夢見兄妹のヒーローアカデミア   作:月神サチ

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第21話 職業体験後の初登校

――Side 雄英高校

 

登校からホームルームまでの間の時間。

 

雄英高校に姿を見せるヒーロー科の面々。

 

中にはニュースで話題になり、ある者は雑誌に載ったりしたが、過半は1週間ぶりに姿を見せることになる。

 

爆豪みたいに髪型が変わった(なお間もなく爆発で元に戻る)者がいたり、

 

「お、尾白に障子……なんか雰囲気変わった?」

 

ある者たちは理に至った達人に鍛えられてひとかわ剥けたりした。

 

「そういう瀬呂はオレたちの気配偽装を完璧に見破ってるだろ。あの陰陽師系ヒーローから何を学んだんだよ」

 

ある者たちは五感六感を研ぎ澄ます研鑽を積み、

 

「……あの人が襲いかかってこないことがこんなに平和で素晴らしいんだねぇ……」

 

「ほんとソレ……」

 

ある者たちは日常へ帰還したことを静かに喜ぶ。

 

「やっぱりさ、常闇は暴走リスク考えてサポートアイテムに緊急用の閃光弾とか持っておいたほうがいいような」

 

「そっちこそ思考力落ちても使えるタイプの蓄電池のデザインは思いついたのか?」

 

中には比較的交流の薄かった者同士の会話が増えたり

 

「デク君! 一昨日はメールと電話ありがと!大丈夫って聞いてたけどやっぱり本人の無事な声や本人からのメールがあるとやっぱり安心するよ」

 

「麗日さん!? 心配させてたみたいでごめんね……」

 

なんかいい雰囲気になってる?のがある一方。

 

「……」

 

「朧の目が死んでで夢見姉妹の兄を見る目が何か違う……」

 

別の意味で一皮剥けてしまった人も居るようだ。

 

「――綾さん、奏さん、やりやがりましたわね!?」

 

「……ふふっ」

 

「そんなに怒らないの。幸せ逃げちゃうよ〜?」

 

ブチギレヤオモモに対して夢見姉妹は兄と同じデザインの指輪を左手薬指に付け、それを見たりしている。

 

そしてヤオモモに向けて菩薩のような優しい笑みを浮かべる。

 

「……」

 

「……『俺が悪いんだよ』……?」

 

峰田が困惑しながらかすかに動く朧の口の動きで言葉を読み取った。

 

「……なにがどう悪いんだよ。はっきりしねぇな」

 

切島が消化不良って感じで口を開いた。

 

「ハッ、大方妹として接し続けたせいで本人たちの異性としてのどーたらこーたらを冗談としか認識できず、実際に事が起きてから本気だったのを冗談と受け流してた自分に罪悪感が伸し掛かったんだろ。それのせいで周りで見える悪いこと何もかも自分のせいに見えて『俺が悪いんだよ』ってことだろアホくさ」

 

「かっちゃんそこまで人物分析できるのにバレンタインとかそういうのに縁なかったのやっぱり素行と口調に問題あったからじゃ……」

 

「うっせえぞクソナード! ソレとこれに関係性ねぇだろバカかよバカだったな!? てめえはてめえで丸顔と乳繰りやがって。登校中もブツブツ言ってる間に何度も名前出してるからからかうネタにしようと思ったら回数多すぎて逆に引いたわ途中でやめたが二桁後半確実だぞ意味わからねぇよ!」

 

「途中までカウントしてたあたりまじめちゃんかよ」

 

「変なところで真面目だよな、爆豪」

 

瀬呂と轟の言葉になにがキレる音がした。

 

「んだとコラ!オモテで「ホームルームをはじめる」」

 

瞬間的に全員が着席する。

 

「……1週間の職業体験、ひとまずお疲れ様だ。得たものがあると自覚できたもの、できなかったものいるだろう。だが何かしらの経験をしてるはずだ。その経験を血肉にして今後に活かせるよう、頑張れ」

 

そういったあと、相澤先生は朧を見る。

 

「あと朧は燃え尽きてる所悪いが、今日は校長とオールマイトのから要請(オーダー)がきてる。公欠扱いにしとくから対応してくれ」

 

