超昂大戦SS 閂市総力戦! ダイビートVSアルダーク ~優しき戦士は愛する街のために   作:環 藍河

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第4章 覚醒せよ超昂戦士! その勇気と純心にDチャージは応える

(強く…なるんだ…。)

 

 夢か、うつつか…もうわからない。どっちだっていい。

 まどろみながらも本能のままに、アカリはただ昂奮をむさぼる。

 

(これで…護るんだ…街を…みんなを…。)

 

 どくんっ。どくんっ!

(…あふっ、あっ、…ああ~っ…!)

 どっ、どっ、どくんっ…

(…あ…ひっ、ひいっ、

 …あはああ~っ…!)

 

…。

……。

 

「…リ、…アカリ!」

(まだ…足りない…私…

 勝てない…勝てないよお…)

「…しっかりしろっ、アカリっ、アカリっ!!」

(もっと…虐めて…。

 もっとたっぷり、エナジー…注いで…!)

 

「アカリっ、何をしているんだっ!?」

 

 かちゃっ…がんっ!《ピイーーーーーーッ。》

 

装着者の脳波に直接訴えて五感を再現するHMD…ヘッドマウントディスプレイ。

リクライニングソファーは使用者の五体を包み、仮想空間への深い没入を支える。

長官不在時のDチャージ補助を目的として、ダイビートの戦闘スタッフが使用を許される…

ダイビート基地、VRルーム。

 

 はあ…っ、はあ…っ、はあ…っ…!

(…あ…れ? 指令室じゃ…ない…?

 私…エスカチームと、Dチャージ…してた…?)

 

「気がついたか。いま、VRを中止した。

 …アカリ、俺がわかるか?」

「…!! ひっ…!?」

(!?)

 

使用者…アカリのバイタル異常に気づいたトキサダは、VRの緊急停止ボタンを叩き押し、HMDを取り外す。

脂汗でぐっしょりのアカリは、顔面蒼白、息も絶え絶えの意識混濁。

だが、目覚めたアカリは反射的に怯え、トキサダを拒む。

 

「アカリ…自分を追い詰めたのか…!」

「…長…官…。

 私…平気です…から…もっと…めちゃくちゃに…」

「!?」

 

 …かくっ。

 

VRの長官は…窮地のダイビートで絶体絶命に追い込まれた果てに、狂気に身をやつし鬼畜外道に堕ちた。

エスカ・ルビーの無能をなじり、痴態を強要し、鬼畜外道の責め苦を与え続けた。

 

その長官がどうして今さら、そんな悲しく優しい目で私を見るんだろう…?

わからないまま、アカリは再び昏倒する。

 

 ぴっ。

「トキサダだ。ユーノ、アカリがVRで倒れた。

 俺が運ぶ、医療班に待機させてくれ!」

 

……

 

「…んん…?」

再び意識を取り戻すアカリ。

瞳に映るのは、メディカルルームのアイボリーの天井だった。

「アカリ…起きたか。」

「長官…」

ベッドサイドには、アカリの意識回復に安堵するトキサダがいた。

 

ぴっ。

《…はい、ナースコール、ユユエルよ。》

「トキサダだ。アカリの意識が戻った。少し2人きりで話したい。」

《いいわよ。何か異常が出たら、すぐ治療に行くわね。》

ぴっ。

 

「アカリ…。君が意識を失っている間、長官権限で君のVR体験の内容、一部始終を確認した。」

「…!!」

「プライバシーに踏み込んですまない。

 だが…やり過ぎだ。」

「……。」

アカリは俯き、言葉を詰まらせる。

 

「…どうして、俺に何も言わなかった。

 確かに、今日は手ひどくやられた。戦況は正直に言って、非常に苦しい。でも、超昂戦士の不安を払い、勝利への希望を示すのが、俺の務めだ。

 何一つ相談しないで、勝手に思い詰めて、こんなこと…」

 

「…許せなかったんです…自分を…。」

「?」

 

「長官はエスカ・チームを…私を信じて、閂タワーに私とサファイアを振り向けました。

 でも…私はタワーも奪い返せなくて…エスカレイヤーさんたちも封じられて…。

 私は…長官の期待に応えられませんでした…!」

ツーサイドアップが力なく垂れ下がり、自責の念に歪む横顔を隠していた。

「私に、もっと力があれば…こんなことにはならなかった…!」

 

(アカリ…君は…

 俺に許されることを、良しとしなかったのか…)

 

 きっ。

 

決意を自らに問うと、覚悟の眼差しでトキサダを見上げる。

「長官。お願いします。私に…エスカ・ルビーに…もっとたくさんDチャージしてください。

 私は耐えられます。

 VRの通り…いいえ。もっと酷いのを…!

