恐竜惑星とジーンダイバーのMOゲームを実況します 作:あーぷ
見てのとおり、キャラクター側の縮小倍率を5倍と考えると、サンゴの足場もなかなか大掛かりなアスレチックになるもんだ。
進行方向の左右にも、色とりどりのサンゴが高い背丈で立ち並んでいる。先よりもやや低まった今いる場所は、さしずめ珊瑚礁の谷間、とでも言ったところか。
現生キノコのヒラタケを思わせる、白灰質のサンゴの上にリックくんが降り立った時点から。ワールド4のステージ5、ようやく行動開始となるのだった。
「それではリックさん。今回は私が先導します、後ろを付いてきてください」
先んじて降りていたドライさんがそう言うと。エウロパ人の戦闘形態であるカニ型を保ったままジャンプして、更に水中で浮き上がった状態で、もうワンジャンプ。
本作、水中だとジャンプは最大三回(ギラグールは四回)まで重ねることができる。浮力に身を任せることで飛距離も伸びる。ふんわりとした弧を描き、ドライさんの安定感のある四本脚が、桃色サンゴが生えた隣の岩へと着地する。
岩の上に降り積もっていた微粒子が、仄かに水中へと立ちのぼった。
「こちらです。足下にお気をつけを」
木星の第二衛星、いわゆる[ガリレオ衛星]のひとつであるエウロパ。
『ジーンダイバー』劇中、エウロパ人たちは自身の母星であるこの星のことを、氷と水の衛星、と呼んでいた。
今から十数年前の2020年代終盤。NASAの「エウロパ・クリッパー]によって齎された諸々の新事実を受けて、世間様における衛星エウロパの知名度が一躍跳ね上がったってことがあった。
しかしながら、もちろん半世紀近くを遡る原作放映時には、周回軌道からの観測で得られる実証データなんぞ、てんで見当たりもしなかったのだ。
それでもエウロパが木星の巨大な重力の影響下にあることから。天体内部では、長期的な火山活動が行われている可能性が高いと見られていた。
したがって衛星を一様に覆う分厚い氷殻の内側に、最大水深100キロ越えの内部海が広がっていることが推測できる。
継続的な熱源。また液体の水、その中に含有される多種多様な有機物質。
エウロパには、生命誕生に必須と見られる要素がほぼ揃っている。そんな見立てが、昔日においてもしっかり有力視されていたわけだ。
遥か彼方の閉ざされた海。陽の光は大いに遠く、永遠を思わせる暗がりの、そのずっと奥底で。
もし、数十億年もの昔に生命が誕生し、歴年を経て高度に進化していたのだとしたら?
そんな
この出自の具体性からも分かるとおり。もともとエウロパ人を内包するエウロパ系生命体は、海中、それも極めて高圧な深海生活をベースにした生態を持つとされる。
当然、地球系生命体である他種族と比べて、水中での動作性は極めて堂に入っている。今回、ドライさんが自ら先導を買って出たのも分かる話だった。
……メタ的な事情を汲むと。ドライさんという先導役の存在は、初の水中ステージで動作に不慣れなプレイヤーへの気配りってことかとは思うけれど。
あと、初出のステージ・ギミック各種を覚えてもらうための、分かりやすい補佐役でもあるのかね。
『なんだかんだサンゴも刺胞動物、つまりイソギンチャクやクラゲなんかの親戚で、分類上は捕食性の肉食動物にあたる』
道中でときどき出てくる水中操作のチュートリアルを読み飛ばしつつ。先ゆくドライさんに追い縋っていくと、別途インカム経由で、虎哲からの助言も飛んでくる。
『エラー症状については個体差が大きいからはっきりとしたこたぁ言えんが、相手によっちゃ、採餌用の触手で手厚い歓迎を受けるかもしれん。つまりこの先、全部が全部、単なる壁や足場として使えるかは分からんってことだ。しっかり警戒しながら進んでいくんだぞ!』
