ショタ化したトレーナーに庇護欲が湧くドリームジャーニー 作:のるどすとりーむ
原作:ウマ娘プリティーダービー
タグ:ウマ娘 ウマ娘プリティーダービー ウマ娘プリティーダービー ウマ娘 ウマ娘 ウマ娘プリティーダービー
トレセン学園には、そこら中に危険が潜んでいる。
例えば、タキオンの研究室から謎の薬品が漏れ出していることもある。
そう、今の状況のように。
「えーと」
トレーナーは頭を抱える。逆に言えば頭を抱えることしかできない。
校舎内を歩いていたら、唐突に意識を失い、気づいたら身体が縮んでいたのだ。
そう、身体が縮んでいたのだ。
近くの窓に、わずかながら反射している自分の姿を見る。おそらく小学生くらいの頃に若返っている。
どうするものかと、ぶかぶかになってしまった服をもて遊びながら考えていると、
「ゲホッゲホッ……」
近くの空き部屋のドアが開けられ、煙と共に誰かが出てきた。
袖から手が出ないほど大きい白衣、知性の象徴と自称している吸い寄せられるような独特な瞳──「あの」アグネスタキオンであった。
「いやあ、まさか体細胞の老化を逆転させる薬がこのような作用を及ぼすとは……実に興味深い!やはり、ザリガニの粉末の量を増やして今一度見てみるべきか……いや、ここはトゲアリトゲナシトゲトゲの成分を微増して……おやあ?」
ふと、目があった。
「えっと……は、ハロー?」
「(すごく悪い表情)」
「あっ」
──
「やあやあやあ」
海外遠征支援委員会の部屋の扉が思いっきり開けられる。
「どちら様……おや、タキオンさんでしたか」
「やあやあやあ、君ならここにいると思ってたよ。……実は君に興味深い話を持ってきてね」
「と、言いますのは?」
「これだよ」
「えっと……」
タキオンから降ろされて、ドリームジャーニーの眼の前にトレーナーが現れる。
身長はジャーニーのほうが僅かに大きいという形になっていて、はたからみれば、近い年齢の二人が対面しているように見えるが、片方は高校生であり、片方は成人した大人(だったもの)である。
「……なるほど」
「おっと、何が言いたいのかは分かるよ。もちろん彼は一時的に若返っているだけだ。しばらくすれば元に戻るだろうよ」
「……そうでしたか、危うく私が【間違い】を犯すところでした」
「あ、アハハ……じゃあ私はこれで!貴重なデータありがとう!」
そそくさと去っていたタキオンを横目に、ジャーニーは近くのソファに腰掛ける。
「トレーナーさん、で大丈夫なのですね?」
「ああ、記憶はそのままだ。取り敢えず、変な誤解が起きないようにここで避難させてくれ」
「勿論ですよ。ほら、こちらにどうぞ」
ジャーニーは自分の隣のところを、ポンポンと軽く叩く。
「じゃあ、失礼します」
誘導された通りに、トレーナーはジャーニーの隣に座る。
「……」
ジャーニーはジッ……とトレーナーを見つめる
「えっと……なにか?」
「いえ、トレーナーさんの昔の姿はこのような感じだったのかと、少し感動していただけです」
「そ、そうか……」
──別視点──
支援委員会の教室の廊下前、こっそりと部屋の中の様子を伺っているウマ娘がひとりいる。
「まさか……姉上とあの男の……?」
王の風格をまとっている彼女──オルフェーヴルは、とても悶々としている。
彼女は「ドリームジャーニー、姉上、トレーナー似の子供、親しげ」という単語からとてつもない妄想を繰り広げている。
「こ……こど……いやいや、流石に……でも姉上のことなら……」
ブツブツ独り言を言う。
「姉上……」
いろいろな感情が入り混じった彼女は、その場を後にするしかなかった。
──
「そういえば、君の幼少期はどんな感じの子供だったんだ?」
ジャーニーとトレーナーは幼少期について談笑している。
「そうですね……母からは『大人しいけど、何か凄みのようなものを感じる』と言われたことはありますね」
(それは今もなんじゃ……)
トレーナーは心の中でそう考えた。
「そうなのか、昔から姉妹仲は良かったのか?」
「ええ、可愛い妹のためなら、というのが原動力で、オルはそれを受け入れてくれてましたね。親からは少し心配されていましたが」
(それは今もなんじゃ……)
トレーナーは心の中でそう考えた。
「そうなのか…………なんかゴメンね、家族のこと根掘り葉掘り聞いちゃって」
「いえいえ、大丈夫ですよ。それより何か飲みませんか?」
ジャーニーはソファを離れて給湯器の前に立つ
「え?ああ、じゃあコーヒーをお願いしようかな」
「分かりました。部屋の温度は快適ですか?」
「え?う、うん。大丈夫だよ」
(あれ?なんか見たことあるやり取りのような?というかすごい過保護な気が……)
「……そういえば、いつまでもその、ぶかぶかな格好でいるわけにはいきませんよね、何か古着でも……」
「いや、大丈夫、大丈夫だから」
明らかに先ほどと様子が違うジャーニー。
トレーナーは少し不審に思った。
──
「はい、コーヒーです」
トレーナーは、ジャーニーからマグカップを受けと……らなかった
「ありがと……お?」
「ふー……ふー……」
ジャーニーが、マグカップのコーヒーをスプーンで掬って、そしてふーふーをして冷ましている
「はい、あーん」
そしてスプーンをトレーナーの口に持っていく。
「あーん……じゃなくて」
トレーナーはそれを口に入れよう、とはせずに突っ込む。
「どうかされましたか?」
「いや、なんかさっきから様子がおかしくない?確かに身長とか縮んでいるけど、それくらいはできるから大丈夫だよ?」
「いえ、もしものためです」
「いやいや、大丈夫だから」
「……正直じゃないですね。こうなったら少し強制的に……」
「やめっ、こら、ちょっと、力で負け、るって」
誰かが言っていた、「人がウマ娘に勝てるわけがない」という言葉がトレーナーの脳裏をよぎる。
「大丈夫ですよ、トレーナーさん」
「ちょ……」
トレーナーはソファに倒れ込み、ジャーニーはその上をとる形になった。
幻想的な彼女の瞳がギラリと光る。
「大丈夫です」
ジャーニーは、ぐっと、トレーナーに顔を近づけて、少し低めの声でこう云う。
「極上の旅を、保証しますから」