 長官ができる一番激しくてめちゃくちゃな、ぐちゃぐちゃなDチャージを…私に注ぎ込んでください。

 エスカ・ルビーに、ありったけのエナジーを下さい…!」

 

こっそり読んだ成人雑誌やネット情報で聞きかじった、激しいDチャージ。

アカリはVRで恥辱性や残虐性の設定をMAXに振り…自らの覚悟を確かめていた。

成功したら、鬼畜Dチャージを志願しようと…!

 

「…どうしてだ。ルーキーの君が、どうしてそこまで…」

「護りたいんです。街を…みんなを。

 そのためなら、私はできる全てを賭けます。

 私はそのためにここに…ダイビートに来たんですから。」

「だからって…」

「だって! このまま私のせいで!

 ダイビートが全滅したら! 街が壊滅したら!

 何にもならないじゃないですかあああーーーーーっっっ!!!」

 

激昂するアカリの脳裏に、数時間前の屈辱がよぎる。

 

……

 

ダイビート基地、戦闘スタッフ居住棟。

自室に戻ったアカリはシャワールームに飛び込み、鍵を掛けて蛇口を開ける。

 

計略にまんまと嵌まり、怪電波装置の稼働を止められなかった。

あざ笑うコマンダーたちに背を向け、尻尾を巻いて退いた。

タワーも学園もむざむざ奪われ、レジェンド戦士たちをおめおめと封じられた。

 

アルダークに踏み荒らされたアスファルトを、惨めに敗走した。

安寧を奪われた市民から、罵倒をその肩に、背中に浴び続け、謝り続けるしかなかった。

 

 しゃああああ……っ…

「…うっ。…うぐっ。

 ………ううう~~~…っっ!!!」

 

熱いシャワーを頭から浴びると…

自責の念がとめどなく瞳から溢れた。

 

「うああああーーーーーっっ!!!

 あーーーーっ! あーーーーーっ!!」

 

誰にも届かない嗚咽が、いつまでも空しく響いた。

 

フーマン一体に歯が立たず、親友も、自分一人さえも救えない、弱い自分。

だから、その悔しさを振り切ろうと決心したのに。ダイビートに志願し、超昂戦士エスカ・ルビーになったのに。

 

弱い。私は…ルビーになっても、どうしようもなく弱い。

口ばっかりの超昂戦士なんて、何の意味もない。

街の人たちを失望させ、先輩戦士たちの足を引っ張り、長官の期待を裏切り…

 

許さない。

誰よりも私自身が、絶対に許さない。

もっと強くなるんだ。どんなに苦しくても、痛くても…!

 

…こうしてアカリは、逆転への望みをつなぎ、自らの罪をすすぐため…

 電脳空間の地獄に自ら身を投じた。

 

……

 

「…すみません。つい我を忘れて…。」

 すう…っ。

「長官…改めて、お願いします。私に、激しく過酷なDチャージをして下さい。」

激昂を詫びると、アカリはベッドの上で改めて姿勢を正し、覚悟の志願を申し出る。

その強い意志に、トキサダは固唾を呑み、僅かに沈思黙考する。

 

 

…だが。

 

「…その過酷なDチャージで、過剰なエナジーを掴んで…その先はどうなる。

『自分はどうなってもいい』『この身に代えても街を取り戻す』…そう思っている君に、お望み通りエナジーをめちゃくちゃに注いで戦場に送るなんて、自殺ほう助もいいところじゃないかっ…!」

「えっ…!」

「俺は、敗戦の落とし前をつけさせるためのDチャージなんて、絶対にしない!

 ましてや、玉砕覚悟の鉄砲玉になりたがっている超昂戦士へのDチャージなんて…絶対に認めない!

 たとえそれしか作戦が残っていないとしてもだ!」

「!! そんな…!」

 

「それともアカリは…俺がそういう人間だと思っているのか。ダイビートの勝利のためなら、仲間に何でもする奴だと。

 共に戦う超昂戦士を、慰み者にしてでも、使い捨てにしてでも、手段を選ばず戦わせる。そんな男だと…!」

「えっ…! ちっ、違うっ…!」

「…あっ…!」

 

 ぶるっ…がくがくがくっ…!

