ウルトラマンNewGenerationHero'sSaga   作:ichika

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厄災は2度踊る

「来るぞ!!」

 

パワードの檄が飛ぶ。

臨戦態勢を整えた4人のウルトラマン目掛け、破滅の大魔王獣、マガオロチは吶喊していく。

 

勢いこそそこまで早くはないが、山が一つ突進してくるようなものだ、その威圧、その迫力は生半可なものではない。

 

「パワード!!」

 

「あぁ!!」

 

バディを組む事の多いグレートとパワードが先行し、マガオロチの腕を抑えにかかる。

それぞれが左右に別れる事で狙いを分散させつつ、攻撃を掻い潜れるという対怪獣集団戦のセオリーを、短い遣り取りだけで実行していた。

 

だが、マガオロチのパワーは並ではない。

抑え込もうとしたグレートとパワードを、何のことは無いとでも言わんばかりに、腕を振り上げる事で二人揃って持ち上げ、地面に叩き付けてしまう。

 

「ぐぅッ……!」

 

「ぬぅっ……!」

 

背中から叩き付けられつつも、追撃となる踏み付けや尻尾による払いを回避する事に成功する。

 

だが立ち上がり体勢を立て直す暇もない程に、マガオロチは猛り、獲物を見つけたと言わんばかりにグレートとパワードに向かっていく。

 

「させないッ!!」

 

「今のうちに!!」

 

だがそうはさせんと言わんばかりにリブットとXが飛び出し、顎と腹を狙って跳び蹴りとストレートパンチを繰り出す。

一先ずは気を逸らし、体勢を整える事を優先した一撃だったが、それは功を奏した。

 

その一撃は見事狙い違わず標的を捉えるも、ダメージはほとんど通っていない様だ。

激高するようにマガオロチは咆え、腕の払いでリブットとXを払いのけ、大きく吹っ飛ばした。

 

「うわっ……!」

 

「くぅっ……!」

 

吹っ飛ばされる二人だったが、先に離脱していたグレートとパワードが受け止める事で勢いを殺し、何とか体勢を整える事に成功する。

 

「大丈夫か!?」

 

「な、何とか……!!」

 

体勢を整えたとて、マガオロチには何も関係のないところだった。

背鰭を発光させ、口から破壊光線を放ってくる。

 

その攻撃を回避しながらも各自に散開、彼等が元々いた地面に着弾した後、盛大な爆炎を巻き起こす。

 

「やはり大魔王獣、恐るべしだな……!!」

 

「4人で掛からなければ太刀打ち出来ん!」

 

相手の戦力に、4人の背筋に冷たい汗が流れる様な感触が走る。

それは命の危機を知らせる本能の叫び、ある種の恐れとも取れる感覚だった。

 

だが、それに打ち克ち彼等は退く事をしない。

護るもののために、果たすべき使命のために。

 

「なんとしても、マガオロチを倒すぞ!!」

 

「「はいっ!!」」

 

負けが許されない戦いに、4人は雄叫びを上げて挑みかかっていく。

 

グレートとパワードが胴に組み付き、Xが右腕を引っ掴んで振り回す様に引き、体勢を崩す。

Xに意識が向いたか、引き剝がそうと藻掻くマガオロチだったが、その頭部目掛けて拳の叩き落としを叩き込む。

 

攻撃された事に怒ったか、マガオロチはリブットに再度意識を向け、破壊光線を撃ち掛けんと動く。

だが、そうはさせんとグレートとパワードが動き、その腹に強烈なニーキックを叩き込み、Xもまた弾かれるようにして距離を取りつつ、追撃を避けるためにハンドスラッシュを撃ち掛ける。

 

怯んだ様子はないが距離を開く事には成功した様だ。

その隙に4人は体勢を整え、全く同時に胴体に攻撃を仕掛ける。

 

『――――――――ッ!!』

 

けたたましい咆哮をあげながらも、漸くダメージが通ったか、マガオロチが僅かに後退する。

 

「リブットさん!!」

 

「あぁ!!」

 

追撃を掛けるべく、Xとリブットが全く同時に飛び出し、回し蹴りを胸部に叩き込む。

それに合わせ、パワードはエネルギーを籠めた掌底を顎に、間髪入れずグレートがエネルギーの刃《グレートスライサー》をで左腕を斬りつける。

 

「良いコンビネーションだ!」

 

「畳掛けるぞ!!」

 

