ひろがるスカイ!プリキュア〜救けて勝つヒーロー〜   作:伽華 竜魅

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ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!




決闘の約束

 

 

 

 

あの後、謎のプリキュアも同行の上、虹ヶ丘宅へ戻って来た僕たちは、ヨヨさんの信頼する医者を呼び、3人の治療をしてもらった。

けど3人は目を覚ますことなく寝たきりになっている。ツバサくんもましろさんも重傷だが、ソラさんはその中で一番深刻で、遅ければ命に関わっていたと医者が言うほどだった。

 

こんな深刻な状況で、暗くなっているのは、エルちゃんにも伝わり、ずっと泣いてしまったりしている。あげはさんは状況をよく理解して、最近は虹ヶ丘宅に泊まりこみになっているほどだ。

そんな中、僕は謎のプリキュア……に変身していた正体である女性の傍にいた。

普段着も、普段着と言えるのか分からない、個性的な恰好をしているが今は関係ない。

 

「あの、あなたは何者なんですか?」

 

「……自己紹介は本当はあの子たちも目を覚ましてからが良かったんだけど、いつ目覚めるか分からないからしょうがないか。私は『シズク・エスペランサ』。簡単に言えばプリキュアに変身できる存在で、あなた達の味方。これでもプリキュア歴は長い方だから、戦い方とかはもう慣れてる。今回駆け付けたのは、ヨヨ先生から知らせを受けたからよ」

 

「は、はぁ……」

 

AMOも同じ名をこの人に言っていた。

でもアイツとは敵対関係のような感じにも見えたし、本当に味方なのだろう。

 

「そしてあなたにとってはここからが本題とも言える内容。私は次元を超える"個性"を持っている人間よ」

 

「……ん!? えっ!? つまり、世界を自由に行き来できる"個性"を持っている、いやそれ以上に、"個性"持ちでありながらプリキュアにも変身できる人ってことですか!?」

 

「そうなるわね」

 

思わず立ち上がってしまう。

世界を自由に行き来できる"個性"でも希少どころか、あるかもわからないのに、その"個性"を持っていてなおかつプリキュアにも変身できる人だなんて……!!

 

「ッ! もしかして、オール・マイ・オーンと知り合いなのもそれで?」

 

「う~ん……まぁ簡潔に言えばそうなるわね。んで、私はヨヨ先生とも知り合いで"個性"持ちだから……あなたのそのアイテムたちの出どころも、わかるわよね?」

 

「…あっ!?」

 

そういうことか!

僕のこのサポートアイテムとか、戦闘服(コスチューム)をこっちの世界に運ぶ人がいることは分かっていたけど、まさかこの人だったなんて……!

 

「あの! つまり、僕の世界にはいつでも行けるってことですか!?」

 

「えぇ行けるわ」

 

「みんなは…A組のみんなや活真くんと真幌ちゃんは!?」

 

「こっちの世界とあっちの世界の時間の流れはズレが一切ないわ。でも安心して、あの後あなたが相手した(ヴィラン)は倒されたし、お友達もみんな無事よ。むしろ行方不明になったあなたの心配ばかりしていたわ」

 

そっか…良かった……でも、そうだよな。

向こうからしたら僕は行方不明になってるんだ。

 

「だからヨヨ先生に聞いたその時からすぐに、教師たちに報告しておいたわ。彼らは安堵していたけど、同時に戻ってこれないのかとも聞いて来た。最初は連れて帰ろうと思ったけど、あなた自身……難しいんでしょ?」

 

「……はい。オール・フォー・ワンと同じ"個性"を持つ男がこの世界にいるから、見過ごすわけにはいきません。それに今、ソラさんたちは動けませんから……!」

 

「でしょうね。だからこそ、あなたの師であるオールマイトに頼まれて、サポートアイテムと戦闘服(コスチューム)を持ってきたの。安心して、中身は見てないから」

 

つまり、『OFA』は知られてないってことか。

後は…シズクさんとAMOとの関係を——……聞こうと思ったら、激しく駆け出す音が聞こえて、扉が開かれた。

 

「いずくん! ましろんが目ぇ覚めたよ!!」

 

「えっ!? 本当ですか!?」

 

