夢見兄妹のヒーローアカデミア   作:月神サチ

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第一章 〜シーズン1〜
プロローグ 入試と夢見兄妹


中国にて発見された発光する赤子。

 

その情報を機に現れ始めた、既存の人がなし得ない力を持つ人間たち。

 

彼らの持つ力は『個性』と呼ばれ、その力を乱用するものは『(ヴィラン)』といつしか呼ばれるようになった。

 

しかし闇がある場所にも光はあるように、敵と戦う存在が現れ、ソレはヒーローと呼ばれるようになった。

 

コレはそんな個性を持つ人類史のあり得たかもしれない可能性の一つ。

 

 

 

 

 

 

――side ???

 

 

まだ寒さの真っ只中といえる時分。

 

開け放たれた巨大な門の前に、なにか思いにふける男とその左右で首をかしげる美少女たちがいた。

 

門の中へと吸い込まれるように入っていく他の同い年くらいの子どもたち。

 

彼らは男の姿、あるいは美少女たちに目を向け、思い出したように頭を振ってこれからの一大イベントに備えるように進んでいく。

 

「兄様、入らないのですか?」

 

父譲りの濡れは色をした長い髪に、母親譲りの青い瞳の少女は、血の繋がらぬ黒髪の男に問いかける。

 

「……ああいや。少し不思議な気持ちになってただけだ。他の受験生の邪魔になるし、早く入ろうか」

 

そう言って門の壁にある『雄英高校』の文字に目を向けてから歩き出す。

 

「あーちゃんたち。わざわざ高校入る必要なくない?」

 

毛先が少しばかり縦ロールになっているピンク色の髪の美少女がめんどくさい、と顔で言いながらそう口にした。

 

「あら、綾さんは別に良いんですよ? USAでカレッジ卒業してますし。高校でのお兄様の身の回りのお世話は、私がしますから」

 

「奏も同じとこ飛び級卒してるくせに何いってんの?そーやってあーちゃん出し抜いてお兄ちゃん独占しようとするんだから。やっぱり腹黒じゃん」

 

「ニコニコ笑顔で私を出し抜く算段考えてる綾さんに言われたくないですよ」

 

笑顔の妹二人。

だが笑っているのは顔だけ。

目は笑ってない。

 

「いや、雄英に入らなきゃいけないのオレだけ……」

 

「「お兄ちゃん(兄様)は黙ってて」」

 

「アッハイ」

 

肩を落として校舎へと進む。

 

なお二人は血の繋がらぬ兄を挟んで口論を続け、一部生徒から爆発しろ、と思われていたとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

――side 夢見朧

 

実技試験

 

「……同じ試験会場でなくて助かった。ポイントの奪い合いをしなくて済む」

 

受験番号が離れていたため、乗るバスが違っただけかと思ったが、移動先に二人の妹が居ないことに胸をなでおろした。

 

「……ココに『彼』は居ないか」

 

朧げな前世の記憶を思い出しながらそうこぼしていると周りの目線がこちらに集まっているのを感じる。

 

「?」

 

目線と顔の向きをそのまま、耳を済ませる。

 

「あいつ何処かで……」

 

「校門前で女二人侍らせてたリア充野郎……!」

 

「夢見プロダクションCEOの長男じゃね?」

 

「……八葉一刀流の九代目剣仙が何故ココに?」

 

……日本であまり表に出てないから知名度ないと思っていたが、そうでもないらしい。

 

それはそれとして剣術関係者やニュースに敏感な人間が居るのに少し驚きだが。

 

しかし――そんな話をしていて本当に大丈夫か?

 

『はいスタート』

 

近くのスピーカーから聞こえた声と同時に、試験会場である市街地へと駆け出す。

 

何人かはオレに気がついてすぐに動き出した。

 

「侵入者ハッケン!」

 

「排除スル!」

 

眼の前のロボット相手にいちいち動きを止める義理はない。

 

通りすがりに頭部を最低限破壊していく。

 

ついでに瓦礫をいくつか拾い、見つけたロボへと投擲。

 

……ある程度稼いだら他の受験生を支援するか。

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくしたら地面が揺れて近くのビルから巨大なロボが姿を見せる。

 

「……む」

 

オレはその足元へ向け、瞬歩で駆け出す。

 

そして降り注いだ瓦礫を薙ぎ払った。

 

「大丈夫か?」

 

「え?あ、なんとか。……でも腰が抜けて」

 

ピンク色の肌をした娘――たしか、A組になった少女だったか……?――がそう返事をした。

 

「……しっかり口閉じてろよ。舌噛むからな」

 

彼女の返事の前に彼女を抱き上げて瞬歩でその場を後にする。

 

間髪おかずに背後に大質量が地面に落下したときの振動が発生した。

 

「……周辺に敵なし。済まないがココで待っててくれ」

 

「へ? ビルの上……?」

 

目を丸くしてる彼女を置いてオレはとんぼ返りした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――side 雄英高校教師陣

 

「……流石十歳でEUとUSAでプロヒーローとして活躍してた兄妹たちだな」

 

「全員0Pを撃破するし敵ポイントに救助(レスキュー)Pもしっかり稼いでるぜ」

 

オールマイトの言葉にプレゼント・マイクが口笛を吹いて同意する。

 

「他受験生に負けない結果を叩き出すことがすでに分かってる時点で3人の実技は免除しても良かったと思いますがね。他の受験生たちの能力測定を邪魔している。ソレも実技ということを加味しても合理的ではないかと」

 

イレイザー・ヘッドは顔をしかめて思考を開示した。

 

「ソレはそうなんだけど、免除してしまえばソレはソレで特別扱いとして不要な例外になる。今後外部からのねじ込みの口実になりかねない。やむを得ない処置なのさ」

 

「……アレ? でも雄英に入学するよう根津校長が要請したのは朧君だけでは?」

 

ミッドナイトが首を傾げる。

 

「そうなんだけどねぇ……。こうなることをまるで予想してたみたいに二人の受験登録されてたんだよ。あと添付資料に『不当に落としたり兄とクラス分けた場合は夢見グループへの宣戦布告とみなします』と彼らの母親と連名のコメントが備考で追記されてたよ」

 

「あの一族朧君に対する愛重くないか???」

 

ブラドキングが困惑した顔でつぶやくが

 

「弟君や父親の方はそうでもないよ。ただまあ……彼の出自についてとやかく言うと、彼らも笑顔でブチギレるけど」

 

とオールマイトは否定する。

 

「ふむ……。筆記を見る前だけど、夢見の3人は合格。クラスは……相澤君。任せても?」

 

「ええ。わかりました」

 

校長の言葉にイレイザー・ヘッドは頷いた。

 

 

 

 

 

時系列的に夏休み→映画(I・アイランド)→合宿だけど、映画編ほしい?

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