夢見兄妹のヒーローアカデミア   作:月神サチ

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第8話 トップヒーローのいる高校 その3

――Side 夢見朧

 

「……脳無は役立たず、ガキ一人が救援要請で逃げた。目の前にはバグキャラみたいなやつがいて状況圧倒的不利。オールマイトもでてきてないのにこれとか……クソゲーだろ」

 

首をかきむしる男。

 

「なら大人しく捕まってもらいたいんだかな」

 

オレが須佐之男を展開したまま近づくと、男は須佐之男に飛びついた。

 

「残念だったな! オレの個性は崩壊! 五本の指で触れたモノを何でも壊す!」

 

須佐之男の鎧が壊れたので振り払う。

 

「その鎧も無敵じゃねぇみたいだなぁ!」

 

勝機を見出したと笑う男。

 

しかしオレは構わず思いを問いかけた。

 

「――なんだそのいびつな力は」

 

「……あぁ?どういうことだ?」

 

オレの言葉に木の上から見下ろす男は、笑うのをやめて問いかけてきた。

 

「……いや、忘れてくれ」

 

「オイオイ、なんだよ気になるじゃねぇか。それともなんだ?倒すまで教えてくれないってか?」

 

「――個性とお前の身体がズレてるってことだ。個性の挙動的に処理の途中で終わっている状態に見える。……それにまるであとからつけられたような……そんな個性に見えた」

 

「……どうでもいい情報だな。死ねよ」

 

態度を一変させて殺意の奔流がオレを包む。

 

それと同時に木の上からこちらに突撃してきた。

 

オレは須佐之男を部分的に解除して再展開する。

 

「――八葉一刀流、不殺の太刀。六の型、緋空連斬!」

 

一息に複数の斬撃を飛ばす。

 

それは男の両手を切り飛ばし、それぞれの手が2分割された。

 

「痛……くねぇが、腕がねぇ……!なんなんだよその力!」

 

地面に転がり、叫ぶ男に対してオレは告げる。

 

「理……全、一、神、真理、運命……色々な名前を持つこの世界のルール……その一端とだけ答えておこう」

 

「チート野郎が……!」

 

「……」

 

オレはソレ以上語ることなく手だらけの男をみねうちで気絶させ、須佐之男を解除して男の腕のパーツを個別の袋に入れる。

 

「あとは黒霧とかいうやつだ――」

 

オレがそう言いかけた時、噴水の頭上の空間が歪み、全長16メートルの、横にも巨大な人形兵器が出現した。

 

「!」

 

手だらけの男を抱えてバックステップ。

 

近くの物陰に隠して広場に戻る。

 

「なんだコイツは……」

 

あらかた敵を片付けた相澤先生。

 

巨大兵器に目を丸くする。

 

「たぶん敵の兵器! 武装見る限り遠距離攻撃は多分ない!」

 

「個性でもなさそうな金属の塊とか相性最悪だが……」

 

オレの言葉にそう零す相澤先生。

 

「――大丈夫だ。私が、先生たちが来た!」

 

俺たちの側に降り立つトップヒーロー。

 

それと同時に狙撃が人形兵器にあたり、人形兵器のカメラが狙撃方向を向いた。

 

目線の先にはスナイプ先生が次弾装填を終わらせた姿があった。

 

「物量ノ兵器ナラ、当タラネバ良イ。的ガ増エレバ確率ハ下ガル」

 

エクトプラズムの作り出した分身で人形兵器のセンサーが同時捕捉数を超えたのか奇妙な音を立てる。

 

「セメントで行動不能にできればいいが」

 

険しい顔をするセメントス先生。

 

「さて、もう一踏ん張り、いけるな?『ケンセン』」

 

相澤先生の言葉に頷き、刀を抜き放った。

 

 

 

 

 

 

 

――Side 夢見綾

 

背中で気を失っている尾白君に気遣いつつ、噴水広場近くにいる複数人のクラスメイトの気配があるところにたどり着く。

 

「何してるの?」

 

その言葉に緑谷君、麗日さん、峰田君、蛙吹さんが反応してこちらを向いた。

 

「夢見さん……!」

 