「……っす」

 

「先生!朧さんが心配なので付き添いしてもよろしいですか!」

 

おもむろにヤオモモが立ち上がる。

 

「欠席扱いになって評価下がるが大丈夫か?」

 

「こんな状態の朧さん放って置くなどできません!」

 

めんどくさそうにしたあと

 

「まあ……いいか。委員長は二人が授業遅れないよう、ノートとか後で回してやれ」

 

相澤先生は許可を出した。

 

「はいっ!」

 

いい返事する飯田を横にヤオモモは朧を介助しながら二人で教室を出ていく。

 

「えー、それならあーちゃんたちも」

 

「今の朧とお前らだけにできるか。歴史ある八葉一刀流の剣仙が再起不能になってその理由が身内による連日逆◯なんて不名誉な歴史を打ち立てるつもりか? 却下だ却下」

 

「(´・ω・`)」

 

しょんぼりする綾と奏。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――Side 夢見朧

 

オレたちは私服に着替え、雄英高校(静岡)の最寄り駅から新幹線に乗り、東へと向かっていた。

 

「あの……自分の分は自分で……」

 

「今のヤオモモはオレの介助要員だ。寄って介助にかかる費用は介助を必要としてるオレが出すのが筋なんだ」

 

グリーン車にはオレたちと他数名が乗るばかり。

 

他の客は離れてるから大声でもなければ聞こえることはないだろう。

 

「……私、貴方に借りばかりが増えていきますわ」

 

目線を泳がせるヤオモモ。

 

「8歳のパーティーの時、狡猾な大人に絡まれて母の立場を危うくしそうな言葉を引き出されそうになった時にしれっと連れ出してくれたり、日本に戻った時とかオレがヤオモモの予定知らないのに訪問したときとかオレをもてなすために予定蹴っ飛ばしてくれたこととか感謝してる。現に不調のオレのために成績や授業とかを無視してまで付き添ってくれてる。……本当に、ありがとう」

 

心からの感謝を伝えると彼女の顔は耳まで赤く染まっていた。

 

「……ずるい人」

 

「かもしれない」

 

「鈍い人」

 

「関係が変わるのが怖くて、気が付かないふりをしていた」

 

「節操なし」

 

「……義理とはいえ妹二人と関係を持ったからな。ぐうの音も出ない」

 

「父も母も、貴方以外の結婚は認めないと言われました。このままだと八百万の血は断絶です。責任とってください」

 

「他にもやらかした精算を終わらせて、関係者都合と法律とすり合わせられる範囲で責任取らせていただきます……!」

 

「今後増えたらどうするので?」

 

「……その時点で男女関係にあった現行の関係者とすり合わせの上で対応かな……!」

 

「自分でビシバシ決めてしまわないのですね」

 

「相手の事をなるべく振り回したくないし、相手に不誠実で在りたくない」

 

「既に手遅れですわ」

 

「ご尤も……!」

 

すると彼女は吹き出して小さく体を震わせて笑う。

 

そして落ち着いたと思ったら、優しい瞳をこちらに向けた。

 

「……本当に酷い人。でもそんな貴方に心を捧げたのは私。あの二人に劣りますが、細やかながら貴方を支え、貴方との道を歩んで行きたいです。……駄目ですか?」

 

「……こんなオレと一緒に歩いてくれること、とても嬉しく思う」

 

オレは以前から作っていた特殊な指輪(オレや綾たちがつけているのと同じヤツ)の入ったケースを取り出して開ける。

 

「……付けてくださいます?」

 

オレは指輪を取り出して、彼女の指にそっとつけた。

 




夢見コソコソ小話
その1
夢見朧が普段からつけてる(この話から左手薬指に移動した)指輪や彼が贈る指輪には肉体異常無効化がついている。
その2
夢見朧は時間の流れが違う空間を生成できる。それを活用して妹たちの目を掻い潜ってなにかをしてもバレずに済んでいたりした

時系列的に夏休み→映画(I・アイランド)→合宿だけど、映画編ほしい?

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