ひろがるスカイ!プリキュア〜救けて勝つヒーロー〜   作:伽華 竜魅

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ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!

それとまだ当分先かも知れませんが、先に言っておきます。オールスターズ編はやる気でいます。はい。それだけです!
行ってらっしゃい!!





知る真実と状況。そして買い物

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…」

 

「あの、大丈夫?」

 

僕たちは虹ヶ丘さんに連れられて虹ヶ丘さんの家に来ていた。あの戦いの後、周りに人が集まったのと警察が来たからだ。

僕的には警察が来るなら事情とか報告とか、あとヒーローのことや雄英やら効かなきゃいけなかったんだけど……。

 

「こ、ここがましろさんのお家…!? もしかしてましろさんってこの世界のプリンセス…ましろ姫ですか!?」

 

「えっ? そ、そんなんじゃないよ…」

 

プリンセスかどうかは僕はよくわからないけど、確かに家自体はとても大きくて、オシャレな家だ。

とりあえず虹ヶ丘さんの家に電話があるならお借りしよう。今の手持ちは身に着けてる戦闘服(コスチューム)だけだから…すると虹ヶ丘さん家の扉が急に開き、そこから優しそうな眼鏡をかけたお婆さんが出て来た。

 

「ましろさん、おかえりなさい」

 

「おばあちゃん! こ…これ絶対信じてもらえないと思うけど聞いて! こっちの子たちが空の上からピュ〜ッて! それからモンスターがバーッンて! そしたらこっちの男の子が駆け付けてきて! それから、それからキラキラってなって、バチバチってなって、フワ~ッて——」

 

す、すごい説明……と言っても、昔の僕もこういう感じで表現してたから、さっき起きたことを伝えたいってことは分かる。

 

「大変だったわね」

 

「「え?」」

 

「さぁ、お上がりなさい」

 

「えぇ!? 自分で言うのもなんだけど、今の説明でOKなのおかしくない!?」

 

虹ヶ丘さんは不安になりながら僕たちを見てきた。

 

「…お邪魔します!」

 

ソラさんがそう言ったから、とりあえず入ることにしよう。

 

「……?」

 

そうして家に上がろうとしたら、何か視線を感じた。振り返ったけど、人は(・・)いなかった……。

 

「出久さん、どうしたんですか?」

 

「あっ、な、何でもない…!」

 

ソラさんに呼びかけられて、僕は急いで玄関に上がった。

 

 

——◆——

 

 

家に上がらせてもらった僕たちは、改めて自己紹介やそれぞれのことを話したけど、驚きのことばかりだった。

 

「スカイランドに超常…こことは別の世界があるなんて、まだ信じられないよ」

 

「私だって別の世界にいるなんて信じられません……」

 

ここは僕の生まれ育った超人社会…超常世界じゃない、全くの別世界だった。

誰も"個性"を持っておらず、言い変えれば全員が"無個性"の世界。僕はあの戦いの後に、原因は不明だがこの世界の『ソラシド市』に来てしまったらしい。

それとソラさんはさっきの戦いにいた(ヴィラン)が使用したと思わるワープでこっちの世界に来たみたい……なら、僕はどうやってこの世界に来たんだ?

オール・フォー・ワン(AFO)』のような(ヴィラン)との戦いでの最後の記憶は、晴れ渡り始めてる空だった……それで次に目を覚ました時には、あの森にいた……。

 

「それに、私がキュアスカイに変身して、出久さんがあのような力を引き出したことも……」

 

ソラさんはそう言いながら胸ポケットにしまっていた、変身で使っていたペンを取り出した。

僕もそれにつられて、自身の手を見て、強く身体の奥底にある物を感じて見れば、確かに僕の中で『OFA』が今も燃え上がっているのを感じる。

 

「ソラちゃんの持つその不思議なペンは何だろう? 出久くんはならなかったけど『プリキュア』ってのも何なんだろう? それに……」

 

「その子が使った不思議な力もだね……」

 

虹ヶ丘さんの言葉に繋げて、僕は赤ちゃんを見ながらそう言った。

ソラさんがプリキュアってのになったのも、僕が『OFA』を使えるようになったのも、あの子から飛んで来た光に触れてからだ。

 

「それらの力が"個性"じゃないなら…いったい……」

 

「…ねぇおばあちゃん。お部屋の百科事典にプリキュアのことや超常のことについて載ってない? お願い、調べてあげ——」

 

「私達のことより、この子をお家に返してあげる方法を見つけるのが先です」

 

ソラさんがそう言いながら眠ってる赤ちゃんを見た。話だとこの子はソラさんと同じ世界の住人で、カバトンに連れ去られたとか…なんでアイツはこの子を狙ったんだ?

