超昂大戦SS 閂市総力戦! ダイビートVSアルダーク ~優しき戦士は愛する街のために 作:環 藍河
(強く…なるんだ…。)
夢か、うつつか…もうわからない。どっちだっていい。
まどろみながらも本能のままに、アカリはただ昂奮をむさぼる。
(これで…護るんだ…街を…みんなを…。)
どくんっ。どくんっ!
(…あふっ、あっ、…ああ~っ…!)
どっ、どっ、どくんっ…
(…あ…ひっ、ひいっ、
…あはああ~っ…!)
…。
……。
「…リ、…アカリ!」
(まだ…足りない…私…
勝てない…勝てないよお…)
「…しっかりしろっ、アカリっ、アカリっ!!」
(もっと…虐めて…。
もっとたっぷり、エナジー…注いで…!)
「アカリっ、何をしているんだっ!?」
かちゃっ…がんっ!《ピイーーーーーーッ。》
装着者の脳波に直接訴えて五感を再現するHMD…ヘッドマウントディスプレイ。
リクライニングソファーは使用者の五体を包み、仮想空間への深い没入を支える。
長官不在時のDチャージ補助を目的として、ダイビートの戦闘スタッフが使用を許される…
ダイビート基地、VRルーム。
はあ…っ、はあ…っ、はあ…っ…!
(…あ…れ? 指令室じゃ…ない…?
私…エスカチームと、Dチャージ…してた…?)
「気がついたか。いま、VRを中止した。
…アカリ、俺がわかるか?」
「…!! ひっ…!?」
(!?)
使用者…アカリのバイタル異常に気づいたトキサダは、VRの緊急停止ボタンを叩き押し、HMDを取り外す。
脂汗でぐっしょりのアカリは、顔面蒼白、息も絶え絶えの意識混濁。
だが、目覚めたアカリは反射的に怯え、トキサダを拒む。
「アカリ…自分を追い詰めたのか…!」
「…長…官…。
私…平気です…から…もっと…めちゃくちゃに…」
「!?」
…かくっ。
VRの長官は…窮地のダイビートで絶体絶命に追い込まれた果てに、狂気に身をやつし鬼畜外道に堕ちた。
エスカ・ルビーの無能をなじり、痴態を強要し、鬼畜外道の責め苦を与え続けた。
その長官がどうして今さら、そんな悲しく優しい目で私を見るんだろう…?
わからないまま、アカリは再び昏倒する。
ぴっ。
「トキサダだ。ユーノ、アカリがVRで倒れた。
俺が運ぶ、医療班に待機させてくれ!」
……
…
「…んん…?」
再び意識を取り戻すアカリ。
瞳に映るのは、メディカルルームのアイボリーの天井だった。
「アカリ…起きたか。」
「長官…」
ベッドサイドには、アカリの意識回復に安堵するトキサダがいた。
ぴっ。
《…はい、ナースコール、ユユエルよ。》
「トキサダだ。アカリの意識が戻った。少し2人きりで話したい。」
《いいわよ。何か異常が出たら、すぐ治療に行くわね。》
ぴっ。
「アカリ…。君が意識を失っている間、長官権限で君のVR体験の内容、一部始終を確認した。」
「…!!」
「プライバシーに踏み込んですまない。
だが…やり過ぎだ。」
「……。」
アカリは俯き、言葉を詰まらせる。
「…どうして、俺に何も言わなかった。
確かに、今日は手ひどくやられた。戦況は正直に言って、非常に苦しい。でも、超昂戦士の不安を払い、勝利への希望を示すのが、俺の務めだ。
何一つ相談しないで、勝手に思い詰めて、こんなこと…」
「…許せなかったんです…自分を…。」
「?」
「長官はエスカ・チームを…私を信じて、閂タワーに私とサファイアを振り向けました。
でも…私はタワーも奪い返せなくて…エスカレイヤーさんたちも封じられて…。
私は…長官の期待に応えられませんでした…!」
ツーサイドアップが力なく垂れ下がり、自責の念に歪む横顔を隠していた。
「私に、もっと力があれば…こんなことにはならなかった…!」
(アカリ…君は…
俺に許されることを、良しとしなかったのか…)
きっ。
決意を自らに問うと、覚悟の眼差しでトキサダを見上げる。
「長官。お願いします。私に…エスカ・ルビーに…もっとたくさんDチャージしてください。
私は耐えられます。
VRの通り…いいえ。もっと酷いのを…!
