ウルトラマンNewGenerationHero'sSaga 作:ichika
惑星ミカリト
進撃するマガタノオロチに対し、Xとリブットは己の持てる全ての力を結集し、立ち向かっていく。
Xが先行し、触手を斬り払いながら進み注意を引き付ける事で、リブットが懐に潜り込む隙を作る。
それを利用し、リブットはスプレッダーロッドを顎の上部、それも目玉付近を狙って突き刺す。
光のエネルギーを一点に集中しているからか、これまでダメージを通さなかった強固な外皮を突破し、多少のダメージを与える事が出来ている様だった。
「リブットさん!」
「あぁ!!」
Xの声に反応し、リブットはマガタノオロチが吐く破壊光線をブロッカーエフェクトで防ぎながらも後退する。
リブットと入れ替わる様にしてXが前に出て、Xカリバーに宿る力を解放する。
「セレクト!ウルトラマンネクサス!!」
刀身がモーブ色に輝き、光エネルギーが収束、その刀身が更に長大なものとなる。
それはネクサスの力、全ての悪しきものを葬り去る破邪の光。
「シュトロームカリバーァァァッ!!」
強烈な光の刃がマガタノオロチを捉える。
リブットが着けた傷目掛け、相手を消滅させる刃が叩き込まれ、その傷口を更にこじ開け広げていく。
『――――――ッ!!』
あまりにも強烈なダメージに、遂にマガタノオロチは絶叫にも似た咆哮を上げる。
これまで無敵と呼んで差支えのない防御力を誇っていたその獣は、生存本能と焦りが入り混じった様子で彼等へ向かってくる。
まずは生きるために、食欲よりも生存欲求が勝っているのだろう、確実に仕留めに掛かっている様だった。
触手や火炎弾、破壊光線を四方八方へ放ち、退路を断とうとしている様だった。
「下がれX!!」
「はいっ!!」
だが、それを見越していたリブットがブロッカーエフェクトを構え、光のシールドを展開し、自分達に向かってくる全ての攻撃を防ぎきる。
これまでにない防御力は、彼に全てを護り通す力を齎していた。
「セレクト!ウルトラマンマックス!!」
『ウルトラマンマックス、ロードします!』
リブットの背後に控えるXの手に握られるXカリバーが黒く輝き、幾つもの分身を生み出し、向かってくる触手の全てを切り裂く。
「マクシウムカリバー!!」
マックスの力を宿した影の刃は、マガタノオロチの攻撃を防ぎきるだけでなく、お返しと言わんばかりに降り注ぐ。
それは体表を斬りつけ、再生を追い越す勢いで傷口を広げていく。
あまりの攻撃に怯んだか、マガタノオロチは一瞬後退する。
「畳みかける!!」
「行きますッ!!」
シールドを解除したリブットと、カリバーを2本構えたXが突っ込んでいく。
Xが顎をかち上げる形で牽制し、リブットが蹴りやロッドの突きで的確にダメージを与えていく。
先程まで猛威を振るっていたマガタノオロチの勢いはどこへやら、形勢は一気に逆転していた。
「うォォォッ!!」
裂帛した気合と共に振り下ろされる刃が、突きあげられる槍が、マガタノオロチの体を捉えて大きくダメージを与えた。
「流石だ……!」
「グレート……!いけるか……!?」
「あぁ、彼等だけを戦わせない……っ!!」
それを見て、グレートとパワードは自分達も負けては居られないと力を込める。
後輩が命を賭けて戦っているのを、指を咥えて見ていることなど彼等には出来なかった。
「私達も、やるぞ……!!」
「勿論だ……!!」
故に彼らは立ち上がる、後輩のために、そして確実に勝つために。
震える膝に鞭打って、グレートとパワードは立ち上がり、構えを取る。
それぞれに必殺の光線を放つために、チャージを開始する。
「行くぞ……!バーニングプラズマッ!!」
