恐竜惑星とジーンダイバーのMOゲームを実況します   作:あーぷ

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古生代前のお色直し

 

 

 さぁて。装いも改まった新生リックくんだ。

 

 いざワールド4、さあワールド4。張り切って進めていくとしよう!

 

 

 

 ……いやぁ、ホント。長らくお待たせしてしまって申し訳ございません。今の画面に戻ってくるまで、相当余計な時間を食ってしまった。

 

 ユイから初期状態で受注可能な『アイ・スーツ』作成クエスト。こいつをクリアしておかないと、そもそもワールド4のステージ選択画面で各ステージがロックされてしまい、入場すること自体ができないんだった。すっかり忘れておりました。

 

 

 

 アイ・スーツ。ようは生命維持機能付きの気密断熱服である。

 

 これまでリックくんがステージ内で身に付けていた、プグラシュティクのパワード・スーツ。元が軍用装備なだけあって、それなりの気密性や防水性が備わってはいる。とはいえ長時間保つ酸素ボンベや、対宇宙線の完全防備みたいな物々しい機能ってことになると、流石にカバーの範囲外だった。

 

 そもそも機動性優先であちこちにスリットがあるため、マスク部分以外はあんがい防護がザルだったりもする。

 

 現にマスク・オープンの状態で虎哲に水責めを食らった原作ティルは、アンダーウェアの撥水性不足もあって、しっかりバッチリ全身濡れネズミと化していた。

 

 

 

 前回にも少し触れた気がするが、古生代以降はそもそも現代型の有機生命体が生存するにあたって、不適当な環境であることが少なくないのと。それからワールド4からワールド5にかけて海中ステージが増えてくることが、このたびお着替えが必須な理由付けとなっている。

 

 時代によっては、外気や海水の成分がフツーに人体に有害なケースもままある。従いまして、その手のステージでキャラクターが普段どおりの活動を継続するために、当然相応の準備が必要になってくるんだな。

 

 

 

 

 

 

 『海は生命のゆりかご』って言葉があるように。40億年に渡る地球生物史の中で、陸上に確たる生活圏が広がっていたのは、純粋な時間経過で見ると、ほんの1/10程度の期間にすぎない。

 

 

 

 まず植物。続いて節足動物などが相次いで上陸を果たしたのが、だいたい4億2000万年前のシルル紀中期。

 

 その次のデボン紀になってようやく昆虫類や両生類が雁首揃え、現代にまでつながる混成的な陸上食物連鎖のヒエラルキーが、段階を踏んで次第に形成されていったのだった。

 

 

 

 環境が生命にそれを許した、というのが実情に沿った言い方だろう。成層圏のオゾン層が紫外線をカットしてくれるようになって初めて、一次生産者たる植物が、水面下から頭を出してもちゃんと生き延びられるようになったんだから。

 

 その一方で、生命が環境を作った、という側面もある。オゾン層形成のための酸素が何処から供給されたのかと言えば。[原生代](20世紀には[先カンブリア時代]と呼ばれていた期間の一部だけど、今ではもうその区分はほぼ使われていない)に[ストロマ・トライト]の形で大繁栄した、浅海のシアノ・バクテリアが光合成によって放出したものがその起源とされる。

 

 

 

 

 

 

 しかしなぜ、シアノ・バクテリアは、往時の停滞状態を打ち破ることが出来たのか。

 

 原生代における酸素濃度の推移をグラフ化すると、億年単位での階段状の上昇傾向を示していることが分かる。好条件下に置かれたバクテリアの繁殖速度は極めて早いため、単にシアノ・バクテリアが出現した、というだけでは、一瞬で平衡状態へと到達してしまい、そうなりようがないはずなのに。

 

 

 

 このへん、諸説あるらしいんだけども……シアノ・バクテリア本体の光合成能力の改良や、当時の海中にはまだまだ多量に溶け込んでいた鉄イオンなどの酸素吸収源(シンク)――それらが酸素と結びついて海底に堆積すると[縞状鉄鉱床]になるわけだ――の消費、消失に加えて。