 

「約束したんです…パパとママの所に帰してあげるって…ヒーローは泣いている子供を絶対に見捨てません!」

 

「ソ、ソラさん! そんな大きな声出したら……!」

 

「うっ、えるぅ~!!」

 

遅かった!ソラさんの大声に眠っていた赤ちゃんは起きてしまい、驚いたのか泣き出してしまった。

 

「むしろ泣かせちゃった!?」

 

「あぁ…ごめんね、ごめんね!」

 

「ほら、いないいない…バァ〜!」

 

2人が慌てて赤ちゃんをあやそうとするも逆にもっと泣き出してしまった。

 

「もしかしてお腹が空いているんじゃ…」

 

「それだ! ミルク買ってくる!」

 

「待って虹ヶ丘さん! ミルクにも種類があるから…!」

 

「あっ! そ、そうだった…! それにコンビニで売ってるの!? あ、ミ、ミミ、ミルク、ど、どどど……」

 

「落ち着いて! そんなに慌てたらこの子にも影響が…!」

 

凄く慌てていて、もはや言葉がうまく繋げられない虹ヶ丘さんを落ち着かせる。

赤ちゃんに関しては僕もあまり知恵がない。エリちゃんとかぐらいの年の子なら、先生の都合とかで何回か面倒を見ていたけど……。

 

「キッチンの棚、一番下に粉ミルクとマグがあるわ」

 

「え、えぇ!?」

 

「本当ですか!?」

 

虹ヶ丘さん家のお婆さん…『ヨヨ』さんが驚きのことを言ってきた。

今は理由は聞かず、先に赤ちゃんの機嫌を直すのが優先だ。虹ヶ丘さんが言われた通りの場所に向かい、棚を開けたら本当に粉ミルクとマグがあった。

 

「はいソラちゃん!」

 

「ありがとうございます! ほら、ミルクですよ?」

 

「うぅ…? えるぅ~!」

 

急いでミルクを作ってきた虹ヶ丘さんは、ソラさんにミルクを渡し、ソラさんが赤ちゃんにミルクを見せれば、赤ちゃんは嬉しそうに手を伸ばした。

そしてソラさんは赤ちゃんにミルクを飲ませ、赤ちゃんは美味しそうにミルクを飲んだ。

 

「プハ〜…!」

 

「はぁ、よかったぁ……」

 

なんとか赤ちゃんは機嫌を直した。

そしてソラさんは慣れた手つきで、赤ちゃんを抱きなおしてから背中をさすった。

 

「ケプッ」

 

「すごい…慣れてるんだね」

 

「はい。家に年の離れた弟がいるので、慣れているんです」

 

「そうなの? すごいよ!」

 

やっぱり、兄弟とかいる人はこういうのにも慣れるんだな。

蛙吹さんも弟と妹がいてお世話してるって言ってたし、すごいなぁ…。

 

「おばあちゃん、どうして家に粉ミルクとマグなんてあるの?」

 

「オムツだってあるわよ」

 

「えぇ!?」

 

「フフッ…出会いに偶然はない…人と人が巡り会うこと、それはいつだって必然、運命…物語の始まり…わかる?」

 

ヨヨさんは何か意味ありげなことを言った。

出会いに偶然はない…か。

確かに、僕とオールマイトの出会いは、あの時の(ヴィラン)がいなければ出会わなかったんだろうか…僕のヒーローを目指す物語()も…。

 

「あなた達の世界に戻る方法が見つかるまで、2階の空いている部屋を好きにお使いなさい」

 

「えっ、いいんですか?」

 

「えぇ…じゃあ私は——」

 

「ま、待ってくださいヨヨさん!」

 

ヨヨさんが話し終えてその場から立ち去ろうとした。それを僕は慌てて止めた。

 

「どうしたの?」

 

「あの…とてもありがたいことなんですが、今日会ったばかりの男がいきなり女性の家に住むのはとても悪いですし…ぼ、僕としてもちょっと……」

 

お互いにとっても気遣うこともあって居心地が悪いと思う。寮生活で女子も同じ寮にいたけど、あれは他の男子もいたからだ。でも今は……。

 

「ましろさんたちは?」

 

「え? 私は…うん、大丈夫だよ?」

 

えっ…。

 

「私も住まわせてもらいますが…出久さんなら大丈夫です!」

 

「で、でも…」

 

「大丈夫です!」

 

えぇ…!?な、なんかすっごく信頼されるような目を向けられて…う、嬉しい反面どうしても僕のプライドというか恥ずかしさというか……。

 

「これで大丈夫ね。ゆっくりして頂戴ね」

 

「ちょっ…!?」

 

ヨヨさんは今度こそその場を後にした。

行く当てがない以上ありがたいけど……だ、大丈夫なのかこれ…!?

