Vtuberの俺たちは他人同士になったけど、兄妹設定はやめられない。元義妹が今もお兄ちゃんと呼んでくれる件。 作:羽黒楓
サプライズにしよう、と
明日学校に来てストレートパーマになっていたら、きっと
お兄ちゃんは?
いままでずっとこの天然パーマだったからなあ。
うふふ、楽しみ!
そんなわけで
「マルちゃん、どこか行くの?」
「えへへへ、秘密―! 明日ね!」
不思議そうに顔を傾げる
学校から電車で四駅、そこからちょっと歩いたところらしい。
「小島さんのお姉さんっていくつ?」
「えっと、あのね、今二十歳くらい……かな?」
美幸の返答の歯切れは悪い。
見覚えのあるゴマラーメンの店の前を通り、さらに住宅街へと進む。
「ふーん、こういうところに美容室あるんだねー」
「あの、笠原さん……」
「ん、なに……?」
「あのね、あの、やっぱり、やめにしない? 笠原さん、今のままの髪でいいよ……」
「あはは、ここまで来てそれ言うー? もー私はその気になってるんだから! お姉さんの勤めている美容室ってどこなの?」
「…………ごめんね、笠原さん……。私も、いろいろあってさ……」
「ん? なにが?」
「ここなんだけど」
案内されたのはコンクリート製のちょっとした建物。
建物の名前が書いてあるらしき看板にはなぜか毛布が掛けられている。
察しの悪い
「ふーん? こういうところにあるんだ?」
とか言っている。
美幸は
「ごめんね、こっちなの、本当にごめん……」
そういいながら建物の中へと
★
「あの……これは……?」
二段ベッドが二つの四人部屋、男たちがニヤニヤしながらタバコ(?)のようなものを吸っている。
甘くて青臭い臭いが部屋の中に充満している。
それが大麻の臭いだなんて、
「いやー美幸、お前よくやったよ、こいつ、一年で一番かわいいからな。超楽しみ」
男の一人が言った。
こいつ、サッカー部のなんとかって先輩だ、顔だけは見たことある。
「あの、小島さん、これって、なに……?」
青ざめた顔で聞く
「おい、さっそくやろうぜ」
「だめだよ、こいつ、里香と宗助が来てからじゃないと。カメラで撮影しながら
「あー、ハッパかー。じゃあしゃあないな、待つか。よし、美幸、お前でとりあえず抜くわ。脱げよ」
言われた美幸は、うつむいたまま黙ってセーラー服を脱ぎ始める。
「え? なに? なんなの? 小島さん、これって、え? うそでしょ? うそでしょ?」
「ごめんね、笠原さん……。私も、ハッパの代金払えなくて……その代わりにこうするしかなかったの……」
「ちょ、ちょっと冗談だよね、やめて……やめて……ちょ、ちょっと……」
美幸は下着姿になると、ベッドに横になっている男子部員のところに行く。
そして、
なにこれなにこれなにこれ現実?
夢じゃないの?
足に力が入らなくなってその場でうずくまった。
意味わからない、騙されてここに連れてこられたってこと、なんで?
この人たちサッカー部?
ここ、もしかしたらサッカー部の寮?
私、私……。
逃げようにもドアの前にも男子がいて逃げられない。
「声上げたら腹ぶん殴るからな」
そんなこと言われなくても、もう恐怖で声も上げられない。
なんで、なんで、こんなこと……?
聞こえてくる美幸の声、そして粘膜の立てる汚らしい音を聞きたくなくて、
私も、やられちゃうの?
うそでしょ?
うそでしょ?
うそでしょ?
――お兄ちゃん!!
助けて!