――Side 夢見朧
五十六と士道を麻呂の所に戻し、根津校長へ報告しに雄英に戻り、またプッシーキャッツのところにとんぼ返りしたりとそこそこいそがしかったが、4日目の夕方までは平和そのものだった。
「あちきたちの実績増えるのは嬉しいけど……やっぱり弾丸登山して動けなくなって救助ってのは無くなってほしい」
困り顔で報告用の書類をまとめるラグドール。
「ほんとソレ。山を
ピクシーボブが電卓で経費の検算をしながらそう零す。
「……?」
オレたち3人のスマホが同時に通知を知らせた。
開くとそこには位置情報だけが記録されたメールがあった。
差出人は緑谷から。
届け先はA組全員となっていた。
「――綾、奏」
言い終わる前にオレの腕にしがみつく2人。
「何かあったの!?」
マンダレイに対してオレは状況と行動方針を伝える。
「ウチのクラスメイトが保須市市街地にてヒーロー殺しと接触した可能性あり。緊急事態と判断。ヒーロー『ケンセン』、『アーヤ』、『ディーヴァ』は職業体験を一時中断。救援に向かう」
「――了解した。プッシーキャッツはヒーロー3名の救援行動を承認! ちゃんと戻ってくるように!」
虎が冷静に告げる。
「「「はいっ」」」
緑谷につけていたマーキングを元に飛雷神の術を発動した……。
――Side 死柄木弔
保須市のあるビルの上にて。
オレと黒霧と、ホログラムで投影されてる金髪っぽい坊っちゃんヘアの小さなメガネをしたおじさん――『博士』――は街に響く悲鳴や建物が壊れていく音、燃え上がる焔を鑑賞していた。
「さーて、脳無5体に博士の人形兵器が……大型2、中型6。人形兵器にも『敵連合』の旗付けたりやペイント入れてるし嫌でも目立つだろ」
「そう……ですね」
歯切れ悪い黒霧。
『人間は見たいものしか見えないからね。市民が見てくれるかは疑問だが……無いよりマシだろうね』
博士の言葉に黒霧が慌てふためく。
「これで明日の朝刊ヒーロー殺しの方が一面飾ってたら泣くぞオレ」
『あんなクソみたいな旗やペイントに関してデザインセンスゼロとか言われたら人形兵器作った私のセンスも疑われそうだね。まあ試作機などデザイン性よりとれたデータの質と量の方が大事なんだが』
「博士黙って下さい!」
博士の言葉に心が折れそうなオレと黒霧の言葉に顔をしかめる博士、なんか胃が痛そうな黒霧。
なんというか、混沌とした空間がそこにあった。
『あ、それはそれとして黒から伝言。ヒーロー殺しの様子見てるのと必要なら『試作品』を投入するからよろしくって』
思い出したかのように告げられた言葉に、心が折れてもいい準備を内心で始める。
「先生以上に自由人だろあの黒……」
『ノーコメント』
――Side 夢見朧
飛雷神の術で転移した瞬間、背後から気配がした。
「!!」
しかし奏のサウンドアーマーにより弾かれたのを確認し、サイドステップを数回繰り返して移動。
「夢見君たち! 何故ここに!?」
やや離れたところに身に伏せている飯田君とネイティブアメリカの民族衣装を身に纏うヒーローが居た。
「緑谷のメールですっ飛んできた」
目線を手前に動かすと轟と緑谷が、赤い服を纏った男と戦っていた。
「はあ……はぁ……また、偽物が現れた……か……?」
男がこちらをみつつも緑谷たちへの注意を怠らない。
「たしかにプロヒーローより高い身体能力と経験で磨き上げた技を持ってるけど、あーちゃんと奏で対処できるかな」
綾と奏がオレから離れてそれぞれ攻撃の構えを見せる。
『有精卵相手に梃子摺っているところに剣仙に剣聖級2人の増援……流石に分が悪かろう。手を貸しても良いぞ』
どこからともなく声がした。
「……不要だ……オレがやらなければ……意味がない……」
『それなら勝手に乱戦にするだけだ』
指を鳴らす音と共に3人、人が降りてくる。
「……アリオスおじさん!?」
「3人いる……なんで???」
綾と奏が驚いているが……。
「アレはオレたちの知る剣聖アリオスじゃない。……だが実力者はソレに比肩する、おそらくロボットッ!」
言い切る前に3人が動き出し、こちらに攻撃を仕掛けてくる。
連携は……あるようで無い。
いずれもワンマンプレーである。
「なら遠慮要らないよね!」
糸を紡ぎ、張り巡らす綾。
それを躱し、切り開く偽のアリオスたち。
「ソウルビート!」
全身を活性化させて肉弾戦を仕掛ける奏。
オレは相手の飛ぶ斬撃をいなしつつ、反撃を繰り出す。
――Side 緑谷
夢見君たちはあの人にしか見えないロボット?を相手しててこっちに来れない。
――いや、既に2体ロボット(中身が完全に機械だ!)を倒したが、黒衣の男が乱入してこちらへの増援を阻んでいる。
男と残ったロボットがまるで二人で一人かのように互いを補っていて、決定打が出せていない、のほうが正しいはず。
なら、今動けるボクたちがヒーロー殺しを倒さないと……!
