ひろがるスカイ!プリキュア〜救けて勝つヒーロー〜 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!
今回も結構長めに書きました。
早朝。
ソラシド市の街を粗方把握した僕は自主トレーニングでランニングをしていた。
こっちで時間が進んでいるように、向こうも時間が進んでいるはずだけど、それがどれほど進んでいるのかわからない。
時差が、こっちの1日が向こうでは1週間なんてものは、お母さんが昔一度買ってきてたゲームとかでもあった。それが実際になっているかもしれない。
そして、向こうでも必ず学業が止まることはないから、きっと今もみんなは新たな授業とかに取り組んでいたりしているはずだ。
時期的にインターン先も決まってインターンが再開している可能性だってある。
そしてこの世界にはヒーローはいない。
参考とかはこれまでの知識とか記憶でどうにかできるけど、プロに直接教えてもらうことは無理だ。
それに……——
『気を付けて、特異点はとうに過ぎている……でも大丈夫。君は1人じゃない』
初代との接触…『OFA』の特異点はとうに過ぎているという発現……。
『いいか坊主? お前には、これから6つの"個性"が発現するさ』
スキンヘッドの継承者との接触に、その人の『黒鞭』と呼ばれる"個性"の
『心を制して、俺たちを使いこなせ』
『頑張れ坊主! 俺たちがついてる!』
『『OFA』を完遂させるのは、お前だ!!』
継承者の心と"個性"は『OFA』の中にあって、そして完遂させるのは僕…だけど……。
「エルちゃんから出た光が僕の身体に入った影響か、『OFA』は力を増した…特異点がどうこうすらも、おかしくなった可能性もある…」
ソラシド市が見渡せる場所についてから足を止めて、自身の手を握って開いてを繰り返す。
手を伸ばし指をピストルのように構えて集中し、許容出力ギリギリまでにして……!
「……ッ!」
手先にピョロッと『黒鞭』が出て来た。
だけどあまりにも短く、小指と同じぐらいの長さだ。そして出力を下げればすぐに消えた。
「最大限のパフォーマンスをするには、やっぱりこれを"リスク"じゃなく"武器"にしないと…それに、使えるようになればやれることも増えるし、【エアフォース】の要領を取り入れることもできかもしれない…」
参考にできると言えば、瀬呂くんの『テープ』に蛙吹さんの『カエル』での舌…それとB組塩崎さんの『ツル』。
あ、あとは天喰先輩の『再現』で出していたタコの触手とかかな?
「でも今は、練習あるのみなんだろうな……よし!」
虹ヶ丘さんから貰った使わないノートを取り出し、ペンと一緒にベンチあったためそこに置く。
そして僕は【エアフォース】と【シュートスタイル】の練習と『黒鞭』を扱えるようになるための出力のトレーニングを始めた。
——◆——
「ただいま戻りました……ん?」
あの後自主練に夢中になった僕は朝食の時間も過ぎた時間帯に虹ヶ丘さんの家に戻って来た。
玄関を開けたはいいけど、リビングから何やら話が聞こえた。リビングに向かえば、ソラさんたちがみんな揃っていて、1冊の本を見ていた。
「あ、おかえり出久くん!」
「ただいま。何を見てるの?」
「『ミラーパッド』に必要なエネルギー源を見せてもらってるんです!」
『ミラーパッド』……?なんだろうそれは?
というか話があまり見えない……。
「えぇっと、簡単に言えばね? おばあちゃんがソラちゃんとエルちゃんと同じスカイランド人で博学者だったの」
「へぇ、ヨヨさんがぁ……えっ?」
ヨヨさんがスカイランド人…?この世界の住人ではなく?スカイランド人の博学者……?
