ひろがるスカイ!プリキュア〜救けて勝つヒーロー〜   作:伽華 竜魅

19 / 36

ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!


コラボ相手『そらまめ24』様。
コラボ作品
『ひろがるスカイ!プリキュア〜無個性なヒーロー〜』
https://syosetu.org/novel/335973/

大変オススメする作品であります。
相手様のコラボの時系列は、第46話~第47話に当たります。



深海の闇『ボトム』と希望の光であり伝説の戦士『プリキュア』

 

 

 

 

城までもうすぐ…僕たち3人は必死に走っていた。

 

「あそこに『レインボージュエル』が…!」

 

「でも、もう時間が…!」

 

「く…!」

 

時間を表す巨大なハートがほぼ埋まっていっている。急がないとと思ったのもつかの間、突然地響きが鳴り起こり、地面が割れだした。

 

「な、なに!?」

 

(ヴィラン)か…!」

 

予想通り、大きく空いた穴から3人の影…(ヴィラン)が現れた。女性の(ヴィラン)に、金色の(ヴィラン)、大きな異形型のような(ヴィラン)だった。

 

「お前たちごときに、ボトム様の邪魔はさせんッ!」

 

「来るッ!」

 

(ヴィラン)たちはこっちに向かってきて、ちょうど3対3という形になり、僕たちはそれぞれ1対1で相手した。

 

「先の戦いでのリベンジをさせてもらうぞォ!!」

 

「くっ!!」

 

僕は金色の(ヴィラン)を相手し、攻撃を受け止めた。

地面が少し抉るように数歩押されたけど、持ちこたえることができた。

だけどブロッサムとマリンは押されていた。

 

「ぬぅ! やはり貴様、プリキュアどもを上回るほどの能力(ちから)と実力を持っているな…?」

 

「……そうさ、お前たちと同じぐらい…もしくはそれ以上の、強くて速い人たちと戦ってきた…!」

 

持ち堪えて、押し合いながらのまま『黒鞭』を出し、(ヴィラン)を捕縛する。

そして足にインパクトで20%を引き出し、一気に飛び上がる。

 

「ぬぅ!! 小癪なァ!!」

 

「ハァッ!!」

 

そしてそのまま振りかぶり、(ヴィラン)を地面に叩きつけた。だけど次の瞬間には『黒鞭』ごと僕は引っ張られた。

 

「私も、負けてばかりでいられぬのだァ!!!」

 

土煙の奥から、(ヴィラン)が既に捕縛を解いて片腕で引っ張りながらもう片方で拳を構えていた。

すぐに『黒鞭』を解くけど、引っ張られた勢いの落下は止められない…!なら、このまま【セントルイス】を!!

 

「ハァッ!!」

 

セントルイス スマッシュ!!!」

 

(ヴィラン)の拳と僕のアイアンソールがぶつかり合う。

それによって周辺に風圧による地割れが発生した。

 

「ぬぅ…ハァッ!」

 

「くっ!!」

 

だけど押し返されてしまい、僕はすぐに身体の体勢を直して不安定な地面に何とか着地した。

でもここら辺は平面で『黒鞭』での遠心力を出すためのでっぱりなどがない…!

もしくは、あれを一か八かでやってみるしか……!そう思っていると突然後ろから僕たちがさっき起こした衝撃が聞こえ、思わず振り返った。

2人が追い込まれ、やられたのではと思い救けに行こうとしたが、(ヴィラン)が立ちふさがって来て向かえない。だけど、戦いながら見ればむしろ形勢逆転になり得る状況だったことが分かった。

それはブロッサムとマリンを、ブラックとホワイト、さらにブルームにイーグレットが救けていたからだ。

 

「メップルたち、無事に会えたんだ…!」

 

「おのれまたしてもプリキュアが…ふんぬぉ!!」

 

「ッ! ぐぅ!!」

 