長官ができる一番激しくてめちゃくちゃな、ぐちゃぐちゃなDチャージを…私に注ぎ込んでください。
エスカ・ルビーに、ありったけのエナジーを下さい…!」
こっそり読んだ成人雑誌やネット情報で聞きかじった、激しいDチャージ。
アカリはVRで恥辱性や残虐性の設定をMAXに振り…自らの覚悟を確かめていた。
成功したら、鬼畜Dチャージを志願しようと…!
「…どうしてだ。ルーキーの君が、どうしてそこまで…」
「護りたいんです。街を…みんなを。
そのためなら、私はできる全てを賭けます。
私はそのためにここに…ダイビートに来たんですから。」
「だからって…」
「だって! このまま私のせいで!
ダイビートが全滅したら! 街が壊滅したら!
何にもならないじゃないですかあああーーーーーっっっ!!!」
激昂するアカリの脳裏に、数時間前の屈辱がよぎる。
……
…
ダイビート基地、戦闘スタッフ居住棟。
自室に戻ったアカリはシャワールームに飛び込み、鍵を掛けて蛇口を開ける。
計略にまんまと嵌まり、怪電波装置の稼働を止められなかった。
あざ笑うコマンダーたちに背を向け、尻尾を巻いて退いた。
タワーも学園もむざむざ奪われ、レジェンド戦士たちをおめおめと封じられた。
アルダークに踏み荒らされたアスファルトを、惨めに敗走した。
安寧を奪われた市民から、罵倒をその肩に、背中に浴び続け、謝り続けるしかなかった。
しゃああああ……っ…
「…うっ。…うぐっ。
………ううう~~~…っっ!!!」
熱いシャワーを頭から浴びると…
自責の念がとめどなく瞳から溢れた。
「うああああーーーーーっっ!!!
あーーーーっ! あーーーーーっ!!」
誰にも届かない嗚咽が、いつまでも空しく響いた。
フーマン一体に歯が立たず、親友も、自分一人さえも救えない、弱い自分。
だから、その悔しさを振り切ろうと決心したのに。ダイビートに志願し、超昂戦士エスカ・ルビーになったのに。
弱い。私は…ルビーになっても、どうしようもなく弱い。
口ばっかりの超昂戦士なんて、何の意味もない。
街の人たちを失望させ、先輩戦士たちの足を引っ張り、長官の期待を裏切り…
許さない。
誰よりも私自身が、絶対に許さない。
もっと強くなるんだ。どんなに苦しくても、痛くても…!
…こうしてアカリは、逆転への望みをつなぎ、自らの罪をすすぐため…
電脳空間の地獄に自ら身を投じた。
……
…
「…すみません。つい我を忘れて…。」
すう…っ。
「長官…改めて、お願いします。私に、激しく過酷なDチャージをして下さい。」
激昂を詫びると、アカリはベッドの上で改めて姿勢を正し、覚悟の志願を申し出る。
その強い意志に、トキサダは固唾を呑み、僅かに沈思黙考する。
…だが。
「…その過酷なDチャージで、過剰なエナジーを掴んで…その先はどうなる。
『自分はどうなってもいい』『この身に代えても街を取り戻す』…そう思っている君に、お望み通りエナジーをめちゃくちゃに注いで戦場に送るなんて、自殺ほう助もいいところじゃないかっ…!」
「えっ…!」
「俺は、敗戦の落とし前をつけさせるためのDチャージなんて、絶対にしない!
ましてや、玉砕覚悟の鉄砲玉になりたがっている超昂戦士へのDチャージなんて…絶対に認めない!
たとえそれしか作戦が残っていないとしてもだ!」
「!! そんな…!」
「それともアカリは…俺がそういう人間だと思っているのか。ダイビートの勝利のためなら、仲間に何でもする奴だと。
共に戦う超昂戦士を、慰み者にしてでも、使い捨てにしてでも、手段を選ばず戦わせる。そんな男だと…!」
「えっ…! ちっ、違うっ…!」
「…あっ…!」
ぶるっ…がくがくがくっ…!