「えぇ!? そうだったんですか!?」
つまりヨヨさんは別世界へ渡ることができるってことなんじゃ……。
「ふふっ、いきなりだと信じられないでしょう?」
「い、いえ……そういう訳じゃなくてちょっと驚いただけで、僕の世界ではそういう"個性"持ちがいてもおかしくない感じですし……アハハ」
それに、ヨヨさんが嘘をつくような人じゃないのはもうわかってる。
この人はとても優しくて、嘘をついて騙すなんてする人じゃないって雰囲気なんだ。
「それとですね出久さん! ヨヨさんは私とエルちゃんのスカイランドに、出久さんの世界に行く方法も知っているんですよ!!」
「えっ、そうなんですか?」
「えぇ、ちょっと時間が必要になるけどね」
凄い……まさかそういう"
「それで、エネルギー源ってのは…?」
「それはこれよ」
ヨヨさんに本のページに載ってあるものを見せてもらったら、そこには青い宝石が載っていた。
「これが?」
「はい! 『スカイジュエル』と言って、スカイランドにある様々なエネルギーになる鉱物なんです」
「こんなの見たことないし、簡単には見つからなそうなんだよね」
確かに、虹ヶ丘さんの言う通りだ。
ソラさんは「スカイランドにある鉱物」と言っていた。ならこの世界にはなさそうな気がするけど……そんなことを考えていると虹ヶ丘さんはエルちゃんを見ていた。
僕もエルちゃんを見れば、エルちゃんは悲しい顔をしていた。
「でも私、スカイジュエルを見つけて、エルちゃんをパパとママに合わせてあげたい!」
「ましろさん、私も同じ気持ちです! どこへなりとも行きます!」
そうだったんだ。
エルちゃんは自分の両親と会えなくて悲しんでいたんだ……。
「ヨヨさん、このスカイジュエルというのはスカイランドにある鉱物のようですが、この世界にあるんですか?」
「えぇ、うちの裏山にあると思うわ」
「「えぇ~!?」」
僕がヨヨさんにスカイジュエルの場所を聞けば、意外にも近い場所にあって驚いた。
なんならソラさんと虹ヶ丘さんはズッコケた。
「う、裏山に?」
「意外と近場なんですね……」
「そうなのよ。宝石の在りかはソラさんの『ミラージュペン』が導いてくれるはず」
「『ミラージュペン』が…そうと決まれば、早速向かいましょう!」
「えるぅ〜! えるぅ〜!」
するとエルちゃんが泣きだした。
「エルちゃんも行きますか?」
「一緒にお出かけしておいで」
「うん。じゃあ準備してくるね」
「僕も着替えてきますね」
僕は一度着替えるために部屋に向かった。
さすがにトレーニング帰りのまま行ったらいろいろと……うん。
それに、万が一を考えないといけないから……——
——◆——
準備ができた僕たちは玄関に立っており、ソラさんはヨヨさんが用意したベビースリングを装着して、エルちゃんの抱っこの補助をしていた。
虹ヶ丘さんは小さなバッグをぶら下げ、片手にバスケットを持っている。そして僕は
「出久くん、それで行くの?」
「うん、もし何かあったら大変だし、僕はソラさんのように変身はできないから」
ソラさんはプリキュアに変身できるけど、僕は『OFA』を全身に巡らせるように纏うだけで、姿が変わるわけじゃないからね。
「スリング装着完了です! ありがとうございますヨヨさん!」
「色々と役に立つと思うわ」
「「…?」」
何だろう、今のヨヨさんの言い方に違和感を感じた。でもベビースリングに違いはないし、せっかく用意してもらったんだ。気にしないでおこう。
「この世界に来て初めてのお出かけですね。エルちゃん」
「えるぅ〜…」
「何かあったらすぐ戻ってくるのよ。気をつけて行ってらっしゃい」
「わかりました。行ってきます」
僕たちは虹ヶ丘邸の裏にある裏山へと歩き出した。
——◆——
「本当にびっくりだよ。まさかおばあちゃんがスカイランド人だったなんて」
「という事はましろさんもちょっとだけスカイランド人って事ですね」
「そう言うことになるね」
ということは虹ヶ丘さんは2つの世界のハーフみたいなものなんだな。
そう考えると世界を超えて結ばれた虹ヶ丘さんの両親はすごいかもしれない。
いやそれ以前にヨヨさんが一番すごいかも。
「やっぱり……ふふっ」
ソラさんが笑顔になって笑っていた。
僕と虹ヶ丘さんはわからずキョトンとしていると、笑顔で僕たちを見てきた。
「ヨヨさんが言うように私達が出会ったのは運命なのかもしれませんね!」
「…! そうだね!」
「うん」
本当に運命的なんだろうね。
でもやっぱり同時に、2人には…いいや、この世界で知り合った人たちには『OFA』のことを話さないようにしないと。
「えるぅ~!」
ソラさんが抱っこしてるエルちゃんが不機嫌になり、泣き始めてしまった。
ソラさんが揺らしてあやしたり、僕も何とかしようとしていると、虹ヶ丘さんが近くにあった綿毛を取ってきて、エルちゃんに見せた。
「ふわふわの綿毛だよ」
「ンッ!」
「ん~…じゃあこれは?」
エルちゃんは綿毛を見たけど嫌なのか、そっぽを向いてしまった。
それを見た虹ヶ丘さんは次の手とばかりに話しかけ、持ってた綿毛に優しく息を吹いた。
すると、綿毛が宙をふわふわと飛び始めた。
「える、えるぅ〜!」
「ましろさん、上手ですね」
「え?」
「エルちゃんのあやし方です」
確かに虹ヶ丘さんはあやし方が上手だ。ソラさんも年の離れた弟がいるからか、お世話が上手だし。
僕は一人っ子だし、近くに小さい子はいなかったからなぁ。エリちゃんも基本は相澤先生と通形先輩が相手してるから、それに、あ、赤ん坊の相手は未経験だから…!
