幸せに満ちたキヴォトスを作り上げた転生先生と、取り零された1人の罪人   作:ムクロウ

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多分作品名を変えます。
今回のやつは適当に決めたので

後ブルアカがとても忙しい。
アリウス水着引かなきゃ…


未だ交わらない2人

 

「そういやお前ら、

 ヴァルキューレに許可とって来てるのか?」

 

畑で採れた野菜を使ったサラダと

目玉焼きトーストを食べる4人に聞く。

 

「…」

 

目を逸らす4人。

 

「おい、まさか飛び出してきたのか?」

 

「キー兄ぃの話を聞いたミサキが飛び出して

 それを追い掛ける形で私達も…」

 

「ミサキ?こっち向こうか?

 あとブロッコリーを避けるのやめろ。

 ぜってぇ食わせるからな」

 

「…別に、追い掛けて欲しいなんて言ってない」

 

ブロッコリーを嫌々と拒むミサキに

無理矢理あーんして食わせつつ溜め息を吐く。

 

「…とりあえず戻れ。

 どこで俺のことを聞いたのか知らんが

 ヴァルキューレに迷惑かけてるんだから」

 

「…もう少しだけ…ダメ?」

 

アツコが上目遣いで聞いてくる。

 

「…私は別にいいけど」

 

そう思うなら俺の袖から手を離せミサキ。

 

「流石にダメ。

 せめて許可取ってからにしなさい」

 

「そうだぞアツコ。

 これ以上はキー兄ぃにも迷惑がかかる」

 

「そう言いながらチラチラこっちを見るな。

 未練タラタラじゃねぇか」

 

「い、いやそんなことはないぞ!」

 

サオリまで何故ここまで甘えん坊に…

お兄ちゃん君らの将来が心配だよ…

 

「えへへ…私は今度会った時に

 目一杯構ってくれればそれで…」

 

「ヒヨリを見習えお前ら」

 

「あ、後雑誌の最新刊とかも買ってください。

 焼肉も食べたいです」

 

「前言撤回だ馬鹿野郎」

 

なんでこう台無しにするのが上手いんだよ。

 

「…どうせあの人が色々やってくれてる」

 

ぼむ?あの人とは?

 

「ミサキ!先生にこれ以上迷惑をかけるのは

 ダメだと言ったはずだ!」

 

「いや…もう迷惑かけた後なんだから別に」

 

「だからこそ早く戻るべきだろう。

 先生の面子を潰すわけにはいかない」

 

…なーるほど?

先生が俺について教えたのか。

となると面倒なことになってるな。

どこまで俺の話が広がってるから知らんが

タイミング的にトリニティかゲヘナだ。

しばらくすればミレニアムにも話は通るだろう。

 

…地獄かな?

 

「…まぁ許可が取れたらまた来い。

 状況が落ち着いたら俺からも会いに行く」

 

「…ゲヘナ?」

 

「それとトリニティな。

 ワンチャンミレニアムも」

 

「三大学園全部って…」

 

「大ピンチですぅ!?」

 

大袈裟…でも無いのか

 

「まぁどうにかなるさ。

 俺は全勢力相手にした状態で

 三日三晩戦ったこともあるからな。

 その時に比べりゃハンデありとは言え

 今の方が幾分かマシだ」

 

そう言いつつ、食べ終わった皿を片付ける。

 

「…そんなことあった?」

 

「覚えてる限りは無いはずだが…」

 

そりゃ事象ごと無かったことになってるからな。

覚えてるやつなんざいるわけがない。

 

「ほれ、食い終わったなら早めに帰っとけ。

 ヴァルキューレが首を長くして待ってるぞ」

 

「…先生にはキー兄ぃのことは

 言わない方が良いか?」

 

俺のこと探してんだったな。

コイツらの面倒見てもらってる手前、

下手な真似も出来ねぇか。

 

「この場所のことは伏せてくれ。

 それ以外は別に何を言おうが構わんよ」

 

そう言いながら銃のメンテをする。

 

「話してもいいのか?」

 

「あぁ、別に知られて困る事は無いしな」

 

