恐竜惑星とジーンダイバーのMOゲームを実況します   作:あーぷ

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たとえ火の中水の中

 

 

『主なエラー反応のポイントは……やはり、海中かあ!』

 

 およそ3億8000万年前のデボン紀後期、フラニアン。当時存在していたいくつかの大陸のなかでも、赤道付近に位置する、ユーラメリカ大陸の西部近海。

 

 この時代に遍く広がる古太平洋、[パンサラッサ]の一角を精査する。そのために虎哲が腹回りの内蔵キーボードをぴっぴか叩く音が、各人の通信機経由で、ゲンゴロウの内部にまで聞こえてくる。

 

 

 

『うーむ、こいつはどうも厄介だな。……ユイ! このあとゲンゴロウごと潜水して、新入りとドライ・シックスを降ろしたら、二人の後ろを、少し距離を取りながら付いていくようにしてやってくれ。ゲンゴロウ外部トーチの光量を、ワイドモードの最大にしてだ』

 

 

 

 先ほどからゲンゴロウの正面モニターには、遥かな水平線まで続く、マリン・ブルー一色の大海原が映されている。

 

 晴れ渡る空に、風も無し。太陽がまだ上がりきっていないため、せいぜい午前の八時か、九時ごろといったあたりだろうかね?

 

 天候は悪くないはずなのに、どうも周囲にはスッキリしない淀んだ空気が漂っている。……まぁ、いつもの局所性エラー空間って感じもなくはないな。

 

「あたしも外に出て、手伝わなくっていいの?」

 

 正面右側の操縦席に着いているユイが、虎哲の指示を受けて首を傾げた。

 

『ああ。知っての通り水中だと抵抗が大きすぎるからな、タイム・ブースターは、周囲の一時的な状況確認くらいにしか使えない。それに、いくらお前さんが泳ぎが達者だからって、ヒトの身体なんぞ、もともと遊泳向けには出来ちゃいないから知れたもんだ。切った張ったは本職の二人に任せて、そっちは当面、視界の確保に努めるんだ!』

 

 

 

「はぁい、分かったわ。……気をつけてね、ふたりとも」

 

「ええ。バックアップは宜しくお願いします」

 

 と、背後のドライ6が、ヒト型ののっぺりした片肩を軽く竦める。

 

 リックくんも立ち上がりつつ、身振り手振りでレスポンス。ただなんとなく、微妙に苦々しげな表情を作っているように見える。どうも彼、水中活動には思うところでもあるらしい。

 

「泳ぎ、苦手なの?」

 

 問われたリックくん、否定の首振り。それからちょっとした思い出話? 昔酷い目に遭ったことを、冗談交じりに、といったふうな。

 

「へぇ~。軍隊のお仕事で、そんなに水中の訓練ばっかりやらないといけなかったんだ。大変そうだけど……でも、今回みたいな場面なら、きっと役に立つ経験よね、それって!」

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 第5ステージ、開始直後のムービーシーン。澄んだ碧さが全方位に広がる海原の下。

 

 縮小倍率は、前回の石炭紀ステージより多少緩めの5~6倍ってあたりだろうか。ごぼごぼ、ごぼごぼと、沈むに任せて降っていく。

 

『わぁ、きれーい……!』

 

 背後からゲンゴロウの広域ライトに照らされ、ドライ6とリックくんの眼下に広がるのは……海底の一面を所狭しと覆っている、古代サンゴの礁地帯である。

 

 

 

 赤、白、ピンク。赤みを帯びた茶色に、青、濃緑色、ライトグリーン。

 

 大小様々。色とりどり。

 

 現代オーストラリアのグレート・バリア・リーフもかくやといったところで。これぞまさしく、一級品のパノラマだと言えようさ。

 

 

 

 サンゴと入り混じって繁茂している各種藻類や、礁の上で活動する棘皮動物のヒトデ、ウニ類、ナマコ、ウミシダ。

 

 更に古生代固有の浅海ウミユリなども含めると。この時代に存在する色合いの尽くが、この場に集っていると言ってしまっても、おそらく過言ではないだろう。

 

 

 

 

 

 

