ではどうぞ。
――Side 夢見朧
時は6月下旬。
相澤先生より来週筆記と実技の期末試験があると通知された。
「それと、実技試験に関して公正を期すため、期末テスト終了まで夢幻回廊の使用は原則禁止。鍛錬は昇降口掲示板にある通り、『訓練場βをオレか朧に許可を取ったうえ、該当責任者が見てるところでやる』ように」
その言葉に生徒たちが大ブーイングをするが相澤先生の髪が逆立った瞬間に静まる。
「ちなみに実技試験の内容はオレを含めた試験官全員知っている。もっともオレは質問を受け付けないし、試験官は実技試験の内容について、キーワード以外は『イエス、ノー、ノーコメント』でしか基本回答できない。言うまでもないが筆記も実技も赤点は補習で夏季のクラス合宿は諦めてもらう」
その言葉に生徒たちは本気だと確信する。
「曖昧な情報から試験官を見つけ、情報をうまく引き出せ。逃げた敵を探す時、市民の曖昧な記憶しか手がかりしかない。善意の情報が間違っていた……なんてことはよくあることだからな」
「「試験勉強してねぇ……」」
そう嘆くのは上鳴電気と芦戸三奈。
なお声色は絶望と開き直りという正反対なものである。
ちなみに中間テストのランキング
1位 夢見朧・八百万百
(全教科満点の壁)
3位 飯田天哉
4位 爆豪勝己
5位 緑谷出久
6位 轟焦凍・夢見綾・夢見奏
(全教科8割の壁)
9位 蛙吹梅雨
10位 耳郎響香
11位 尾白猿夫
12位 峰田実
13位 障子目蔵
14位 麗日お茶子
15位 常闇踏陰
16位 切島鋭児郎
17位 葉隠透
18位 瀬呂範太
(赤点有無の壁)
19位 青山優雅
20位 芦戸三奈
21位 上鳴電気
「おまけに試験官探して実技試験の内容を自分たちで見つけて対策しとけってことだろ? 難易度高すぎるって。……なんで爆豪たちは朧見てんだよ」
上鳴は爆豪たち成績上位陣がオレをみてることに困惑する。
「朧君、メンタル弱いところはとことん弱いけど剣仙っていうトップクラスの実力者だ。綾さんと奏さん含め体育祭で出禁にされた実績もある。……そんな彼が生徒として実力を測られる側にいるとは思えないんだ」
「確かに……綾と奏は『プロヒーローの活動実績持ち』だから体育祭出禁になってたはず。朧は『強すぎるから出禁』になってたっけ。……たしかに朧を真面目に実技で確かめるってなったら先生たちかなり動員しないとだもんね……」
緑谷の考察を聞いた耳郎が冷静に同意する。
「……朧君は実技試験の試験官で合ってるよね?」
「YES」
緑谷の言葉に頷く。
右手の指を1つ立てる。
「……もしかして質問回数とか制限ある?」
「YES」
2本目の指を立ててピースサインにする。
「これ質問ミスったら教員とかにローラ作戦しないとなんじゃ……」
切島の言葉にクラスの面々は硬直した。
「他の試験官の絞り込みするか?」
「いやまずキーワードを聞いておこう!それも質問回数に入ってたら聞き逃しかねない!」
「相澤先生の曖昧な情報ってのがちょっと嫌な予感してるんだよな……」
3人よればなんとやら、だが、クラスの面々が集まったおかげで知恵を出し合えている。
「……キーワード教えろよ剣仙」
「……オレの持ってるキーワードは『ABいずれも例年通り』だ」
指を3本にする。
「あぶねー、コレキーワード聞きそびれのリスクあったのかよ」
「でも『ABいずれも例年通り』ってことは先輩たちが受けた内容と同じってことじゃない?」
オレの言葉に半数は安堵の様子を見せるが、上位陣は険しい顔のままである。
「皆さん、私も質問して構いませんか?」
「「「「「どうぞどうぞ」」」」」
ヤオモモの言葉にダチョウ倶楽部的反応でGOサインだす面々。
「……他のキーワードで『ABいずれも例年通り』を否定するワードはありますか?」
「――ノーコメントだ」
本数は変えない。
「では別の質問を。――実技試験の試験官に朧さん以外で雄英高校教師ではない人はいますか?」
「NO」
4本目の指が伸びる。
