――Side 夢見朧
マスコミ事件から2日後の午後。
ヒーロー基礎学の時間。
何故かオールマイトはおらず、相澤先生が教壇に立っていた。
「あれ、オールマイトは?」
「急用で不在。なので本来補助教員Aだったオレがメインになったわけだ」
不満の声が出るが、相澤先生の「なんか言ったか?」の一言で皆黙り込む。
「今回は救助訓練だ。 コスチュームが救助に向かないなどあるかもしれない。そのため、着用は任意だ。コスチューム着用しない場合は体操服に着替えるように。また場所が離れてるからバスで向かう。校舎前に10分後に集合。以上」
そう言って去っていく相澤先生。
オレは正直服の防御力以外誤差(必要なら取り寄せられる)なので少し悩んだが、第六感を信じてコスチュームで向かうことにした。
「ぐう……このタイプのバスだったか」
早速飯田君が委員長らしいことをしてバスの席順を設定したのだが、路線バスのような部分的に1列になってるバスだったため、空回りという結果になった。
大丈夫そうかなと窓の外を見る
「私、思ったことなんでも言っちゃうの。――緑谷ちゃん」
「えっ、あっ、はぃ!? なんですか蛙吹さん!」
緑谷君と梅雨ちゃんが会話してる。
「梅雨ちゃんって呼んで」
「……つ、つゆ……ちゃ……ん……」
「――貴方の個性、オールマイトによく似てるわね」
「!!!! そそそそんなことないよ!」
……嘘が下手すぎる……。
「待てよ梅雨ちゃん。オールマイトは怪我とかしねぇぞ?」
切島君が冷静に指摘を入れる。
「一昨日の戦闘訓練だって、直前の昼休みに麗日君や夢見君、ぼ……オレで力を使うイメージ改善しなければ、怪我をしていたかもしれないくらい使い方もなってないしな」
飯田君がフォロー?を入れたりして一段落の兆しを見せた。
「しかし増強型の個性はシンプルで強いよな。オレの『硬化』は対人戦に向いてるが、いかんせん地味だしよぉ」
片腕を硬化して見せながらそう零す。
問題なさそうなので会話から意識を外す。
もはや前世の記憶も曖昧だ。
オールマイトに宿敵がいてまだ生きてるのと宿敵の目的が双子の弟の個性である『ワン・フォア・オール(OFA)』を『取り返す』ことで『魔王として君臨することは二の次』だったことくらいだ。
「派手な個性といえば爆豪や轟だな。綾ちゃんとか奏ちゃんの力もすげえし朧の戦闘力は間違いなくプロでも上澄みだけど派手ってわけじゃねぇしな」
「フッフッフ〜、私が見た限り、このクラスで一番派手なのはお兄ちゃんの切り札の1つだよ」
その言葉にざわめく一同。
「だだ、閉所で使うと場所確保のために色々壊してしまうのである程度の広さが必要なんです。兄様ならその場所確保するより刀で切ったほうが早いので滅多に使いませんが」
「……欧米でのヒーロー時代でも3回くらいしか確認されてないあの……?」
緑谷君は知っていたのか回数で聞いてきた。
「……今日は救助訓練だ。その力を使うのが最善なら使うさ」
オレの言葉に珍しいもの見える!?など賑やかになったが、先生の目線ですぐに静かになる。
……鍛えられてるな……。
ウソの災害や事故ルーム、略してUSJにやってきたオレたち。
エントランスを進み、中心部近く、噴水のある広場の手前にたどり着く。
そこに待っていたのはUSJの発案者にして管理者。
麗日さんの憧れるスペースヒーロー《13号》だった。
「さて、皆さん……欧米で活躍してる3人には耳にタコな話でしょうが……小言を1つ2つ3つ……4つ5つほど」
『彼女』は静かに、しかし力強く語る。
個性を人に向ける危うさ。
個性の使用は資格制で一見制限されているが、個々が危険な個性を持ち、振るう可能性がある事実。
この授業は体力テスト、屋内訓練での経験を踏まえつつも心機一転、救助に自分の個性がどのように活用できるかを学んでほしい。
君たちの個性は人を傷つけるためではなく、人を助けるためにあるのだと、心得て帰ってほしい。
締めくくりの言葉に生徒たちは歓声を上げる。
いくつもの実績に裏打ちされた言葉には響くものがある、それを改めて認識した者もいるかも知れない。
