夢見兄妹のヒーローアカデミア   作:月神サチ

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第3話 高校生活1日目 その1

――side 夢見朧

 

翌日から始まった高校生活。

 

午前の授業は……思ったより普通で、おさらい感覚で受けつつ、緑谷君の鍛錬メニュー候補を組んだりできる程度には余裕があった。

 

綾と奏は趣味の作詞作曲(綾が作詞、奏が作曲)をしていたがバレていない。

 

いや、座席の関係と八葉一刀流の応用で気配を薄くしてるからだろう。

 

まあ、完全に消してないので何度かオレ含め指名されたりしたが。

 

閑話休題(それはさておき)

 

 

 

「朧さんは昼食はどちらで?」

 

ヤオモモがソワソワした様子で問いかけてきた。

 

大体の者は知っているが、雄英高校は施設も充実してるだけあり、食堂がある。

 

しかも食堂で腕を振るうのはクックヒーロー《ランチラッシュ》。

 

安価で栄養バランスもしっかり考えられた食事が提供されるので、混雑具合を加味しなければ食堂で取るのが安牌だったりする。

 

「食堂だな。今日は緑谷君と食べる予定だ」

 

「ご一緒しても!?」

 

ヤオモモの言葉にどう返そうが少し言葉に詰まる。

 

……目線や声色、態度から伝わる好意は分かるが、今は緑谷育成に力を注ぎたい。

 

あと彼女は後継者云々を知らないはずなのであまり一緒だと話しにくい。

 

さて、どうしたものかと目線を泳がせるとヤオモモの背後から2人分の手が彼女の左右の肩に置かれた。

 

「だめだよ〜?お弁当持ってる人は昼休みの食堂使用を控えるよう掲示板の常時張り出しにあるでしょ?」

 

「私たちもお弁当あるので一緒に食べましょうね……!」

 

頼れるシスターズにより、ヤオモモは引き剥がされてドナドナされていった。

 

……こちらを見た2人が『貸し1』とアイコンタクトで伝えてきたので、少し頭が痛くなったがコラテラルダメージと割り切ることにした。

 

 

 

 

 

 

「あ、夢見さん」

 

「緑谷君が誘われたと言っていたが本当だったか……」

 

「飯野くん信じてなかったの!?」

 

合流したら麗日さんと飯野君がいた。

 

……原作でも3人で食堂行ってたっけ……。

 

今更思い出して予定が狂ったなぁと思いつつ食堂へ向かう。

 

「やはり混んでるな……オレ席取るから、コレで日替わりAセットお願い。お釣りでたら手間賃にしておいてくれ。足りなかったら差額を後で出す」

 

オレは1000円札を麗日さんに渡して適当に4人席を探して確保。

 

しばらくすると3人がオレを探してキョロキョロしながらこっちに来たので立ち上がって存在アピール。

 

「ハイこれ、日替わりランチAセットね」

 

「ありがとう」

 

ご飯に味噌汁、サバの味噌煮にほうれん草のおひたし、それと小鉢で漬物と和食セットのようなメニューだ。

 

そしてオレの対面に飯田君、隣に緑谷君、緑谷君の対面に麗日さんが座る。

 

「……この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます」

 

「「「いただきます!」」」

 

オレの言葉に3人も続く。

 

そしてそれをきっかけにそれぞれの食べ方で食べ始めた。

 

「しかし……夢見君の妹たちは一緒じゃないのか」

 

「四六時中一緒ではないな」

 

飯田君の言葉に苦笑するオレ。

 

「そういえば八百万さんと綾ちゃんと奏ちゃんが怖い笑顔で会話しながらお弁当食べてたような……」

 

思い出すような顔で記憶にあった情景を零す麗日さん。

 

「ああ、今日は食堂で食べたかったから2人分だけ作って2人に渡しておいたんだ」

 

「……それ、大丈夫なのか?」

 