(ヴィラン)が接近して攻撃してきた。

僕はそれを防いでから反撃で【エアフォース】に【シュートスタイル】、『黒鞭』を駆使していく。

 

スマッシュ!!!」

 

「ハァッ!!」

 

互いの拳がぶつかり合う。

20%インパクトでも押され——

 

「ッ? 影…ッ!?」

 

「なッ!?」

 

——かけながらも、踏ん張っていたら突然影が出来て見上げた。

そこには巨大な鉄球が降って来ていた。

僕と(ヴィラン)は咄嗟に押し合いをやめて互いに後方に飛んで避け、鉄球はそのまま埋まるように地面に激突した。

 

「おのれぇ! 何者——」

 

(ヴィラン)の言葉の途中でミサイルが(ヴィラン)に降り注ぎ、爆発と共に煙幕と土煙が立ち昇った。

そして車のクラクション音のようなものが次に耳に入って来た。

音の方に視線を向ければ、何かがこっちに来ていた。

 

「あれは…車?」

 

クラクション音から聞いて車っぽいのは分かったけど、本当に車だった。

でも、それはどちらかというとスポーツカーに近く、細かく言えばまるで超常世界でサポート機能などが搭載された専用車みたいなものだった。

すると車の天井が突然消えるように開き、そこから3人の人影が飛び出た。

 

「ッ! スカイ!? それにプリズムにクラウディまで!?」

 

「お待たせしました!」

 

スカイとプリズムがそう言いながら、クラウディも一緒に3人で僕が相手していた(ヴィラン)へ攻撃を始めた。

 

『”チェンジ”確認。融合装甲武装起動』

 

それに続いてスポーツカーが瓦礫を利用して飛び上がったと思ったらそこから考美通さんが出てきて、スポーツカーの一部が分離と同時に手足に武装して降りて来た。

というか、さっき考美通さんの両手から起動したサポートアイテムみたいなのって…。

 

「”チェンジ”、左腕部・杭打機擲弾発射筒(パイルグレネードランチャー)!」

 

考美通さんがそんな言葉を叫ぶように言うと、左腕に鉄くずみたいなのが集まり、大きく特殊な形をしたランチャーが作られた。

そして後方の部位が引っ張られるように開くと、すぐさま勢いよく押すように戻る。

それによって爆弾が放たれ、勢いよく、そして早く(ヴィラン)へ向かって行き着弾と共に爆発した。

 

『対象ノ生命反応健在。デスガダメージアリデス』

 

「このまま私たちは、ましろたちのサポートをする……! フェイトは常に周辺及びパーク全体の異常をチェックして…!」

 

『了解』

 

一部パーツがなくなったスポーツカーがドリフトしながらプリズムの横に着地して、右腕を左腕とは違う形、サーベルのようなものに変えた。

すぐにブロッサムたちの方を見れば、2人の(ヴィラン)をブラックたちが相手していて、ブロッサムとマリンはこっちに向かってきていた。

 

「行かせるかァ!!」

 

「ッ! デクッ!!」

 

「なっ!?」

 

(ヴィラン)が止めようと拳を構えて急接近してきた。

 

「【 ルミナス・ハーティエル・アンクション 】!」

 

だけど上から声が聞こえて咄嗟見上げれば、空を巨大な鳥が飛んでおり真上に通り過ぎると同時にルミナスが降って来ていた。

ルミナスが両手を突き出せば巨大なバトンのような何かが現れ、虹のような渦を放出し(ヴィラン)に命中した。原理は分からないけどそれによって(ヴィラン)はその場で遅延していた。

その隙を見逃さないのか、遅延している(ヴィラン)と僕の間にAMOが一瞬で割り込んできて、右腕を構えた。

 

「『空気押し出し』+『電波』!」

 

そしてAMOは2つの"個性"の名前を呟くと同時に空気に混ざって稲妻が漏れている攻撃を放ち、(ヴィラン)を吹き飛ばした。

 

「なにボーっとしてる! さっさと行けッ!」

 

「ッ! わかってる!!」

 

AMOに言われ、僕もすぐに走り出す。

そして『黒鞭』を出してブロッサムとマリンを巻き付かせてから一気に【フルカウル】で駆け抜けた。

 

「は、早ッ!」

 

「すごいスピードです!」

 

このまま一気にお城の窓がある場所まで向かう!