 サンゴ礁に構築される生態系は今も昔も独特なもので、その風潮はここデボン紀後期の大昔においても、なんら異なるところはないのだった。

 

 多面的、かつ複層的。刺胞動物のコロニーが構築する、熱帯雨林と並んで地球上では際立って複雑な階層構造。

 

 燦々と照りつける、熱帯地域の陽の光に裏打ちされて。一帯に存続可能なバイオマスの総量自体がまず大きく、それに加えて、とにかく多様性に富んでいる。

 

 

 

 サンゴ礁らしさ、とでも言うべきこの特殊性は、目下の景色においてもほぼ同じ。

 

 実際に、密度の高さやバラエティの豊かさなどにつき。現生のサンゴ礁生態系と比べて、そこまで劣るものとも思えない。

 

 

 

 有名な[カンブリア爆発]を機に顕生代が始まって以来、1億6000万年近くが経過済みである。

 

 それだけの年月を重ねたことで、海中における有機生命体の多様性は、既に相当なレベルにまで高まっているのだった。

 

 古生代も上から四番目。これぞデボン紀の底力、とでも言うべきかねえ。 

 

 

 

 

 

 

 もっとも。当然ながら、現代とは似ても似つかない部分だって、たくさんあるのだ。

 

 水中環境は、陸上よりも移り変わりが遅いけれど、それでもしっかり日進月歩をやっている。おまけに、デボン紀と現代の間に横たわる絶滅事変の数はと言えば、そこそこの規模のものまでカウントに含めると、10とか20くらいじゃ、到底片付くものではないからだな。

 

 過去のサンゴ礁生態系に息づく、数多の動植物のお歴々。ニッチごとに、[収斂進化]による見た目の類似性こそ大きいにせよ。その内訳が、今にちとはまるっきり異なっているってことは言うまでもなかった。

 

 

 

 

 

 

 とりわけ三葉虫は、見た目からして相当分かりやすい部類かと思う。

 

 平べったく、でこぼこした多くの体節を持つ多脚式節足動物。炭酸カルシウム(カルサイト)で出来た眼のレンズ構造が特徴的な、古生代最大のメジャー選手だな。

 

 

 

 この時期における連中のサイズは、せいぜい数ミリ代後半から、数センチ半ばあたりまでのレンジに収まる。

 

 デボン紀の礁地帯に暮らす三葉虫一派の多くは、主にサンゴの隙間や岩陰、海底の砂の上なんかを這い回り、[デトリタス]と呼ばれる有機質のスープを啜ったり、死んで横たわった動植物の腐肉を漁ったりする。かなり地味めなポジションに身を置いているのだった。

 

 いわゆる底生動物というやつ。今でいう小型のエビやカニ、水生昆虫あたりなんかと類似したニッチを占めていたということ。

 

 

 

 古生代における[示準化石]としても用いられている三葉虫。

 

 全盛期のカンブリア紀後期からオルドビス紀の前期にかけて。発掘地によっては、出土する化石のほとんどが三葉虫のバリエーションだったと言われるほどの、目を瞠るような一大勢力を誇っていた。

 

 

 

 しかしながら、実は時代を下るごとに、連中の勢いはどんどん先細りしていたりする。そのため古生代を代表すると言い切るには、些か頼りないところがなくもない。

 

 地球史において、分かっているだけでも三葉虫は8目――9、ないし10目という説もある模様――が出現したけれど、それらはデボン紀の中期ごろに大幅に多様性を喪失。現在のデボン紀後期だと、既に3目までその目数を減らしているんだな。

 

 

 

 

 

 

 600~900万年後に起こる[F-F境界]絶滅イベントで更に2目が喪われる。

 

 唯一最後まで生き残った[プロエトゥス目(英)]も、前に説明したP-T境界を境に、化石記録がぷっつり途切れてしまう。

 

 そうして、カンブリア紀からペルム紀の、3億年近くに渡って続いた三葉虫の歴史にも、とうとう幕が降りることになったのだった。

 

 

 

 単純に、各種絶滅イベントの煽りを食らったって面もあったんだろう。しかし連中の勢いが衰えたわけは、甲殻類などのより進化した他の節足動物、そして何より、デボン紀の間に爆発的な発展を遂げた魚類との、直接的な競合が大きかったんじゃないかと思う。

