ウルトラマンNewGenerationHero'sSaga   作:ichika

5 / 33
光の戦士たち

 

「こっちだ、彼等には時間を作って貰っている。」

 

光の国、コロセウムへと続く通路をタロウの案内で進んでいく。

 

会って欲しい者達がいると聞いてはいたが、彼等にも会えるものなのかと、ギンガ達の足は期待に逸った。

 

それもその筈だ、師とは違えど力を貸し与えてくれた先達、彼等の人格に触れた事が無いからこそ、会って話をしてみたいと、何度願った事か。

 

それが叶おうとしているのだ、興奮も大きくなると言うものだ。

 

そうしている内に目的の場所に着いたのだろう、巨大な扉の前に彼等は立っていた。

 

「さぁ、この先で待っている、開けるぞ。」

 

「はい、お願いします。」

 

タロウの言葉に、ギンガは躊躇うことなく頷く。

 

逸る気持ちを抑え、扉が開くのをジッと待った。

 

扉が開かれ、足を踏み入れた彼等が見た光景は、想像すら出来ないものだった。

 

幾つもの足場が浮遊し、そこで修練に励むウルトラマン達の姿、光線を当てる者もいれば、白兵戦を行う者、多種多様な研鑽を行っていた。

 

「すごい……!ウルトラマンがあんなに……!」

 

その光景に、ビクトリーは感激したように呟いた。

これまで様々な戦士と戦線を共にしたことはあった、だが、一度に会する数はそこまで多くはない。

何十、いや、百を越えよう戦士達の姿に圧倒されているのだ。

 

「彼等はまだ候補生、及び新人といえる立ち位置の戦士達だ、このコロセウムは修練場を兼ねていてな、彼等にとっては体の良い場所だ。」

 

「体の良いって……。」

 

場所が良いとは言わないのかと突っ込みたくなるXだが、タロウも思うところはあるのだろうと察し、追求を止めた。

 

「見たところ重力や環境も弄れそうな感じですね、これは確かに、修行にはちょうど良いかもしれないな……。」

 

タロウが言い澱んでいることに気付きながらも、ギンガはコロセウム内で使えそうな設備に気を向けていた。

 

師達がこの星で何か因縁があったとしても、自分達の鍛錬には関わりのない事だ。

それ故に、ここで鍛える事が出来ると言うのならば、それ以外は二の次だと割り切っているのだろう。

 

「後で使うと良い、君達にも更なる経験が必要だからな、さて、あそこで待っているぞ。」

 

「「「……っ!!」」」

 

タロウの指し示す先に、4人の戦士の姿があった。

 

その姿を、彼等はよく知っていた。

かつての動乱で力を貸してくれた、光の国の戦士達、しっかりと対面するコトは初めてだとしても、忘れようが無かった。

 

「よう!ついに来たんだな、ギンガ!」

 

「ウルトラマンネオス……!」

 

気さくに話し掛けてきた銀色の巨人、ウルトラマンネオス。

勇士指令部所属のエリート戦士。

 

「ビクトリーも、よく来てくれたな。」

 

「ウルトラセブン21……!」

 

歓迎の意思を示す赤き巨人、ウルトラセブン21。

宇宙保安庁所属の燃える正義漢。

 

「エックスも、立派に成ったな。」

 

「歓迎するぞ、3人とも。」

 

「ウルトラマングレート!パワード!」

 

エックスの肩に手を起き、成長を喜ぶ戦士、ウルトラマングレート、ウルトラマンパワード。

遠い地で戦った、愛深き戦士達だ。

 

彼等は皆、タロウともう1人のウルトラマンと共にギンガに力を与えた者達だ。

特にギンガにとっては、師以外で力を貸してくれたウルトラマンの中でも、新たな姿を手に入れるキッカケを手に入れる一助をくれた彼等に対する思いは一入だったにちがいない。

 

「お会いできて嬉しいです……!それと、改めて力を貸してくれてありがとうございました!」

 

「気にすることはない、君達は一夏達の弟子で、私達を解放するために戦ってくれたんだ。」

 

「よくあのダーク・ルギエルを倒してくれた、改めて、ありがとう。」

 

「そんな……!皆さんの助力あればこそでした……!」

 