アイ・サー。……ようはステージ中の障害物として、ダメージ床やダメージ壁みたいなパッシブ式のトラップがあちこちに仕込まれてるってことだな。
試しに、今しがたドライさんが露骨に避けて飛び越えた、薄茶色の板サンゴをよーく見てほしい。
目測で直径3メートル程度のいびつな円形。一見お手軽に飛び移れそうな位置取りにある。のだが、見ての通り、淡く、ゆっくりと、赤色に点滅しているのが分かるかと思う。
ぶっちゃけてしまうと、AoEダメージの発生範囲指定とほぼほぼ同じ色合いをしている。Dangerってことだ。
あの板サンゴの上に乗ったり、触れたりすると、いきなりサンゴのポリープ部分から薄っすら透き通った触手が何本も飛び出してきて、リックくんが一発不意打ちを食らわされるハメになるのだった。
受けるダメージ自体は大したことないんだが……連中の触手には麻痺毒があるため、確率で数秒間スタン状態になりかねないのが厄介なところ。
その際、周りに別のザコ敵がいた場合、当然行動不能中にタコ殴りにされてゴリゴリHPを削られることになる。
回復用のポーション類を浪費するだけで済むなら御の字。ヘタすると事実上の即死コンボと化して、ジーン・ダイブ待ちに直行させられることもあったりする。
この手のトラップ系ギミックの常だが、自業自得だろうが受ける理不尽さは天井知らず。脳みそがカンカンに温まること間違いなしだ。精神衛生のためにもしっかりと自衛しておくべきだろう。
そもそもの話。今回出てくるサンゴ・トラップ自体に、違和感を覚えるって方も少なくないんじゃないかと思う。
一般論で言うと、おそらくサンゴ礁とは「地形」。あるいはせいぜいが「植生」の一種だというイメージが強いような気がする。
周囲に対してアクティブに干渉してくるものであるという印象がそう強くない。となると、いくらエラー状態を発症しているからって。縮小されてなお中型魚くらいのサイズはあるリックくん等の各キャラクターを、ばちばち攻撃してくるなんてことがあるものか?
ちょっとばかしご都合主義が過ぎるような? 純粋にギミックとしての鬱陶しさも相まって……心情的に、スムーズに受け入れ難い可能性は高そうだ。
ただ、光合成を行う[褐虫藻]との共生によって、植物のように生態系における一次生産者としての側面を持つとはいえど。虎哲が言うように、サンゴって生き物はプランクトンなどを主食とする、捕食性動物の一種にあたる。
サンゴの種類や生息環境によっては、魚の稚魚なんかを捕まえて食べてしまうこともあったりするのだ。つまり、実はあんがい、暴力的な面も無きにしも非ず。
試しにとあるサンゴ礁における、造礁サンゴのコロニーひとつのことを考えてみてほしい。
何の変哲もないイシサンゴのまとまりだ。色は……くすんだ緑色。さっきの足場と同じく楯状型で、サイズは差し渡し50cmほど、とでもしておくか。
そのコロニーの近くで造礁している別のサンゴ――こっちは便宜的に赤茶色の別種としておく――が成長し、だんだん自分の頭上に迫り出してきたとする。
もちろん、明日、明後日にどうこうって話じゃない。それでも緑側がこのままなすがままで居ると、数年後には、赤側に上からすっかり覆い被さられてしまっているかもしれない。そんな塩梅。
光合成のための太陽光が妨げられるし、エサを運んでくる水流も、勢いが弱まる。
これでは死活問題だ。ということで、元いた緑サンゴは、迫り出してきた競争相手の赤サンゴに対して、エサを捕殺するための触手を使って先制攻撃を仕掛ける。
自分自身の縄張りを守るため、実力行使に打って出るんだな。
ひたひた、ひたひた。じっくりじわじわ。毒液注入。