 

 

 

 いっそう古い時代の三葉虫には、もっと横向きの広がりがあった。

 

 海中を活発に泳ぎ回るタイプのものや、他の小~中型動物を捕えて貪る高次捕食性三葉虫なんかも居た。また、それらのサイズにしても、この時代のせいぜい数センチ程度の大きさと比べると、10倍、20倍に近い大型種が数多く見られた。

 

 

 

 事実、俗に「三葉虫の王様」とも呼ばれるシルル紀の代表的三葉虫[アークティヌルス(英)]は最大体長30センチ。この時代、つまり中期デボン紀のお仲間たちとは一線を画する存在感があったわけだ。

 

 

 

 食物連鎖ピラミッドにおけるより高次な部分。過去の三葉虫の、今となっては『特殊例』たちが身をおいていた生態系ニッチ。

 

 その多くにつき、地層を上に行けば行くほど。後述の各種魚類などが、同席を占めているってケースが目立ってくる。

 

 

 

 適者生存の椅子取りゲームが、長年に渡って行われ続けた結果。前時代的劣等性が否めない三葉虫に残された居場所は、もはやそう広くなかったんだってことだろう。

 

 

 

 往年の名選手も次第に衰え、その挙げ句、才気溢れた後進に対して道を譲る。

 

 表向き笑顔で潔く。しかし、内心は強く歯噛みして。

 

 長らく生き抜いた果ての三葉虫たちに降り掛かったのは、たぶん、そんな良く見るたぐいのシチュエーションだったんじゃあないだろうか。

 

 

 

 

 

 

『おい、ユイ!』

 

 さて、ムービーシーンの続きを見ていくか。麗しき古代サンゴ礁への感嘆の声を、すかさず虎哲が嗜める。

 

『見惚れてる場合か。遊びに来てるんじゃないんだぞ!!』

 

『あっ。……ごめんなさい』

 

『ったく……。まぁ、見事な景色だってことは否定せんがな。この時代、熱帯や亜熱帯の浅海地域には、主に[花虫綱]の四方サンゴや床板サンゴと呼ばれる、古いタイプの付着性刺胞動物が広く分布していたんだ』

 

 

 

 そんでもってすかさず解説へ移行だ。このへんの文章量の充実は、以前会話中に選んだ選択肢の影響で、虎哲の好感度的な内部パラメータが上がっているおかげである。

 

 彼の言を補足しておくと、現代式のサンゴ礁を構成しているのは[六放サンゴ]と[八放サンゴ]のふたつ。

 

 どちらも古生代の初期から現存していたものの、この時点だとまだまだ少数派。そっちが主流になるのは中生代の三畳紀に入ってからだ。

 

 

 

『また、デボン紀は魚の時代とも呼ばれる。現代に馴染みの深い硬骨魚類や、サメみたいな軟骨魚類が大いに発展を遂げたのもこの時期だ。ただし、当時の硬骨魚類は河や湖などの淡水域が主な生息地でな。海中における多数派は、今で言うナツメウナギなんかの親戚の[無顎類]と、それから[板皮類]によって占められていた』

 

『ばんぴるい?』

 

『ああ。お前さんも以前、ゲンゴロウのモニターごしで、サメに似たヒレと、鉄兜みたいな頭を持ったバカでかい魚を観ただろう?』

 

『……えっとぉ』

 

 目線を頭上に向け、思いあぐねる。

 

 パッとは出てこない様子だな。まずもって言及された「以前」というのが、虎哲のスパイ疑惑で身内がすったもんだしてた時期だから、そもそもマトモに目の前を観ている余裕がなかったって可能性もありそうだ。

 

 

 

『……あー、スネーカーの旗色がまだ不鮮明で、オイラたちが、エウロパ人の分隊とジリジリやりあってた頃だ。あのとき見かけた魚が板皮類、その中でも最大級の一種である[ダンクルオステウス]という』

 

 ちなみにこのダンクルオステウス。『ジーンダイバー』劇中だと、セル画のレイヤー間違いか何かで、シロナガスクジラが裸足で逃げ出す超巨体になっていた。

 