「そう?」
「はい! 赤ちゃんにとって大事なのは、今何を感じているのか分かってあげることです」
「虹ヶ丘さんはとても優しいから、きっとエルちゃんの気持ちが分かったんだよ。だから笑顔にできた」
「そ、そうかな…?」
虹ヶ丘さんは照れていると、ソラさんも「私も何かエルちゃんのために!」と意気込みながら周りに何かないか探しだした。
僕もなにか探したほうがいいかな?
う~んでも……。
「これは!」
ソラさんが声を上げながら、しゃがんでいた。
よく見えないから少し回り込んでみれば、鮮やかな色をしたキノコがあった。
そのキノコにソラさんは手を伸ばして…って!!!
「待ってッ!!!」
「うぇ!?」
咄嗟に【フルカウル】を纏ってソラさんとキノコの間に入って止めた。
「ど、どうしたの出久くん!? 急に慌てて…って! それ毒キノコ!?」
「えっ、これ毒キノコなんですか!?」
虹ヶ丘さんが僕の後ろにあるキノコを見れば、僕が慌ててソラさんとキノコの間に入ったのも納得してくれた。虹ヶ丘さんはその後ソラさんに山には危険な植物もあるからといろいろと注意してくれた。
僕もホッとした……するとエルちゃんがまた泣き出してしまった。
「ミルクを飲まなかったからお腹すいてるのかな?」
「私もそうだと思います」
「ならここらへんで休憩しよっか。時間もちょうどお昼ぐらいだと思うし」
通り道は迷惑になるため、少し森に入れば、
そこに虹ヶ丘さんが持ってきていたレジャーシートを敷き、その上に座った。
なんかキャンプ感もあってここはいいなぁ。
日差しも気持ちいい。
「コキュ、コキュ……プハッ…」
「もういいの?」
「える…」
ミルクを飲み終えたエルちゃんをソラさんは慣れた手つきで口を拭かせてから、背中を優しく撫でて、ゲップをさせた。
すると、僕のお腹がグ~ッと鳴ってしまい、思わずお腹を抑えてしまった。
「ご、ごめん…」
「そういえば出久くん朝ごはん食べてなかったね。お昼にしよっか」
虹ヶ丘さんはそう言いながら、バスケットを開いた。その中には白いパンが入っていた。
「お昼はパンだよ!」
「うわぁ! ありがとうございます!」
「いただきます! っとその前に外さないと……」
僕はパンを手に取る前に、グローブ部分だけを取り外してから、改めてパンを手に取り、かぶりついた。
「ん! フワフワ!」
「すごくおいしいよ虹ヶ丘さん!」
「ホント? よかったぁ、実は上手く焼けたかちょっと心配だったの…」
「え…!? これましろさんが焼いたんですか?」
「うん!」
普通に驚いた。虹ヶ丘さんは料理も出来るんだ。
それもパンを焼けるなんて……そう考えると菓子を作れる砂藤くんもすごいよなぁ。
「パンを作れるなんてすごいです! しかも、プロ級の味! ……あれ?」
「ん?」
モグモグとパンを食べてると、ソラさんはパンを包み袋から取り出し、空に掲げた。
「もしかして、このパン…雲の形ですか?」
「うん、スカイランドをイメージしてみたの。スカイランドはどういう所かはわからないけど、名付けて『雲パン』」
「雲パン!」
そ、そのまんまな名前……!!
でも、雲の形をパンで再現するのは普通にすごい。それでいて美味しいなんて、本当にすごい。
「エルちゃん、雲パンだよ~!」
「えるぅ…? …えるぅ〜!」
虹ヶ丘さんがエルちゃんの前に雲パンを見せると、エルちゃんはそれを見て嬉しいのか笑顔へと変わった。僕はモグモグと空腹を満たすように雲パンを食べていると、なぜか視線を感じた。
その視線のほうを見れば、ソラさんがパンを片手に僕の手を見ていた。
「あの…ソラさん?」
「え、あ! ご、ごめんなさい! その、出久さんの着けているグローブが気になりまして…」
正確にはグローブだったみたいだ。
まぁ確かに、スカイランドは分からないけど、ソラシド市の世界ではこういうサポートアイテムも珍しすぎるんだろう。
「……食べ終わったら、貸そうか?」
「いいんですか!?」
「う、うん…」
貸そうかと言えば、ソラさんは食いつくように顔を近づかせてきた。ち、近い…!