造礁サンゴの表面に不自然な孔が空いていて、そこに別種のサンゴが飛び出していたりする場合。もちろん単純に外敵などによって破壊されたケースもままあるだろうが、それこそがサンゴ・コロニー同士の凄惨な闘いの結果なのだ、というのも、見立てとしてはそれなりに有りうる話。
連中は常々、緩慢な陣取り合戦に興じ続けているのだった。
化学戦に敗れたサンゴの体組織が部分的に死亡して脱落。殺した側はその隙間から、日照権と食料の輸入ルートを確保する。
酷いときには相手方のコロニーをまるごと薬殺することすらあるんだそうで、なかなか仁義なき遣り取りと言える。
こうした争いは、刺胞動物たる彼らの原始的な特性を武器として日夜行われているものだ。
となれば、おそらくここデボン紀の海においても、似たようなバランス・オブ・パワーが世界中で繰り広げられていたことかと思う。ゆっくりと。地味に。しかし日々着実にである。
つまり此の度のサンゴ・トラップ。連中の古来よりの生態に沿って設計されたものであって、直観的な説得力は薄めかもしれないけれど、理屈の上だとそれほど無理はしていないっぽいのであった。
……まぁ、だからどうした邪魔だしムカつくんだよって話ではあるが。多少の慰めにはなる、のかもしれない。
◆
話戻ってドライさん。ていうか、エウロパ人についてだけど。
実は彼らって、プレイアブル・キャラクターの中では、相対的に捏造技が多い種族だったりするんだな。
『ジーンダイバー』の劇中、エウロパ人はスネーカーの戦闘メカ等にひたすらバンクでやられるシーンが多かった。そのせいで動きのある攻撃アクションがイマイチ見当たらないってのが、恐らく理由のひとつだろう。
ただそれ以上に、他種族との差別化を図るためという側面が大きいような気がする。このゲームのユーザー目線で、現状況を概観すると。
元来、彼らエウロパ人の種族上、設定上のメイン兵装は、腰あたりの左右に位置するチューブ状の器官から放たれるビーム攻撃の『左右二連装粒子砲』と、異音と共に画面全体を歪めて、離れた敵にダメージを飛ばす『磁場撹乱』のふたつである。
どちらも遠距離射撃攻撃。しかも見た目がかなーり地味とくる。
このふたつを軸にしてキャラクターを設計すると、おそらくポジションがフォロルと丸かぶりになってしまう。だいたい作画コストを減らすためのバンク・シーンをゲーム中でわざわざ再現したって、残念な絵面にしかならないのも明らかだ。
たぶんそんな事情が裏にはあって。一種の消去法から、エウロパ人という種族でフィーチャーされているのは、彼らが持っているもうひとつの特殊技能の方になる。
すなわち、身体変形能力。
シリコンベースの体組成を持つケイ素生命体として、即座に様々な形態を取れる彼らの特殊性を最大限過大評価……もとい。随所に活かした変則的な攻撃方法。
それら『汎用変形』各種を主体に立ち回る、テクニカルな種族としてキャラクターが設計されている、というわけだった。
上半身を槍状に変えて正面から刺し貫いたり(『汎用変形・刺突』)。全身を巨大なカマのように変えて、目の前を広く切り払ったり(『汎用変形・前方薙ぎ払い』)。
後脚二本を床に突き刺して地中を潜行させ、所定のポイントに踏み入った相手に対して針のように飛び出させることで、対象を足元からズタズタにしたり(『汎用変形・潜行奇襲』)。
……只今実演中、だねえ。
さっきから襲ってくる小型~中型の板皮類や、にょろついた見た目の、古生代を通して出土する謎の微化石コノドントの正体と言われる無顎類[クリダグナサス]近縁種など。そのうち半分くらいのヘイトを、ドライさんが受け持ってくれている。
たまに牽制で腰部左右から謎ビームが撃たれているのを除くと。彼が繰り出す攻撃手段のほとんどが、前述の全身を使った『汎用変形』各種で占められているのが見ての通り。