その後すぐにシズクさんが話を切り上げてくれたため、僕はあげはさんと一緒に、先に目覚めたましろさんの部屋へと向かった。

 

 

——◆——

 

 

扉の前に立ってノックしてから入れば、ベットの上で上半身を起こしているましろさんがいる。

ましろさんも僕たちに気づいて、振り向いた……けど、その顔はとても暗くなっていた。

 

「出久くん、あげはちゃん……ソラちゃんたちは?」

 

僕たちは互いに顔を見てから、ましろさんの傍に移動して、今に至るまでのことを包み隠さず話した。

ソラさんたちが全員やられたこと。

シズクと名乗る、ソラさんたちと同じプリキュアになれる人が加勢に来てくれたこと。

AMOの膨大な攻撃に防戦一方になり、被害も残ったまま戦いは終わったこと。

ソラさんたちの傷も治らないから、応急処置してから、家に医者を呼び治してもらったこと。

そして一番最初に目覚めたのは、ましろさんであることを。

 

「ソラちゃんたちも命に別状はないけど、傷がひどいから当分は目覚めないかもしれないって言われた……ましろんも、まだ完治したわけじゃないから、しばらくは安静にしといたほうがいいよ」

 

あげはさんが心配する一方、ましろさんは、徐々に身体が震えはじめ、毛布の上には涙が落ち始めて、ましろさんは口を開いた。

 

「出久くんに、強くしてもらったのに、ソラちゃんを守れなかった……手も足も出ないで、ただやられていくだけで……私、プリキュアなのに…ソラちゃんとツバサくんと、出久くんと一緒にエルちゃんを、皆を守れると思ったのに……」

 

そして自身を抱きしめるようにして、僕を見て来た。

 

「怖かった…あの時、オール・マイ・オーンと戦った時……ただただ怖かった…!! 私、最後には怖くて、身体が動かなかったの……!!」

 

……恐怖。

ましろさんは今、AMOと戦った影響で、恐怖に支配されているんだ。

 

「怖い…怖いよ出久くん……!!」

 

「ましろさん……」

 

僕にすがるように手を伸ばして、その手は僕の両腕を掴んでくる。

もしかしたら、ツバサくんやソラさんもこうなってしまってる恐れがある……同時に僕は、AMOへの激しい怒りが、僕の中でうごめいていた。

僕は片腕を動かし、震えてる手に、自身の手を重ねた。

 

「…大丈夫、戦いたくなかったら戦わなくて。その時は、僕が皆を守るから」

 

「出久くん…」

 

「いずくん、それって…!!」

 

皆が戦えなくなっても、僕は戦う。

誰かが戦わないと、守らないといけないんだ。

 

 

——◆——

 

 

アジト。

ドクターの援護により撤退に成功したAMOは無事に戻ってきていた。

だがその顔はあまり喜ばしくないものだった。

 

「ッチ、あいつ……あんなに強くなってたなんてな…まぁ何年もたってんだ、当たり前か」

 

近くの壁に寄りかかり、息を荒くするAMO。

するとドクターが奥のラボから現れた。

 

「ボス……さっきのプリキュアが、ボスが認めたヒーロー……その一人と捉えて、いいんだよね…?」

 

「……あぁ、と言っても最初こそはあの力がプリキュアなんて俺もアイツも知らなかったけどな」

 

AMOは左腕のサポートアイテムを外し、ドクターに放り投げればドクターはキャッチした。

 

「フェネクスは?」

 

「お腹すいたらしいから…フェイトに頼んで……ご飯食べさせてる」

 

「そうか……少し予定が狂った。計画を早めるぞ」

 

「ッ! 本気…? 未だに"個性"複数持ちのように……【アンダーク・エナジー】と"個性"の同時使用、もしくは融合使用……ううん、それ以前に両方を一つの身体に保持すること自体叶えられてないのに……」

 

AMO、並びにドクターとフェネクスはある計画を立てている。

しかしその計画を早めようとAMOは発言し、ドクターは少しばかり困惑した。

何故ならその計画には、"個性"と【アンダーク・エナジー】を一つの肉体に保持並びに、両方とも扱えるようにならなければならないからだ。

 