かの激戦を思い返し、ギンガはそのどれもが過酷であった事を思い返す。

その中で力を貸してくれたと言う事実は、何よりも誇らしく、それ以上に得難いものだったのだから。

 

「ここに来て貰ったのは、一夏からの頼みというのも勿論あるんだが、本当は我々が君達に会いたかったのだ。」

 

「彼等が見初め鍛え、そして苦難を乗り越えたお前達の力、興味ねぇ訳無いだろ?」

 

セブン21とネオスが、心から会いたかったのだと。

そして、その力を知りたかったのだと。

 

それは、ギンガ達にとっても渡りに船と言うべき申し出だった。

力を持った戦士からの手解きほど、自身の力を高める事に繋がるコトはない、思惑が何処にあろうと、断る道理など無かった。

 

「ASTRAYからは加減しなくて言いと言われているが、どうかな?」

 

実力を測りたいと言う意思を見せ、グレートは誘うように尋ねる。

しかも手加減抜き、ウルトラマンとして本気でやり合うと宣言してのコトだった。

 

「やらせてください!俺達、そのために来たんですから!」

 

戦う、と言うよりは稽古だと感じているのだろう、ギンガは表情を輝かせながらもその申し出を受けた。

 

これまでやってきた様に、力を高めるためならば断る道理などありはしないと。

 

「では、場所を指定させて貰おう、あのステージに飛び移ってくれ。」

 

パワードの指し示す方向には、浮遊する台座の様な足場があり、ウルトラマンが2人載ってもある程度動ける程度の広さがあると分かる。

 

つまりは、訓練生達と同じ様な場所で戦うぞと、暗に示したのだ。

それは、ある意味で注目されかねない状態を作る事に等しい行動だった。

 

だが、構うものかと3人は思う。

誰かに品定めされるように見られながら戦うのは何も初めてではない。

 

それに、そんな周りの目など10年以上前に克服した。

でなければ、喫茶兼バーのマスターなどやれる筈もないのだから。

 

「じゃあ俺から行きます、お相手、頼みます!」

 

「OK!なら俺が相手だ。」

 

ギンガの相手はネオスが名乗りを挙げる。

小手調べも兼ねて、友が鍛えた若き力を測るために。

 

ギンガとネオスは同時に跳躍し、近くまで来ていた足場に乗り移る。

 

「戦う前にルールを決めさせてもらうぜ、光線技は無し、どちらかが降参するまで戦う、で良いな?」

 

「勿論です、格闘戦のみですね。」

 

ストレッチの様に関節を慣らしながらも、ネオスは模擬戦におけるルールを定める。

殺し合いではないからこそのルール、それ以外は全て本気であると言う裏返しでもあった。

 

「さぁギンガ、お前の力、俺に見せてくれよ!」

 

「はい!全力で行きます!!」

 

両者構えを取り、火蓋が切って落とされた。

まず猛攻を仕掛けるのは八幡のギンガ、拳や肘を中心としたスタイルで、苛烈なラッシュを繰り出す。

その技は、10年以上の時と経験を経て更に鋭さを増しており、当たればそれなり以上のダメージを与える事は想像に固くない。

 

しかしネオスはそれを受け流し、ギンガの死角を取り続ける。

その動きは洗練され尽くしており、ギンガの猛攻の全ては虚しく空を切るばかりだった。

 

「中々良いパンチじゃないか!当たれば俺でもヤベェな!」

 

「くっ……!速い……!それに、巧い!!」

 

感嘆の声を漏らすネオスに、自身の攻撃が全て流されている事に、ギンガは驚愕の声をあげる。

確実に捉えるつもりの技の全てが躱される、それなりに自信もある攻撃が受け止められすらしない事は、彼を焦らせるには充分すぎた。

 

「どうした?力んでるぜ?」

 

焦りから僅かに力んだ拳を受け止めつつ、ネオスは合気道の要領でギンガを軽く地に倒してしまう。

 

「くぅっ……!すげぇ……!!」

 

1分の緩みも無い技のキレに、仰向けに倒れながらも八幡は感嘆の声をあげる。

格上に稽古を着けて貰うのは久々とはいえ、こうも一方的にやられるなど、師である一夏との組み手以来なのだから。

 