 

トキサダの表情は険しく…だが次の瞬間、悔恨の念で曇る。

自己犠牲を志願したほどの少女が、今は小さく震えている。

追い詰められ、思わず吐き出した苦悩と苛立ちが…励ますべきアカリを怯えさせてしまった。

 

「…ううっ…!」

「アカリ…」

「ごめんなさい…長官…ごめんなさい…!」

 

 …ぎゅっ。

 

「アカリ…?」

ベッドのシーツを強く掴み、アカリは懺悔の言葉を吐露する。

 

「でも…そんなつもりじゃ、なかったんです。

 VRの、過酷なDチャージ…相手を長官にしたのは…

 どんなに辛くても、どんなに酷く辱められても…長官のDチャージなら、きっと全部受け止められる…そう思ったからです…。」

「えっ…?」

 

 どくんっ。

 

「長官は…いつも温かくて、いつも私を勇気づけてくれます。

 初めて出会った日も、樹から落ちた私を抱きとめてくれて…。Dチャージのとき、いつも優しく導いてくれて…。いつだって、私のことを大事にしてくれます…。」

 

 どくんっ、どくんっ。

 

「だから…そんな長官のDチャージなら…。どんなにどろどろに汚されても、ぐちゃぐちゃに辱められても…痛くても辛くても…。

 きっと信じられるって…私のためのDチャージなんだって…。そう思ったんです。」

 

「…!」

 

「…でも…私、バカでした。

 本当に…すみませんでした…。」

 

 ぐいっ。

(えっ?)

トキサダがにじり寄り、アカリの両肩を掴む。

すすり泣くアカリは、心臓が飛び出そうなほどの衝撃に息を呑む。

 

「ああ、そうだ。

 アカリ…君は間違っている。」

(……!)

 

 一呼吸置いて、トキサダの叱責を覚悟する。

 何を言われても受け止めるんだと、固唾を呑むアカリ。

 だが、次の言葉にアカリの心は崩れ落ちる。

 

「俺がどんなに辱めていたぶって、エナジーを叩き込んでも…。

 そんなルビーじゃ、この街は絶対に護れない。」

 

 ……!!

 

「…それでも勝てないくらい、私は…

 エスカ・ルビーは弱い、ってことですね…。」

 

 …つう……っ…ぽとっ。ぽとっ。

 

長官が…ルビーの逆転勝利を否定した。

戦士失格の烙印。

…もう、ダメだ…!

 

「逆だ。」

(えっ?)

 

 ぎゅっ。

 

「アカリ…君は強い。強い心と勇気で、ダイビートを…俺を奮い立たせる最高の戦士だ。

 それなのに俺は、君の本当の力を引き出すことができずに…こんな間違った覚悟をさせてしまった。」

(えっ…、ああっ…?)

 

 直前の激昂が嘘のような、トキサダの熱い抱擁。

 アカリは戸惑いながら、真っ直ぐな言葉と嘘の無い温もりに身を委ねる。

 

「バカなのは君じゃない、俺だ。

 …こんなに俺を信じてくれる君を…俺は信じ切っていなかった…!」

「…長官…?」

 

 がばっ。

 

「アカリ。君が求めるエナジー…大事な人を護る力。

 今ならできる。今からここで、俺が注ぎ込む。決してあんな邪道では目覚めない、本当の君のエナジーを…!」

「ど…どういう、こと…?」

 

 ちゅっ。「んっ!!」

 ちゅう…っ、はふっ、れろっ…(んっ…んんっ…!!)

 

 …ぷはあっ…。

 

「ちょ…長官…?」

「アカリ…もっと君を見せてくれ。」

 

言うや否や、キスの体勢から一歩引き、アカリの頭と腰を取ると、再びベッドにそっと寝かせる。

VRダイブ中の衣服のままの…普段着のアカリが仰向けに横たわり、馬乗りになったトキサダを見つめる。

頭頂から、うなじ、首筋、胸元へ…右に左に揺さぶりながら、視線をゆっくり下げ、まじまじとアカリの隅々を見回していく。

 

(…長官…あったかい…。)

 

その仕草は心の奥底からの愛おしさに溢れ、フェイクのトキサダが非道の果てに凍てつかせたアカリの心を、じわりと蕩かしていく。

肌を触れあわさずとも、その吐息で、その眼差しで、トキサダから真心を注がれ…胸が高鳴る。心に翼が広がる。

 

 するっ…ぐいっ…!

(あっ…!)

 とくんっ、とくんっ…

 

さらに下がる視線が捉えた、アカリのお腹とその下。

もっとよく見ようと、ピンクの上着とシャツをずらし上げ…さらにデニムパンツを下げ、ストッキングとショーツの奥を引き上げる。

羞恥に悶えてひくひくと動く素肌に、じかにトキサダの吐息がかかる。

 

(は…恥ずかしい…よお…!)

