東方狂気録   作:朱月 律架

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注意
今回は、異変のお話ですが、異変には殆ど触れません。
もし、異変解決を読みたい方はお知らせくだされば、番外編として出します。


第九話 君がいないと~フラン目線~

私は、館の窓から外を眺めていた。

私の頭には本来有るべきでは無いものがあった。

,,,ウサギの耳。

 

_遡ること五日。

突然、私達館の住人に獣耳が生え、弱体化した。

天狗の新聞によれば館だけでなく幻想郷各地で同じような現象がおこっているらしい。

 

そんな中、異変の影響を受けなかった者達が居るようだった。

それは、力の強い妖獣達。

その中には、半分が妖狐である葎佳も含まれていた。

 

葎佳は慌てて異変解決へ向かった。

 

_すぐに解決して戻って参りますから、安心して待っていてくださいね。_

そう言い残して,,,。

 

それからもう五日も経っている。

でも、葎佳は、まだ帰ってこない。

その間、私の身の回りの世話は美鈴がやってくれている。

 

「妹様、そろそろ夜が明けます。お部屋でお休みにならないとお体に障りますよ。」

「わかったわ。」

 

美鈴と共に地下室へ向かう。

ベットに入ってから美鈴に問いかける。

 

「葎佳,,,遅いけれど大丈夫かしら。」

「きっと大丈夫ですよ。あれでもあの子はかなり強いですから。それに,,,,,きっと、もうすぐ。」

 

そう言ってから美鈴は部屋を出ていった。

最後の「もうすぐ」 という言葉が妙に引っ掛かる。

いつもなら隣に葎佳がいて、お互いの体温が伝わってくるはずのベットの中で,,,今日は,,,いや、今日も独り。今までだって、独りのことはあった筈なのに、なんだかとても寂しく感じる。ふと、葎佳がいつも言っていた言葉を思い出した。

 

_いいですか。主従関係のなかで「主」は「従」が傍にいなくても自由に動くこも存在することを出来ますが、「従」は「主」がいなくてはなにも出来ないんです。これを忘れないでくださいね。_

 

この言葉は、間違っている。

今になって、そう思った。

あぁ,,,情けない,,,使用人が一人、いないだけじゃないか。

そんなこと、今までもあった筈なのに、どうしてここまで寂しいんだろう。

そんなことを考えていたら扉が開く音がした。

そちらを向くと、そこには、服はボロボロになり身体中血まみれの葎佳がいた。

彼女からは、なんとも言えないような、強烈な死臭が漂っていた。

これ程までに「死」というものに近い姿を見たのは、生まれてはじめてだった。

 

「すみません。起こしてしまいましたか?着替えを忘れてしまって,,,着替えたらまたすぐに解決に向かいますから。」

 

そう言って彼女は優しく微笑んで、自室へ入っていった。

もう一度、あんなにも死に近づけば、彼女は生きて帰ってくるか分からない。

彼女を無くしたくはない,,,

でも、彼女は止めたって聞かないだろう。

それも判っている。

 

いま、私に出来るのは、葎佳を信じて待つことだけだ。

 

_それから、三日の時が過ぎた。

あれから葎佳は、すぐにまた出ていった。

美鈴の言っていた言葉は、あのとき葎佳が着替えにくることを意味していたのだろうか。

本人に聞いても、途中ではぐらかされてしまって真相はわからないままだ。

「妹様。」

 

美鈴が起こしにきた。

その姿は、昨日までとは違っていた。

 

(獣耳が,,,消えてる?)

 

慌てて自分の頭に手をやった。

やはり、ウサギの耳は消えていた。

異変が解決したのだ。

美鈴が部屋を出ていったあとすぐに、再び扉が開いた。

そこには、葎佳がいた。

三日前ほど強烈な死臭はしなかったけれど、やはり少なからず死臭が漂い、身体中血まみれでやっとのことで立っているようだった。

 

「ただいま戻りました。」

 

弱々しくそう言った彼女の姿を見て何故だか涙が溢れて止まらなくなった。

それを見て、葎佳はふらふらと近づいてきた。

私の所まできてまるで安心したように倒れそうになった。

慌てて抱き止めた私に何か言おうとして、そのまま力尽きたように眠ってしまった。

 

「やっぱり私は、葎佳がいないと何にもできないよ。

だから,,,もう、私の傍からいなくならないで。」

 

眠っている葎佳にそっと呟いた。

勿論、本人には、聞こえていないだろう。




はい。
ここまでです。
どうでしたかね?
一応、狂気録は、ここまでです一段落。
今度上げるなら、第二期ですかね?
どちらにしても暫くはお休みになります。
良ければ感想をください。。
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