猛撃に怯みながらも猛るマガオロチに、まだまだ攻撃を手を緩めることは無い。

グレートが飛び蹴りを、パワードが足首を狙ってスライディングキックを叩き込む。

 

跳ね起きる勢いを利用し、パワードはアッパーカットを叩き込み、グレートは体重と勢いを載せた肘打ちを見舞った。

 

『――――――ッ!!』

 

「今だ!!」

 

「二人ともやるんだ!!」

 

悲鳴にも似た叫びをあげながらも藻掻くマガオロチを、今こそ撃ち倒せとグレートとパワードの檄が飛ぶ。

終わらせろと、ケリを着けろと。

 

「「はいっ!!」」

 

Xは飛び上がりながらも身を屈める事でエネルギーをチャージ。

リブットは地上にて、千手観音を思わせる動きでチャージを始め、必殺光線のタメを作る。

 

「アタッカーX!!」

 

「ギャラクシウムブラスター!!」

 

2つの必殺の技が一気に突き進み、回避する事もままならないマガオロチへと突き刺さった。

刹那、凄まじい爆炎が巻き起こり、マガオロチを包み込んだ。

 

「やったか……!?」

 

手応えはあった、あとは撃破を確認して――――――

 

「ッ!避けろXッ!!」

 

何か嫌な気を感じ取ったパワードが叫ぶが遅い。

爆炎より、先程よりも禍々しい気を纏った何かが飛び出してくる。

 

それは破壊光線、威力も勢いも何もかも桁違いなそれは、何とか回避しようとしたXの右肩に直撃、彼を大きく吹っ飛ばした。

 

「うわァァァッ!!」

 

「X……ッ!!」

 

受け身を取る事すら儘ならずに地に叩き付けられ、あまりのダメージに呻くことしか出来ないXを助けに向かおうとリブットが動くが、それを阻むかのようにして災厄は姿を現す。

 

マガオロチという殻を突き破り、クロコダイルが如き巨大な咢が顔を出す。

球体に手足と巨大な咢を持つ、なんとも不気味な、だがそれ以上に禍々しさを感じさせるそれは、悍ましい叫びをあげながらも彼等に向かってくる。

 

歩みは遅い、だが、圧倒的なまでのプレッシャーに押しつぶされそうにもなるほどに、目の前にいるそれは強烈な存在感を示していた。

 

「マガタノオロチ……!!」

 

「最悪の状況だ……!!」

 

倒しきれずに進化させてしまったとグレートとパワードが歯噛みする。

マガオロチの状態ならばなんとか対処も出来ただろうが、今の戦力で完全体となったマガタノオロチに抗し切る事は、事実上困難である事は明白だった。

 

「リブット!呆けている暇はない!!」

 

「我々3人で、此奴を倒すんだ!!」

 

ダメージが抜けきらないXを護るためにも、今呆けている暇はないと叱咤が飛ぶ。

 

その声に我に返ったリブットは、Xの心配をしつつも構えを取り、マガタノオロチを迎え撃つ。

 

グレートとパワードもまた、災厄へと立ち向かっていく。

決死の想いを胸に、その絶望が、世に解き放たれる事を防ぐために……。

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

同刻惑星カワイア

海の惑星とも呼ばれる惑星カワイアは今、大いなる闇に閉ざされようとしていた。

 

何処から発生したかも分からない、だがそれでも、惑星全体が闇に閉ざされ、太陽の光すら届かない状況に陥っていた。

 

「この闇は、あの時の……。」

 

惑星内に侵入したネオスは、同行するセブン21、ギンガ、そしてビクトリーを見やりながらも呟く。

 

彼の脳裏には嘗て、別の惑星で引き起こされた、今や伝説となっている戦いの様が思い返されていた。

 

惑星を侵食し、滅ぼそうとする邪神に対し、たった一人のウルトラマンが戦いを挑み、長い死闘の末、圧倒的な光の力で滅殺した、凄絶な戦いの結果を。

 

「あぁ、一夏が滅した闇、その性質に非常に近いが、何かが違う……。」

 

ネオスと同じ感触を感じながらも、何処か違和感を感じているのだろう、セブン21は周囲を見渡しながらも警戒を怠ることは無かった。

 

「先生が滅した……、ブラック司令が言ってた邪神討滅戦の……!?」

 

