竜胆さんの日々   作:どういうこったあ!

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 ノゾミの解像度が限りなく低いため、キャラ崩壊していたら申し訳ないです。


橘姉妹とセロリ。そんな日々。

 「スオウさんが裏切ってシェマタを奪いに行った!?」

 

出発の準備も出来たので、安全報告と状況確認のために先生に連絡したのだが、思ったよりも状況がカオスになっている。

まず、ネフティスが私募ファンドを裏切った。これは想定内。

想定外なのは、カイザーの介入。

ネフティスについていたはずのスオウだけれど、実際はカイザー側についていたらしい。

 

カイザーは私募ファンドを買収し、ネフティスも拘束した上で、ホシノに契約の解除を持ちかけた。

ホシノがアビドスの副会長から書記に降格して総会での発言権はなくなったから、その企みは無駄だったわけだけれど。

 

ホシノが契約の解除をできないことを知ったカイザーはすぐさま総会を終了させ、シェマタがあるであろう場所に向かおうとしたところ……こちらもスオウに裏切られた。

カイザーを裏切ってヘリを奪ったスオウは、アビドス砂漠閉鎖地区セクター35-9に向かったらしい。大立ち回りがすぎるだろ。

 

先生たちはそれを止めようとしたのだけれど、ホシノがまたしても一人で止めに行ったので、ノノミを救出して追いかけっこ再開。マジでホシノの様子がおかしくないか?

先生に対する信頼はあるはずなのに、この独断専行……なにか列車砲の破壊とは別の何かがある……?

 

「そうしたらこっちもセクター35-9に向かいます」

 

「うん、お願い。それと道中、カイザーPMCが大勢いると思うから気を付けて」

 

「了解です。そちらも気を付けてくださいね」と、電話を切る。

 

「ホシノ先輩はユメ先輩に囚われてるんだと思う」

 

先生との会話を運転席で聞いていたシロコが呟く。

 

「ユメ先輩……か」

 

ゲーム内でもホシノの過去は深堀りされていたわけではないから、ホシノとユメ先輩に何があったのかはわからない。

精々、ユメ先輩の死に対して、ホシノが酷く後悔していることくらいだ。

聞いた限りだと、今回のホシノは「ユメ先輩ならこうするはず」って理由で動いているらしい。

 

確かに囚われているのだろうけれど、それは俺とシロコも一緒だ。

違う点があるとするのならば、ホシノは前に進めていなくて、俺たちは少しづつ前に進んでいる。

 

この物語の行く先で、ホシノが前に進めるようになっていれば、それはきっと『青春の物語』なのだろう。

フィクサーが誰なのかはわからないけれど、これは『青春の物語』だ。

他のジャンルなんかには絶対にさせやしない。

 

邪魔をするなら、全力でぶっ飛ばさせてもらおう。

 

◇◇◇

 

 「うおー、助かったー」「バヒャヒャッ、またしてもピンチ脱出!」

 

なんだこいつら。

 

道中のカイザーを千切っては投げをしていると、先生たちから報告されていたハイランダーの生徒たちを確認。

カイザーに拘束されているみたいだったから救出した。

先生たちをセクター35-9に送り届ける手伝いをしてくれたらしい。昨日の敵は今日の友ってね。

 

「すみませんが、生徒会の谷まで送り届けてもらってもいいです? ナビなら先生から送られてきたのがあるので」

 

「りょーかーい」「恩返しっしょ!」

 

快諾してもらえたので、予想通りの時間に着けそうで一安心していたところに、先生からの連絡が。

 

「テレス、今どこ!?」

 

かなり切迫している様子だったので、簡潔にこちらの情報を伝える。

 

「ちょうどハイランダーの生徒さんと合流したところです」

 

「今、大オアシス駅にシェマタが向かってる! 二人にはそれを止めてほしい!

「ホシノもセクター35-9に向かってるけど、そっちはヒナにお願いしたから大丈夫!

「それじゃあ、あとはお願い!」と、電話を切られる。

 

朝の段階でヒナに連絡したし、そっちは驚かない……んだけれど、まさかの最強対決ですか? こんな状況なのに、くっそテンション上がるんだけど。

 

「テレス、準備できたけど……」

 

先生から送られてきたシェマタの情報を見て、シロコが眉間にシワを寄せている。

 

列車砲シェマタ。

いっそ要塞兵器とでも呼べそうな巨体。それでいて移動速度がまあまあ早い。

これなら、あと二十分ぐらいでセクター35-9には到着しそうだ。

 

この巨体ともなると、ノゾミたちがカイザーを足止めしたみたいな複線ドリフトは使えない。

となると、後ろから衝突して乗り込むか、並走して乗り込むか、ここで迎え撃つかだけど、迎え撃つのは列車砲を撃たれる可能性を考えてなし。

太陽と同じ温度のプラズマを撃たれるとか考えたくもない。

 

「シェマタに先行させて、後ろから衝突して乗り込む形にしようか」

 

並走は失敗の危険が大きいし、これが安牌だろう。

シェマタを止めたあとは、ホシノに破壊されないよう大オアシス駅まで移動させて、そこで先生たちがくるまで待機かな。

 

「ん、わかった。ハイランダーの子たちにも伝えてくる」

 

それで万事解決。めでたしめでたし――なんて結末になるのか? 本当に?