 

「あっ…時間が!」

 

「くっ…!」

 

もう巨大ハートが後1つか2つで埋まる……ブロッサムとマリンを掴んだまま『OFA』の力に『黒鞭』の遠心力を加えた疑似パワーでも……!

こんな時飛べたら…クラウディみたいに飛べたら……!空中を飛べたら(・・・・・・・)ッ!!!!

 

 

 

——ドォォォォンッ!!!

 

 

 

「——……えっ?」

 

「うぇ!? なにこれぇ!?」

 

「と、飛んでる!?」

 

気付いたら、僕たちは空中にいた。

いや、正確にはブロッサムとマリンは『黒鞭』に巻かれているため一緒にって感じだ……つまり、浮いているのは僕だ(・・・・・・・・・)

なんだこれ、何だこれ…!?身体中が突然麗日さんの『無重力(ゼログラビティ)』やプラネタリウムで浮いたような感覚になって、身体が宙に……ッ!?もしかして!!

 

『いいか坊主? お前には、これから6つの"個性"が発現するさ』

 

スキンヘッドの継承者の"個性"『黒鞭』同様、歴代継承者の、誰かの"個性"……!?

そういえば僕はさっきまで飛べたらと、空中を移動できればと強く思っていた。

継承者の中に当てはまる"個性"があって、念じたことで発現(ぼうはつ)したのか!?

 

「ぐッ!!!」

 

『黒鞭』のコントロールがブレる…!

おまけに暴発だから止まらない…!上に吸われて行くかのように飛んで行く…!!

さっき『OFA』のパワーで地面を蹴ったからその勢いと同時に"個性"が暴発して、こうなってしまっているんだ…!!

いや、今はこれでいい……この勢いを利用する…!『黒鞭』がブレると言っても、出しているのはもうブロッサムとマリンを掴んでいる部分だけだ!

 

「このまま…一気に行くッ!! ブロッサム! マリン! 君たちをあの窓から城内部へ放り込むから準備をッ!!!」

 

「は、はいッ!!」

 

「わけわかんないけど…とりあえずいっけぇぇええ!!!」

 

発現(ぼうはつ)による勢いを殺さず、むしろより早くするために、体勢を直して真っすぐにする。

あの窓部分からの正面突破での突入が手っ取り早い!だけど僕も一緒に入ろうとすればうまくいかない…!!だからこそ2人に託す!

目前まで来たところで、ブロッサムとマリンを掴む『黒鞭』を振る!!

 

「痛いだろうけど我慢してッ! そして『レインボージュエル』を頼むッ!!!」

 

窓の傍までついた瞬間、ブロッサムとマリンをそのまま窓に叩き付けるように投げた。

2人は身体を守るようにして窓を割り、城内部へ入っていった。

 

「よし! だけど…!」

 

だけど僕のほうは止まることがなく、急いで『黒鞭』を城の一部に伸ばして掴み、何とかとどまった。それによってもう上に上昇することはなく、その場にとどまるように浮くだけになった。

もしかして、発現(ぼうはつ)と『OFA』の力が合わさった勢いで上昇しただけで、実際は宙に浮いてその場にとどまるだけの、自由飛行まではできない"個性"ってことか?ならプラネタリウムでやったように【エアフォース】の推進力や『黒鞭』の弾性と遠心力を利用していけば——

 

 

——ドーンッ!!