一応、エウロパ人にも原作再現技はいくつかある。前述の『腰部二連装粒子砲』と『磁場撹乱』。それから変形シリーズのひとつで、腹のあたりを赤い帯にして離れた相手を締め付ける『汎用変形・正面拘束』――『ジーンダイバー』劇中だと、パックが事あるごとにコレで拘束されるハメになっていたかと思う――がそれに当たる。
ただし変形メインで戦う種族という、キャラクター・コンセプトの割りを食ったせいか。プグラシュティクのドリアタやスプラなんかとは違って、どれも性能的には微妙なものだ。
豆鉄砲なりに牽制技として使えなくもない『腰部粒子砲』(プグラのドリル・レーザーと似たような枠だな)と、多人数プレイ時やNPC同道時の援護用としてならそれなりの『正面拘束』はまだマシなんだけど。
この中でも『磁場撹乱』だけは、正直、煮ても焼いても食えないレベルにあったりする。
前方放射状の一定範囲にダメージを与えるタイプの射撃スキル。なんだが、威力は低いし、射程も大して広くない。そのくせ硬直が変に長くて、ヒットストップも弱いので、ヘタなタイミングで撃つとバカスカ反撃をくらってしまう。
原作ではおそらく作画コストの関係で多用されていたこの技。VWOにおいては完全に大道芸のたぐいと言えましょう。
ていうか、ステージ中で味方NPCのドライさんを先行させたときの死因って、だいたいコレだったりするんだよなあ。
『磁場撹乱』撃った後の硬直中に敵複数に寄ってこられて、出の早い切り返しが無いのでそのままタコ殴り。って流れが稀によくあるんだ。
適当に変形してワンパで『前方薙ぎ払』ってる方が百万倍マシなのに、なんでまた色々やろうとしてしまうのか? 見てくれ重視でAI行動に幅を持たせて、一番見てくれが微妙な部分が穴になってるあたり、残念度が高い。
ご想像のとおり、対人でもたいてい「当てて反確」。対戦相手に塩を贈る、もしくは使用自体が舐めプレイの域に突入している体たらくなのだった。
……とまぁ、そんな感じ。総じて今ひとつ、しっくりこない造りをした種族ではあるんだよねえ。このゲームにおけるエウロパ人って。
事前に設置技をばら撒いておく。相手のスキを見て、もしくは設置技踏ませて相手が固まっているタイミングで、すかさず刃や棘などを形作って、判定広めの大振りな物理攻撃を仕掛けていく。
相手の反撃についても、変形スキルのいずれかを先置きするような形を心がけることにより、終始前倒しで対処する。
それでもなお距離を詰められてしまったなら、どうしようもなくなる前に『汎用変形・緊急回避』でシャクトリムシみたいになって一気に逃げる。プレイヤーが取るべき指針は、だいたいそんなところである。
変に原作再現に拘って、ぺちぺち粒子砲を撃ったり、磁場撹乱ぶっぱしたりとかやってると、あっという間に敵に集られてご臨終がオチだ。
本来のイメージに反し、射撃戦に終始した場合の彼らの脆さは全種族中随一かもしれない。
一応、劇中のエウロパ人たちが、戦闘実行体のビームやクローでぼんぼこやられていたことを踏まえると。彼らの脆さに関してはある意味「らしさ」がある、とは言えるか。
画面上での死亡者数をカウントすると、『恐竜惑星』『ジーンダイバー』通してぶっちぎりである。例によってバンクシーンの常連で、たいがい雑に落とされてたギラグールやフォロルの戦闘メカだって、事あるごとにカニ料理にされる彼らエウロパ人の数には到底及ばなかったりする。
それでも原作ファン目線だと、ちょっとコレはなぁ、的なややネガティブな評判は根強いみたいだ。
確かに、エウロパ人ってこういう人たちだったっけ? みたいな違和感はどうしても出てしまいがちかと思われる。