 

 地球上における『大陸形成の進展』がその背景にある。というのが、ひとつの有力な考え方なんだそうだ。

 

 

 

 継続的な地殻変動によって大陸が形成され、更に、その上には仰ぎ見る山々が盛り上がる。

 

 現代のヒマラヤ山脈が、ヒンドゥスターン平野に莫大な雨量をもたらすように。山岳地帯は、大気の流れを堰き止め、降雨の偏りを作りだす効果を持っている。

 

 

 

 局所的に降り注いだ雨水が、山肌を激しく削り取りながら、河川となって海へと流れ込む。それこそが海中に多量のミネラルを供給する継続的ルートだ。

 

 大陸の形成が進めば進むほど、類似のルートは増えていく。海水に含まれるミネラル成分の漸進的な増大に伴い。海中の生物体量(バイオマス)のキャパシティが、徐々に大きく広がっていった。

 

 

 

 生物と環境の共進化。結局のところ、この星の生命圏の発展は、地質学や天文学上のイベントと、いつだって複雑に絡み合うことで進んできたってことが分かる。

 

 

 

 

 

 

 ……とまぁ、アイ・スーツの話に戻るとしましょ。

 

 プレイヤーの種族次第で、スーツの見た目については大まかに二種類に分けられる。

 

 ヒト文明由来の、ぴっちりとした材質の黒いインナー+灰色の部分アーマーのタイプと。フォロル族由来の、縦向きに蛇腹状の折り目の付いた青い防護服タイプのどちらかだな。

 

 

 

 プグラシュティクとヒトは前者。フォロル、ギラグール、ホモ・ギガンテウスの三族には、後者が割り当てられている。

 

 特にゲーム内で明言はされていないものの、概ね出典作品ごとに分けられているってことかと思う。どっちにも出ているヒト種については、後発の『ジーンダイバー』が優先という流れだろう。

 

 

 

 エウロパ人だけは他種族比で身体構造上の基本耐久力が段違いなため、追加で上から何かを着込む必要は生じない。クエスト自体がスキップされるので、その意味では一等お手軽な種族と言えるか。

 

 もっとも、普通にやっていれば、他種族にしたってエウロパ人と労力的には大差なくなってたはずなんだが。普通に、イチからワールド4(ここ)まで、造り手側の想定通りにやってれば。

 

 

 

 アイ・スーツ作成にあたって必要なアイテムは、各ワールドで手に入る装備品強化用素材の詰め合わせ、といった感じになっている。

 

 必要個数が変に多いし、品目もやたらと多岐に渡っていた。これについては恐らく、純粋にゲームプレイにおけるバランス調整のためかと思う。

 

 

 

 インベントリに余らせているアイテムを回収し、キャラクターごとのデータ容量を削減したり。またプレイヤーにクリア済みのワールドを再び回らせることで、取り零したサブクエストなんかを拾わせるためだったり。

 

 後は単純にルーチンワークの総量を増やして、ゲームの寿命をより引き伸ばすだとか?

 

 

 

「虎哲が言うにはー、アイ・スーツを一着作るのに、特殊な素材がかなり必要なんですって」

 

 クエスト受領時のユイの言は、概ねこういったものだった。

 

「フォロルやギラグールの基地との物々交換で、あたしの方でもある程度までは手配できたんだけど……足らないぶんについては、リックさんも、集めるのを手伝ってもらえないかしら? 特殊って言っても、バーチャル世界で見慣れないものは、そこまで混ざってないはずだから」

 

 彼女からの説明内容は明らかにお題目であって、実情はどうみてもユーザーの進捗状況をコントロールするためのご都合主義だろう。

 

 「なんでそんなにいっぱい要るんだ」とか、「関連性薄そうなのにどうやってスーツに組み込むんだ」みたいなツッコミは、グッと堪えておかざるをえまい。

 

 

 