「いや、相澤先生と朧君が心配で……」

 

「……お兄ちゃんが心配なのは良いけどさ、その怪我の緑谷君にお兄ちゃん言われたくないと思うよ?」

 

私の言葉にハッとして利き腕を庇う緑谷君。

 

「……蛙吹「梅雨ちゃんと呼んで」…………梅雨ちゃん。気絶してる尾白君お願い」

 

梅雨ちゃんは私の言葉に頷き、伸びる舌で尾白君をすくい上げて近くの地面にそっと降ろす。

 

「これ、不味いけど食べて」

 

私はポーチから兵糧丸を取り出して緑谷君にわたす。

 

「は、え?」

 

「いいから。治療の副作用で餓死したいなら食べなくて良いけど」

 

餓死と言った瞬間に一気飲みする緑谷。

 

一瞬で太るがコレでいい。

 

私はナイフを使って緑谷君の怪我した腕へ幾多の傷を刻む。

 

一瞬緑谷君の腕から血が噴き出す。

 

「うえっ!?」

 

「動かないで……これでよし」

 

血を拭うと傷は消えており、緑谷君も太っていたのが元に戻っている。

 

「……すごい力だね」

 

「もともとは食材を再生させて長期保存させるための技術。お兄ちゃんが人の肉体を再生させるのに特化した形にしただけ。馬鹿みたいなカロリーが必要ってデメリットがついたけど、テロメアの摩耗を少し回復できるし、腕が立つなら傷も残らない」

 

「……すごいな」

 

「お兄ちゃんは緑谷君に可能性を見てる。早く強くなって。お兄ちゃんが楽できるようにも」

 

「アッハイ」

 

……緑谷君に困惑した顔を向けられ、梅雨ちゃんや峰田君から『ブレねぇなコイツ』みたいな顔を向けられた。

 

解せぬ。

 

 

 

 

 

 

 

 

――Side 塚内

 

オレは塚内直正。

 

オールマイトについて他の警察官より少しだけ詳しい警察官だ。

 

オールマイトのヒーロー活動の報告書を纏めるのがオレの仕事の1つだ。

 

敵連合(ヴィランれんごう)に複数個性を使う死体、脳無。そして敵連合のトップ死柄木弔とその腹心黒霧すら知らない謎の人形兵器……」

 

オールマイトの活動報告をまとめながら今回の襲撃事件のキーワード(らしきもの)を纏める。

 

敵連合はトップと腹心以外路地裏などで燻る破落戸(ゴロツキ)たちの寄せ集め。

 

誘い文句が『オールマイトを倒す切り札がある』だったとのこと

 

しかし欧米でヒーロー資格を取得し、半月前まで活動していた夢見三兄妹……特に夢見朧の活躍でその切り札が機能不全に陥って予定崩壊して死柄木弔は無力化されて捕縛された。

 

黒霧もヒーロー科A組の生徒と夢見姉妹、13号の連携で実体を捕捉され撃破される。

 

「此処までは敵連合の襲撃として……問題は人形兵器だ」

 

警察に所属する技研(技術研究本部)の研究者たちが『未知の技術』と匙を投げだした兵器を思い出す。

 

どこからかやってきたサポート科の少女が解析したいと申し出たため雄英高校預かりになったが、動力源が不明、装甲の合金も現存する配合のどれにも当てはまらないときたものだ。

 

「異世界からもたらされた技術と素材……考えすぎか」

 

とりあえず『重症者0、けが人数名』で終わった雄英高校襲撃事件。

 

しかしコレで終わりとはどうしても思えなかった……。

 

 

 




緑谷君の現在の状態
出力 原作よりイメージは固まっている。 実践がちょっと足りてないため反動を受けている。

夢見コソコソ小話
実は夢見朧は歴代最弱の剣仙を自称している。
理由は歴代剣仙ならできた『山を一閃で切り崩す』ができてないため。須佐之男を使えばできるが、剣仙たちは純粋な剣技でやってのけてるとのこと。
おそらく歴代剣仙はどこぞのTSUBAMEを仕留める一撃も習得してる。

時系列的に夏休み→映画(I・アイランド)→合宿だけど、映画編ほしい?

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