第9話 雄英高校体育祭(なお夢見三兄妹は出禁)その1
――Side 夢見朧
雄英襲撃事件から数日――
「――雄英体育祭が迫っている」
ホームルームにて相澤先生から告げられた言葉に生徒はざわつく。
「先生! 先日襲撃事件があったのに開催するんでしょうか!」
天高く手を屹立させながら飯田君が質問をする。
「話の腰を折るな。……今年の警備を例年の5倍にして対応するそうだ。ここで体育祭の中止をすれば襲撃事件に雄英は屈したなどと敵が活気づく可能性が高い。というかオレを含めて本格的な治療が必要な人間がいなかったからな。本格的な負傷者が出たなら話が少し変わっていたが……オイ、数名。何故緑谷を見た???」
綾、麗日さん、峰田君、梅雨ちゃんの3人はハッとしてなんでもない風を装った。
緑谷はおそらく白目で汗ダラダラといったところだろう。
「…………まあいい。日程は昼休みまでに昇降口や食堂の掲示板に張り出されるからそれに目を通しておけ」
そう言って連絡終わりと去っていく相澤先生。
「あ、そうだ」
巻き戻すように戻って来る相澤先生。
それに反応して傾聴できる状態になるA組面々。
「――夢見三兄妹は体育祭出禁な。ついでにオレの代理で山田……プレゼント・マイクと共に実況・解説よろしく」
そう言うとそそくさと去っていく。
「……出禁は知っていたが実況・解説の押し付けは相澤先生の強権にしかみえない……」
「……チッ!」
露骨に舌打ちする爆豪。
「……そっちがその気なら……」
オレはある計画と楽譜、連絡アプリを同時並行に動かし始めた。
――Side 夢見綾
放課後、ホームルーム後。
教室前の廊下には人だかりができていた。
「……放課後のA組の教室で何かイベントあったっけ?」
天然ボケマシーンな轟ちゃんの言葉にコケるA組面々。
「何すっとぼけてんだよ半分野郎。大方こいつ等はオレたちの敵情視察に来たんだろうよ」
「……視察? ……教室じゃ個性基本使えないけど」
はて?と首をかしげる。
赤毛側の目の周り火傷の跡があるとはいえ、美人というのは雑なアクションでも絵になるものだ。
それはさておき
B組や普通科C組の生徒に絡まれたりしたが爆豪が「全部ぶっ倒せば良い」という脳筋思考で人だかりをドン引きさせたりしたがまあ……気にしなくていいかな。
――Side 緑谷出久
体育祭当日。
何故か夢見三兄妹の席には『体育祭がんば!』と書かれた色紙と、それを抱える彼らのデフォルメぬいぐるみがあった。
相澤先生は顔をしかめるだけで何も言わないので、体育祭のどこかにいると思考を切り上げた。
「数日とはいえ、夢幻回廊で鍛錬させてもらった成果、出してみせる……!」
「緑谷」
アリーナ選手入場手前で意気込むと轟さんが声をかけてきた。
「な、なにかな?」
「……オールマイトや朧から目をかけられてる理由は知らない。……でも、負けるつもりはない……」
冷酷さを感じる目を僕に向けながら、轟さんはそう告げた。
「宣戦布告!?」
「大体どこかの種目でチーム戦があるけど最後は個人戦だしお前を倒す宣言は間違ってないな……」
などと会話しているとプレゼント・マイクの声がした。
『さぁ!生徒の入場だぁ! まずは今期最注目の――A組だろ!』
その言葉とともに飯田君が先導して僕たちは入場する。
『本物の敵と相対した経験は精神的に一皮剥けたかもしれません。一足先に卵から孵った雛鳥になっているか……注目ですね』
奏さんの声に放送席を思わず見る僕たち。
……プレゼント・マイクのとなりに綾さん、朧君、奏さんが並んでいた。
『続いてヒーロー科B組!』
『入試情報見る限り、A組にも負けず劣らずの実力者たちが揃っている。相性や立ち回り次第で優勝を十二分に狙える位置にいる。まあ足を掬おうとしてる時、優勝狙う他クラスの生徒が足を掬うかもしれない。油断大敵、この一言に尽きるだろう』
……朧君なりの忠告かもしれない。気をつけておこう。
『続いて普通科CDE組!』
『先生、贔屓はだめだよ〜? っと、ヒーロー科の予備なんて呼ばれてるけど、ぶっちゃけヒーロー科の実技試験と相性悪いだけで対人戦闘ならA組というか私たち相手でも勝てる子とか居ると思う。ここで活躍してプロに注目してもらえると良いね!』
ヒーロー科に落ちた子も居るって前に教室に視察来たC組の生徒が言ってたよね……。
『次はサポート科FGH組!』
『サポート科は事前に審査を通った自作サポートアイテムの持ち込みができます。中にはサポート会社顔負けのアイテムがあるとの噂がありますね。……ちなみに今朝ねじ込みのアイテム申請があったようです。……締め切り過ぎてるのに半ギレしながらもちゃんと審査したパワーローダー先生は本当にお疲れ様です……!』
……とんでもない裏話に観客が同情の声が上がった。
『最後は経営科IJK組!』
『ヒーロー科や普通科の面々を見てどうプロデュースするか考えてるな……。体育祭なので参加する競技はしっかりな……』
コメントを絞り出す朧君。
『選手宣誓! 爆豪勝己!』
18禁ヒーロー ミッドナイトの言葉にかっちゃんが台に上がる。
嫌な予感しかしないのは気の所為か、幼馴染としてのカンか……。
「せんせー。オレが一番になって、実況でのんきにしてるアホ3人ぶっ潰す」
(マジでやりやがった!!!!)
多少言い回しが違うけどA組のみんなの心が一つになった(気がした)瞬間だった。
会場に吹き荒れる大ブーイングの嵐。
コレも青春!と言ってるミッドナイト先生。
……あれ? 実況席に朧君たちもプレゼント・マイクもいない。
『オイオイなかなかファンキーな選手宣誓だな! ボルテージ上がってたから余計だったかぁ!?』
プレゼント・マイクの声とともに、会場にあるスポットライトがついてある場所を照らす。
そこにはギターボーカルにオールマイトとプレゼント・マイク、ベースに綾さん、ドラムに朧君、シンセサイザーで奏さんが黒づくめにサングラスという格好で立っていた。
『他の学年の会場にも映ってる?ヨシ! ソレじゃあ夢見三兄妹の作詞作曲、ボーカルは私オールマイトとプレゼント・マイクで贈る夢見プロダクション新曲【HEATS】で君たちのボルテージ、もう一段上げさせてもらおうか!』
その言葉とともに、忘れていた熱意を呼び覚ますような曲が流れ始めた……。
時系列的に夏休み→映画(I・アイランド)→合宿だけど、映画編ほしい?
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ほしい!
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いらね