 

 

——だけど次の瞬間、城から膨大な禍々しいエネルギーが溢れ出し、城を中心に地割れが大きく発生した。僕も必死に吹き飛ばされないよう『黒鞭』を城へ伸ばして必死に耐えていた。

 

 

——◆——

 

 

同時刻。

それぞれが戦っていたプリキュアたちは、全員が力を失っていた。

 

『レインボージュエル』がなくなれば、この世の全ての希望は失われる!

 

だがもっと深刻な事態になった者がいた。

 

「ッ! 変身が解けた…!?」

 

クラウディだけが力を失い色が抜け落ちたプリキュアたちと異なり、変身そのものが解けてしまったのだ。

 

「クラウディ!?」

 

「なんで…!? 僕だけ変身そのものが…!?」

 

出久(クラウディ)本人が一番困惑している。

何故自分だけが他のプリキュアと違い、変身そのものが解けてしまったのか。

そして再度変身しようにも、『ミラージュペン』は反応を示さない。

 

それはプリキュアの力も同じこと!

 

異形すぎる姿へと変えていた『ノーザ』たちは、城から漏れ出す禍々しいエネルギーと同じものになり、そのエネルギーの柱に向かていく。

 

光を失ったお前たちに、もはや勝ち目はない!

 

そのエネルギーはすべての荒れ笑う声を放ちながら柱へ入り混ざり1つになっていった。

 

 

——◆——

 

 

飛んでいたエネルギーが膨大な柱に入った瞬間。

突然2~3本ほど手のような形のエネルギーが出てきて、僕の方に伸びて来た。

 

「くっ…!」

 

すぐに『黒鞭』を解除して、不安定ながらも【エアフォース】の推進力で必死に飛んで避けていった。

だけどさっきも思った通り不安定でうまく飛べない!

 

「しま——」

 

それを上回る速度で手のようなものが僕を覆い、捕らえようとした。

でも何かに抱えられてその場を退けることができた。

 

「ッ! オール・マイ・オーン!?」

 

「舌噛むから喋るなっ!!」

 

AMOは僕を抱えたまま空中を高速で移動し、その後を手のようなものが追いかけた。

 

「ッチ! 『空間停止』!!」

 

瞬時に振り返り、歪な左腕を突き出して"個性"を発動させた。すると手のようなものがその場にいきなりピタリと止まった。

その間にAMOと僕は急いで距離を開けた。

やがて手のようなものは動き出し、柱の中へ戻っていくと柱は天から曲がり海へ入っていった。

そしてその海から計り知れないほどに巨大な黒いものが出てきた。背にはヒレのようなものがあり、赤い目が出ている。

それ以外の身体はすべて真っ黒なため細かな姿は見えない……ただ、ランボーグや巨大仮想(ヴィラン)なんかはまだ小さくてかわいいと思ってしまう程に、それは大きかった。

 

「規模がデカすぎる……単なる"個性"などでの巨大化や膨大な【アンダーグ・エナジー】でのランボーグとは比にならねぇぞ…!?」

 

「まさかあれが深海の闇ボトム……『レインボージュエル』を取り込んで……!?」

 

するとAMOの方から通信音的なものが聞こえ、視線を向ければAMOは歪な左手で端末らしきものを持って、僕にも聞こえるようスピーカーにしていた。

そしてその端末から聞こえる音声から聞こえる声は焦っている様子だった。

 

『ボス! 状況が悪化し続けてる…! ましろたちのプリキュアの力が…失われている…!! おまけにもう1人の緑谷くんは変身そのものが解けて、戦えなくなってる…!!!』

 

「なっ!?」

 

クラウディが…!?