 恐らくゲンゴロウの手前を通り過ぎるはずが、奥を泳がせてしまったせいで、ゲンゴロウ比での目算体長100メートル。前代未聞の大怪獣にも程がある。

 

 実際のダンクルオステウスは最大でも8メートル少々、おおよそ現代のホオジロザメを、一回り大きくしたくらい。それでもデボン紀の海の頂点捕食者に相応しいサイズを十分持ち合わせていた。

 

 

 

『一見、強靭な顎から鋭い歯が生えているって形に見えてたかと思うが。アレは実は歯じゃなく、頭蓋骨の口周りが変形して、皮膚の外まで飛び出しているものなんだな。この骨格構造によって、それまでの肉食動物とは一線を画した咬合力を手に入れることができたわけだが、プロト・タイプの常として捕食用の顎としちゃあかなり即席的なもので、少々脆いところが無いでもない』

 

『そっか。硬いものを噛んで歯が折れたりしたら、そのまま頭の骨が骨折ってことになるんだものね。折れ方が少しでも悪かったら、とんでもない結果になっちゃいそう』

 

『そんなところだ。このあたりについては、独立した[]のシステムを持つ硬骨魚類や軟骨魚類。及び、基底的な軟骨魚類から分化したとされ、この時期の硬骨魚類同様、淡水を主な生息域とする古代魚の一派である[棘魚類]などの方がより先進的だったと言っていいだろう。現に、今のデボン紀に板皮類が占めているニッチの大半は、後の世においては軟骨魚類に棘魚類、また現生魚類の多くを内包する[条鰭類]や、シーラカンスで有名な[肉鰭類]なんかの硬骨魚類各種に、次々取って代わられてゆく!』

 

 さっきの三葉虫にも通じる話だと言えるだろう。なお、硬骨魚類の中でも、陸上脊椎動物が派生したのは後者の肉鰭類の方からだ。

 

 ちょうどこの時期、[エルギネルペトン]などの最古の四肢動物が化石記録に現れ始める。

 

『ま、ある意味これも世の流れというやつだな。不易流行という言葉もある。いつまでも同じままでは居られない、何でもかんでも新しいのが良いとは言わんし、また、進化の歴史を単純に進歩的なものとして捉えるのも危ないことではあるんだが。それでも時系列が先に進めば進むほど、より新しく、より洗練されたシステムを持つ生命体が化石記録に多く含まれるようになっていくのも、確かな事実だ』

 

『ふぅん。海の中も、やっぱり地上と同じでシビアな世界なのね。……こんなにきれいで、華やかなのに』

 

 

 

 

 

 

『もっとも、主役の交代までにはまだ少し時間が掛かる。この時代、淡水域で進化した硬骨魚類などのうち、いくつかは既に海へと出戻ってきているが、その手の連中の本格的な種分化は、ケルワッサー事変(≒F-F境界)と呼ばれる絶滅イベントを隔てて、次なる時代の石炭紀を待たねばならない。他の魚類よりも短い栄光とはいえ……デボン紀の海の主役と言えば、やはり板皮類ではあったわけだ!』

 

『それじゃ、今あたしたちが一番気をつけるべきなのはー。さっきのダンクルなんとかみたいな、板皮類の大きな種類のどれか、ってことでいいの?』

 

『ん? ……いや、それはどうだろうなあ』

 

 途端に解説がトーンダウンした。地球史的な事実関係と、ステージ内のギミック的なアレコレには、どうしても食い違いが出てくるわけだ。

 

『図体がでかいから、サンゴの影からいきなり飛び出してくるってこともめったに無かろうし。それに顎の構造以外にも古めかしい特徴が多かったりするせいで、連中は、相対的に見て動作がノロいんだな。警戒対象としては、そこまで優先順位が高くないんじゃないか』

 

 

 

 リックくんたちが見下ろしている視界の先でも、様々な姿かたちの板皮類がサンゴ礁のあちこちを泳ぎ回っている。

 

 中にはエラー症状を発症済み。つまり敵キャラとして内定していて、後ほど襲ってくる予定のものもソコソコの頻度で混じっている。

 

 

 