「余所見とは、余裕だな」
腹に走る衝撃と立て続けに起きた背と頭への衝撃。
蹴り飛ばされ、何処かの壁に叩きつけられた。
「っ!」
轟さんが氷と炎で攻撃するけどそれを
「また……からだが……」
身体の骨がひとつなぎの鉄骨になったかのように動かない。
「さあ、とどめを――」
「友達を見殺しにしてたまるか!」
こちらに向かってきていたステインを横からタックルして吹き飛ばす飯田君。
「はぁ……はぁ……無駄なことを……」
「たしかに僕はお前からしたら偽物のヒーローなのかもしれない。だが――誰が殺されそうになってるのをみて見ぬふりするつもりは毛頭ない!」
「オールマイトが言ってた。お人好しなお節介焼きはヒーローの素質アリってな!」
炎と氷を纏い、肉薄する轟さん。
それに合わせて突撃する飯田君。
接近戦では相手が圧倒的に上。
二人共吹き飛ばされた。
3人は黒衣の男とロボに足止めされてる。
ネイティブも動けない。
「はぁ……はぁ……手間をかけさせられたな……」
誰も、動けない……!
ボクがもっと、強ければ。
オールマイトみたいに、強ければ――!
――!
何がが聞こえた気がした。
それと同時に、身体から黒い鞭が飛び出し、ステインへと殺到した。
「!」
ステインが吹き飛んで――
「何やってる小僧っ!」
――吹き飛んだ先からグラントリノがやってきて、ステインを反射的に蹴り上げた。
「むっ!? ヒーロー殺し!?」
「いやアンタ反射的に蹴り上げたのかよ!」
ネイティブが突っ込んでるけどそれどころじゃない。
「次から次へと……!?」
すぐに体勢を立て直すステイン。
その頭上を何か掴んで飛んでいる脳無が通り抜けた。
「…………」
するとステインはボクたちを飛び越えて大通りへと向かう。
「なっ!」
「ええい小僧、後で説教!」
そういってグラントリノはステインを追いかける。
……そういえば、朧君たちは……
そちらを向くと、
誰のか分からない片腕。
左目をすっぱりと切られ、脇腹から血を流し、刀を杖がわりにしている血まみれの朧君。
コンクリートに座り込み、太ももから血を流し、お気に入りと言っていた先が縦ロールしてるツインテールの片方がなくなってコスチュームもボロボロな綾さん。
袈裟斬りされたのかコスチュームも袈裟斬りされてて切れ目が赤く染まった奏さん。
それと三つ子っぽかったロボットの残骸が居た――。
「……! 朧!」
「綾! 奏!」
いつの間にか動く身体で駆け寄ろうとしたら――手で制された。
「オレたちは大丈夫だ……お前達は……ステインを……追うんだ……」
「私たちなら……大丈夫だから……」
「5分……で治して追いつきますから……」
3人の目に戦意の衰えはなかった。
「……分かった」
「轟君!?」
「3人なら大丈夫だ。もっとひどい怪我でも治せる。……だけどヒーロー殺しを野放しにしたら、もっと怪我人が増える」
轟さんの言葉にボクたちは少し迷ったけど、彼らなら何とかするという信頼からステインを追うことにした。
――Side 『博士』
ラボにて今回のデータを分析していると、水音と共に主の気配。
振り向くとそこには右腕の肘から下がなくなり、傷口から血を滴らせている我が主の姿が。
「ふむ……義手なら数日で用意できるが……」
「機械の腕は論外だ。ヤツから手付金代わりに貰ったアレを使え」
面倒な主だ。
私が傷口に手を近づける。
少し肩のほうまで亀裂が入るが、巻き戻るように腕が再生する。
「……問題ないな」
手を動かして確認する主。
『ドクター』経由で渡された個性だが実に面白い。
「あと武器と防具についての修正案と壊された人形の戦闘データだ」
メモリーチップとUSBメモリの入った袋を渡された。
「今夜も徹夜だね」
「あとは任せた」
そういうと主は去っていく。
さてさて、我々の世界の風の剣聖は問題なく再現できた。
次は『彼』を再現するとしよう。
……起動するとこちらの刷り込みを無視して自分(再現個体)殺しを始めるから実質1体ずつしかつくれないのがネックではあるが。
夢見コソコソ小話
夢見三兄妹の趣味とか諸々
夢見朧
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最近気になること 葉隠ちゃんの素顔
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最近気になること 兄が常に賢者状態な理由
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ほしい!
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いらね