正確にはあるが、

それは俺しか知らないから大丈夫だ。

 

愛銃(『ヴィヴァーチェ』)の整備を終えて、弾丸を装填。

それをこめかみに向けて

 

「「「「は?」」」」

 

発砲

 

頭に衝撃が走る。

この時視界が少し歪めば正常に動作した証だ。

 

「よし、点検終わり!」

 

振り返ると

 

「「「「…」」」」

 

凄い怖い顔をした4人がいた。

 

「…俺なんかしたか?」

 

「とりあえず」

 

「そこに」

 

「正座」

 

「えっいやなんで」

 

「早く」

 

…銃を自分に撃つ危険性について

ひたすら叱られた。

 

 

………………

 

 

「んじゃ、また今度な」

 

「あぁ」

 

「…」

 

「うん」

 

「はい…」

 

隠し扉の前で、4人を見送る。

 

「んな寂しそうにするなよ。

 今生の別れって訳でもないんだ。

 またすぐに会えるさ」

 

「そうだな」

 

それでも少し寂しそうなサオリ。

他の3人もどこか表情が暗い。

 

「…ハァ、ならこう言ってやるよ」

 

「「「「?」」」」

 

()()()()()()()()

 また落ち着いたらウチに帰ってこい」

 

「「「「!」」」」

 

居場所の無かった俺達にも、

帰る場所が出来たんだ。

 

「あぁ、行ってきます」

 

「…行ってくる」

 

「行ってきます」

 

「い、行ってきますぅ」

 

そう言って4人は歩いて行った。

それを確認してから家の中に戻る。

 

「key、地上の捜索状況は?」

 

『混乱が収まり、捜索隊が組織され始めました。

 ゲヘナは風紀委員会と美食研究会、

 トリニティの正義実現委員会とティーパーティが

 競うようにして探していますよ』

 

「ミレニアムはどこまで掴んでる?」

 

『セミナーとC&Cはもう情報を掴んでいます。

 ヴェリタスも同様ですね。

 ゲーム開発部とエンジニア部はまだですが、

 それも時間の問題かと』

 

「うげぇ…

 ここにはしばらく帰らない方がいいなこれ…」

 

次帰ったら鉢合わせなんて事になりかねない。

 

「一応聞くけどアリスには?」

 

『王女にはまだ伝えていません。

 王女の中での貴方は

 今でも夢の中の魔法使いです』

 

こそばゆいなその評価。

 

「key、しばらくここを空ける。

 お前も来い。今回はお前の力が必要だ」

 

愛銃をホルスターに収め、

グレネードを装備しつつ指示を出す。

 

『…分かりました。

 相変わらず人使いが荒いですね』

 

「お前は機械だからセーフ」

 

そんな冗談を言いつつ、

key専用になってる黒いドローンを

隠れ家のサーバーに有線で繋ぐ。

 

『…制御回路掌握 Divi:Sion起動』

 

ドローンにピンク色の光が灯る。

そのままプロペラを回し、

俺の少し頭上で対空する。

 

「確か武装は…小型ミサイルと軽機関銃?」

 

『EMPに超音波センサーもです』

 

「義肢のギミックも使えば

 ある程度は集団とも戦えそうだな」

 

もう一つの愛銃は無いが、

あっちは俺の遺品扱いで保管されている為

中々持ち出すのが厳しい。

なので現状の準備としてはこんなものだろう。

一応keyがいれば機械相手には無双できるし。

 

昔の俺はともかく、

今の俺は集団戦闘は然程得意じゃない。

なるべく戦闘は避けたい所だ。

 

砂漠色のローブを纏い、フードを被る。

バレている相手には意味がないが、

情報の広がりをこれ以上加速しない為にも

隠蔽工作は必須である。

 

さて、俺も出発しよ。

そう思い、周囲を警戒しつつ隠れ家から出る。

それにしてもゲヘナとトリニティか…

 

「…また面倒事にならなきゃ良いけど」

 

 

………………

 

 

「…という感じで、無事会うことは出来た。

 これも先生のおかげだ」

 