 ……このたび、周回プレイかつゲーム実況ということで。

 

 道中色々とすっ飛ばしてきたせいで、「足らないぶん」どころか「足りてるぶん」を探す方がよっぽどイージーだったってのは、忘れておきたい現実だよなあ。

 

 

 

 不足分確保のため、新生代から中生代までを一通り巡るハメになった。

 

 一回で入手できなかったせいで二度手間になったステージもある。画面の裏では実プレイ時間のカウントが、ワールド3終了時点比較で1.5倍くらいに増えていたりする。ホント、酷い目に遭わされちまったもんだ。

 

 

 

 

 

 

 今回はそうした造り手側の嫌がらせ……ならぬ、意図に基づき。ワールド1~3をあちこち再周回させられたついでに、以前にも少し紹介した、装備品のカラーリングと、デザイン変更が可能になるサブクエストをこなしておいた。

 

 せめてもの抵抗とでも言いますか。その結果として、リックくんの出で立ちがそこそこ様変わりすることになったのだ。

 

 

 

 防具のデザインを、プグラシュティク一般兵用の微妙にスカスカ基調なものから、ティルやフラウなんかと同タイプの『王家の騎士』仕様に変更。

 

 アーマー胸元のマークには某ピンクの悪魔の居住域(ポップスター)に肖って五芒星を起用。カラーリングについても、くすんだ黄緑色から、明るめのビリジアンへと塗り替えた。

 

 

 

 当然、アーマーの下にはゲットしたばかりのアイ・スーツを着込んでいる。ご覧のとおり、黒いラバー状のインナーが、両手両足の関節部をガードしているのがお分かりかと思う。

 

 またマスクについても、これまで身につけていたモグラ仮面を、透明な紫色の金魚鉢タイプに交換。透き通った球体の奥に彼自身の表情をしっかりと見て取れるようになった。

 

 

 

 視覚面の仕様として、装備中の防具の見た目より、今回チョイスしたデザインの方が優先して画面に表示される仕組みになっている。

 

 ようは装備品の上から被る着包みみたいな扱いになるわけだな。従ってビジュアル面に関しては、現時点のコレがリックくんの最終形態となるだろう。

 

 

 

 元々のハムスターめいたつぶらな瞳の顔つきに、重厚さを増した『王家の騎士』装備の組み合わせ。

 

 緑系統のシュッとした色合いがこれまでの雑兵臭さを打ち消し。ちゃんとしたマスコットっぽい完成度が引き出せている。気がする。

 

 実際、かわいいでしょ?

 

 

 

 ……そうでもない?

 

 うーん。さいですか。自分的にはコレってわりと、良い出来だと思ってたんですけどねえ。

 

 

 

 オーディエンスの反応を見るに、イマイチ評判良くない感じだなあ。自キャラのコーディネートってのはなんともはや、難しいもんだ。バランス感覚が問われる。

 

 既製品の一張羅を上回るのはハードルが高いな、やっぱり。たとえ素性(・・)が何であろうと。この手の作業においては、どうしてもユーザーのセンスと経験が、多分にものを言うってことだろう。

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 今から2億6000万年前。ペルム紀はガダルピアン末期、パンゲア北部、現在でいうところのロシア南西地域に位置する湖のほとり。

 

 ゲンゴロウごとジーン・ダイブさせられ、機体後部から地上へと降り立ってすぐ。

 

 

 

 大葉シダ植物と、初期のイチョウ類で構成された茂みをかき分け。四足歩行の生き物が、少し離れたところでヌッと姿を現した。

 

 硬化した皮膚由来の装甲板が背中を覆った、ずんぐりとしたそれ。例によってグラフィックがあちこちジャギっており、身構えるリックくんに対して唸り声をあげ、明白な敵意を向けてくる。

 

 

 

『あれは、パレイアサウルス科の[スクトサウルス]だ』

 

 第一ステージ開始早々に出くわしたそのエラー発症生物につき。さっそく虎哲から詳しい解説が飛ぶ。

 