トキサダの表情は険しく…だが次の瞬間、悔恨の念で曇る。
自己犠牲を志願したほどの少女が、今は小さく震えている。
追い詰められ、思わず吐き出した苦悩と苛立ちが…励ますべきアカリを怯えさせてしまった。
「…ううっ…!」
「アカリ…」
「ごめんなさい…長官…ごめんなさい…!」
…ぎゅっ。
「アカリ…?」
ベッドのシーツを強く掴み、アカリは懺悔の言葉を吐露する。
「でも…そんなつもりじゃ、なかったんです。
VRの、過酷なDチャージ…相手を長官にしたのは…
どんなに辛くても、どんなに酷く辱められても…長官のDチャージなら、きっと全部受け止められる…そう思ったからです…。」
「えっ…?」
どくんっ。
「長官は…いつも温かくて、いつも私を勇気づけてくれます。
初めて出会った日も、樹から落ちた私を抱きとめてくれて…。Dチャージのとき、いつも優しく導いてくれて…。いつだって、私のことを大事にしてくれます…。」
どくんっ、どくんっ。
「だから…そんな長官のDチャージなら…。どんなにどろどろに汚されても、ぐちゃぐちゃに辱められても…痛くても辛くても…。
きっと信じられるって…私のためのDチャージなんだって…。そう思ったんです。」
「…!」
「…でも…私、バカでした。
本当に…すみませんでした…。」
ぐいっ。
(えっ?)
トキサダがにじり寄り、アカリの両肩を掴む。
すすり泣くアカリは、心臓が飛び出そうなほどの衝撃に息を呑む。
「ああ、そうだ。
アカリ…君は間違っている。」
(……!)
一呼吸置いて、トキサダの叱責を覚悟する。
何を言われても受け止めるんだと、固唾を呑むアカリ。
だが、次の言葉にアカリの心は崩れ落ちる。
「俺がどんなに辱めていたぶって、エナジーを叩き込んでも…。
そんなルビーじゃ、この街は絶対に護れない。」
……!!
「…それでも勝てないくらい、私は…
エスカ・ルビーは弱い、ってことですね…。」
…つう……っ…ぽとっ。ぽとっ。
長官が…ルビーの逆転勝利を否定した。
戦士失格の烙印。
…もう、ダメだ…!
「逆だ。」
(えっ?)
ぎゅっ。
「アカリ…君は強い。強い心と勇気で、ダイビートを…俺を奮い立たせる最高の戦士だ。
それなのに俺は、君の本当の力を引き出すことができずに…こんな間違った覚悟をさせてしまった。」
(えっ…、ああっ…?)
直前の激昂が嘘のような、トキサダの熱い抱擁。
アカリは戸惑いながら、真っ直ぐな言葉と嘘の無い温もりに身を委ねる。
「バカなのは君じゃない、俺だ。
…こんなに俺を信じてくれる君を…俺は信じ切っていなかった…!」
「…長官…?」
がばっ。
「アカリ。君が求めるエナジー…大事な人を護る力。
今ならできる。今からここで、俺が注ぎ込む。決してあんな邪道では目覚めない、本当の君のエナジーを…!」
「ど…どういう、こと…?」
ちゅっ。「んっ!!」
ちゅう…っ、はふっ、れろっ…(んっ…んんっ…!!)
…ぷはあっ…。
「ちょ…長官…?」
「アカリ…もっと君を見せてくれ。」
言うや否や、キスの体勢から一歩引き、アカリの頭と腰を取ると、再びベッドにそっと寝かせる。
VRダイブ中の衣服のままの…普段着のアカリが仰向けに横たわり、馬乗りになったトキサダを見つめる。
頭頂から、うなじ、首筋、胸元へ…右に左に揺さぶりながら、視線をゆっくり下げ、まじまじとアカリの隅々を見回していく。
(…長官…あったかい…。)
その仕草は心の奥底からの愛おしさに溢れ、フェイクのトキサダが非道の果てに凍てつかせたアカリの心を、じわりと蕩かしていく。
肌を触れあわさずとも、その吐息で、その眼差しで、トキサダから真心を注がれ…胸が高鳴る。心に翼が広がる。
するっ…ぐいっ…!
(あっ…!)
とくんっ、とくんっ…
さらに下がる視線が捉えた、アカリのお腹とその下。
もっとよく見ようと、ピンクの上着とシャツをずらし上げ…さらにデニムパンツを下げ、ストッキングとショーツの奥を引き上げる。
羞恥に悶えてひくひくと動く素肌に、じかにトキサダの吐息がかかる。
(は…恥ずかしい…よお…!)