 

 

——◆——

 

 

夕方。

案内された部屋の中には、椅子と机に、ベットまで行き届いており、もはや普通に使われているような部屋だった。

しかも明らかに男用の服まで置かれている……ヨヨさん、もしかして『ナイトアイ』のような『未来予知』系の"個性"持ってたりするのか?

……とりあえず僕はベットに座り、自身の片手を見る。その手に力を入れれば熱が溜まっていき、赤い亀裂のような光が浮かび上がった。

 

「やっぱり…『OFA』は僕の中にある…なら、かっちゃんはどうなったんだ…?」

 

かっちゃんが確かに使っていたから、譲渡は完了していたはず……あれで譲渡が出来てないのなら…それとも何かほかに条件が必要なのか?

それだけじゃない。『OFA』を使用する際、今まで通りの出力で使用したのに、まるでオーバーしたかのように上がっていた…。

 

「あの子の光が僕の中に入って来たのにも関係があるのか……?」

 

怪我も戦闘服(コスチューム)も元に戻ってるし……"個性"じゃない未知の力……。

 

「……オールマイト」

 

こんな時、いつもオールマイトに相談していた。それと才能マンでもあるかっちゃんなら何かしら気づいたのかな……?

考えても仕方ない。今日は休もう。

怪我が治っても疲れが取れた言えば嘘になる。僕はそのままベットの横になり、意識を手放した。

 

 


 

 

「ん…」

 

僕は目を覚まし、身体を起こした。

窓から外を見れば朝になっていた。

 

「やっぱ、夢じゃないよな……」

 

家の部屋でも寮の部屋でもない……やっぱり別の世界に来たのは本当なんだ。

流石にずっと戦闘服(コスチューム)だと、用意してくれたのに申し訳ないし着替えよう。

それにこの世界だと逆に目立つ。

服を着替えてから部屋を出れば、ちょうど虹ヶ丘さんとソラさんがいた。

 

「おはよう虹ヶ丘さん、ソラさん」

 

「おはようございます出久さん!」

 

「おはよう出久くん、朝ごはんできたからちょうど呼びに来たんだ」

 

そうだったんだ。

それぐらい長く寝ちゃったのか……僕たちが2階から1階に降りれば、既に机の上には朝食が人数分置かれていた。

それぞれが席に着き、いただきますを言って朝食を取り始めた。

 

「……プハ~…!」

 

「いっぱい飲むねぇ。粉ミルク買い足しておいた方が良さそう……えっと、こんな感じだったかな?」

 

「…ケプ」

 

虹ヶ丘さん、もう赤ちゃんのお世話に慣れたんだ。

 

「…~ッ! うま~っ!」

 

すると朝食で出されていた鮭を食べたソラさんが急に目を輝かせながら感動しだした。

 

「何ですかこの魚!? 臭みがなくて歯応えプリプリ! 甘みがブワ〜ッ! と口の中に広がって、まるで目の前に大海原が広がるようです!」

 

「グルメリポーターかな?」

 

ソラさんが焼き魚の味を、本当にグルメリポーターって感じで、なんか本当に感動していた。

スカイランドではこういった料理は出ないのか?あそこまでの反応をするのはほんとにテレビとかのグルメリポーターぐらいだと思う。

 

「どんどん食べてね?」

 

「はい! いただきます」

 

「あ、ソラさんそれは!」

 

ソラさんが次に口に含んだのって……

 

「…んっ!? ウゥ〜ッ…」

 

やっぱり梅干しだった…ソラさんはそのまま食べたから酸っぱさで悶えてる。

僕も虹ヶ丘さんも苦笑いしてた。

 

「大丈夫…? 梅干しは酸っぱいから…」

 

「だ、大丈夫です…」

 

「大丈夫じゃなさそうだね…」

 

梅干しは酸っぱいからしょうがないと思う……そう思った。ちなみにそんなソラさんを見た赤ちゃんは笑っていた。

 

 

——◆——

 

 

朝食を終えた僕たち、使い終わった食器を洗い、虹ヶ丘さんはヨヨさんから財布を預かり、買う物を聞いていた。

 

「うん。ローズオイルにシナモンスティック、干したカエルだっけ? 何に使うの?」

 

……干したカエル…?一般家庭では絶対使わない物を何で……?あまりそう言った知識はないけど、何かの材料的なのかな?