 だけど、そのどれもが小型か中型の個体どまり。用途が道中のザコ敵に限定されており、このステージのボス級、ないし中ボス級に、板皮類は一種類も入っていない。

 

 

 

 本ゲームにおけるステージ・ボス、ここに来るまでだいたいがその時代その時代の頂点捕食者か。あるいは、大型動物の最大種がピックアップされてきた。

 

 そう考えると、今回はちょっと珍しい趣向であるように見えなくもない。

 

 邪推すると、原作の作画面でダンクルオステウスって生物種にケチが付いてしまっているから、ボス格として大々的には出しにくかったんじゃあなかろうか思う。

 

 

 

 ……どうも全体の整合性っていうか。前後関係の辻褄合わせが難しくなる状況を嫌いがちなんだよなあ、このメーカー製のAIライターって。

 

 過去世代の生成AI全般が、論理性や意味連関を蔑ろにしがちだったことの揺り戻しとして。そこらへん、必要以上に大げさに回避しようとするクセがあるような気がするぞ。

 

 

 

『バーチャル世界側のエラー症状によって凶暴化した動植物は、もはや生き物と言うよりも、「実体のある現象」とでも言うべきモノのようだ』

 

 とまぁ、虎哲が付け加えるようにそう言った。

 

『その時点であんまり現実との整合性に囚われるのも危険とも言えるが……しかし、デカブツに関しちゃ、どっちかって言やあサメの方が危ないんじゃないかって気がするな』

 

『サメって、あのサメ?』

 

『ああ、そのサメだ。サメ類は[生きている化石]のひとつに数えられ、この時代から現代まで、そこまで形に変化がない。だがそれは翻って、連中の種としての完成度の高さをも意味する。今回のお前さんたちの縮小倍率を考えると、[クラドセラケ]あたりのそこそこのサメでも、ホオジロザメどころか、新生代の[メガロドン]とでっくわすみたいなもんだろう。気をつけておくに越したことはないはずだ!』

 

 

 

 

 

 

 そんなわけで、例によってネタバレると、このステージのボスは古代サメの一種である[ヘリコプリオン]が務めている。

 

 丸ノコじみた、渦巻状の歯が有名なサメ類だな。生息年代を考えれば、同じエウゲネオドゥス目の初期の種ではあっても、ヘリコプリオンそのものじゃなくその先祖のたぐいかと思うけれども。

 

 

 

 ともあれ、サメと言えばB級映画。彼らは自前でチェーンソーもどきを完備しているたいへん用意のいいヤツである。

 

 そのあたりの連想からか、このヘリコプリオン。各種サメ系ゲームや、映像コンテンツのフリー素材がてんこ盛りで作られており、リアルを全力で投げ捨てた珍挙動を連発する、トンデモボスへと仕上がっているのだった。

 

 

 

 渦巻状の歯を巨大化させて大回転。正しくチェーンソーみたいにしてみせたりとか。

 

 水流を操って海中に竜巻みたいな流れを発生させたりとか。

 

 しまいには、幽霊みたいに視界から消えたと思ったら、いきなり別の方角から口を開けて突っ込んでくるだとか?

 

 

 

 ……諸々の古生物学的事実(ファクト)に真っ向から喧嘩を売ってる――後ほどドライさんに「エウロパのケイ素生物データが混じっている」とか何とか言わせているが、そんなんで納得いくかい――ため、その意味でなかなかトサカに来る相手とも言えようが。

 

 しかし、悔しいことに。コイツって、戦っててフツーに楽しい良ボスでもあるんだよねえ。

 

 

 

 自動生成ゲームの常として、やっぱり用いられた素材のデータ量が潤沢であるほど満足度は高まる。高まってしまう。

 

 水中戦の挙動の理解度、活用度にかけては、極めて高水準な対ボス戦闘が味わえる。

 

 生成時のランダマイズに伴う偶然性も相まり。同じ自動生成の他ゲー比でも、この一戦のクオリティは群を抜いているらしい。原作部分に興味の薄い純粋なアクション・ゲーマー目線だと、この色んな意味でトンデモサメのヘリコプリオン戦こそが、VWOボスの代表格になっているとか、いないとか。なんてこったいだ。

 

 

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