双丘越しに見えるトキサダが、アカリの身体のいちばんデリケートなところを探っている。
表情は見えなくても、その仕草が、その吐息が、信じられる。
(あふっ…くうう~っ、うう~っ…!!)
おへそを、下腹部を、ショーツのクロッチに護られた裂け目をトキサダに視線で捉えられ、びくとも動かせない。
羞恥に悶えるアカリは、代わりに太腿を、胸を、腕をびくん、びくんっ、とわななかせる。
「ああっ…、あんっ、長官…!」
…
「アカリ…綺麗だ…!」
「えっ…? ええっ…!?」
ちゅっ…ちゅうっ。
ぺろっ…ぴちゃっ…ちゅぷっ…!
「あああ~~っ!! ダ…ダメです…っ!
そ…そんなっ、ところっ…! う…うううっ…!!」
「大丈夫だ…俺が…欲しいんだ…!」
余すところなく観察し尽くしたお腹から太腿まで、キスの嵐を浴びせる。
視覚で確かめたアカリの魅力を答え合わせするように、唇で、舌で、嗅覚で…
(ううっ…ひくっ…そんなあっ…!!
でも…でも長官…ほんとうに…気持ちよさそうに…)
ぴくんっ…とくんっ、じいいい…ん…。
拒む理性に染み渡る快楽は、アカリの弱った心に包帯のように巻き付き、抱き締めたところを温かく癒やしていく。
その熱にあてられ、アカリの身体もじわりと潤い、雫をこぼしていく。
(…俺は…アカリの覚悟を甘く見ていた。)
アスリートとして鍛えたとはいえ、パワーや頑丈さとは程遠い、むしろ華奢なアカリの身体。
こんな小さなボディで。格闘技の経験さえ皆無の、元気だけが取り柄の女の子が。
誰かを護りたい、そんな殊勝な思いだけで激闘に身を投じて…文字通り自分を捨ててまでも、強さを求め、勝利を欲している。
俺が逃れてきた破滅の未来を、嘘とあざ笑うことなく、信じてくれたアカリ。
俺が立ち上げたダイビートに、夢物語とあざけることなく、迷わず飛び込んでくれたアカリ。
涙が出るほど嬉しいはずの、一途な思いと選択。
それでも、俺は。
アカリへの…エスカ・ルビーへの全力のDチャージは…
(アカリ次第で、いつか叶うかもしれない。叶わなくても、それでいい。)
その程度だと思っていた。
性体験どころか、男子と交際したことさえ無いというアカリ。
文字通りゼロからDチャージを深めていく道のりは険しく、焦って性急な激しい方法を採ろうものなら、トラウマを残し、アカリは俺に心を閉ざしかねない。
だから、時間をかけて信頼を築き、次第に深めていこう…そう思っていた。
そして、共闘を重ね、身体を幾度重ね合わせても、本当に心の底から通じ合えるDチャージに至るとは限らないし、それでも仕方がないと思っていた。
割り切るならば、長官と戦士の関係は…戦いを望む戦士に俺が力を与えるだけの、共生関係。
アカリだって、それ以上の感情を俺に抱く必要は無く。
俺もダイビートの長官として、それ以上の感情をアカリに持つ必要は無い。
そのはずが…どうだ。
裸の心で俺を求め、絶望の底終に飛び込む勇気さえ、俺から与えられたのだと。
アカリの中で、俺はこんなにも大きな存在になっていたというのに…!
「あっ! あくっ!! ……~~~っっ!!」
きゅうううっっ!!
びくんっ! びくびくうっ!!
「…アカリ…。」
(はあっ…、……、…~~~っ…)
小鳥のついばみの波状攻撃に…アカリは蕩け、小さな頂きに登り詰める。
(どうして…? 全然激しくないのに…私、VRのときと同じくらい…ドキドキしてる…!
…私…もっと、もっと長官が欲しい…!)
(もっと…もっとアカリを見たい…俺で昂ぶるアカリを…!)
超昂戦士への補給業務ではなく、見つけた絆を確かめ合うように。
アカリをもっと衝き上げたい。
長官にもっと衝き上げられたい。
互いが求めるものを、自分の持てる限り、全部…!!
「アカリ…いいな。」
「…はい…ください…!」
くちゅっ…めりっ…めりめりっ…!
(ああっ…長官…長官のが…来るよおっ…!!)
