ひろがるスカイ!プリキュア〜救けて勝つヒーロー〜 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!
「ぐぅ!!」
これまでのランボーグより力が強い!!それに、少しでも気を抜くと『黒鞭』が解ける!気を抜くな……"
「なんなのねんその黒いものは!?」
「これ以上、みんなに手を出すなァ!!!」
「ランボーグ!?」
『黒鞭』でランボーグを引っ張り、そのまま人のいない後方の道路に叩きつけた。
「出久さん!」
「デクくん!」
振り返ればスカイとプリズムが……って!?
「エルちゃん!? え!? なんで浮いて…!?」
「や、やっぱり驚いちゃうよね~……」
エルちゃんの力?いや、それともベビースリングに搭載されていた何かしらの原動力か?そう思っていたら、衝撃音と揺れが来てすぐに振り返った。
「ぐぬぬ! 許さないのねん脇役!!」
「それはこっちも同じことだ! これ以上みんなに手も、街への被害も出させない!!」
ランボーグは『黒鞭』を解こうと力んでいるが、僕もそうさせない為にも出力を上げる。
「というかデクくん何それ!? 今までそれ無かったよね!?」
「話はあとで! 今はカバトンたちを倒すことを最優先に!! 僕が抑えるから、2人で攻撃を…——」
「いえ、2人はエルちゃんを……私が1人で戦います!」
「ッ!?」
何を言って……今のランボーグは今までのやつとはわけが…!!
「ランボーグッ!!」
「ッ! うわっ!?」
「出久さん!!」
まずい!今の一瞬で『黒鞭』への意識が途切れた!その隙を狙われて僕は離れた位置にあるビルに叩きつけられた。
同時に【フルカウル】と『黒鞭』も解けてしまった。
「クッソ……!」
AMOとの戦いのダメージもあって身体が……!!さっきの所を見れば、3人は急いで離れようと逃げている。動け…動けよ出久!!お前は仲間がピンチの時に動けない木偶の棒じゃないだろ!!!
「建物の位置、スカイたちとランボーグの立ち位置にここからの距離……」
身体を力み、【フルカウル】を纏うと同時に両手から『黒鞭』をゆっくりと漏らす。
遠心力を利用した移動……瀬呂くんに心操くん……そして相澤先生!
「移動方法、参考にさせてもらいます!!」
一気に飛び上がり、同時に片方の手から『黒鞭』を伸ばし、ビルを掴んで、一気に遠心力を利用し移動!!前に行って片手が後方に行ったら瞬時にもう片方を前方に伸ばして、一気に移動する!!
「スカイ…ソラさん…!!」
あの時「1人で戦う」と言った時の、あの時の君の顔は……いや、ずっと前から君の顔は……!!!
「ッ! まずい…! エルちゃん!!」
ランボーグが重なってよく見えていなかったが、スカイとプリズムが倒れており、エルちゃんだけがランボーグの目の前にいた。
ッ!プリズムが動いた!ならこっちはそれに合わせて……!!!