『ジーンダイバー』も終盤。ドライさんが月面で、ムカデみたいなロボが射出した三日月型の投擲カッターをとっさに回避したときくらいしか見られなかった体組織の変形アクション。コイツを常用することを半ば強いられているわけだからねえ。
といっても、テクニカルキャラとしてはそれなりに使い出があるし……総合的な性能だって、悪くはない。
適切なタイミングで適切な『変形』を選択。目まぐるしく移り変わる状況に対応していくゲーム性は、慣れれば文字通り変幻自在な立ち回りが可能となり、やり応えがあるらしい。
それに、意外と初心者にもお勧めできる。
変形スキル各種は単発技でなおかつ威力が高い。そのためややこしいコンボを覚えなくても火力を出せるし、あんがい操作自体にもそこまでクセがない、とのこと。
プレイアブルとしての基本部分はちゃんと抑えてある上で、この種族なりの独自性もある。アクションゲームにおける一キャラクターとしての評判は、まずまず良好ってことだ。
原作からの改変っぷりが、気にならないのであればだが。なんだかんだ、六種族の中でも上澄みに位置すると言っていいんじゃないだろうか。
自分も、仮に別キャラ作ってまた最初からプレイするってなったら、次に使うのはエウロパ人かもしれない。それくらいには買っているつもり。
……あ、ただし。対人戦だとものすごい紙耐久――時空間移動手段がジーン・ダイブじゃなくタイム・ホールなせいで復帰が遅いという種族的な性質を、雑にPvPに落とし込んだ結果のバランス調整だと思われる――なのと。「置き」メインで立ち回る都合上、対戦相手との読み合いに終始させられるため一転高難易度キャラに変貌するから、その点については要注意だ。
操作の要習熟度合いで言えばギラグールに次ぐ。あまつさえ、ギラグールと違ってPvEのセオリーをPvPにさっぱり流用できないぶん、頭を切り替えて一から積み直していかざるを得ないってことまで踏まえるのなら。ヘタすると対人戦でモノにするのが、一等難しい種族じゃあないだろうか。
キチンと使いこなせればけっして弱くはないんだが。まかり間違っても、初心者さんがエウロパ人使っていきなりランクマッチに乗り込むのは推奨できかねる。
ていうか、まず勝てないからやめといたほうがいいぞ、マジで。
別の種族である程度対人慣れしてからチャレンジすべきだ。そりゃ、ストレス貯めるのが趣味って言うなら止めないけどさ。
◆
……いやあ、シルル紀ステージの[ウミサソリ]と、オルドビス紀ステージの[チョッカクガイ]の群れと、カンブリア紀ステージのスネーカー謹製巨大[フデイシ]はそれぞれ強敵でしたね。
どいつもこいつも水中戦。幸いプグラシュティクは比較的有利に立ち回れる――『ドリル・バーナー』が使用不可、『レーザー』の射程が半減ってくらいで被害が済むため――おかげでそこまで苦戦はしなかったけれど。
これがタイム・ブースター系スキル各種と牽制技の『霊長類式投石』が使えなくなるヒトや、スキルの大半が射撃武器のためほぼ完全に射程距離が激減するフォロルなんかだと、今までと比べて相当に難易度が跳ね上がっていたことだろう。
一方で、浮力と連続ジャンプのおかげでコンボ幅が大きく広がるギラグールや、手持ちのモリを使ったスキル各種にアッパー調整がかかるギガントだと、かなりスイスイ進めていけるステージ設計になっていたりもする。
このあたりの水中戦ラッシュは、VWOにおける種族各種の明暗が逆転するタイミングだと言うことができる。下剋上ばんざいだ。
もっとも、一等難易度の高まる終盤ステージに水中戦はほとんど無い。そのため結局PvE不遇種族たちは、最後までそのポジションから抜け出すことなんて出来ないわけだが。現実は非情である。
こんなんじゃ俺、このゲームの実況を続けていく自信がなくなっちまうよ……。