「くっ…!」
すんっ。
「ああっ…! はあああああんっ!!」
互いの奥底、いちばん深いところまでを通じ合わせるDチャージ。
今日まで幾度も重ね合わせたはずの身体は、たった今、かつてない未知の高揚に至った。
アカリもトキサダも打ち震え…初めて知る昂ぶりを噛みしめる。
互いを求め合う心で受け入れ、自分の全てを惜しみなく与えたいと願う心が…心どうしが、繋がった。
ぐちゅっ。くちゅっ。ずりっ…!
「…長官…は…恥ずかしい…です…!
どうして…? いつものDチャージよりも、ずっと熱いです…!」
「それでいい。俺も…いつになく…熱い。」
「ああっ…長官の…長官のっ、今までで一番、大きいよおっ…!」
身体と身体が、心と心が、芯の奥、剥き出しの核で強く繋がり合う。
昨日までは、長官が戦士を慈しむDチャージだった。
今は…トキサダがアカリを欲し、アカリがトキサダを求めるDチャージ。
(長官が…信じてくれる…。長官がありったけを注いでくれている…!)
Dチャージの基本を知らない私をリードしようと、歩幅を合わせてくれた優しい長官も嫌いじゃない。
でも、今の長官も…。ほしいままに、私の全部をむさぼるように、あらゆる角度から、全力でエナジーを注いでくれている長官も…!
その独占欲が。そのわがままが。
(…嬉しい…! 嬉しいんだ、私…!)
(アカリが…心と体の全てで、俺を求めてくれている…!)
声を上げて悶えても、吐息を上げて跳ね上がっても、トキサダを離すまいとすがりつき、繋がり続けようと腰を突き上げる。
「長官っ…長官っ…あんっ…ああんっ!」
身体で感じるだけでなく、心の形を確かめるように、うわごとのように繰り返す。
(アカリ…受け止めてくれ…!)
その純心に応えたい。
この昂りを、俺の全てで伝えたい。
その全力が、アカリの秘めた芯の奥を衝き上げる。
想いの核心をきゅうきゅうに擦り上げ、震える心どうし、共振を響かせる…!
どくんっ! びゅうっ!! どくっどくっ!!
「あああああーーーーーっっっ!!」
きゅうううっっ!!
…ぱたっ。
……
…
「…長官…私…勝ちます…!
長官がくださるエナジーで…今以上のエスカ・ルビーに…なります…!」
少し前まで普通の少女だった戦士は、空に手を伸ばし、希望の未来を掴む。
その真っ直ぐな思いが、トキサダの心を震わせる。
「…ああ、君は最強の戦士だ。
だから…必ず帰って来い。」
「えっ?」
「俺達がこの街を取り返しても、そこにアカリがいなければダメなんだ。街のみんなに愛される…俺がいちばん護りたい市民が…な。」
「長官…!」
「次の出動は、ダイビートと閂市民みんなの存亡を賭けた、過酷なものになる。
超昂戦士エスカ・ルビー…長官命令だ。
街を護れ。市民を護れ。
そして、大切な市民…園崎アカリが笑顔で街に帰る、その日を…俺たちで作るんだ。」
ビートポータルで、時空を超えた。協力者を得て、決起を成し得た。
でも…本当の始まりは、あの日だった。
危険を顧みず少年に手を伸ばす、勇敢な少女との出会い。
いくつかの奇跡に背中を押され、戦部トキサダと園崎アカリは…
共に背中を託し合い、共に未来を信じ、身体と心を重ね合わせた。
【第4章 完】
筆者です。第4章をお届けします。
前話で鬼畜ルートの分岐フラグを建ててから、十日ほどの長いブランクを空けてしまいました。
結果は「夢オチからの純愛ルート分岐」。
…筆者の中では当初からの予定通りだったのですが、読者をダマす愚行に及んだ件は、ここに深くお詫びを申し上げます。
…激甘だだ甘の砂糖菓子をぶっ込む前に、ちょっと苦みしょっぱみを入れたかったんですよお…!
さあ、絶望から救い上げられ、再び立ち上がるルビー。
だがアルダークの物量作戦+怪電波装置という圧倒的不利は未だ変わらず。
ここから始まるダイビートの反攻作戦は成功するのか!?
作話ストックを溜めるどころか、この第4話が超難産となり、次話投稿のめどは全く立っておりません。申し訳ございませんが、数日ほどお待ちくださいませ。
こんな不定期ペースにも関わらず、お立ち寄りいただける読者様へは感謝感謝です。これに懲りずにお引き立てのほどを…。