「そっか、再会出来て良かったよ」

 

私は帰ってきたサオリ達から、

瑠璃唐キトリ、という生徒について聞いていた。

 

どうやら彼が許可してくれたらしく、

住んでいる場所以外は話してくれるらしい。

 

「キトリは何故隠れてるの?」

 

「兄さんは女たらし。

 色んな学園にスパイとして行った時、

 沢山女の子を堕としたから

 生きてると知ったらその子達が押し寄せてくる」

 

それは…なんというか…

 

「業が深い話だね…」

 

「先生が言いますか…」

 

「?私はそんな要素ないでしょ?」

 

原作の先生ならまだしも、

私はそんな生徒に好かれるような人間じゃない。

 

(…この人襲われたいのだろうか?)

 

カンナは本気で思い悩む。

 

(いっそ私が…いやいや、一体何を考えて…)

 

「カンナがトリップしちゃった…

 まぁそれはそれとして、理由はそれだけ?」

 

多分私の予想だと…

 

「…キー兄ぃは元々表舞台に上がることが嫌い。

 私達と同じで、暗躍しやすい環境を好んでる」

 

…やっぱり。

彼も他のメンバーほど深刻では無いが、

やはりアリウスの呪縛が残っているらしい。

 

「後、にーさんは自分は罪人だからと…」

 

…罪人?

 

「ヒヨリッ!それはっ…!」

 

「だ、だってにーさんは場所以外は

 話していいって言いましたしぃ…

 わ、私達だけじゃどうしようも…」

 

「だとしても…!」

 

「…詳しく話を聞いても良いかな?」

 

「…先生」

 

…これは大人としての責務だ。

彼はどうやら重いものを背負っているらしい。

なら、私に何が出来るかは分からないけれど

 

「…私も、力にならせて欲しい」

 

私には私の、すべきことがあるはずだ。

 

「…詳しいことは分からない。

 ただ、酷く後悔をしていることは分かる」

 

サオリが少し暗い声で話す。

 

「…私達が罪を犯したのも

 自分のせいだって、そう言ってた」

 

「罪って…エデン条約の…?」

 

コクリと頷くミサキ。

 

「あの日、巡航ミサイルは

 実は教会に直撃したわけじゃないの。

 空中で謎の事故が起きて、直前で爆破した。

 だから、ゲヘナとトリニティの被害は

 本来の規模よりずっと小さかった」

 

「…」

 

「…その事故が、兄さんによる妨害。

 多分だけど、正面からミサイルを迎撃して

 自分自身を犠牲に被害を減らした。

 皆を守る為に、私達の罪を軽くする為に、

 …自分自身の贖罪の為に」

 

アツコの話を黙って聞く。

 

「にーさんは言いました。

 他にも罪は大量にあるって…

 だ、だから多分、そもそも誰かとか、

 関わることを辞めようとしたんじゃないかと

 私はお、思いますぅ…」

 

ヒヨリの言葉を最後に4人が黙り込む。

 

「…辛いことを話させてごめん。

 教えてくれて、ありがとう」

 

そう言って、頭を下げる。

 

「…!?いいんだ先生!頭を上げてくれ!」

 

「だけど…」

 

「…頭上げて、そんなふうにされても迷惑」

 

「ふふっ、ミッちゃん。素直に言えばいいのに」

 

「…うるさい」

 

「お、終わりですぅぅぅ!

 私達先生に頭を下げさせたって罪で

 また捕まっちゃうんですぅぅ!」

 

「ヒヨリ、うるさい」

 

「…みんな、ありがとう」

 

顔を上げる。

 

「多分だが、また騒動が起きると思う。

 キー兄ぃは三大学園にバレたと言っていた。

 少なくとも、トリニティとゲヘナは

 かなりの人員を使うだろう」

 

未だ仲が良いとは言えない両校だ。

そんな大規模作戦を行えば、

問題が起こることは間違いないだろう。

 

「そこは私がなんとかするよ」

 

そう、今までは原作通りのルートを通ってきた。

これからは自分自分で頑張って…

 

(…あれ?)