それに、スカイたちのプリキュアの力も失っているなんて……てことは、今アイツを止められるのは——

 

「——僕たち、だけ……!」

 

「だが俺らの攻撃じゃ決定打にはならない。確実に倒すにはそれこそプリキュアの力が必要不可欠だ…」

 

「だとしてもだ…やるしかない!!」

 

「……ドクター、聞こえてたな?」

 

『うん……こっちももう出し惜しみはしない。リミッターを外す(・・・・・・・・)

 

するとボトムは僕たちの方に顔を向かせた。

 

「お前をずっとサポートはできない。移動手段なども自分でやれよ!」

 

「あぁ!」

 

そしてボトムは片腕を大きく振りかぶって来た。

僕はAMOに上に投げられ、AMOはそのまま空中を移動して避けた。

腕がさっきまでいたところを通過した瞬間、僕はその大きな腕に着地して【フルカウル】を纏い走り出した。

 

 

——◆——

 

 

同時刻。

完全に荒れ果てたパークの上で力を失ったプリキュアたちは、何もできず、ただボトムと交戦を始めたデクとAMOを見ることしか出来ないでいた。

 

「デク…私たちも行かないと…!」

 

「でも、プリキュアの力はもう失ったんだよ!? こんなのどうやって倒せばいいの……」

 

スカイが動こうとするも、マリンの言うことももっともであるがために足を思わず止めてしまった。

 

「……フェイト、モード起動」

 

「思能ちゃん……?」

 

そんな中、武装状態のドクターは呟き、それにプリズムが気づく。

すると次の瞬間、フェイト動き出しはじめ、一部パーツが分離と同時に『ナノテクノロジー』で形状変化し更には本体そのものが変形しだした。

形状変化した『ナノテクノロジー』は思能の上半身に頭部と武装されて行く。

そして残り変形したフェイトの本体は背面部に『ナノテクノロジー』を利用し接合した。

 

『背面部接続及ビ変形完全形態『ウィング型スラスター』モード、起動完了』

 

サポートアイテムであるスポーツカーフェイトは一部だけでなく、そのすべてがドクターのアーマードとして完全に変形し武装された。

 

「思能さん…!?」

 

「プリキュアの力がない以上、対抗手段はもう…"個性"とサポートアイテムだけ……」

 

背面の翼を模したスラスターは背面の中央と脚部の装甲からエネルギーを噴射させ、宙に浮きだしボトムの元へ飛んで行った。

 

「私たちじゃもう、何もできないんじゃ……」

 

 

「——まだです…」

 

 

 

——◆——

 

 

ボトムに大量のミサイル、"個性"による赤いレーザーや電撃、そして空気による攻撃が降り注ぐ。

だけどどれもダメージが入っているようには見えない。ただただボトムはしつこく僕を捕まえようと腕を伸ばしてきていた。

 

「クッソォ!!!」

 

『黒鞭』と【エアフォース】を駆使して避けて、ひたすら【セントルイススマッシュエアフォース】や【デラウェアスマッシュエアフォース】を放つもやっぱり効かない。

避けるのですら精一杯な状況だった。

 

「フェイト! 出し惜しみ不要! ミサイルをありったけ出して!!」

 

『ミサイル全弾放射』

 

「でけぇくせに硬くて速ぇなクソがッ!!」

 

横を見ればより武装をした考美通さんがミサイルを出しており、反対方向ではAMOが"複数個性"を駆使して攻撃している。

 

「無駄だということが、分からんのかァ!!」

 

ボトムは視線を突然変えながら腕を振るった。

その腕に乗っていた僕は空中に放り出され、次には叩きつけられて、地面に激突した。

その衝撃は僕のも含めて3回だった。

つまりはAMOと考美通さんも空中から叩きつけられたんだ……。

 

「う…ぁ…!!」

 

「『透明な壁(インビジブルウォール)』+『自動反射(オートリフレクタ―)』も意味をなさねぇ……こんなバケモンが、この世界にいるなんてなぁ…!!」

 

「クッソ……でも、コイツを放っておいたら、街や民間人の人達への被害が……!!!」

 

身体中がボロボロになっても必死に動かして立ち上がる。するとボトムの手がわし掴みするような感じに開いてすぐそこまで迫って来ていた。

離れようにもうまく動けない!