 これまでみたくマップをクリアしてから、いちいちゲーム内の用語辞典を参照する手順を踏まなくて済むのが有り難いな。

 

『名前にはサウルス(トカゲ)とあるが、分類上は[無弓類]の一種で現生爬虫類と比べてより古いタイプの爬虫類にあたる。生態系における立ち位置としては現代のスイギュウみたいな草食動物で、本来の体長は2メートルから3メートル。見ての通り、そこまで敏捷な生き物じゃないが、今のお前さんの体格だと、あのサイズだけでも十二分に驚異だ。近場に何匹かで群れてるらしい、ぶつかってもんどり打ったりしたら別の個体に轢かれかねん。引っ掛けられるんじゃないぞ!』

 

 はぁーい、了解しやした。

 

 

 

 

 

 

 ……補足しておくと、このスクトサウルス。一応『ジーンダイバー』原作内にもちゃんと登場していたりする。

 

 ただし、荒野で無造作に転がってた死骸のひとつとして、だけどな。

 

 

 

 劇中ではペルム紀における寒冷化のせいで死に絶えた、というふうな扱いがされていた。

 

 しかし現行の推定だと、パレイアサウルス科はP-T境界事変で絶滅となっているから、それよりも前の寒冷化についてはちゃんと堪えていた……ていうか。むしろ石炭紀初期からペルム紀後期の初頭あたりに掛けては、寄せては返すかのように長らく氷河時代が続いていたんであって。

 

 そもそもこの系統の動物は、モノによってはどっちかというと、寒冷化に適応することで成功したタイプだった可能性すらあるんじゃないかしら。

 

 

 

 見ての通りの太くて短めの手足や、丸々とした樽のような胴体。加えて古生代の陸生草食動物の中では史上最大クラスの巨体といった身体的特徴はいずれも、[ベルクマンの法則]、ないし[アレンの法則]と呼ばれる、現代の寒冷地に生息する生き物に見られる傾向に、しっかりと沿っているわけだし。まぁ実態がどうだったのかは分からんが。

 

 

 

 

 

 

 ところで、「本来の体長は」という虎哲の言のとおり。現在避けては殴ってでHP削り中のこのスクトサウルスA。

 

 

 

 ゲーム画面上のリックくんとの相対比で見ると、だいたい全長が、4~5メートルくらいはあるように見えているかと思う。

 

 白亜紀のトリケラトプスよりは小さいけれど、新生代ステージの雪原マップに出てきた[ケブカサイ]よりは大きいくらい。虎哲の解説と比べると明らかにデカイ。

 

 

 

 古生物って原生生物と違って、化石やらの限定的な情報に頼らざるを得ない。そのため解釈次第で推定値なんかにもある程度幅が出がちなんだけど。

 

 しかしこの件に関しては、別段そういったリアルな事情に拠るものではないのだった。

 

 

 

 

 

 

 実は古生代以降のマップについては、後半、すなわち過去に遡れば遡るほど、だんだんプレイヤーキャラクターがサイズ的に縮小されて表示されるようになっていくんだな。

 

 ここペルム紀だと平均1/2くらいの縮小幅で済むんだが、古生代の前期に差し掛かると1/10近くまで縮むこともある。原生代に入ると、いよいよ米粒未満の領域にまで突入していく。

 

 

 

 局所性フラクタライズ・エラー空間に介入するにあたり、時代を遡るほどバーチャル世界側の抵抗圧力が大きくなるため。それに抗う形で送り込まれるプレイヤーキャラクターのサイズが必然的に小さくなってしまう……と、いうのが一応の理屈だそうだが。

 

 なんてこたぁない。敵として出てくる古生物たちと、こっちの自キャラのサイズ比をガッツリ調整することで、ゲームとしての一貫性を維持するための理由付けをやっているってだけだったりする。

 

 

 