「メガスペシウム光線ッ!!」
強烈な光弾と光線がマガタノオロチへ殺到し、着弾する。
その凄まじいダメージに、マガタノオロチは絶叫を上げ遂にその足を止めた。
「「今だッ……!!」」
「「はいっ……!!」」
今こそトドメを刺す時だと叫ぶグレートとパワードに、リブットとXは己が力を解放する。
ここで終わらせる、ただその意志を以て。
「ASTRAY!オールセレクト!!」
XはXカリバーの刀身に手を這わせ、その力を解放する。
7つの光はその強烈な煌めきを力とし、光の渦が刀身を包みこんだ。
「私は護りたい……!仲間を、この星を、命を育むすべてのものを!!」
リブットの想いに呼応し、光の槍は更に光を集め、強烈な輝きを放つ。
その力、その光、全ての悪を貫き救世を為す。
槍投げの要領で、リブットはスプレッダーロッドを投擲する。
それは光の速さで突き進み、敵を粉砕せんとする。
「アストレイカリバーストームッ!!」
それに追随するように、凄まじい光の渦がXカリバーから放たれる。
光の渦はスプレッダーロッドに追いつき、絡み合うようにして1つの光線の様に混ざり合った。
その渦は、硬直していたマガタノオロチに殺到し、回避する暇も与えずに直撃する。
既に付けていた傷口を更に押し広げ、内部へと更にダメージを与えていく。
だがそれでも大魔王獣としての地力が、すぐにヤラレる事を赦さない。
まだ喰らおうと、生きようと、マガタノオロチは一歩、また一歩とリブットとXへと向かってくる。
まさに一進一退、少しでも気を抜けば、次の瞬間には喰らわれているであろう事が察せられた。
しかし、彼等は決して諦めないし、負ける気もなかった。
「「いけぇぇぇぇぇぇっ!!!」」
Xは自分の中に在る光を更に引き出し、リブットは必殺の光線をL字に組んだ腕から放つ。
足りないならば、足りるまで絞り出せばいい。
力技と言われようとも、それで押し切るのだと。
限界を超えた力を引き出し、2人は目の前の災厄へと叩き付ける。
激しい光の明滅が起き、空洞内を照らし出す。
無限に続くかと思われたその攻防に、遂に終わりの時が訪れた。
マガタノオロチの体に巻き付いていた触手が剥がれ落ち、皮膚が焼かれ肉が千切れ消滅していく。
遂に、その耐久力の限界を超えたのだ。
災厄の大魔王獣はまるで風に吹かれ散っていく砂の様に崩れて行き、光の渦の中で跡形もなく消し飛ばされた。
光が晴れた時に在ったのはただ静寂のみ、それは何よりの勝利の凱歌だった。
「や、やった……?」
「やった……!やりましたよ!」
安堵と限界を超えた疲労からか、膝から崩れ落ちそうになるリブットを支えながらも、Xは勝利を実感し歓声を上げる。
自分達が掴み取った勝利を、心の底から喜んでいる様だった。
「よくやった二人とも……!」
「勲章モノだぞこれは……!」
ダメージに疼く身体を抑えながらも、グレートとパワードが2人の下に歩いてくる。
勝利への喜びもさることながら、Xとリブットが生きて戦果を挙げた事の方が、何よりも喜ばしいのだろう。
「お2人とも、よくご無事で……!」
互いの無事を喜び、彼等は安堵のため息を漏らした。
一先ず、この戦いを勝ち抜くことは出来た。
だが、それでも懸念がない筈も無い。
「しかし、マガタノオロチをなぜ……。」
なぜ封印されていたマガタノオロチを復活させたのか。
暗躍する金色の戦士たちの目的とは一体何なのか。
手がかりの一つすら得られない状況で、彼等はこれから先に訪れる、新たなる波乱の予兆を感じ取っていた。
「また、戦いが始まる、か……。」
小さく、本当に誰にも聞こえない程度に漏らしたXの言葉は、静寂の中にただ溶けていくだけであった……。