 

違和感に気づく。

 

(…なんで今まで私は

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?)

 

明らかにおかしい。

確かに少しは流れが変わり、

それぞれがより良い方向に進んでいる。

 

だが、起こる事態を元から知っている人間が、

そのままの動きを出来る訳がない。

 

例え『先生』を完全に真似をしても

本人のものでは無い以上綻びが生まれ

人間関係やタイミングなどで

違いが生まれるはずだ。

 

さらにここには原作にはいない

瑠璃唐キトリという生徒がいる。

 

どこかの歯車が少しズレたら世界が終わる。

そんなストーリーを進める上で

間違いなく致命的な要因となる要素だらけだ。

 

なのにルートが変わらない?

()()()()()()()()()

 

「…ねぇカンナ」

 

「どうかされましたか?」

 

「少し踏み入った話をしてもいいかい?」

 

「…?構いませんが」

 

少し息を吸い、問いを投げ掛ける。

 

「キトリが死んだって言われてたのは何故?」

 

「…とある事件が起きたからです」

 

「それは…?」

 

「…突如としてキヴォトス全土が半壊。

 関係者全員のその日の記憶の大半が抹消され、

 その全員が記憶する唯一の場面では…」

 

アリウススクワッド、ヴァルキューレの面々が

思い出すように顔を歪ませる。

 

「瑠璃唐キトリ、彼の胸に

 大きな風穴が開いていたという事件が」

 

どうやら未だにこの世界には

きな臭い案件が多く残っているらしい。

それも、とびっきり身近なものが

 

 

…もし神がこの場を見ていれば気づいただろう。

先生の右手の小指に巻きついた

途中で千切れたような神秘の赤い糸に

 

 

………………

 

 

キヴォトスのどこか。

暗い部屋で何者かの気配がある。

 

「クックック…彼の生存が露見しましたか」

 

黒いスーツの『大人』…黒服は続ける。

 

「彼には少し()()があったので、

 いくつかの件に力添えしていましたが…

 観察すればするほど面白い。

 特に彼の神秘は他に類を見ない特異なもの」

 

他に人影はないが、

黒服は少し興奮気味に続ける。

 

「死者を甦らせる奇跡と

 彼の起こした奇跡を天秤にかければ

 間違いなく天秤は彼に傾く。

 そう言い切れるほどの事を為しながらも

 彼に関する記録は例外を除き残らない…

 なんとも不可思議な力です」

 

黒服は何かを取り出す。

それは何かの制御装置に見える。

 

「…彼が望むのであれば、

 多少の協力は致しましょう。

 彼にあの時の後悔と憎悪を向けられては

 私ですら裁かれかねませんからね…クックック」

 

その装置を起動して

横にあるモニターを付ける。

そこには街中を砂漠色のフードを被ったキトリが

ドローンを携えて歩いている。

ふと、キトリがこちらを見つめ

 

『…好きにしろ』

 

そう言って目を逸らす。

 

「…ええ、そうさせていただきますよ。

 瑠璃唐キトリ」

 

黒服の声はどこか弾んでいる。

 

「《三つ撚りの糸》《天罰の執行者》

 《翼無き天使》よ。いえ、それとも…」

 

「《 ()()()()()()()()()()

 と呼ぶべきですかね?」




瑠璃唐キトリ
色々きな臭いことが分かった人

巡航ミサイルに対して特攻したモノホンのキチガイ。

実はミサキのリスカ癖の元凶でもあり、
元々自傷行為をしていたのはキトリである。

後彼は自身が惚れられていることに気づいている。
どこかのクソボケとは違うのだ。


先生
どこかのクソボケ

やっと違和感の正体にたどり着いた人。
現在彼の頭の中ではいくつもの憶測が飛び掛かっている。

相当数堕としているが、こっちは無自覚で気づきすらしない。まさにクソボケ野郎である。


黒服
後方理解者面野郎

キトリの活動について知っている例外的な人物の1人

本編中のムーブはそう変更点はないが、
裏で一度キトリにシメられている。
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