 太古の世界に放り込まれたプレイヤーキャラクターが、凶暴化した様々な古生物とTPS視点でドンパチする。その基本路線は動かせない。

 

 となると、実寸上の関係で後半戦に進むにつれ相対する敵キャラクターが小さくなる。相手方が原寸そのまんまだと、どうしても、尻すぼみって感じがしてよろしくない。

 

 なのでいっそのことプレイヤー側を小さくしてしまうことで、帳尻を合わせる。

 

 

 

 対処療法としては合理的なことをやっている。ただ、それってちょっと捏ねてる理屈がキビシイんじゃないか? という意見もあるかと思う。

 

 SF的に再現生物を考える場合。仮にサイズが大幅に小さくなったからって、中身の方を手抜きできるようになることはないだろうからねえ。

 

 

 

 大きくしようが、小さくなろうが。ヒトレベルの有機知性体一揃いをシミュレーションしている時点で、相当量の演算能力が必須になる。だったら、正直言って表面的な取り繕い以上のものとは言い難いわけだ。

 

 

 

 

 

 

 ……おっと。そういえばこのタイミングだったっけ。いつもの不意打ちさんいらっしゃい。

 

 一体目のスクトサウルスを仕留めて、続けて現れた遠方の二体目に意識を向けたところに別方向から急襲、と。今回は右横の樹上からの敵影に襲い掛かってこられた。

 

 

 

 ありがちなパターンではあるけれど、知らずにボンヤリしてたらだいたいハマってただろうねえ、コレ。一方で、しっかり緊張感を持っていれば、初見でもギリギリ対応が間に合うくらいの余裕があるのもニクい部分だな。

 

 ちなみに今回ガード出来ているので被ダメージとしてはかすり傷だけど、防具をきちんと強化してなかったら、今のでも結構痛かったはず。

 

 全キャラ共通の通常ガードって、割合減算だからな。ダメージからまず防具の防御力ぶんの数字を差し引いた上で減算処理が掛かってくる。ワールド4以降は、基本的に全身フル強化が前提のバランスになっているから要注意である。

 

 

 

『[アエルロサウルス(英)]。単弓類、ゴルゴノプス亜目の中でも比較的小さな種だ』

 

 そして、虎哲の解説がスタート。一瞬だけ画面の動きが止まり、地上に降り立った四足歩行の急襲者に対してフォーカスが当たる。

 

 尾長も含めた見た目の体長が2メートルちょっと。つまり元から倍に拡大されているとすると、本来コイツはせいぜい大型犬くらいのサイズってことだ。

 

 

 

 鱗と剛毛の入り混じった体表は薄茶色。爬虫類と哺乳類の間の子を思わせる、どっちつかずで何とも言い難い面構えをしている。

 

『飛び出した犬歯や、顔周りの洞毛を見れば分かるが、この時期にしてはある程度哺乳類に近づいた生き物で、既に異歯性や初期の体毛を発達させている。また、後脚に関してもほぼ直立した構造になっていてな。不完全ながら、イヌやネコがやるような、飛びかかる姿勢を繰り返して加速するバウンド走法が可能だ。猫トカゲって名前のとおり、小回りやすばしっこさではスクトサウルスとは比較にならんから気をつけるんだぞ!』

 

 オーケイ、気をつけていきましょ。

 

 ……てなわけで、画面が動いた途端にフルコンぶち込んでさようなら。出落ち乙!

 

 

 

 

 

 

 実のところ、ステージ開始時点から早々に警戒してたんだよなあ。

 

 コイツとか、この後に出てくる[リカエノプス]――アエルロサウルスが「猫トカゲ」ならこっちは「狼の顔」という意味――なんかをまるっと含む、単弓類の中の[獣弓目]というクレードがございまして。ペルム紀ステージの中では一等厄介な連中なのである。

 

 どいつもこいつも敏捷性と攻撃力高めのステータス配分をしている。おまけに今回みたく、他の生物種とまぜこぜになって、波状攻撃めいて襲いかかってくるってケースが多い。

 