双丘越しに見えるトキサダが、アカリの身体のいちばんデリケートなところを探っている。

表情は見えなくても、その仕草が、その吐息が、信じられる。

 

(あふっ…くうう~っ、うう~っ…!!)

おへそを、下腹部を、ショーツのクロッチに護られた裂け目をトキサダに視線で捉えられ、びくとも動かせない。

羞恥に悶えるアカリは、代わりに太腿を、胸を、腕をびくん、びくんっ、とわななかせる。

「ああっ…、あんっ、長官…!」

 

 

「アカリ…綺麗だ…!」

「えっ…? ええっ…!?」

 

 ちゅっ…ちゅうっ。

 ぺろっ…ぴちゃっ…ちゅぷっ…!

 

「あああ~~っ!! ダ…ダメです…っ!

 そ…そんなっ、ところっ…! う…うううっ…!!」

「大丈夫だ…俺が…欲しいんだ…!」

 

余すところなく観察し尽くしたお腹から太腿まで、キスの嵐を浴びせる。

視覚で確かめたアカリの魅力を答え合わせするように、唇で、舌で、嗅覚で…

 

(ううっ…ひくっ…そんなあっ…!!

 でも…でも長官…ほんとうに…気持ちよさそうに…)

 

 ぴくんっ…とくんっ、じいいい…ん…。

 

拒む理性に染み渡る快楽は、アカリの弱った心に包帯のように巻き付き、抱き締めたところを温かく癒やしていく。

その熱にあてられ、アカリの身体もじわりと潤い、雫をこぼしていく。

 

 

(…俺は…アカリの覚悟を甘く見ていた。)

アスリートとして鍛えたとはいえ、パワーや頑丈さとは程遠い、むしろ華奢なアカリの身体。

こんな小さなボディで。格闘技の経験さえ皆無の、元気だけが取り柄の女の子が。

誰かを護りたい、そんな殊勝な思いだけで激闘に身を投じて…文字通り自分を捨ててまでも、強さを求め、勝利を欲している。

 

俺が逃れてきた破滅の未来を、嘘とあざ笑うことなく、信じてくれたアカリ。

俺が立ち上げたダイビートに、夢物語とあざけることなく、迷わず飛び込んでくれたアカリ。

涙が出るほど嬉しいはずの、一途な思いと選択。

 

それでも、俺は。

アカリへの…エスカ・ルビーへの全力のDチャージは…

(アカリ次第で、いつか叶うかもしれない。叶わなくても、それでいい。)

その程度だと思っていた。

 

性体験どころか、男子と交際したことさえ無いというアカリ。

文字通りゼロからDチャージを深めていく道のりは険しく、焦って性急な激しい方法を採ろうものなら、トラウマを残し、アカリは俺に心を閉ざしかねない。

だから、時間をかけて信頼を築き、次第に深めていこう…そう思っていた。

 

そして、共闘を重ね、身体を幾度重ね合わせても、本当に心の底から通じ合えるDチャージに至るとは限らないし、それでも仕方がないと思っていた。

割り切るならば、長官と戦士の関係は…戦いを望む戦士に俺が力を与えるだけの、共生関係。

アカリだって、それ以上の感情を俺に抱く必要は無く。

俺もダイビートの長官として、それ以上の感情をアカリに持つ必要は無い。

 

そのはずが…どうだ。

裸の心で俺を求め、絶望の底終に飛び込む勇気さえ、俺から与えられたのだと。

アカリの中で、俺はこんなにも大きな存在になっていたというのに…!

 

「あっ! あくっ!! ……~~~っっ!!」

 きゅうううっっ!!

 びくんっ! びくびくうっ!!

 

「…アカリ…。」

(はあっ…、……、…~~~っ…)

 

小鳥のついばみの波状攻撃に…アカリは蕩け、小さな頂きに登り詰める。

(どうして…? 全然激しくないのに…私、VRのときと同じくらい…ドキドキしてる…!

 …私…もっと、もっと長官が欲しい…!)

(もっと…もっとアカリを見たい…俺で昂ぶるアカリを…!)

 

超昂戦士への補給業務ではなく、見つけた絆を確かめ合うように。

アカリをもっと衝き上げたい。

長官にもっと衝き上げられたい。

互いが求めるものを、自分の持てる限り、全部…!!

 

「アカリ…いいな。」

「…はい…ください…!」

 

 くちゅっ…めりっ…めりめりっ…!

(ああっ…長官…長官のが…来るよおっ…!!)

