竜胆さんの日々 作:どういうこったあ!
正直、先生とヒナが救出されたあとのことはあんまりよく覚えていない。
機械の体のくせして吐くんだなとか、なんで俺がこんな目にとか、そういうことを考えていた気がする。
気がついたら先生が古聖堂に戻ってきていて、ヒフミがブルアカ宣言して。
そこでホシノの無事も確認できたから、這々の体で山海経に帰って。
数日経って、今に至っている。
いや、うん。まあ、その〜……あれだ。死にたい。あまりにもダサすぎる。
最近は電車の夢から、バットなルートの夢を見るようになったし。
おかげで寝れやしないし、寝ても疲れなんて取れるはずもないし。
ルミやレイジョには心配されるけど、説明しづらいし。
最近の心の支えが忍者忍法帖ミチルっちになってるのヤバ過ぎるだろ。
ミチル可愛いね……。
得たものといえば、俺の知ってる先生だって確率が上昇したことと、レイジョとの稽古を最初から本気でできるようになったくらいだ。
同じ醜態はもう二度と晒しません。
次はえっと……パヴァーヌ二章か。カルバノグはちょっと見守るくらいで特にすることないし。
エリドゥで同じ醜態を晒すとか嫌すぎる。下手したら一生データに残されるかもしれないと思ったら夜も寝れねぇよ。もともと寝れてないですけどねー。はっはー、笑えねぇ。
「私の話、聞いてます?」
「聞いてますよう。ココナちゃん可愛いですよね〜」
「違います。私の膝で寝ろという話をしています」
「ごめんなさい全っ然聞いてませんでした」
え、嘘でしょ? さっきまで和気あいあいとココナちゃんの話してたよ?
そんな一気に話題が飛ぶことある?
◇◇◇
さあさあ、やって参りました晄輪大祭!!! 時の流れはっや。
膝枕? 断腸の思いでお断りしましたよ? でも睡眠不足と稽古のダブルパンチは流石に堪えて、あのあと商会に戻ってお茶飲んだら寝落ちちゃったけど。
あのときはやけにぐっすり寝れたんだよなあ。別にお茶にそういう効果があるわけじゃないのに。不思議。
閑話休題。晄輪大祭。
確かゲヘナが優勝するんだっけ? メインはともかくイベントのストーリーは結構怪しいんだよなあ……。
こっちに来てからすぐに覚えてることはノートにありったけ書き写したけど、やっぱりメインに比べるとイベントのページは薄いし。
にしてもみんなの体操服良いなあ……。中継見てずっとニヤニヤしてる。仮面なかったらヴァルキューレのお世話になってる自信がある。
それにあんまり見れてなかった(というか見過ぎると普通にバレる)から不安だったラビット小隊もちゃんと参加できてて良かった。
ていうか、カルバノグ一章がやけにスムーズだったんだよなあ。
カンナの汚職がバレるのってもうちょっと時間あると思ってたのに、スピード感が思ったよりも早くてびっくりしちゃった。
まあゲームと現実じゃ時間感覚がズレることぐらいあるでしょ。カルバノグは日付またぐ展開が多かったし。
ちゃんと服とお金返しに行くからなカンナ……! ホントにごめん。そしてありがとうカンナ……!
だからそろそろ休みに入りたいかなーって思うんですけど――
「焼き鳥百本追加でーす!」
無理ですよね、はい。
「……百本!?」
んな量、誰が注文したん……ッスーー。
あ、金髪健啖家ゲヘナさん、ちーっす。どうもどうも。
――爆破されないよね……???
◇◇◇
「終わったぁーーー!!!!」
アカリのやつ店側からストップかかるまで食い続けやがった。
おかげで売上は上々だけどさあ……。
なんかシェフとして目つけられたっぽくてメチャクチャ怖いんですケド。
頼むから山海経には来ないでくれ。フリとかじゃなくマジで。
そんなことより、だ!!
待ってろカンナ! 今行くぞ!!!!
と、息巻いてから一日後。竜胆テレス、D.U.に降り立ちました。
バスで寝過ごしたときはどうなることかと思ったぜ……。
いやマジで駄目だわ。豆腐メンタル早いとこ治して質の良い睡眠を取れるようにしないと、日常生活への支障がいよいよ出てきた。助けてツバキ。
ま、今回は無事にD.U.まで辿り着けたし無問題ってことで。
カンナ、玄武商会特製ビタミンゼリーとコーヒー喜んでくれるかなあ。会うの楽しみだなあ。
―――
――
「――迷子マ?」
いや違うんです。なんとなくで行けると思ってたんです。
いやー、マジで? 日が暮れかかってるんですけど? スマホの充電も切れそうだし。
……あれもしかしてマズい?
「おや、テレスさん。お久しぶりです」
そっ、その声は――ッ!!!
「カンナさあああん!!!!」
「どうも、お元気でしたか?」
若干、引いてない? 大丈夫? カンナに引かれたらダメージ結構デカいんだけど。
今の豆腐メンタルだと三日は寝込む自信あるよ?
「その節は大っ変お世話になりました……!! これ服とお金です……!!」
「わざわざすみません……。別にあげたものなのですから返さなくとも良かったのですよ?」
「いえいえ、そういうわけには……」
流石に申し訳なさで死ねる。
カンナがいなかったら転生初日で死亡ルートとかも全然あり得たのに、なにも返さないのは人として駄目過ぎる。
「おや、これは……?」
「玄武商会で出してるビタミンゼリーとコーヒーです! お口に合えば良いんですけど……」
「ああ、ありがとうございます。なんだかテレスさんには貰ってばかりですね」
「……?」
なんかあげたっけ? むしろこっちが貰ってばっかだったのを今日ようやく少し返せたんですが……?
「いえ、こちらの話です。もしよろしければ、コーヒーでも飲んでいかれませんか?」
「えっ、流石に申し訳――」
「遠慮なさらないで下さい。テレスさんの近況もお聞きしたいですし」
「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて……」
こ、これがイケメンムーブ……!!!
不味い、メスになりそう。
――いやいやいや。ないないない。
……ないよ?