歯を食いしばって、100%を使うしかないと思ったけど、そんな僕の頭上に光弾が飛んできてボトムの手に命中した。

 

「…?」

 

「今のは…!?」

 

振り返れば、スカイとプリズム、ブロッサムとマリンが走って来ていた。

でも、プリキュアの力は失われたはず……!

 

「ダメだ!! みんなは逃げ——」

 

「嫌です!!」

 

逃げるよう叫ぶも、それを遮るようにブロッサムが叫んだ。

 

「ブロッサムの言う通りです! 私たちだってまだ戦えます!」

 

「デクくんや思能ちゃんたちのように諦めない!」

 

「希望も捨てないッ!!」

 

スカイからプリズム、マリンと言葉が続き4人は一斉にボトムへと向かって行った。

 

「デク!」

 

「ッ!」

 

そこに遅れて、聞いていた通り変身が解けているクラウディが来た。

 

「オール・マイ・オーンさんに思能さんも、大丈夫!?」

 

「本当に変身が解けてるんだね…」

 

「う、うん…僕だけなんだ。理由は分からない……」

 

何か意味でもあるのか?なんでクラウディだけ……いや、それよりも早く、スカイたちの加勢に行かないと…!

 

「そんな大怪我で動いたら…!」

 

「関係ない…スカイたちだけに負担を負わせるわけにはいかないんだ…!」

 

【フルカウル】を纏い直し、AMOを見た。

 

「オール・マイ・オーン! まだ動けるか!?」

 

「共闘状態とはいえ、(ヴィラン)にそれを聞くか…? ンな攻撃一撃だけで動けなくなるわけないだろォ!!」

 

そして叫びながら呼べば、AMOは身体を起こし立ち上がった。

 

『装甲一部及ビドクター自身ノ身体ガ負傷。自己修復機能ニテ応急処置中』

 

「関係ない…ましろたちが頑張ってるんだ…私だって…!」

 

「3人とも…」

 

動こうとしたその時、衝撃音が聞こえて見上げればスカイたち4人が吹き飛ばされて、地面に激突した。

 

「みんなっ!!」

 

「ッチ! やっぱりプリキュアでも力を失った状態じゃダメってことか…!!」

 

100%でも通用しない可能性もある……でも、負けたら今度は街が、人々が…いや、この世界が終わる…!!

 

「全て無駄だというのに何故抗う? この世界からすべての希望は無くなった。全てを飲み込む深い暗黒が、お前たちを支配する!」

 

ボトムがそう言ったけど、前で倒れているスカイとブロッサムが立ち上がり始めた。

 

「——それでも…あなたがどんなに強くても、私たちは正しいことを最後までやり抜くんです……!!」

 

「バラバラになる前にも、助けてくれた時にも、みんなと約束したんです…! だからッ!!」

 

 

 

「「絶対、諦めませんッ!!!」」

 

 

 

瞬間、スカイたち4人から……そして隣にいるクラウディの『ミラージュペン』からも、薄っすらと光が漏れ出した。

 

 

——◆——

 

 

上空。

 

「ココ!? 『ミラクルライト』が…」

 

「どういうことナツ?」

 

「希望の光に『ミラクルライト』が反応しているココ!」

 

巨大な鳥となったシロップが飛んでおり、その背には妖精たちとあげはとエルが乗っていた。

 

「でも『レインボージュエル』はもう取られちゃったモプ」

 

「「あっ! ブロッサムとマリンです!」」

 

「えるぅ~!」

 

『レインボージュエル』がボトムの手に完全に渡った結果、奇跡も希望も失ったはずが、『ミラクルライト』が反応を示した。

 

「最後の最後まで絶対諦めないブロッサムとマリンの、プリキュアたちの心には、まだ希望の光が残ってるです!」

 

「えっじゃあつまり、プリキュアたちの諦めない思いが奇跡の光になっているってこと!?」

 

プリキュアたちの思いに『ミラクルライト』が反応している理由を知り、あげはは驚いていた。

そして妖精たちは『ミラクルライト』を取り出した。

 