嘗て地球で聞かされた話、師の昔馴染と言う男が口にした伝説の話、ウルトラマンティガ、織斑一夏の武勇の1つを思い出し、ビクトリーは驚きを隠せずにいた。

 

その対象が邪神、それ以外の情報は把握していないが、それでも生半可な物ではないと想像に難くはない。

 

「可能性としては無いとは言えないが、それにしてもこの気配の妙な混ざり方はなんだ?」

 

その懸念を肯定しつつも、それでも違和感を拭いきれない。

体感で8割程はその気配だと認めていても、残りの2割に違和感を感じている。

それは決して無視できない誤差であるのだ。

 

「何はともあれ、原因究明を急ぐぞ、放っておけばこの星も――――――」

 

捜索に移ろうとした一行の足場を、不意に激しい揺れが襲う。

降り立っていた海は巨大な渦が巻き起こり、内部よりそれは現れる。

 

稲光と見紛う程のプラズマが、闇に包まれた大気を照らし、その姿を顕にする。

 

太古の昔、地球に存在したとされるアンモナイトの様な外殻を持ち、幾つもの触手が蠢くその様は、外宇宙から降臨する邪神そのもの。

 

その姿を目にした者を石と化す伝承を持つ神の名を名乗りしその異形の名は、《邪神 ガタノゾーア》

嘗て、宇宙の支配を目論みながらも、ウルトラマンティガに斃された、恐るべき存在だった。

 

「あ、あれは……!!」

 

「やはりガタノゾーア……!!だが、ヤツは一夏が粉微塵にしたはずだ……!!」

 

異様な雰囲気を漂わせる敵を前に、ギンガは驚愕に硬直するが、ネオスはセブン21と共に戦闘態勢を取る。

 

想像していた通り最悪の存在、ウルトラマンティガでしか対抗し、殲滅出来なかった存在に対しても、恐れる事なく構える事が出来ていた。

 

だが、そんな彼等でも、完全に消え去ったはずのガタノゾーアが何故蘇ったか、その理由を推察出来ずにいた。

 

何かヒントが無いかと、その外殻に何か変化がないかと彼等は目を凝らした。

 

そして気づいてしまった、嘗てのガタノゾーアにはなかった、外殻の上部左右から突き出るクリスタル状の突起の存在に……。

 

それを目の当たりにして、ネオスとセブン21の表情が更に引き攣った物になる。

それは考え得る限り、組み合わせてはいけない存在だった。

 

「まさか、アレはスフィアか……!?」

 

「スフィア……?なんですそれは!?」

 

その変化に気付いたセブン21が驚きの声を上げ、その理由をビクトリーが尋ねる。

 

「嘗て宇宙全域に発生した、生物や無機物に取り憑いて怪物にする寄生生物群……!」

 

「だがヤツ等はダイナが、玲奈がグランドスフィアを滅した事で消え去ったはず……!」

 

ネオスとセブン21の言葉に、ギンガとビクトリーは内心『師の絡む案件多すぎでは?』と思ったが口には出せない。

いや、出す暇さえない状況である事は理解していた。

 

眼の前にいるのは師が倒した存在の掛け合わせ、一瞬の油断さえ命取りとなる事は、彼等の本能が告げてならなかった。

 

さしずめ、スフィアガタノゾーアとでも呼ぶべきそれは、聞く者すべてを震え上がらせる咆哮をあげる。

目の前に現れた光を、今度こそ消してやると言わんばかりにに。

 

「何にしても止めないと……!!」

 

「あぁ、行くぞ皆!!」

 

このまま野放しには出来ないと、彼等はファイティングポーズを取り、一気に突っ込んで行く。

 

それに対し、ガタノゾーアは悍ましい咆哮をあげ、海中より無数の触手を伸ばし接近を妨げんとする。

 

ネオスとギンガはそれを飛び上がることで回避、上空より揃っての急降下キックを見舞う。

 

硬い外殻に当たるも、意識を逸らすことには成功したようだ。

その隙にセブン21とビクトリーが急接近、ストレートパンチと回し蹴りを繰り出す。

 

クリーンヒットするも殆どダメージが通っていないのだろう、ガタノゾーアは気味の悪い叫びをあげながらも、触手や鋏を思わせる爪を突き出し反撃してくる。

 

それを弾き、躱し、防ぎながらも攻撃を試みるが、あまりにも苛烈な攻撃の嵐にそれも難しい。

 