「……今ので『ノーコメント』に関してはカウントしないってことと、試験は朧さんと教員によって行われるのがほぼ確定ですわね」
「教員ローラーでなんとかなりそうだが……実技の内容がわからないのがなぁ……」
「とりあえずB組とも情報共有してB組に例年の方調べてもらおう。……質問に関してもAB組で回数共有の可能性あるし」
「同じ質問するのも無駄かもしれねぇからな……いや、念の為だ」
轟が問いかけてきた。
「試験の内容はAB組共に概要は同じか。――試験官が違うとか使う道具が違っても、戦闘系や救助系などの括りが一緒ならYESで返せ」
「……YESだ。そしてこれでオレが答えられる回数は0だ」
「言い方的に試験官によって回数違うかも」
「キーワード聞きつつ、絞り込みだな」
「B組と情報共有しなきゃ」
綾と奏以外はB組に突撃するため教室を飛び出す。
何やら物間の声がうるさいが、放置しておく。
さて……筆記試験対策も大丈夫だろうか……。
――Side B組
「邪魔すんぞオラァ!!!」
いきなり扉を開けたのはA組の暴言王爆豪だ。
なぜか後ろにはA組の面々のほとんどがいる。
「なんだよオイ、まさかカチコミか!?」
鉄哲が反応すると
「緊急性高めの情報共有必要そうな話があるから来た!」
切島がやる気出してる鉄哲を宥めつつ用件を告げた。
「はぁ? ライバルと情報共有必要なことなんてないはずだけど?」
物間はすかさずインターセプト。
「なら期末の実技テストの内容知ってるんか?」
「それくらいブラドキング先生が教えてくれたさ。あれあれ?もしかしてA組は教えてくれなかったのかな〜???」
上鳴の言葉に対して煽りまくる物間。
「んだとてめ「連携必要な時に物間の挑発にのらない」」
轟が爆豪を抑える。
「……ウチらの実技試験、『調べる所から』試験らしくてさ、ヒントの1つが『ABいずれも例年通り』らしいんだ」
「? 何か問題でもあるのか?」
黒色支配が首をかしげる。
「……ヒントの1つって割に、ほぼ答えなのが引っかかるな」
鉄哲の言葉に納得するB組面々。
「でもブラドキング先生の言う通りなら『ロボットと戦う』はずですが……」
塩崎がしれっと情報を漏らす。
「……ちなみに他のヒントに、『例年通り〜』の下りを否定するワードあるか聞いたらノーコメントって言われたんだよ」
「ちなみに朧さんは試験官側で様子的にB組の試験官も兼任してるように見えましたわ」
「……ロボットなら問題ないかもだが、例年通りじゃないなら――初見殺しのテストなら――情報無しだと詰む可能性がある」
耳郎、ヤオモモ、尾白の説明に考えるB組面々。
「備えあれば憂いなしって言うノコ。調べて問題なかったらそれで良し、A組の言う通りなら対策バッチリで挑めることになるノコ」
「あと朧さんに質問した限りAB組共通で試験官毎に回答回数の制限があるようです。教員の誰が試験官なのか虱潰しに確認しつつ、キーワードなどを聞き出して実技試験の情報を集めたく思います」
「……ブラドキング先生を疑うのは気が引けるけど仕方なく協力しようじゃないか!」
「上から目線すぎる!」
拳藤によって物間はノックアウト。
「とりあえず次の休み時間に詳細詰めて行動するのはそれ以降でどう?」
「できれば今日中に決着付けて置きたいので問題ない」
拳藤の言葉に飯田が頷く。
2人の握手がAB組による実技試験合同調査隊の結成を物語っていた……。
夢見コソコソ小話
ブラドキング先生は本当にロボットを使った試験だと根津校長から聞かされていた。
熱血でちょいと過ぎたB組贔屓を考慮してそうなったらしい。
それを知った時彼は号泣したとか……。
時系列的に夏休み→映画(I・アイランド)→合宿だけど、映画編ほしい?
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ほしい!
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いらね