オレの言葉に困惑する飯田君。

 

「何らかの埋め合わせはするから問題ない。っと、今日食堂にした目的すませないとな。……緑谷君」

 

「な、なにかな?」

 

急に自分に話が来て驚く緑谷。

 

「……超パワーを使う時のイメージ、『電子レンジで卵を温めて爆発させないようにする』ってヤツから変えられた?」

 

昨日今日の話なので出来ていれば上出来、だめでも問題ない。

 

そんなスタンスで質問したのだが、何故か締め切り過ぎても1ページもできてない真面目すぎる漫画家より顔を青くする緑谷君。

 

「で、ででできてません……!」

 

「なんでそんなに悲壮的なん!? アレか? 出来ないと目茶苦茶厳しいお仕置きがまってるとかなん!?」

 

「緑谷君の表情もそうだが、夢見君の質問内容にも指摘させてくれ。何故力の使い方のイメージが電子レンジと卵なんだ!?」

 

麗日がうららかではない顔で困惑し、飯田君も冷静に突っ込んでくれた。

 

「麗日さんのツッコミは……夢見君というか八葉一刀流総師範にして剣術系ヒーロー『9代目ケンセン』の再犯ヴィラン捕縛のときの容赦なさとか色々あって……。飯田君の指摘は僕の身体が超パワーに耐えられるような強さじゃないから卵みたいに脆くても壊れないようにって」

 

「電子レンジやと多分力のさじ加減難しいやん! 蛇口ひねるとか、車エンジン回すイメージじゃできないの?」

 

「エンジンなら1回あたりの出力と回転数で時間あたりの出力がわかるからイメージし易いぞ!」

 

麗日さんがツッコみ、飯田君がメガネクイッとしながらエンジンでイメージすることをプッシュする。

 

……そういえば飯田君の個性エンジンだったな。

 

メガネが個性なのは銀魂の新八か……。

 

少し別のことに意識付けてたら緑谷君が椅子から腰を浮かして麗日さんの手を取っていた。

 

「本当にありがとう! 水道の蛇口のイメージなら上手くやれるかもしれない!」

 

「あ、いや、それほどでも……」

 

「むう……エンジンのイメージのほうが良いと思ったんだか……」

 

今まで(会って2日目)にないほど煌めく顔の緑谷と照れる麗日、そしてしょんぼり顔の飯田というなんともカオスな状況が出来上がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休みが終わり、午後はヒーロー基礎学。

 

さてさて、誰が来るのやら……。

 

「わ―――た―――し―――が―――」

 

廊下越しにこの声量はなかなかうるさい。

 

「――普通にドアから来たぁ――!!!」

 

ドアを開けて入ってきたのは、日本のトップヒーロー、オールマイト。

 

一人だけ画風違うレベルで存在感濃い彼にA組面々は驚き、あるいは歓喜する。

 

様々な状況に対処できるようにするのが目的で、そのための訓練を行っていくのが授業の内容であることをカンペ無しで説明するオールマイト。

 

「初回は戦闘訓練だ!」

 

その言葉に爆豪や切島をはじめとした武闘派や個性使いたい者が喜びの声をあげる。

 

オールマイトはその声を手で制しつつ、反対の手で黒板の横の壁を示した。

 

それとともに色の違う部分から番号の書かれたケースが収納された棚が姿を見せる。

 

「入学前に送られた個性届と君たちの要望を元に作られたコスチューム! 出席番号順だから間違えないように! これに着替えてグラウンドβに向かってくれ! では一足先に待っているぞ!」

 

そう行って教室を飛び出すオールマイト。

 

すぐ近くでその気配が小さくなった。

 

おそらくガリガリ……というほどではないが痩せ気味体型の状態になったようだ。

 

……滋養強壮の料理差し入れするか……。

 

 

 

 

時系列的に夏休み→映画(I・アイランド)→合宿だけど、映画編ほしい?

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