「出久くんのそれって自分で作ったの?」
「いや、サポート科…あぁえっと、ヒーロー活動を支える人たちって言ったほうがいいかな? その人たちにどういう物かを要求すれば、作ってくれるんだ」
「そうなんだ。じゃあその服とか足のも?」
「うん、やれることを増やすためにいろいろと増やしたりしたんだ」
手に持っていた雲パンの残りを全部含んだ。
ソラさんはエルちゃんを虹ヶ丘さんに預けてから、僕たちは立ち上がり、僕はソラさんにグローブを貸した。
「ちょっとぶかぶかかもしれないけど……」
「大丈夫です!」
ソラさんはグローブを付けて、手を握って開いてをした。
「出久さんがやったあの空気弾みたいなのは、どうやったんですか? あの時、グローブが変形したように見えたんですが…?」
「【エアフォース】のこと? なら手を突き出してから、デコピンをするように構えてみて?」
「こう、ですか?」
ソラさんは僕の言う通りに、片手を真っすぐ伸ばして、デコピンの構えをした。
するとグローブがカシャッ!と音を立てて変形した。
「わっ! 本当に変形しました!」
「僕の"個性"は『超パワー』で、身体能力を上げたりすることが出来るんだ。指先だけでもパワーを出せるから、それをグローブを利用して空気弾を放つようにしてるんだ」
「なるほど! つまり出久さんのパワーあってこそこのグローブは力を発揮するってことですね!」
「うん!」
一応グローブなしでも出来るけど、グローブはそれをより正確に狙えるための物だ。
「でも、これは20%でやっとできる技で、微細なコントロールが必要。そして人体内で最も繊細に動かせる箇所は指」
僕は【フルカウル】を8%で纏ってからデコピンの構えをし、近くにある1本の木を狙う。
「そしてインパクトの瞬間にだけ、20%に…!」
20%にした瞬間にデコピンを放つ。
すると風圧が放たれ、木に命中し、その木は折れて倒れた。それが終えてから僕は【フルカウル】を解いた。
「すごいです! しかも、それでまだ上があるんですか!?」
「うん、と言っても僕自身もまだ完全には扱えないから、欠かさず自主トレーニングをしてるって感じかな」
「こういうの、私もできるようになるでしょうか?」
「そ、それは…どうだろう? 僕の場合"個性"あってだから、でもプリキュアに変身したりしたら出来るかもしれない…いやでもスカイでの戦法は今わかるのは僕と同じ手足を使った戦法だ。そして【スカイパンチ】は敵に直接当てる技。遠距離系のものは今のところ見たことないから難しいかもしれない。でも僕のグローブをスカイの状態で装着して使用すればもしかしたら行けるかも……それかプリキュアの力でそういう技が出来るかもしれないし……——」
「い、出久さん…?」
ハッ、まずい…またブツブツしてた…!
「ご、ごめん! 集中しちゃうとブツブツしちゃうんだ…」
「い、いえ…大丈夫です。あ、グローブありがとうございます!」
ソラさんはグローブを取り外し、返してきた。
僕はそれを受け取り自身に着ける。
「2人とも~! こっちは準備できたよ~!」
「行こうか」
「はい!」
僕たちがグローブのことをやってる間に虹ヶ丘さんは片付けをしていたらしく、もう再スタートできるようにしていてくれていた。
——◆——
スカイジェル探しを再開した僕たちは、山を登ったら川があるところに出た。
「おばあちゃんが言ってたのは、この川だけど……」
「本当にあるんでしょうか?」
ここら辺は川で、周りは竹が生えてる。宝石があるような場所には思えな——
「——…ッ!!!?」
瞬間、ドクンッ!と身体の奥底で何かが感じるような感覚が全体に流れてきた。
「い、出久くん? どうしたの?」
「な、何でも…ない…」
なんだ?ずっと感じている。
まるで、何かがあるような…?