だが、勝ち負けとは別に、意地を通したいのも事実、故に、足掻くのだ。

 

「でも、まだこれからですっ!!」

 

ネオスの腕を振り払って跳ね起きながらも、今度は全身をバネの様に使い、跳ねる様な攻撃を繰り出す。

蹴りも拳も、先ほどの様な速さと威力重視ではない、全身を大きく使う、ダイナミックさ重視のスタイルだ。

 

「うぉっ!?それリーカの動き……!?」

 

見覚えがあったか、ネオスは驚きながらも先程と同じように捌こうと動く。

 

八幡の動きは、修行時代に師の1人であるリーカ、ウルトラマンメビウスがよく使っていた動きをトレースしたものだった。

何度も喰らわされたその技の動きと威力、そして理屈までも身体に刻まれている。

 

ならば、自分のスタイルに上乗せすることもやってのけねばと言うものだ、意表を突く程度でも良い、クリーンヒットを狙うならば何でも使うと。

 

だがしかし、ネオスも最初は驚いたものの、それでも変わらずに対応し続ける。

戦を幾度も共に駆け抜けた友の技の全てを、彼は覚えている。

 

その鋭さも、強さも、彼等が彼等故に編み出した技に、ネオス含め多くのウルトラマンが魅せられたのだ。

 

だからこそ、完熟には遠い戦士の繰り出す技は、懐かしさを覚えるも、それでも対処に困る物ではない。

 

身体を空中で大きく捻りながらも繰り出される蹴りを、ネオスは身を屈めつつギンガの背後を取るように滑り込み、ハイキックをその背目掛けて叩き込んだ。

 

「ぐぅっ……!?」

 

「リーカの技を使ってくるとは驚いたが、その技はお前達より多く見てるんだぜ!」

 

蹴りあげたギンガの頭上を取るように飛び上がり、急降下の勢いを乗せた膝蹴りを見舞った。

 

それはギンガを捉え、一気に地へと叩き付け……。

 

「へぇ?」

 

感心したように、ネオスは笑みを浮かべる。

背中から叩き付けられたギンガの腹には、ネオス自身の膝蹴りが突き刺さっているものだと思われた。

 

だけど、ギンガは間一髪、自身の左腕を翳して防ぎ、右腕で貫手を作ってネオスのカラータイマー付近に突き立てんとしていた。

 

降下の勢いがこれ以上着いていたのならば、それはネオスの胸部を貫いていたと思わせるほどだった。

 

「カウンターか!あとちょっとで俺ヤラれてたな?」

 

「痛っ……、咄嗟でしたから、ほとんど意味なしみたいなモンですよ。」

 

背中の痛みを堪えつつ、差し出されたネオスの手を取って立ち上がる。

せめて一撃と咄嗟の技とは言え、捨て身に過ぎたと反省しているのだろうか。

 

「いいや、実戦経験のあるヤツはやっぱ違うよ、相討ち、とは違うが何がなんでも勝つって執念があって良い。」

 

まだ微かに貫手の感触が残る左胸を擦りつつネオスは語る。

 

純粋なウルトラマンではないが故に、勝つために戦う彼等の強さを受け継いだ八幡の意志に、嘗て見た友の姿を重ねているのだ。

 

「それに、お前達はまだまだ強くなるぜ、これからしばらく相手になるぜ。」

 

だから、彼等が辿り着く先にいる者達に届くよう、少しは手助けしたいと言うのが人情と言うものだ。

 

それに、彼等の弟子が彼等を越える瞬間を見られるというのであれば、それはそれで一興というもの。

その一助が自分達と言うなれば顔向けも出来る。

 

とまぁ、そんな打算的な事も考えつつも、結局楽しんでいる事も事実。

それを表に出さないだけ、腹の中で考えるに留めておくと言うわけだ。

 

「はい!もう一戦お願いします!」

 

「おう!何度でも来い!」

 

再戦を申し込むギンガに答えつつ、ネオスもまた構えを取る。

 

小難しい事はまた何時か。

今は若い力を伸ばしてやる事が優先だと……。




次回予告
ギンガとネオスの模擬戦を受けて、ビクトリーもまた己が闘志をていた。

次回ウルトラマンNewGenerationHero'sSaga
第5話 師と友と

お楽しみに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。