——◆——
エルに手を伸ばすランボーグ。それを防ごうとプリズムは飛び出した。
同時にスカイの脳裏には何度も見てはうなされて来た悪夢が映った。
「ダメェー!!!」
スカイは悲鳴にも近い静止の叫びをしながら手を伸ばす。だがその最悪とは違い、プリズムは両手から光弾を生み出しランボーグ目掛けて飛ばす。
ランボーグはそれを弾き返そうと腕を伸ばすも、その腕は背後から伸びて来た『黒鞭』が拘束してきたことで止められた。
「ランボッ!?」
「今だプリズム!!」
「きらめけッ!」
デクが『黒鞭』を使ってランボーグの両手を抑えているため、プリズムの放った光弾による閃光をもろに受け、視界が悪くなってしまった。
「目がチカチカする~…!」
「ランボ~…!」
その隙を見逃さず、デクは『黒鞭』をそのまま使用し、ランボーグとカバトンを既に半壊しているビルに、被害を抑えるためにも叩きつけた。
そして『黒鞭』を解きながらビルに着地した。
「ダメだ…友達以外の言い方、見つからないや」
プリズムはエルを抱き、頭を投げながら先の話の続きをした。デクも空気を察してか黙っている。
「パートナーとか相棒とか、そうじゃなくて…あなたは私の友達」
「…」
「あなたが心配だよ、助けたいよ……それって一緒に戦う理由にならないかな?」
「でも……」
プリズムはスカイに手を伸ばす。
だがスカイは膝をついたまま、地に着いている手を握った。
「スカイ……いや、ソラさん」
「ッ!」
すると出久は目の前まで移動し、目線を同じ高さにするために片膝を着いてしゃがんだ。
「僕はソラさんのことを聞いたわけでも、全てを知ったわけでもないけど…何となくわかるよ。何もできない自分が嫌なのも、失うことで辛くなることも…僕はそういう人をたくさん見てきた。だから周りが信用できない人もいて、1人でやろうとした人もいた。でもそれだと、超えられない壁に必ずぶつかる。だけどヒーローだって人なんだ。人は、1人じゃ必ず限界が来る……それを仲間と、友達と手を取り合って行けば、超えれない壁も超えられるんだ」
「出久さん……」
「僕はたくさん無茶したせいで友達や家族に心配かけた。救けるどころか逆に心配させてしまった……今の君は、そんな頃の僕に似ている。無茶をして、ボロボロになっても皆を守ろうとする。そんな僕に……」
デクの、出久の脳裏には度重なる無茶によってボロボロになった己自身の身体。
それによって救けたはずの子にお礼と同時に心配の手紙をもらい、医者や教師、師匠に叱られ、親にも心配をかけまくった己の未熟だった。
そして己の継承した"個性"もまた、1人が力を培い、その力を1人へ譲渡する。
1人ではなく、世代を超えて託していった"
「だから無茶をしないでほしい。頼ってくれるならいつでも頼ってほしい。君は1人じゃないんだ」
「私は……」
「それに今の君は…いや、ずっと前から君の顔は…——」
「——救けを求める顔をしていた」
「ッ!?」
スカイは、否、ソラは驚愕した。
友達である2人がやられる悪夢を見て以降、全てを1人でやろうと無茶をし、顔に出さないようにしてた。同時に己自身も気づかないほどに無意識に、
そんなソラの状態を、出久はずっと感じていた。
救けを求めてるように感じていたのだ。
「余計なお世話だとしても、救けを求めてるなら、僕は手を伸ばして、笑顔で必ず救ける。それが僕のヒーロー像でもある。でも今は…——」
出久はソラに手を伸ばし、微笑んだ。
「——
「…~ッ!!!」
ソラは、スカイは涙目になりながらも出久の、デクの手を取り、デクは立ち上がると同時にスカイを引っ張り、立ち上がらせた。
プリズムもまた微笑み、2人に駆け寄った。
だが同時に、ランボーグとカバトンの方もようやく視界が戻ったのか、デクたちを睨んでいた。
——◆——
真ん中にスカイで左右に僕とプリズムが並ぶように立ち、カバトンとランボーグを睨んだ。
「……やりましょう。デク、プリズム!」
「ッ! やっとその名前で呼んでくれたね!」
「っあ…」
そう言えば、確かにスカイはプリズムのことをちゃんと名前で呼んでいなかった。
プリズムも嬉しそうにしていて、スカイは恥ずかしそうにしている。
するとエルちゃんが目の前に来て、両手の掌を伸ばすと「ぷいきゅあ」と叫びながら
「これは……」
「エルちゃんの新しい力…!」
だけど最後の1つの光は僕の方に飛んできたと思ったら、僕の周りを回るように飛んでから、腰のポーチ付きの赤いベルト、その1つのポーチの中に入っていった。確かこのポーチには……すると、ポーチ越しに白い光が漏れ出した。
でも、ここに入れてるのはアレだったはず……。
「おのれぇ…! マジで…マジでキレたァァアアアッ!!!」
カバトンの方を見れば、カバトンが乗っている電車のランボーグ、その額にある「特急」が「超特急」へと切り替わった。
「ランッ! ボーグゥゥ!!!」
ランボーグは全身を回転させながらこっちに向かってきた。それに対し僕は先に飛び出し、ランボーグの上に行ってから『黒鞭』を出して取り押さえた。
「んなっ!?」
「…ッ」
回転の勢いのせいで、そのまま巻き込まれるかもしれない。だけど、不思議と今の僕なら出力をさらに上げて戦うことができる気がする…!【フルカウル】の%を今までの常時8%から…15%に!!