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惑星カワイア
大いなる闇と、新たなる究極の光の激突は未だ続いていた。
大いなる闇、邪神ガタノゾーアの触手による猛攻を、究極の光、ギンガビクトリーは僅かに身体を逸らし、身を屈める事で全て回避していく。
先程までの荒れ狂う嵐の様に苛烈な攻勢も、今の彼等の前ではそよ風の中を散歩する程度にも等しい様子であった。
「「うォォォッ!!」」
腕に絡みつこうとする触手を逆に掴み、まるで雑草でも引き抜くかのように引き千切る。
自身の体の一部が引き千切られた事に激高したか、ガタノゾーアはスフィアの能力である光弾をからの各所から撃ち出し、ギンガビクトリーをハチの巣にせんと目論む。
それは空を覆い尽くさんばかりの物量を以て、ギンガビクトリーへと迫っていく。
その光景に、ネオスとセブン21は息を呑むことしか出来なかった。
空を覆い尽くしてしまう程の物量攻撃を捌くことは、自分達にも出来ないと。
だが……。
「「ウルトラマンダイナの力よ!!」」
簡単にはやらせんと、右腕に装着されたブレスがダイナの力を指し示す。
「「フラッシュサイクラー!!」」
胸の下で折りたたまれた腕にエネルギーが収束、一気に広げられた際に光の刃が撃ち出され、向かってきていた光弾の全てを撃ち落とす。
攻撃の全てを落とされたからか、ガタノゾーアは驚愕と怒りに吼える事しか出来ない様子だ。
しかし、反撃はここからだ。
今まで散々やられた借りは返してやると、2人は更に力を指し示す。
「「ウルトラマンメビウスの力よ!!」」
彼等の胸の前で炎が舞う。
それは収束し、全てを焼き払う火炎弾となる。
直感的に受けてはならないと直感したか、ガタノゾーアは幾重もの触手を編み上げ、防壁を作った。
それは先程の、ネオスとセブン21の必殺光線をかき消したモノと同じ。
少しでも威力を軽減しようと言う目論見の化身だった。
だが、そんなもの、今のギンガビクトリーにはまるで関係無かった。
防ごうとしている?防げると思っている?
上等なことだ、ならば、自分達はその上から粉砕するまでだと。
「「メビュームバースト!!」」
撃ち出された火炎弾は空間を、水面を焼きながらも進み、防御のために編まれた触手の壁にぶち当たる。
刹那、強烈な炎が更に猛り、幾重もの触手を焼く。
焼かれても焼かれても、触手はなおも集まり、その炎を防ぎきらんとしていた。
しかし、その壁の抵抗も虚しく、火炎弾はそれさえも焼き尽くし突破、ガタノゾーア本体へ直撃、その外殻を焼く。
痛みか怒りか、ガタノゾーアの絶叫にも似た咆哮が響き渡る。
それは、今まで以上のダメージが通った証左に他ならない。
あまりにも強烈な熱に焼かれた外殻は溶けてしまったかのように抉れ、スフィアの力で再生しようにも、熱とダメージで思う様に再生できない様子であった。
そこに畳みかけんと、ギンガビクトリーは跳躍し、一気にガタノゾーアへと迫る。
身体を高エネルギー転換し、光に包まれて吶喊する技、ギンガビクトリーブレイカーだ。
やらせはせんと、ガタノゾーアは残った2つの爪で対抗しようとする。
エネルギー体と一対の爪が激突し、辺りに閃光が迸る。
一進一退の攻防の末、再生が追い付かなくなった爪が吶喊を赦し砕け散る。
一気に突き進んだそれは、大ダメージから漸く再生しようとしていた外殻へとぶち当たり、一気に吶喊する。
背後まで一気にぶち抜き、ギンガビクトリーは激しい水飛沫をあげながらも着水、ガタノゾーアへトドメを刺さんと振り向きながらも構えを取る。