 

「お買い物の間、この子の面倒は私が見ておくわ」

 

「え、でも…」

 

「大丈夫よ。ね?」

 

「えるぅ!」

 

僕たちが買い物に行く間の赤ちゃんの面倒はヨヨさんが見てくれるらしい。

僕も一応グローブだけでも持って行こう。また昨日のアイツみたいな(ヴィラン)が現れたら大変だから。

 

「フフッ…いい子でお留守番できますか『エルちゃん』?」

 

「えるぅ~!」

 

「「エルちゃん?」」

 

一度部屋に行こうとしたらソラさんの発言が気になって振り返ってしまった。

虹ヶ丘さんも同様に気になっている様子だった。

 

「えるぅ~!」

 

「そっか、本当の名前がわからないからね」

 

なるほどそういうことか。

確かにあの子の声は「える」って言ってるような感じだから、そこから取ったのだろう。

だけどそれに対しヨヨさんはなぜか驚いており、固まっていた。

 

「おばあちゃん、どうかしたの?」

 

「あ、いいえ…素敵な名前だって思っただけ。さぁ、行ってらっしゃい」

 

それを聞いて僕は急いでグローブを取りに行った。

 

 

——◆——

 

 

私服の上に戦闘服(コスチューム)のグローブだけを付けた僕とジャージを着ているソラさんは、虹ヶ丘さんにソラシド市と呼ばれている街の道案内も兼ねて、買い物に出ていた。

 

「昨日襲ってきたヤツ、まだその辺にいたりするのかな? 名前はえっと…ザブトンだっけ? カツドンだっけ?」

 

「大体そんな名前だったと思います!」

 

「僕は名前聞いてないけど…どっちも違う気がするな……」

 

でも、あの(ヴィラン)がまた襲ってくる可能性はあるのはわかる。だからこそグローブだけでも付けて来たんだ。

 

「バッタリ出くわしたらどうしよう…」

 

「私達が追い払います! 安心して私達に任せて——」

 

すると前から歩いてきた男性のスマホの着信音が鳴り響き、それに驚いたソラさんは警戒して構えた。

 

「ソラさん今のは着信音だから大丈夫だよ。その…ソラさんの世界では不思議なんだろうけど、虹ヶ丘さんや僕の世界ではあの音は当たり前だから」

 

「そ、そうなのですか…?」

 

「そうだよ。でもソラちゃんに任せちゃって大丈夫かな?」

 

「うっ…取り乱しました」

 

ソラさんにとってあぁ言うのは未知な物なのだろう。でもあそこまで警戒するとは……

 

「いろいろと教えていくから、慣れていこう?」

 

「はい…ですが、例え火の中水の中、どこにいてもヒーローは冷静沈着でなければなりません! この世界の機械に驚くのはこれが最後です!」

 

「ひ、ヒーローも人に変わりないから冷静沈着は流石に……」

 

冷静に対処しろとは言われたけど、人に変わりないから驚いたりもするし焦っちゃうときもある。

そんなこんなでショッピングモール…この世界ではソラシドモールに着いた。

それと、ソラさんがスマホの着信音であの反応なら……——

 

「た、たた、建物の中に市場が!?」

「階段が動いてる…!?」

「に、人形が喋ってるゥ!!?」

 

——いや予想以上の反応過ぎてこっちがどう反応すればいいのか分からなかった。

虹ヶ丘さんは分かっていたのか逆に冷静だったし、恐らく道案内用のAIロボなんだろう、そのロボにお店の場所を聞いていた。

そして周りからは怪しまれたりしたが、無事に服屋に着くことができた。

でも安心した。"個性"がないだけでほとんどが僕がいた世界と変わらない。

 

「どっちのジャージにするべきでしょうか……」

 

「ジャージ以外の選択肢があってもいいんじゃ……」

 

