぐ進んで問題なく到着できるはず…
「…先生、少しお待ちいただけますか?」
”トキ?もしかしてどこか怪我してた?”
「……いえ、軽い耳鳴りでした。バイタル異常無し、進みましょう」
「あ、トキも?実は私も。気圧かな」
ここに来て2人揃っての耳鳴り。私は何も感じない。
…思い付いた心当たりに、シッテムの箱の二人に問いかける。
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”アロナ、プラナ。変な感じはどう?”
「ずっとはっきり感じます!声が、声が居ます!」
「あの建物の地下からです。私たち…いいえ、先生に呼び掛けているような」
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”エアが呼んでいるのかも。急ごうか”
遂にエアから起こされたアクション。オーパーツだけではなく生徒にも干渉できるのだろうか。
もしかすると特別な能力を抱えたものの、アリスの様に疎い子で、加減ができていないのかもしれない。
そのような事を考えながら静かになった通りを3人で駆け抜け、無事建物のゲートにたどり着くことができた。
…途中何かに見られている気がしたものの、その正体は最後まで分からなかった。
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ウォッチポイント内部、入口であった大仰なゲートを二つ超えた先。4人は揃って口を噤んだ。
施設内の電源が稼働していたのは良い。廃墟ではよくある事で、何なら電源が死んでいても設備が生きている例もある。…ちなみにこの建物の自販機は正しく壊れていた。
更に見たことのない形の機械があるのも、まぁ良い。廃墟の趣の一つだ。
ただいくら何でもこれは…
”エア、この穴の底にいるの…?”
「直径も100mを超えますが深さは数百m、いいえ1kmはあります。救援を求める訳です」
『高度75,000mから飛び降りた先生なら…ジョークです。絶対に真に受けないで下さいね』
ウォッチポイントと呼ばれた建物、大きく見えた外殻は正しく殻でしかなくその本体は中央に掘られた正に大穴であった。
側面を怪しげに彩る光はコンピューターであろうか。全面がそうであるならばミレニアムでもそう見当たらない規模の巨大電算機になる。
しかし本質はそれではないと、奥底で照らされる設備が主張している。穴の側面を通って集まるパイプに彩られた何かが、このウォッチポイントの本体なのだと確信があった。
『設備の詳細データが見つかりました。あれは”センシングバルブ”。地下を流れる
「聞いた事無い。地下資源かな」
”私も分からないな…エアはどうしてそんな物の近くに”
ヒマリの調査で施設の概要が少しずつ明らかになっていく。そしてなっていく程に謎が増えていく。このままでは際限が無さそうだと、一旦切り上げて周囲を見渡す。
何か、底にたどり着ける設備がないか探し…
いくつかの破裂音のあと、ガシャンと大きな音が穴の底から届いた。
「部長。そのセンシングバルブっていうの、壊れたらどうなるって書いてある?」
『…状況によるそうですが』
『爆発します。退避してください!先生!』
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《……い…………生…………先生 目覚めてください》
《あなたの自己意識が…コーラルの流れに散逸する その前に》
パチパチと弾ける様な酩酊感の中、声が響く。脳内に直接…いや、意識がはっきりしてくるにつれてきちんと耳から通じる
あわせて閉じていた瞳が、暈けていた視界がその
「目覚めましたか 先生」
「私はルビコニアンのエア」
「先生に 私の「交信」が届いたのですね」
「お願いがあります 先生」
「私を…私の同胞達を」
「助けてください」
ギリギリエアちゃん顕現まで書けました。場面の切り替えがうまくいきませんね
次も頑張ります