「「みんなー! 『ミラクルライト』を使って、プリキュアを応援して欲しいですぅ! 行くです〜ッ!!」」

 

シプレとコフレが応援を求め、他妖精たちとあげは、エルも『ミラクルライト』片手に掲げると、より一層強く光り出した。

 

「「「プリキュアに! 力を〜!」」」

 

その掛け声とともにシロップは黄金の光を纏い、上空でパークの周辺を旋回し始めた。

旋回する光からは、粉のような光の粒がパークへと降り注いでいった。

 

「プリキュアに! 力を〜!」

 

「えるぅ~!」

 

やがてパーク外の都市へ避難していた人々の持つ『ミラクルライト』も共鳴を始め、それを持つ人々も『ミラクルライト』を手に持ち、掲げ、妖精たちと同様応援を始めた。

光は強くなっていき、その光は地面へと広がっていき、次にはプリキュアが光り出した。

 

「『ミラージュペン』が……!」

 

そしてそれは出久(クラウディ)も同様だった。身体だけでなく『ミラージュペン』もともに光り出している。

プリキュアたちは宙へ浮き、一気に上空へ飛んで行き、膨大な光を発生させた。

その光の中でプリキュアは色を取り戻し、傷も癒えていき、後に続いて15人のプリキュアたちが合流。

 

「今なら行ける……ヒーローが来た!」

 

そして出久(クラウディ)は『ミラージュペン』を構えた。

 

【 スカイミラージュ! トーンコネクト!】

【 ひろがるチェンジ! クラウディ!】

 

出久(クラウディ)は『スカイミラージュ』に『スカイストーン・クラウディ』をセットし——

 

【 覆いひろがる途切れない希望 】

【 キュアクラウディ!】

 

——力を取り戻したことで、再びキュアクラウディへと変身することができた。

更に他のプリキュアたち同様、背には小さな翼が生えていた。

そして光は消えていき、その光から力を取り戻した20人のプリキュアが姿を現した。

 

「みなさん…応援ありがとうございます!」

 

「……私たちの希望の力! 受けてみなさい!!

 

 

——◆——

 

 

背中に小さな翼を生やして宙に浮いているプリキュアたちを、僕たちは地上から見ていた。

 

「プリキュアたちのエネルギーが戻ったどころか急激に上昇……!?」

 

「すごい……!」

 

「…これが前に調べた古い書物、そこに書いてあった伝説の戦士という奴か……」

 

力を取り戻しただけじゃない…さらに強くなって、背中には小さな翼を生やしているんだろう。

 

「…もう、俺らの出番はないかもな」

 

「いや、まだある」

 

「なに?」

 

僕は身体を動かし、『黒鞭』を出して瓦礫を集めだした。

 

「ここから僕たちは、スカイたちのサポートだ。少しでも勝率を上げるために、救けて勝つために、最後まで諦めず戦うんだ!」

 

「ッ! ……ドクター!」

 

「もう修復も終わってフェイトもいつでも行ける!!」

 

「ハッ…なら、とことんやるぞ…ヒーロー!!」

 

「あぁッ!!!」

 

僕たちは僕たちなりのやり方で、みんなのために戦うんだッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが少年少女たちはまだ知らない。

 

深海の奥底に、徐々にと大きくなっている亀裂があることを。

 

まだ……——

 

 

 

この災悪は予兆でしかないことを……

 

 

 

 





区切りをつけるぐらいなら覚醒まで書きたいと思いこうなりました。
後クラウディだけが変身が解けるという物はそらまめさんの指示のもと書きました。
そちらに関しての質問はそらまめさんのほうでお願いします。実際私も詳しいこと知りたい状態ですし(苦笑)

そして発現(ぼうはつ)ですが、七代目"個性"が発現(はつげん)しました。しちゃいましたよ……!!

さて、ついにラストスパート……になるのか???


もしよろしければお気に入り登録、感想、評価の方よろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。