「行け!ギンガ!」
「勝利を掴め、ビクトリー!!」
「「はいっ!!」」
ネオスとセブン21の声を受け、ギンガビクトリーは勝利を掴むためにその力を解放する。
「「絆の力を、今ここに!!」」
ブレスに宿る、今までに絆を紡いだ全てのウルトラマンの力を呼び起こす。
彼等に連なるウルトラマン達の幻影が、ギンガビクトリーに重なる度にその輝きは強く大きくなっていく。
嘗てエタルガーを倒した力、その技が今、発動する。
「「オールオーバーエスペシャリー!!」」
L字に組まれた腕から、凄まじい光の奔流が放たれる。
それは闇を切り裂き、ガタノゾーアにぶち当たる。
吶喊し、外殻に穿たれた風穴から、その光は内部を犯し破壊していく。
あまりにも強烈な威力に、ガタノゾーアは苦悶の声にも似た絶叫を上げる。
内部からのダメージに、外殻のいたるところに亀裂が入り、血飛沫を巻き上げる。
それでも、照射が終わっても尚、ガタノゾーアは浮かんでいる。
殺しきれなかったか。
ダメージが、最後の一押しが足りなかったかと。
ネオスとセブン21が動こうとするより先に、ギンガビクトリーが動く。
左腕のブレスが強烈な輝きを放ち、最強のウルトラマンを選び示す。
「「ウルトラマンティガの力よ!!」」
ティガの姿がギンガビクトリーと重なり、その光を使えと叫んでいた。
両腕を頭上でクロスさせ、半円を描く様に腕を広げて光をチャージする、その最後の大技は……。
「「タイマーフラッシュスペシャルッ!!」」
カラータイマーから強烈な光が放たれ、ガタノゾーアを包み込む。
闇を消し去る大いなる光、最強の技が惑星カワイアを包む闇をすべて消し飛ばすのだ。
光の中で、ガタノゾーアは形を失い崩れていき、その肉体を構成していたスフィアもろとも、跡形もなく消し飛ばした。
残されたのは、静かな海の凪の音と、優しく彼等を照らす太陽の暖かな光だけ。
それは、彼等が闇の侵攻を退けた証に他ならなかった。
敵がいなくなった事を認め、ギンガビクトリーは合体を解除、ギンガとビクトリーの姿へと戻る。
「やったな。」
「そうだね、あたし達の勝ちだ。」
勝利を讃え合う様に、2人は拳をぶつけ合った。
「やったな2人とも!」
「素晴らしい戦果だ……!これは勲章モノだな。」
2人の勝利を喜び、ネオスとセブン21はダメージを堪えながらも彼等に駆け寄っていた。
戦友の弟子達が、自分達が成し得なかった戦果を挙げた事と、無事に帰ってきた事が何よりも喜ばしかったのだ。
「お2人とも、ご無事で……!」
2人の姿を認め、ビクトリーは安堵の笑みを浮かべながらも無事を喜ぶ。
自分達を信じ、護ってくれた先達に感謝しかない、ギンガ共々、感謝しかなかったのだ。
「あぁ、しかし、何故ガタノゾーアが蘇った……?」
「ガタノゾーア……、先生が倒した闇……、それが何で……?」
ネオスの言葉に、ギンガは何故その闇が蘇ったか、その理由を探る様に尋ねる。
嘗て滅び去った闇、完全に消し去られたと考えられていたものが、何故復活したのか。
その背後に、それらを結び付けた何かがいると、感じてならなかったのだ。
「これは、波乱が起きそうだな……。」
遠くを見詰める目で、セブン21は波乱を予感していた。
それが、宇宙に起こりうる戦乱か、彼等を襲う新たな試練か。
正体を感じ取る事も出来ない、漠然とした不安を強く、強く感じながらも……。
次回予告
光の国に戻った戦士達、迫る影に対抗し、戦力を整える為に動き出す。
その影で、彼らもまた動き始めていた。
次回ウルトラマンNewGenerationHero'sSaga
第11話 光を探しに
お楽しみに