夢見兄妹のヒーローアカデミア   作:月神サチ

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第6話 トップヒーローのいる高校 その1

――Side 緑谷出久

 

高校生活2日目。

 

いい朝だなぁと雄英高校前までは思っていたのだけど……。

 

「すみません! オールマイトの授業ってどんな感じですか!?」

 

「是非感想などをお聞かせください!」

 

「なにか記事になりそうなネタとかありません!?」

 

急にたくさんの人――記者の一団で間違ってないはず――に囲まれた。

 

「うぇっ!? ぼ、僕相澤先生に呼び出されてるので!」

 

そう言って僕はちょっと強引に記者の一団から通り抜けた。

 

……オールマイトのことどこまで話していいかとか聞いてないしね……。

 

……かといってあのままだとあとから来る生徒とかが入れないような……。

 

そう思いつつも教室に足を進める僕だった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――Side 夢見朧

 

朝のホームルームにて

 

相澤先生より、先日の屋内戦闘訓練に関して爆豪含め何人かが小言をもらった。

 

あるものは不貞腐れつつも返事し、あるものは進歩を実感しながら元気よく返事した。

 

「……さて、ホームルームの本題だ。今日は急だか、あることをやってもらう」

 

相澤先生の言葉に『また臨時テスト……!?』と殆どの生徒が身構える。

 

「――学級委員長を決めてもらう」

 

その言葉に安堵の気配がクラスに満ちる。

 

そして数秒間の切り替えタイムのあと、彼らは口々に挙手して自己アピールなどを始める。

 

「時間内に決まれば誰でもいい。委員長1人、副委員長1人な。揉めそうだから朧、音頭とってくれ」

 

「アッハイ」

 

巻き込まれたが、仕方なし。

 

とりあえず多数決を取ることにし、ヤオモモに用意してもらった紙に投票する相手を書いてもらった。

 

「緑谷出久3票、八百万百2票、他0〜1票のためこれで決定で」

 

「ちょっと待ってください!」

 

机叩きながら立ち上がるヤオモモ。

 

「なんで朧さん0票なんですか!?私投票しましたわよ!?たぶんそこのヨスガノソラモドキブラコンキチ2人も投票したのに0票はありえませんわ!」

 

「……投票集計者権限でオレへの投票は無効票にしました」

 

「民主主義的ではありませんわよ!」

 

「そーだそーだ」

 

「横暴です兄様!」

 

「他人の票数減らすとかは聞いたことあるけど、自分の票無効にするヤツ初めてみた気がする」

 

上鳴の言葉に頷くクラスの面々。

 

「先生、委員長緑谷で副委員長八百万で決まったんで睡眠時間終わりです」

 

「……委員長になれば内申上がるかもしれんがいいのか?」

 

寝袋なのに器用に起き上がりながら相澤先生は問いかけてくる。

 

「――オレはリーダーもクラスの中心も重心も担えません。ただ経験者としてその背中を見せるくらいが精々です」

 

「ソレでよく剣仙になったな。八葉一刀流断絶しないか心配になってきたぞ?」

 

「半ば押し付けられたものですので。……それに年上の経験豊富な剣聖(奥伝取得者にして師範代)が何人も居ますからね」

 

「……そうか」

 

最後に変な空気になったが、A組の学級委員長決めは割とあっさりと決着したのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

――Side 八百万百

 

今日はお弁当らしく昼休みに入っても朧さんがいましたので一緒に食事することに。

 

姉妹2人は言わずもがな。

 

しれっと葉隠さんも混ざって5人になりました。

 

……峰田さん、血涙流しても入れてあげるつもりはありませんので悪しからず。

 

「やっぱり朧君もお重だった……!」

 

「5段とかどんだけ食うんだよ……」

 

残ってる面々に驚かれていますが、私は何度かみた光景なのであまり驚きはありません。

 

「……羨ましいですわね」

 

滑り落ちるように溢れた言葉にハッとする私。

 

「そういえばヤオモモちゃんの個性って脂質使うんだっけ?」

 

思い出すように葉隠さんが問いかけてきたので頷く。

 

「ええ。使いすぎると脂質が枯渇し、動けなくなるんです。……御三方みたいにたくさん食べるべきなんですが……」

 

瞬く間に消える3人のお重の中身を横目にそう答える。

 

すると姉妹が止まって試すような目をする。

 

「桁違いのエネルギーを溜め込めて、半年以上飲まず食わずでも平気になり、見た目か殆ど変わらない身体、ほしいですか?」

 

「……女の子の宿敵、体重計の結果やエレベーターとかの重量オーバーに怯える覚悟がある?」

 

「えっ、急にどうしたの?」

 

2人の気配に葉隠さんが困惑してますがそれどころではありません。

 

「ええ、覚悟ありますわよ」

 

その言葉に2人は朧さんへ目を向ける。

 

既に朧さんは食べ終えており、複雑そうな顔をしていました。

 

「……食没は奥義だ。八葉一刀流の奥伝に必須な『理へ至る』ほどじゃないが、かなり苦労することになるだろうな。主に精神面で」

 

「……それでも、継戦能力を伸ばし、より創造を使いこなすためにも、習得したいです」

 

まっすぐ彼を見つめると彼は降参と言わんばかりに両手を上げた。

 

「わかった。但し――」

 

続きを言う前に校内にアラートが鳴り響く。

 

「コレは一体……」

 

「……綾と奏はクラスメイトを頼む」

 

そう言って教室を飛び出しどこかへと向かう朧さん。

 

……あの人からしたらまだまだひよっ子なのでしょうね……。

 

そう思うと食没の取得を少しでも早く達成し、少しでもあの人の背中に近づきたい、その想いが強くなった気がしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み後、アラートの原因が雄英高校のゲートのバリアが壊れてマスコミが校内に入ったことや、飯田さんが食堂で混乱鎮静に一役買った事を緑谷さんが告げて、委員長権限で飯田さんに委員長の任を任せると告げました。

 

飯田さんもそれを聞いて委員長を引き受けると宣言しました。

 

……あの、副委員長の私、何も聞いていないんですが……。

 

置いてけぼりを食らった私は複雑な気持ちになりつつも、飯田さんの生真面目な性格から適してると思考を切り上げました。

 

ふと目線を感じたのでそちらを向くと夢見三兄妹が同情するような顔をしていました。

 

……ん? 『後で緑谷君は絞っておく』?

 

それなら良いかもしれませんわね。

 

 

 

 

 




このあと、緑谷君は放課後の鍛錬ついでにこってり絞られたあと、根回しや打ち合わせの重要性を伝えられたとか……。

現在の放課後鍛錬参加者
夢見三兄妹、緑谷(半強制)、飯田、麗日(特売日はそっち優先)、ヤオモモ(食没)、轟(ちょっとだけ)、葉隠(なお夢見姉妹に可愛がりされてる模様)

時系列的に夏休み→映画(I・アイランド)→合宿だけど、映画編ほしい?

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