「くっそ……!!以前より攻撃が厭らしくなっていないか!?」

 

「スフィアが融合した事で知性も上がっているのか……!?厄介な事だ……!!」

 

以前よりも苛烈な攻撃に、ネオスとセブン21は歯噛みしながらも打開の手を思案する。

 

「厄介な……!」

 

「こんな奴が、いたなんてな……!」

 

爪を弾き、ギンガスラッシュやビクトリウムスラッシュで攻撃しながらも悪態をつく。

地球上や、その他の土地で戦った際にもここまでの敵はいなかった。

 

今まで、確かに苦戦した敵もいたが、ここまで圧倒的な力を誇る敵はいなかった。

 

現に、ギンガスラッシュもビクトリウムスラッシュも、放った光線技が弾かれ、かすり傷すら着けることが叶わなかったから。

 

「くっそ……!近づけないっ!そもそもパワーが違い過ぎる……!」

 

迫りくる触手を払うが、別方向から来る触手がギンガの首を狙って伸びる。

 

「八幡!!」

 

ビクトリーが寸でのところで気付き、掴み払う事で防ぐが、自身の足元への注意が散漫となった。

その隙を狙って、別の触手がビクトリーの脚に纏わりつき、海中へと一気に引き摺り込む。

 

「うわっ……!?」

 

「沙希っ……!?」

 

カバーしようとギンガが動くが、それを阻むかの如く、ガタノゾーアの口から吐き出された黒い霧が彼を襲う。

 

「ぐぅぅ……ッ!?」

 

「ブラックミストッ……!?やはり厄介な……ッ!!」

 

ただの闇かと思っていたギンガが被弾、火花を散らしながらも大きく仰け反る。

ダメージが以前と比べ物にならないと判断したネオスは、飛び上がりながらもハンドスラッシュによる牽制を行い、同時にセブン21は逆さの顎を目掛けて肘鉄と踵落としを連続で叩き込む。

 

気がそれた隙に、ダメージから立ち直ったギンガがビクトリーの脚を絡めとっていた触手を、エネルギーを纏わせた手刀で叩き切る。

 

「大丈夫か!?」

 

「な、何とかっ……!」

 

ギンガの手を借りて立ち上がったビクトリーだが、ガタノゾーアのあまりにも強大なパワーに戦慄する以外無かった。

 

今まで触手を振り回し、拘束を狙ってくる敵がいなかったわけではない。

だが、それでも海上で水に引きずり込んでくるという搦め手を用いてくる手合いなど、これまでに戦ったことが無かったのだ。

 

故に、捕まらないという鉄則の下、戦略を練りながら戦うしかなかった。

 

「こうなったら、沙希ッ!!」

 

「勿論ッ!!」

 

しかしもう一つ力を解放すればその限りではないと、2人は自身が持ちうる変身を一段階引き上げる。

 

タロウから与えられた力、ギンガストリウム。

聖なる浄化の力、ビクトリーナイト。

 

それは幾度も苦難を払い除けてきた、彼等が授けられ、自分の物とした力だった。

 

「「行くぞっ!!」」

 

ギンガはタロウに似た構えを、ビクトリーはナイトティンバーをソードモードにして構え、一気にガタノゾーアへと突っ込んでいく。

 

ビクトリーナイトは剣技によって迫りくる触手を次々に叩き切り、ギンガストリウムは爪による突きを受け止め、綱引きの様に手繰り寄せるパワーを見せつける。

 

特に爪を引き千切ろうとしているからだろう、ガタノゾーアは悍ましい叫びをあげながらも暴れ出し、ネオスとセブン21への意識を完全に逸らす事に成功した様だ。

 

「セブン21!!」

 

「あぁ、今だッ!!」

 

その隙に飛び上がり、2人は必殺の光線を放つモーションに移る。

威力はASTRAY達のソレにも勝るとも劣らない、歴戦の猛者の技――――――

 

「ネオマグニウム光線ッ!!」

 

「レジアショットッ!!」

 

二筋の光線が迸り、邪神の顔面付近に直撃、盛大な火花を散らした。

 

「よしっ!!」

 

「当たったッ……!?」

 

直撃の寸前に退避し、間合いを取ったギンガとビクトリーが倒したかと見やった。

だが――――――

 

『――――――ッ!!』

 

閃光が晴れた時に現れるのは、大したダメージを負うことなく吼えるガタノゾーアの姿だった。

 