 

 

 幸いにして相互に連携行動を取ってくることはないし、またHPが低く設定される傾向があるので、きちんと優先して狙えばそこまで苦労なく倒すことができる。

 

 そこらへんについては今実践してみせたとおりだな。見かける都度、攻撃を集中させて、とっとと落としてしまうよう心がけていくべきだろう。

 

 

 

 なお、一発ごとのダメージがスクトサウルスと比べて倍くらい通っていたのは、今回持ち込んだ単弓類特化武器のおかげだな。いやあ、数字がでかいとスカッとするね。

 

 

 

 

 

 

 後ほどこのステージのボスとして出てくる、ペルム紀最大の陸生肉食動物[イノストランケビア]も獣弓目にあたる。

 

 がっしりとした筋肉質の四肢に、強靭な顎。そして口腔内で分化した歯の中でひときわ発達した、二本のサーベルを思わせる鋭い犬歯。

 

 アエルロサウルスやリカエノプス同様のゴルゴノプス亜目だけど、頂点捕食者だけあってそのサイズは段違いだ。本来でも4メートル超えの全長を誇り、そこから倍になるわけだから、プレイヤーの体感では10メートルに迫る巨躯となる。

 

 ここまで来るともう四足歩行の大型戦車みたいなもので、自他ともに認める強ボスの貫禄と言える。

 

 

 

 ……ていうか、顎と犬歯まわりの当たり判定がどうにも雑なせいで事故りやすいのと。あとボス用HPもやたらとゲージ数が多いため、このイノストランケビア。ワールド4のステージボスの中でも、ひときわ悪名高い一頭だったりするのだった。

 

 

 

 そうした手合いとはまともに付き合うべきではない。高火力でとっととすり潰して、極力事故率を下げるに限る。

 

 と、いうわけで、ここでも単弓類特化武器が活躍するって寸法なわけだ。

 

 作って良かった特化武器ってか。まぁ、作っとかないと普通に道中ダルすぎるとも言うが。

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 ボスエリア間際の川べりに潜んでいた、ガビアルもどきの巨大両生類[プリオノスクス]――こいつはワールド1に居たディプロドクスの子どもみたいな「巻き込まれ組」のため、エラー症状が起こっておらず、凶暴化せずにひっそりと隠れていたって手合いだろう。いと哀れ――の鼻面を引っ叩いたボーナス経験値で無事レベルアップ……っと、30か。

 

 

 

 リックくんレベル30。結構節目な数字だったりする。いやはや、とうとうここまで来たかって感じで、感慨深いものがありますなあ。

 

 

 

 新たなアクション・スキルが追加されるレベルは、種族ごとに習得テーブルがそれぞれ異なっている。12レベルで新アクション追加されて13レベルでは何も増えなかったり、あるいはその逆だったりするわけだ。

 

 しかし30レベル到達で、最後のひとつを覚えるっていうのは全種族共通。

 

 例えばヒトだと『パラライザー接触放射』だし、ギラグールなら『首刈りの剛爪』がこの枠を占める。レベル30習得の最終ピース、だいたいコンボの〆に用いられる大火力スキルが大トリを務めている。

 

 

 

 要はこのゲーム。キャラクターのレベルを30まで上げることでようやく、その種族としてのアクション性が完成する設計になっているんだな。

 

 自キャラをカスタマイズするための基本札のすべてが出揃う。節目の数字、と言ったのはつまるところそういった意味である。

 

 

 

 そんじゃ、10の倍数レベル祝いに普段の4割増しで貰えたスキルポイントを、常用アクションとパッシブスキルへ振り込んだついでだ。改めてこの機会に、リックくんのスキル習得具合をざっとおさらいしてみることにしよう。

 

 

 

 

 

 

 本実況の開始当初にも説明したと思うけれど。このゲーム、スキル用のショートカット・スロットは、1キーから4キーまでの4つぶんがデフォルトで設けられている。

 