ソラさんと虹ヶ丘さんがソラさんの服を選んでいる間に、僕も僕で自分の服を選ぶ。

……あ、元の世界で来ていた服、こっちにも売ってある。こういうの着慣れてるからありがたい。

 

「出久くん、そっちは決まっ……」

 

「僕はこれにしようかなって…虹ヶ丘さん?」

 

「えっ…とぉ……」

 

僕が取り出した複数の服を虹ヶ丘さんは見た途端、なぜか黙ってしまった。

 

「…出久くんの服ってその…ユ、ユニークだね!」

 

「ユニーク!?」

 

なぜユニークなのだ?寮でも普通にこれらを着て過ごしてたし、お母さんとかも何言わなかったし…なんなら幼少期は買ってもらってたから……あっ。

 

『テメェまだそのダセェの着とんのか……』

 

そういえば、かっちゃんに1回だけ服のことで言われたことあったな……。

 

「その服は文字が書かれているんですか!? それでしたら文字も覚えられそうですね! 試しに一着……」

 

「ソラちゃん!? ストップストップ!!」

 

あ、右腕のサポーターどうしよう……右の二の腕の怪我を隠せるものがあればいいんだけど、一応探しておこうかな。

と思っていたら虹ヶ丘さんが僕たち2人の服を選ぶと言いだした。

同時に僕が選んだ服は却下された。な、納得できない……そしていろいろな服を着ていき、最終的にソラさんは白と水色ベースの長袖に少し暗めの青いスカート。

僕の方は緑のTシャツとその上に濡羽色(ぬればいろ)のチャック付きで開いているパーカーを羽織るように着ており、下は少しぶかめなジーンズに元々履いていた赤い靴。ちなみに右の二の腕を隠すためのサポーター代わりのは見つからなかった。

 

「似合ってるよ2人とも!」

 

「本当ですか!」

 

「うん!」

 

他にもいくつか服を買い溜めもしてくれた。

あと僕が普段着慣れているあの服は一応パジャマ用として買った。なぜか虹ヶ丘さんは苦笑いしていたけど……それと僕のグローブは店員さんに紙袋をもらってそれに入れてある。

 

「ねぇ、2人に聞いてもいい?」

 

「はい、なんですか?」

 

「どうしたの改まって?」

 

「えっとね…ソラちゃんはどうしてヒーローになりたいって思ったの? それと出久くんはどうしてヒーローになったの?」

 

虹ヶ丘さんは僕とソラさんに質問をしてきた。

ソラさんにはヒーローを夢見る理由、僕にはヒーローになった理由だった。

 

「……本物のヒーローを見てしまったから…でしょうか」

 

するとソラさんがすぐにその質問に対して答え始め、語り始めた。

 

「小さい頃に行ってはいけない森に迷い込んでしまったことがあって、その時に私は本物のヒーローに出会ったんです。あの人みたいになりたい。そのために毎日トレーニングして、ヒーロー手帳をつけて…」

 

「ヒーロー手帳? もしかしてあれが…!」

 

「これ…だよね?」

 

その話を聞いて虹ヶ丘さんは暗い顔になり、僕は徐に昨日、カバーだけでもと取り返したソラさんのヒーロー手帳を取り出した。

 

「!」

 

「ごめん、本当は昨日取り返してすぐに返せば良かったんだけど……」

 

「…いえ、大丈夫です。でも、ありがとうございます」

 

僕はソラさんに渡そうとしたけど、ソラさんは首を振って否定した。

僕はすぐになんで大切な物を返そうとしたのに、断るのかを聞いた。

 

「その、私にもよくわからないんですが……出久さんに持っていてほしいんです。そう、思ったんです…」

 

「僕に…?」

 

「はい……だから、持っていてくれますか?」

 

それを言われ、僕はヒーロー手帳を見る。

ソラさんの大切な物……夢が、目標がたくさん詰まっていた物……それを、出会ってまだ2日しかたっていない僕に……。

 

「……わかった、僕が持っておくよ。でも返してほしくなったら言ってね? すぐに返すから」

 

「はい。ありがとうございます…!」

 

「そんなに大切な物だったんだね…」

 

僕はヒーロー手帳のカバーを自身のポケットにしまった。

 

「はい…あ、出久さんのことまだ聞いてません!」

 

「へぁ?」

 

少しだけ暗い雰囲気を紛らわすように、ソラさんは僕に虹ヶ丘さんが質問してきたのを改めて聞いてきた。僕がどうしてヒーローになったか……。

 