「ちっ……!やはりタフ過ぎる……!!」

 

「俺達の攻撃がほとんど通じてねぇって、そんなのアリかよ……!!」

 

僅かに傷をつけただけで殆ど健在な様子に、ネオスとセブン21は歯噛みする以外になかった。

それほどまでに、規格外な能力を持つ敵に、それを一度は倒した友の強さに戦慄する以外無かったのだ。

 

やられたからにはやり返すと、ガタノゾーアは触手を鞭の様にしならせ、上空にいるネオスとセブン21を狙う。

 

咄嗟に回避するが、あまりにも苛烈な攻撃が彼等を掠めていく。

 

「やらせないッ!!」

 

ギンガとビクトリーが飛び出し、邪神の気を逸らさんと攻撃を仕掛ける。

ナイトティンバーでの斬りつけも、ギンガストリウムのパワーによる殴りつけにも、まるで怯む様子がない。

 

「このっ……!」

 

「堅いッ……!」

 

攻撃が通らない事に歯噛みしながらも、ギンガとビクトリーは攻撃を続ける。

 

少しでも引き留め、時間を稼ぐためにも。

 

しかし、無情にも彼等は脚を掬われてしまう。

海面下に潜んでいた触手が彼等を絡めとったのだ。

 

「うわっ……!?」

 

「しまった……!!」

 

絡めとられ、引きずり込まれるかと思われたが、そんなに甘いものではなかった。

ガタノゾーアは二人を宙づりにするかの如く、自身の目の前に持ってくる。

 

「いかんッ……!?」

 

「二人とも逃げろッ……!!」

 

何をするつもりかを察知したネオスとセブン21が助けに動こうとするが触手に阻まれ近付く事すら出来ない。

 

彼等にトドメを刺すつもりか、ガタノゾーアの顔面付近に紫の光が収束していく。

その光景に、彼等の背筋にサッと冷たいものが奔る。

 

「沙希っ!!」

 

咄嗟にギンガスラッシュを放ち、ビクトリーの脚に巻き付く触手を撃ちぬき、射線から逃がす事に成功する。

 

「は、八幡――――――」

 

頭から落下するビクトリーの目の前で、何とか空いた右腕で張ったバリアにガタノゾーアが放ったレーザーがぶち当たる。

暫しの拮抗の後、全力で展開できなかったバリアが貫かれ、幾分か弱まったレーザーがギンガのカラータイマーを撃ちぬいた。

 

「「ギンガッ……!!」

 

「八幡―ーッ!!」

 

彼等の目の前で、それでも抗おうとするギンガに変化が現れる。

 

「ぐっ……!身体が、石にっ……!?」

 

カラータイマーを中心に、石化が始まる。

ガタノゾーアの能力、その一端の発露だった。

 

「ぐ、おぁぁぁぁ――――――」

 

指先、爪先に至るまで、遂にギンガは石化し、動かなくなる。

それは敗北を言外に物語っていた。

 

一人葬った事に気を良くしたか、ガタノゾーアは哄笑とも取れる叫びをあげながらも、石化したギンガを叩き壊そうと触手を振り上げる。

 

「させるものかっ!!」

 

それよりも早く、セブン21のヴェルザードが飛び、ギンガに絡みついていた触手を斬り飛ばす。

海面に叩き付けられる前に、ビクトリーが抱きかかえる事で何とか衝突を回避、ガタノゾーアと距離を取る。

 

「ビクトリー!ギンガに光を与え続けろ!!」

 

「石化を解くんだ!!」

 

対処法を知っていたネオスとセブン21はガタノゾーアに光弾や打撃を与えながらも指示を飛ばす。

 

一度そうされた者がいたと、言外に語っている様でもあった。

 

「は、はいっ!」

 

充分に距離を取ったビクトリーは、ナイトティンバーによる浄化と、シェパードンのスパークドールズを用いた回復を試みる。

 

今の状況、ネオスとセブン21だけでは持ち堪えられないだろう事は明白だ。

故に急がねばならない、このまま、負けてはならないと。

 

ビクトリーは一心不乱にエネルギーを送り続けるのだった――――――




次回予告
2つの脅威に、ウルトラマン達は窮地に追い遣られる。
それでも、若き力は決して折れることは無い。
限界を超えた先にある、勝利を掴むために

次回ウルトラマンNewGenerationHero'sSaga
第9話 絆と誓いと

お楽しみに
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