「くっ…!」

 

 すんっ。

「ああっ…! はあああああんっ!!」

 

互いの奥底、いちばん深いところまでを通じ合わせるDチャージ。

今日まで幾度も重ね合わせたはずの身体は、たった今、かつてない未知の高揚に至った。

アカリもトキサダも打ち震え…初めて知る昂ぶりを噛みしめる。

互いを求め合う心で受け入れ、自分の全てを惜しみなく与えたいと願う心が…心どうしが、繋がった。

 

 ぐちゅっ。くちゅっ。ずりっ…!

 

「…長官…は…恥ずかしい…です…!

 どうして…? いつものDチャージよりも、ずっと熱いです…!」

「それでいい。俺も…いつになく…熱い。」

「ああっ…長官の…長官のっ、今までで一番、大きいよおっ…!」

 

身体と身体が、心と心が、芯の奥、剥き出しの核で強く繋がり合う。

昨日までは、長官が戦士を慈しむDチャージだった。

今は…トキサダがアカリを欲し、アカリがトキサダを求めるDチャージ。

 

(長官が…信じてくれる…。長官がありったけを注いでくれている…!)

Dチャージの基本を知らない私をリードしようと、歩幅を合わせてくれた優しい長官も嫌いじゃない。

でも、今の長官も…。ほしいままに、私の全部をむさぼるように、あらゆる角度から、全力でエナジーを注いでくれている長官も…!

その独占欲が。そのわがままが。

(…嬉しい…! 嬉しいんだ、私…!)

 

(アカリが…心と体の全てで、俺を求めてくれている…!)

声を上げて悶えても、吐息を上げて跳ね上がっても、トキサダを離すまいとすがりつき、繋がり続けようと腰を突き上げる。

「長官っ…長官っ…あんっ…ああんっ!」

身体で感じるだけでなく、心の形を確かめるように、うわごとのように繰り返す。

 

(アカリ…受け止めてくれ…!)

その純心に応えたい。

この昂りを、俺の全てで伝えたい。

その全力が、アカリの秘めた芯の奥を衝き上げる。

想いの核心をきゅうきゅうに擦り上げ、震える心どうし、共振を響かせる…!

 

 どくんっ! びゅうっ!! どくっどくっ!!

「あああああーーーーーっっっ!!」

 きゅうううっっ!!

 

…ぱたっ。

 

……

 

「…長官…私…勝ちます…!

 長官がくださるエナジーで…今以上のエスカ・ルビーに…なります…!」

少し前まで普通の少女だった戦士は、空に手を伸ばし、希望の未来を掴む。

その真っ直ぐな思いが、トキサダの心を震わせる。

 

「…ああ、君は最強の戦士だ。

 だから…必ず帰って来い。」

「えっ?」

「俺達がこの街を取り返しても、そこにアカリがいなければダメなんだ。街のみんなに愛される…俺がいちばん護りたい市民が…な。」

「長官…!」

「次の出動は、ダイビートと閂市民みんなの存亡を賭けた、過酷なものになる。

超昂戦士エスカ・ルビー…長官命令だ。

街を護れ。市民を護れ。

そして、大切な市民…園崎アカリが笑顔で街に帰る、その日を…俺たちで作るんだ。」

 

ビートポータルで、時空を超えた。協力者を得て、決起を成し得た。

でも…本当の始まりは、あの日だった。

危険を顧みず少年に手を伸ばす、勇敢な少女との出会い。

 

いくつかの奇跡に背中を押され、戦部トキサダと園崎アカリは…

共に背中を託し合い、共に未来を信じ、身体と心を重ね合わせた。

 

【第4章 完】




筆者です。第4章をお届けします。
前話で鬼畜ルートの分岐フラグを建ててから、十日ほどの長いブランクを空けてしまいました。

結果は「夢オチからの純愛ルート分岐」。
…筆者の中では当初からの予定通りだったのですが、読者をダマす愚行に及んだ件は、ここに深くお詫びを申し上げます。
…激甘だだ甘の砂糖菓子をぶっ込む前に、ちょっと苦みしょっぱみを入れたかったんですよお…!

さあ、絶望から救い上げられ、再び立ち上がるルビー。
だがアルダークの物量作戦+怪電波装置という圧倒的不利は未だ変わらず。
ここから始まるダイビートの反攻作戦は成功するのか!?

作話ストックを溜めるどころか、この第4話が超難産となり、次話投稿のめどは全く立っておりません。申し訳ございませんが、数日ほどお待ちくださいませ。
こんな不定期ペースにも関わらず、お立ち寄りいただける読者様へは感謝感謝です。これに懲りずにお引き立てのほどを…。
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