「えっと……ソラさんとはちょっと違うけど、憧れのヒーローがいたんだ」

 

「憧れのヒーロー?」

 

「うん、オールマイトっていう人なんだ」

 

「オールマイト……えっと、『すべてを救う』って意味かな?」

 

「うん、僕はその人に幼いころから憧れたんだ。オールマイトは何時も笑顔で人々を助けるんだ」

 

脳内に映るは幼いころから見て来た災害救助を行う動画。そして病院で突き付けられる僕の"無個性"という結果の真実。

現実を受け入れられず、幼いころはひたすら"個性"を使おうとした。でもダメだった。

おまけにかっちゃん達にはいじめられた。

でも、あの日オールマイトに出会って、オールマイトに認められて、"個性"を授かった。

 

「笑顔で!?」

 

「うん、そして必ず言うんだ。「もう大丈夫、私が来た」って。僕はそんなオールマイトに憧れた。だから僕も、笑顔で困ってる人を助けるヒーローを志したんだ」

 

「カッコいい…とってもカッコいいですよ!!」

 

「そういえば、出久くんもあの時笑ってたね」

 

改めて言われると恥ずかしい。ソラさんはオールマイトのことで目を輝かせてる。

……でも、オールマイトが僕の師であることも、"個性"を授かったのも話さない。

いくら別の世界とは言え、"個性"に『世界を越えて移動する"個性"』を持つ人が現れて、それをAFOが手に入れたら、ソラさんたちにも危険が及ぶから。

あの戦いを…AFOとの戦いに巻き込ませるわけにはいかない。あの時のオールマイトの姿…そして……——

 

『次は、君だ…』

 

——あの言葉(メッセージ)

僕は無意識に自分の手を見て、ギュッと握りしめた。

 

「助けてくれぇ!」

 

「「「ッ!?」」」

 

男性の助けを求める声が聞こえて、咄嗟にその声の方向に振り返れば、昨日戦った(ヴィラン)がハンバーガーを大量に奪ってた。

僕はすぐに紙袋からグローブを取り出し、両手に装着した。

 

「いただきま〜す! …ングング…うんめぇ! パワーが漲ってくるのねん! これだけ食べれば——」

 

(ヴィラン)はハンバーガーを貪りつくし、食べ終わったと思ったら僕たちと目が合った。

 

「——お、お前らは!?」

 

「エルちゃんを狙ったと思ったら、今度は無関係な人たちに性懲りもなく悪いことを…! 許しませんよカツドン!」

 

「カツドンじゃないのねん! カ・バ・ト・ン!」

 

『カバトン』って名前なのか…それとも(ヴィラン)名か?

いや、今は目の前にいるんだ。また悪さをするかもしれない!!!

 

「ええい…! あのガキンチョはどこだ!?」

 

「ガキンチョ…まさかまだエルちゃんを狙ってるのか!?」

 

「いなさそうなのねん…フンッ! まぁいい…昨日のお礼をするのが先だ! ボッコボコにした後、ネッチネチと聞き出してやるのねん!!」

 

カバトンがそう言うと、地面に手を付けた。

何か仕掛けてくると僕は身構えた。

 

「カモン! アンダーグ・エナジー!!」

 

カバトンがアンダーグ・エナジーと呼ぶそのエネルギーが、カバトンの手から溢れ出し、そのエネルギーは自販機へ向かい、覆いつくした。

すると自販機は大きくなり姿を変えた。

青と黄色の色をし、一覧の所に黒と黄色の目を出し、頭部にはモヒカン。

薄い紫の腕と黄色の手と足先を出した。

 

「ランボォォグゥ!!」

 

昨日とは違う!

ショベルカーのランボーグもあぁやって出していたのか…!戦闘はもう避けられない…戦うしかない!

 

 

 

 





プリキュアの小説って初めてでもあるからムズイね……書いてる人尊敬しますわ。
それとヒロアカキャラってほとんど姓呼びなんですよ。いきなり下呼びはしないんですよ。特に出久はね。外国の名前の人は例外だけどね。だから本人が許可するまではずっと姓呼び打と思うんですよ。
梅雨ちゃんだって今も言葉詰まる感じだし……ハハッ。

そして中途半端な終わり方をしてしまったね~……でも区切りをつけるならここら辺がいいかなってね?(だって最後のあの時点でもう9.000だもん…ハハッ)

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