こーらる☆あーかいぶ!   作:蓮太郎

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怪しい者です、レイヴン

 

 何故だ、どうしてこうなるのか。

 

 『C-4 621』の心境はまさしくこうだった。

 

 行く先々で端末のような物を触られては警備兵らしい少女達が追い回して、逃げた先でもまた同じような繰り返し。

 

 ここまで世界に呪われているのかと本気で思った。

 

 通報される原因として、ダクトテープを体に巻いて一般常識を抑え込もうとする犯罪臭プンプンの格好をしているのが悪い。

 

 こうなった経緯も追われて戦闘になるたびに身体に当たった弾丸のせいで剥がれて行ってしまうからだ。

 

 ただ殺すだけならよかったが、相手の方も弾丸に耐性があるようで誰一人仕留めていない。

 

 それが『C-4 621』のプライドをそこそこ傷つけた。

 

 ACでアリーナ1位をとり、『オールマインド』が隠していた機体データすら粉砕してきた強化人間としてのちょっとしたプライドはあった。

 

 ウォルターにも経験豊富と言われたのに一人も殺せていない事実。

 

 キヴォトスの住民が皆こうなのを知らない『C-4 621』だからこその落ち込み。それを慰めてくれる人は、少なくとも今は居ない。

 

 気づいたら高層ビルが立ち並ぶ煌びやかな場所から路地裏が怪しい場所へと場面が変わっていた。

 

 いかにも『イグアス』のようなチンピラが現れそうな場所、と記録で知った内容が頭に浮かぶ。

 

 そろそろ不審者扱いも嫌気がさしてきたし、新しい身分を得なければならない。

 

 そう考えた『C-4 621』はどこかにゴミ箱がないか探した。

 

 今の自分は身分を得るための密航者。ぼろきれとて身に纏えばその地にいる浮浪者に早変わりできるのだ。

 

 とはいえど、ここはキヴォトス内でも高度な技術を誇るミレニアムサイエンススクールの御膝元。

 

 不審者がいつどこにいるのか常に監視されていることは、当然のことなのだ。

 

 『C-4 621』の脳内に突如警告音が鳴り響く。

 

 この肉体に入り込んだせいか、聞き慣れた音が脳内に聞こえた瞬間に『C-4 621』は即座に前方へと飛んだ。

 

 直後、先ほどいた場所が爆発した。

 

「外したか。この一撃で決められたら良かったが、勘がいい」

 

 遠く離れたビルの上、そこに褐色肌のメイドがいた。

 

 並の兵士では捕獲できない所属不明の変態が現れ、その上で無双され逃走されている事実を重く受け止めた者達が雇ったエージェント。

 

 『Cleaning&Clearing』、略してC&Cである。

 

「目標は私の射線から外れた。既に追いかけてるな?」

 

『既に移動ルートを予測済みで、仕掛け(・・・)も済んでますよ』

 

 狙撃を担当している角楯カリンの無線に1人、柔和で丁寧な声が答える。

 

 その直後、逃走中の『C-4 621』の脳内に再び警告音が鳴り、それが横から襲いかかると通達する。

 

 ドカーーーーン!

 

「っ…………!」

 

『命中!道なりに逃げてくれるので爆破も簡単です♪』

 

 爆破に巻き込まれた『C-4 621』は、自分が思っている以上にダメージを受けていないことに気づく。

 

 体感的にはメリニットのグレネードを食らった感じではあったが、身体が丈夫すぎて大したダメージになっていない。

 

 この身体、頑丈すぎる。

 

 まるで自分自身がACになったかのような身体だ。ブーストを吹かして回避は出来ないとはいえ、脚力で大体の回避が行えるのはただ人の身で出来るはずがない。

 

「ターゲットは健在。それどころか大したダメージは無さそうだ」

 

『あらら?戦闘不能くらいにはなると思っていたのですが』

 

「あの耐久力は常軌を逸してる可能性が高い。こちらの攻撃を回避するそぶりは見せているが、ダメージを押さえる程度で完全な退避は見られない」

 

『これは最悪、ネル先輩の出番かも…………いえ、私達で対処しましょう」

 

 声が聞こえた。明らかに誘導をかけていて、そして全身から、嗅覚では分からないが傭兵の勘として先ほどの爆破を仕掛けた犯人と理解した。

 

 かちゃり、と『C-4 621』は銃を向ける。

 

 考えていることは相手を『殺しきれるか』。

 

 警備員らしい兵士も手持ちの銃では誰一人殺すことは出来なかった。

 

 『C-4 621』の基準で言うならMTに相当するはずの相手なのに、だ。

 

 明らかに衣装も見た目も銃もネームドな相手に武器が通用するのか。

 

「こんばんわ、貴方が逃げ回っている間にすっかり夜です。ですがいい光景と思いませんか?遠くにはビルの夜景が綺麗に輝いているでしょう?」

 

 にこり、と笑いかけながら話しかけてくる少女に『C-4 621』は罠と直感した。

 

 先ほどの不意打ちの爆破も既に誘導されていたのだろう。

 

 そして、この会話も恐らくは時間稼ぎ。彼女も手練れではあるがガリア多重ダム防衛のような、本物のレイヴンが来るようなサプライズがあるような気もする。

 

 関係ない。障害が現れたなら撃ってよろけ(スタッガー)させて、叩き斬る…………

 

「…………ないんだった」

 

「あら?落とし物でもしましたか?」

 

 左手にいつも装備していたパルスブレードが無い。今更ではあるが、慣れ親しんでいたからこそ喪失感が非常に大きい。

 

 頼れる相棒も居ない、頼りの武器すら頼りにならない。

 

「戦闘、開始」

 

「さあ、お片付けの始まりです♪」

 

 関係ない、襲い掛かって来るものは全て倒す。

 

 それが後に味方になるとしても、それはその時次第だ。

 

 





『レイヴンの心境が伝わってきます。どうして初見でこんな強いのと戦わないといけないのか…………?そういわれても、私にはよく分りませんが苦い思い出があったのですね』

 初 手 強 ボ ス

 誰もが通る道です。武装もまともなのがないガリア多重ダム防衛のような物が開催されました。近隣住民の方は避難してください。
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