シャーレを爆破した犯人の目的は何だ? シェマタの入手を諦めた?

 

スオウの目的。ホシノの独断専行。シャーレ爆破の犯人。わからないことばっかりだ。

だからこそ、今できることを全力で。

 

―――

――

 

 「うおー、でかーい」「シェマタきたよー」

 

ものすごいスピードでこちらに向かってくるシェマタが、視界に捉えられる距離まで迫ってきた。

先生から送られてきた映像で見た以上にその体は巨大だ。まさに要塞兵器。

 

「シェマタがここを通過次第、車線変更してすぐに追います」

 

「まかせろー」「はいよー」

 

「それじゃ、そっちは頼んだわよ」と、管制室にいるヒナからも声がかかる。

 

「任セロリってやつです。ヒナさんもご武運を」

 

「任せなさい。負けるつもりはないわ」

 

俺達がシェマタを待っている間に遅れて到着したヒナだったが、先生から頼まれたこともあってか、なんだが肌がツヤツヤしていた。

これなら連戦続きのホシノに負けることはないだろう。

 

「シェマタ通過ー」「出発するよ!」

 

ガコンっと車内全体が揺れ、列車が動き出す。

 

「このまま全速力で追いついて、私たちが乗り込んだら、その場で待機でお願いします」

 

「知ってるー」「わかってるって!」

 

いくらツヤツヤヒナだとはいえ、レバーを守り続けるのは難しいはずだ。

なので、シェマタに乗り込んだら、列車は乗り捨てて、ホシノへの障害物にする。

 

「ヒドラジンとーにゅー」「バヒャヒャッ、このまま一気に追いつくよ!」

 

双子がそう言った瞬間、列車の速度が急激に上がる。

衝突に巻き込まれないようにしつつ、シェマタに飛び移るために、俺とシロコは屋根へと登る。

 

「こ、怖いね……」

 

「そう?」

 

やっぱキヴォトス人はハートが違うぜ……!

 

「衝突まで、さーん」「にー」「いーち」「ゼロ!」

 

衝突に伴って、列車が大きく揺れる。

先頭車両の一部はひしゃげて煙が上がっていた。

 

「テレス、行こう」

 

「あいさ!」

 

揺れが収まったことを確認すると、シロコと一緒に全力で屋根を走り、シェマタへと飛び移る。

乗り込み口が一番上にあるので、はしごを伝って登ろうとすると、中からスオウが現れる。

 

「邪魔をしないでもらおうか!」

 

「こっちのセリフですよう!」

 

以前は回避一択だった相手の発砲。けれど、今の俺にはヘイローがある。

スオウの散弾銃から放たれる銃弾を無視して、そのまま上へと登る――とでも思ったか!

梯子から飛び降り、弾丸を避ける。

 

たった一度の発砲。けれど、その隙を見逃すシロコじゃない。

あらかじめテレスと別方向に回っていたシロコは、その身体能力を活かして搭乗口まで辿り着く。

 

「くっ……!」

 

スオウがシロコに照準を定めようと動くが、その動きに平時ほどの素早さはない。

それよりも早く銃を抜いたシロコによって手を撃たれ、銃が落下する。

後ろに挿した拳銃を抜こうとするけれど、それは俺がさせない。

 

「終わりだよ」

 

取ろうとした拳銃が撃たれたことで生まれた硬直に、シロコの回し蹴りが炸裂し、スオウは欄干までふっ飛ばされる。

ホシノとの戦いで限界だったのであろう。スオウは欄干に項垂れたまま、気絶したようだった。

 

スオウをロープで縛った後、操縦室へと足を踏み入れる。

けれど操縦室に入ったは良いものの、よくわからないスイッチばかりだったので、先生と連絡を繋いで、指示を仰ぎながらシェマタを停止させて、ノゾミとヒカリを乗せたあと、大オアシス駅まで動かす。

 

「ふう。取り敢えず、こっちは終わり……かな?」

 

「ん、お疲れ」




 新・この世界における強さランキング

シロコ*テラー=ホシノ*テラー
>トキ(エリドゥとリンクしたアビ・エシュフ有)=ヒナ=ホシノ
>ツルギ=ネル=ミカ
>テレス(ヘイロー有)=トキ(アビ・エシュフ有)
>サオリ=スオウ=トキ=レイジョ=ユキノ
>アズサ=イオリ=シロコ
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