でも今は、そんな事はどうでも良いんだ。重要な……天丼行為はやめろ? ハイ、スイマセン。
ええーっと。とにかく、ワールド4の最終ステージで10メートル規模の巨大フデイシどもをブチのめした。
そしてその直後に、とうとうスネーカーの戦闘実行体が画面に現れたんだった。
バスケットボール大の接触ダメージ判定付きミニ・フデイシ――[半索動物]の一種たるフデイシの本来のサイズは、せいぜい数センチ程度なので、ミニと言いつつ全然ノーマルより大きかったりするんだけども。更に言えば彼らの多くは付着性の底生動物であり、実は『ジーンダイバー』劇中におけるクラゲのお化けみたいな見た目とは似ても似つかない――を周囲に山ほどバラまくという、まるでシューティングゲームのボスのような真似をしてくる少々シュールな戦いの直後。
カンブリア紀の夕暮れの空に、ピンク色に光るタイム・ホールが開く。そしてその内側から、突如として三機編成の空戦メカが姿を見せた。
激戦を経て、既にかなり消耗していたリックくんとドライ・シックスのふたり。流石の彼らもそこに追撃を仕掛けられては分が悪い。
虎哲が無理をして、なんとかジーン・ダイブでゲンゴロウごと安全な場所まで飛ばしてくれるも。その際に掛かった過負荷によって、虎哲本人はクラッシュして一時ダウン。
同じく、ドライさんのタイム・ホール発生装置も無理をしたせいで不具合発生。ただでさえ安全使用のためには異様な計算時間を食うようになっていたのが、ダメ押しを食らってほとんど使い物にならなくなってしまった。
……と、いうのが、ワールド4のエンディングにおける顛末となる。
その後、名もなき人員たちが担当していた他の局所性フラクタライズ・エラー空間においても、各時代のエラー生物の中に、戦闘実行体各種が混じるようになり始める。
スタンダードな紫色の空戦型だけでなく。灰色の装甲の陸戦型、原作の月面で出てきたムカデ型、モグラ型。あれやこれや。
一般人員オンリーだと、実行体一体だけでもさくっと無双されかねない戦力差があるらしい。
しょっちゅう返り討ちに遭って損害ばかりが嵩んでいった。特にフォロル一般兵の損害が大きかったそうだ。
半ばメタ的なシステム・フォローがあるから、彼ら個々人がやられても不具になったり死んだりするわけではない。しかし他方、物資のリターンが得られずに持ち出しばかりが増え続けると、そのうち底まで干上がってしまって士気崩壊が免れ得ない。
こりゃいかん、ということで、実行体に対応可能な精鋭チームを編成する必要が生じた。
事前に局所性エラーの多発時代へ母艦ごと精鋭チームを待機させておけば、スクランブルの時々、彼らが優先的に危険地帯に急行する形になるようお膳立てをすることが出来るはずだ。
お偉方間での話し合いを経て、ワールド1からお馴染みの白亜紀前期のフォロル基地に、各勢力から選抜された人員が集うことになったと。そういった流れ。
つまり、ワールド5はスネーカー編となるわけであるよ。
もっともステージの内容としては、新生代から古生代までの各時代で、巨大フデイシのように魔改造されたエラー発症古生物の相手をしていく。そしてその戦いの要所要所に実行体が乱入してくる、みたいな話運びが多かったりする。
連中の扱い的には、ステージの中ボスって感じだな。純粋に難易度アップのためのご都合的な配置が多いから、ワールド3と異なりシナリオ成分はやや薄めとなる。
原作再現絡みのステージと、古生物+実行体のちゃんぽんと正面衝突するだけのステージが1:3ってあたりだったかな?
何にせよ、ヤツらの火力と硬さには定評がある。『ジーンダイバー』本編における強敵の面目躍如ってところか。
自キャラのレベルや装備などを、事前にしっかり整えた上で。注意深く立ち回るよう心がけてゆくべきだろう。