「よーし、そんじゃまずは……」
相澤先生が説明を始めた時、USJの電気が消え、USJ全体に嫌な気配が満ちる。
「な、なんだ?」
「これが……訓練?」
「いや違う」
噴水の前に現れた黒いモヤ。
その中から人が現れた瞬間にオレと相澤先生の言葉は一致した。
「「一塊で動くな!――敵の襲撃だ!」」
オレは腰に下げてるいつもの3本の刀を亜空間から取り出した3本に交換する。
「上鳴、八百万は通信を試みてくれ。十三号先生は生徒の避難をお願いします」
「綾、奏はみんなを頼む」
オレが刀を抜くと相澤先生が険しい顔をする。
「お前も生徒の括りに入るんだが?あとお前の個性を消しても大丈夫なのか?」
「欧米のライセンスですけど個性使用とヒーロー活動の義務と権利を持ち合わせてるんで。あと邯鄲の個性を消してもこの剣技や飛雷神の術……瞬間移動は自力習得した『技術』で消えないことは確認済みです」
「良いだろう。足を引っ張るなよ」
オレはその言葉を聞くとともに駆け出す。
「なんだ?ガキとおっさんの2人だけとか舐めてんのか?」
能天気なことを抜かす敵(とその直線上にいた数名)を通り抜けざまにみねうちで沈める。
「……おい、なんだアイツ。プロ並に強そうなんだが?」
なんか声が聞こえたが気にせずに数の暴力を個の質量で蹂躙していく。
「……おい脳無。アレを殺せ」
その言葉が聞こえた瞬間、反射的に切り札の1つ須佐之男を発動する。
まだUSJ内部どころか周辺に飛雷神の術の移動先となるマーキングをしてないので戦線離脱による相澤先生の負担増加を危惧しての選択だったが――。
「っ! 踏ん張ってなかったとはいえ吹き飛ばされるか!」
冷静に着地しつつも顔をしかめる。
とっさの展開で髑髏の状態だったことや踏ん張ってなかったとはいえ、吹き飛ばされたという事実。
「なんだぁアレ。……まあいいか。やれ、脳無」
噴水横に佇む手の形をしたオブジェクトまみれの男が発した言葉に反応し、追撃のために肉薄する脳無と呼ばれた推定3メートルの大男。
「あぁ?」
しかし須佐之男の第3形態(髑髏に肉がつき、更にその上から鎧を装備した状態)で迎え撃つと手を組み合って力比べの状態で硬直する。
「おいおい、オールマイト並の超パワーだぞどうなってやがる……!?」
「……オールマイト並の超パワー……?……狙いはオールマイトか」
エントランスからUSJ内のあちこちに散らばった生徒の気配と敵たちがでてきた黒い霧が消えてることに気が付き、後手に回ったと失態に気がつく。
「なら動けなくなってもらうしかないな」
オレは刀を構える。
相澤先生は雑魚を蹴散らしてくれてるので邪魔は入らない。
ターゲットの脳無も須佐之男の力で動けない。
「我が剣が断ち切るはモノのみに非ず。――秘技、不殺断ち」
十数個のパーツに脳無を分解する。
「無駄だ! そいつには超回復の個性もある!細切れにしたって無駄なんだよ! ……何で復活しない!?」
パーツ毎に動こうとしてるが動けていない脳無に首をかきむしる手だらけの男。
「……その死体は分割されているだけで、どこも欠損していない。欠損してれば回復するんだろうが分割されてるだけで欠損してると個性が認識しなければ回復はしないんだ」
「っ!」
オレの言葉に手だらけの男は怒りに顔をゆがめた。
さて、どう動く……?
余裕な顔を作っているが、実際はそうでもないオレは、試すように手だらけの男を見た。
画面外の状況
イレイザーヘッドが中央広場の雑魚敵掃討中。
13号 A組の半数とともにエントランス。
飯田君 原作より少し早く施設外に
尾白君 火災エリアにて孤軍奮闘中。夢見綾が救援に向かってる
他メンバー 原作通り
時系列的に夏休み→映画(I・アイランド)→合宿だけど、映画編ほしい?
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ほしい!
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いらね