 ドリアタの↑+Fみたいなコマンドで出せるスキルと、通常アクション各種に加え、その4スキルを主力にしてステージを立ち回っていく前提になっている。

 

 そして現時点でショトカ入りを果たせている、リックくんのスキルレパートリーは以下。

 

 

 

 お馴染みの移動技『ハイディング・アサルト(習得レベル10)』。

 

 敵へのスロウ付与効果付き近距離射撃技の『バインド・ショット(同13)』。

 

 主にコンボに組み込んでダメージを稼ぐ乱舞技の『ドレッジング・ダンス(24)』。

 

 それでもって、先ほどレベル30で取得した、瞬間的な土中潜りからやや前方に移動して猛烈に突き上げる、緊急回避兼対空技の『スプラッシュ・ピアース』。

 

 

 

 4つ目の『スプラッシュ・ピアース』、通称スプラ(もしくは某[頭足類]だけど、別にエフェクト追加でインクが周囲に飛び散ったりすることはありません)。

 

 前述の通り、プグラシュティクが一番最後にレベルで修得する大技。『ジーンダイバー』原作序盤の雪原において、当時はまだヒトと敵対していたティルがユイに対してぶっ放した一撃の再現技でもある。

 

 そのため、ドリアタ同様性能に恵まれた良スキルと言える。

 

 突き上げ部分をヒットさせられれば、そのまま空中から突きおろす感じの急襲攻撃に派生できる。それによって自前の隙潰しも可能と至れり尽くせりの一発だ。

 

 ……まぁ本来の劇中だとこの技ってかアクション。派生技部分のモーションで追撃したところにユイにバンパイアーのパラライザーを合わせられて、さっくり返り討ちにされてたりするんだけどな。

 

 

 

 ストーリー序盤におけるティルは、フラウ姉さんと比べて戦闘時の詰めの甘さが否めない。そのあたりが言外で示唆された描写ってことかと思われるが、技自体にもケチが付いている感が無くもないぞ。

 

 

 

 ともあれ、土中に潜る事前動作の時点から発生する長めの無敵。強判定。威力高め、かつヒット数補正の緩い単発ダメージ。

 

 元々想定されていると思しき回避や対空用途の他、コンボの〆にも向いている。

 

 他の三つに関してはプレイスタイル次第で他にも選択肢――最大火力を追い求めるならコンボの合間に『ドリル内蔵バーナー放射』を組み入れることで、炎上の時間継続ダメージ(D o T)を入れるのが定番。ただし水中だと一切使えないためスペックがガタ落ちするのが難点――があるけれど、このスキルだけは、ほとんどのプレイヤーが確定でスキルスロットに入れてるんじゃあないかな。

 

 

 

 これ以降の取得スキルポイントは、各種パッシブスキルで攻撃速度や移動速度を伸ばしていくか、もしくは上記4スキルに追加でポイントを放り込むことで、単発ダメージを大きくするかのどちらかになる。

 

 必然、後半になればなるほどポイント振ったスキルと振ってないスキルで威力差が大きくなってしまう。従ってステージ中で用いる技構成がガンガン硬直化していくのが悲しいところではあるんだが、まぁ、その点についてはしょうがないだろう。

 

 

 

 ポイント振りを特化させないバランス型が、どうしても肩身が狭くなるというのはこの手のゲームのお約束。

 

 そのあたりをヘタに改善しようとすると、テンプレート的な割り振りが幅を利かせて、逆に選択肢が狭まってしまうのが良くあるオチであるからだ。

 

 

 

 とまぁ、そんなわけで。今回の『スプラッシュ・ピアース』習得に伴い、見た目に続いてスキル方面に関しても、リックくんの最終形態が整ったことになるわけだった。

 

 この勢いのまま、ボスのイノストランケビア討伐へと雪崩込むことにしよう。

 

 理不尽ボス何するものぞ。スプラ追加のおかげで多少(ホントに多少…)マシになったプグラパワーに、乞うご期待である。

 

 

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