「アイツは"個性"とプリキュアの力を掛け合わせていた。デクもプリキュアの力を"個性"に書き換えていやがる……なにより、並行世界の緑谷出久の敵であろう"個性"持ちは、俺らが成し得てないその両方の肉体内での保持を可能にしてるんだ……俺たちだっていずれは可能になるはずだ。計画を早めると言ったが、内容は少し見直す必要がある。いいな?」

 

「……そういうことなら、わかった……元々私もフェネクスも…地の果てまでボスについていくと、誓った身だから……」

 

 

——◆——

 

 

数日が経過した。

その間にツバサくんが目を覚まし、ましろさんも日常に戻る程度には回復している。

でもまだ表情は暗く、ツバサくんも「プリンセスを守る騎士なのに、やられるなんて……」と落ち込んでいた。

ソラさんは一番の重傷だったのもあって、まだ目覚めてない。

それどころか、ここ最近はうなされている。

シズクさんは、「まるで現実と言う名の悪夢に戻りたくないみたいね」と言っていた。

 

「みんな、完全に精神がやられてる…僕はどうすればいいんでしょうか、オールマイト……」

 

今僕は片手にエコバッグを持って、ヨヨさんのお使いをしている。

トンネルを作るための素材と、治療に必要な物……治療は医者が一度やってからは、知識も経験もあるシズクさんが積極的にやってくれているけど。

 

「——ヌォォオオオッ!!!」

 

俯き考えながら歩いていたら、左から聞き覚えのある声が、足音と共に大きくなってきてるのに気づく。思わず顔を上げれば、そこには肩すら動いて息を荒くしているカバトンが立っていた。

 

「おい脇役! アイツは…ソラはどこにいるのねん!!」

 

「……今は家だ。ここには僕しかいない。また暴れるつもりか?」

 

僕はゆっくりと身構える。

捕えたとしても、コイツは他者が接触してようと自分だけをその場から別の場所へ瞬間的に移動できる能力がある。

それに僕にはプリキュアの力がない……仮にランボーグを出されても、足止めしかできない。

だけどカバトンは何かしてくるわけでもなく、語り始めた。

 

「プリンセス・エルを拐おうとしたあの時…あいつさえ邪魔しなければ…! あれからやること成すこと、まるで上手くいかねぇ…! あいつは俺の疫病神だ! あいつさえ倒せば、全部上手くいく…あいつを、ソラを呼べ!!」

 

「呼んだとして、どうするんだ?」

 

「決まってる……決闘だ! 俺と1対1で勝負するんだッ!!」

 

ソラさんと決闘…ハッタリってわけじゃないな。

コイツの顔は本気だ。

 

「決闘したら、どうなる?」

 

「決まってる、俺が勝ったらプリンセス・エルはいただく、だが! もし俺が負けたら、もう狙わないのねん!!」

 

ッ!そこまで……でも、ソラさんは……。

 

「……ソラさんは今、重傷を負って、今も目を覚ましていない」

 

「なに? じゃあいつ目を覚ますのねん」

 

「分からない……それに、覚ましたとしてお前との決闘をすぐにできるかはわからない」

 

僕がそう言えば、カバトンはふざけるなと言おうとしてきた。

だけど僕は遮るよに「でも」と叫ぶ。

 

「その決闘……僕なら代わりに受けられる。敵に言うのはあまりよくないけど、今僕たちは、戦える状態にあるのは僕だけだ。だから、その決闘は僕が受け持つ。それで構わないか?」

 

僕の発言に、カバトンは驚いている。

仮にソラさんが受け持ったとしても、あの状態で挑んだころでカバトンに負ける可能性がある。

だからこそ、僕が受け持つんだ。もうこれ以上、みんなを戦わせるのは難しいから。

 

「一つ聞かせろ、お前のその言葉に嘘はないな?」

 

「……あぁ、この決闘は、今では男同士としてのプライドもある」

 

「……わかったのねん! ソラとの決闘を、お前を代理にして行うのねん!! 一騎打ちの決闘は、三日後!! 川辺で行う!! 遅れず来るのねん!!」

 

「わかった」

 

カバトンは鼻を鳴らしながら去って行く。

三日後……その間にアイツのこれまでの戦いと、決闘でして来ることを模索しないと。

それと『危機感知(4 t h)』ももっと扱えるようになるためにも。

 

 

 

 





あの展開後だから原作とは異なる形になりました。てへっ☆


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