「ほ、解けないだとぉ!?」
「ランボォ~!!」
ビルに着地してからより強くする。止まってる状態なら、一時的に30%に!!!
「今だスカイ! プリズム!!」
僕が叫べば、2人は『スカイミラージュ』と新たな『スカイストーン』を持ち、構えた。
スカイとプリズム、2人は『スカイストーン』を『スカイミラージュ』へセットする。
すると『スカイミラージュ』は起動し、2人はそれぞれ発動する為スイッチを押した。
aaaaaaaa 【 スカイブルー!】
aaaaaa 【 プリズムホワイト!】
そして開いている手を繋ぎ、互いに『スカイミラージュ』を天へ掲げる。
『スカイミラージュ』からそれぞれ、水色とピンクの光が放出され、渦を巻きながら1つになって行き、2人は同時にスイッチを押せば、その光は巨大な円盤へと形を変え、中央部分から溢れんばかりの光を漏らし、ランボーグを包み込み、吸い寄せるかのように上昇させた。
出久はそのタイミングで『黒鞭』を解き、巻き込まれない且つ、攫われないためにエルのすぐ近くに移動した。
「カ、カバトントン!」
同時にカバトンも巻き込まれまいと慌てながら、その場から呪文を唱えて姿を消した。
そしてランボーグは円盤の中に吸い込まれていった。
aaaaaaaa 【 プリキュア!】
aa【 アップドラフト・シャイニング!】
膨大な浄化技。
発動した瞬間円盤から煙が放出される。
「スミキッタ~……」
同時に電車・ランボーグは浄化され、元の急行電車へと戻った。
2人の合体技……とても綺麗な必殺技だった。
それに周りの建物もすべてが元に戻っている。
そして、空が夕日によってオレンジ色に染まっている中、スカイとプリズムは手を繋いでいた。
「…もうちょっとだけ、手を繋いでいてもいいですか?」
「うん…ほら、デクくんも」
「へっ?」
それを眺めていたらプリズムがこっちを向いてそう言ってきて、僕は思わず声が裏返っちゃった。
「スカイの手、右側が空いてるよ?」
「えぁ、でも……」
僕が困惑していると、スカイもこっちを見て着た。
「私からも、お願いします……」
スカイはそう言いながら、開いている右手を僕に伸ばしてきた……何を悩んでいる。恥ずかしがってる。そんなんじゃ掴める手も掴めないだろ。
僕はスカイの右隣に移動して、その伸ばされた手を繋ぎ、強く握った。
何だろう……スカイと手を繋いでから、身体の奥底に何かを感じる…『OFA』に似ているけど、何かが違う。
——◆——
翌日。
ソラは自室にてヒーロー手帳の紙に『ミラージュペン』を走らせていた。
「ソラちゃ~ん! 朝ごはんできたよ~!」
「は~い!」
扉越しからましろの呼ぶ声が聞こえ、ソラは『ミラージュペン』を置き、部屋を後にした。
机に置かれたままの開かれたヒーロー手帳。
その手帳の紙には左側にプリキュアとヒーローの絵が描かれており、右側には「プリキュアとヒーロー」と書かれていた。
——◆——
資料や器具があり、壁には探偵ボードのようなものが付けられている場所。
AMOはそこに入って来た。
「……
AMOは先の出久との戦闘にて多少なりとも付けられた傷を見てから、斬られたことで失明した左目を触れた。
「子供なのに、お前よりよっぽどヒーローだったぞ……?」
だがAMOの口角は上がっており、ニヤつきながら、腰にぶら下げてある剣を見てそう呟いた。
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