台詞の横に青い数字があります。
そこに指を置いてみて下さい。
貴方には特別な力が授けられました。
開かずにはいられないのでしょうね、貴方も
15才になるとスキルが開眼する。
この世界に生まれ落ちたもの達の中では常識。
「スキル神によるスキルの開示を行う*1」
私もそのうちの1人だ。
神殿から派遣されている人が街に来たので毎年恒例のスキル開眼が行われる。
集まった人達は待ちきれないとそわそわしている。
「おお、楽しみ!*2」
「では、1人目の方、どうぞ*3」
1人目は可愛い系の女の子。
期待に目をキラキラさせる。
色々気になることが多すぎて私は今すぐここで倒れたくなったが、家族も一大イベントと認識しているので帰れん。
次々とスキル開示が行われていく。
綺麗系の子も自慢げに前へ立つ。
「汝のスキルは炎拳*4」
綺麗系女の子はきょとんとなる
瞼にうるうると涙が浮かぶ。
「次の者*5」
「はっ*6」
女の子は涙をこぼしつつ、家族に付き添われる。
女の子の弟が彼女の背中に手を当てて慰めた。
「ねえさん、落ち込まないで*7」
「うん、うん*8」
皆それをみて、己がその立場になることを覚悟してごくりと喉を鳴らす。
女の子が戦闘に興味がなければ無用の代物なのだ。
どう見ても鍛えていたようには見えない。
(それにしても、いやいや*9)
派遣の男は次々とスキルの開示をしていく。
「ねーちゃん、がんば!*10」
私の弟が参観日ようにそこに居る。
弟は二年後にスキルを得られる。
「汝のスキルは馬息子*11」
「うま、むすこ?*12」
「*13つぎ」
「はい*14」
私の番だ。
チラチラと見えるものを気合いのみで視界から消し去る。
実は今日の朝に家族と話した時に青色の数字が現れて、これってスキルなのではと予想しながらも、使い方なんてわからないから見ないようにしていた。
「汝のスキルは*15」
ごくり。
「脚注*16」
言われても飲み込まず家族のところは向かう。
弟も親達も首を傾げていた。
聞いたこともない言葉。
弟がへらりと笑う。
「大丈夫だねーちゃん!おれがみんなを養うから!*17」
「あ、ありがとう*18」
家族とごちそうの待つ家へ向かう。
その折、泣く子や笑ってる子が視界を掠める。
いたたまれない。
「早く帰ろう*19」
「ああ*20」
父が生返事する。
家は辿り着くと私達はたっぷり溜め込んだ疲れを吐き出す。
スキルの儀式ってこんな感じなのか。
私達は所謂転勤ばかりする一家なのでスキルの開示があんなスキルとは思いもよらず。
二度と見に行くものか。
「ねーちゃんのスキルって結局わからず仕舞いなのかな?*21」
弟が好奇心に質問をする。
「さあ*22」
家族に朝から数字が見えていることを言ってみると、みんなが更に困惑した。
私をみないでくれ。
こっちだって一日中見えてるんだもん。
「色々試してみたら?*23」
「な、何か起きたらどうするの?*24」
取り敢えず触ってみなよと言われ、弟の目の前にある数字に指を近づけた。