「ペンが光ってます!」
「え? あ、本当だ!」
ソラさんの方見れば、ソラさんの腰にぶら下がってある『ミラージュペン』が黄緑色に光っていた。
「近くにスカイジュエルがあるんだよね?」
「はい! でも場所までは…」
「……こっちだ」
「え? 出久くん?」
感じるほうへ歩くと、身体に流れている感覚が強くなるのがわかる。
こんなこと今までなかったけど、今は現実に起きている。不思議と方向がわかる。
それから進んでいると、明らかに人工的で絶妙なバランスで積まれている石のオブジェを見つけた。
「す…すごい。一体、誰が何のために…」
「確かに凄いけど……」
「これ、息でも当たったらヤバいかも…2人も、下がっておいた方がいいよ」
「え…えるぁ…へックシュ!」
エルちゃんがくしゃみをした途端、積み上げられた石のオブジェは一瞬で崩れてしまった。
一応巻き込まれないように下がられておいてよかった。
「大丈夫?」
「はい。離れておいて正解でしたね」
とりあえずこれは見なかったことにしておこう。
僕たちはスカイジェルを探すためにも、感じるほうへ再び歩き出した。
すると、河原にめり込むよう形で高さ2mほどの丸い大岩があった。
「まさかこの中に…な〜んて…」
いや、この大岩からは感じない。
どっちかというと、川の方から……。
「出久さん、バッグお願いします」
「え?」
ソラさんがバッグを渡してきて、僕はそれを受け取るとソラさんは大岩の前に立ち、触り始めた。
「え、もしかしてソラちゃん…」
「やってみましょう!」
「えぇ!?」
「ちょ、ソラさん! だったら僕が……——」
「大丈夫です!」
プリキュアに変身したならまだしも、生身で岩を破壊なんて……すると、ソラさんは急に謎の構えをして、不思議な動きをしだした。
な、なんというか、独特な動きだな……でも…なぜか不思議と、あの動きと構えはどこかちゃんとした型のように見えた。
そう見て考えていると、ソラさんが片手を大岩に一撃叩き込んだ。そして大岩は、縦へと亀裂が綺麗に入り、真っ二つへと割れた。
「本当に割れた! って化石?」
「大岩を生身で……あの構え方や動きに意味があるのか? 後で聞いてみよう」
大岩の中を覗けば、そこには化石があった。
なぜ化石が……?
「押忍!」
「確かにお宝だけど特に変化は無いみたいだし、やっぱり関係無かったね」
「うん。それに、まだ先の方から感じる」
僕たちは割れた大岩を通り越して、更に奥へ向かった。
「見つかりませんね」
「出久くん、こっちであってるの? というかなんでわかるの? 確か『超パワー』ていう"個性"だったよね?」
「そうなんだけど…僕もよくわからない…」
歴代継承者の"個性"だったとしても、暴発にしてはどこか妙だし…ソラさんの『ミラージュペン』の発光と同時に起きたんだ。
何か意味があるはずだけど……——
「「「ッ!!」」」
ソラさんが掲げていた『ミラージュペン』が更に強く発光しだし、僕も感じていた感覚が一段と強くなった。
「凄い光!」
「ッ! あの川の所…!」
川の方を見れば、青く輝く光が漏れていた。
そこに駆け寄り、ソラさんが川に手を入れて、その中にあるのを取り出すと、青く輝いている宝石、見せてもらった本に載っていたスカイジェルがあった。
「ありました!」
「これでスカイランドと通信が出来るね!」
「やったー! やりました!」
ソラさんは飛び跳ねながら喜んでいた。
同時にさっきまで感じていた感覚がいつの間にか感じなくなっていた。
てことは、さっきまでのは、スカイジェルの場所を示すための感覚なのか?
何か意味があるのか、自身の身に何が起きているのか考えていると、後ろから何かが崩れる音が聞こえた。
「ダ〜ッ!?」
そして声が聞こえて咄嗟に振り返れば…——
「おい! びっくりして崩れちゃったじゃねぇか! どうしてくれるのねん…って!?」
「あなたは!」
「お前ら……!」
「カバト——」
「カバピョン!」
——カバトンがおり、僕が名前を言おうとしたら、またソラさんが名前を間違えて、僕は思わずズルっと滑った。
「ソラさん、アイツはカバトンだよ…!」
「そうなのねん! なんで脇役のほうがちゃんと覚えてるのねん!! ん…?」
明らかに名前を間違えられて怒ってる…だけどカバトンはエルちゃんを見た途端急に笑みを浮かべた。
「えるぅ…」
「おんや~? 探し物が向こうからやってくるなんて……ラッキー! その赤ん坊をこっちへよこしな!」
それを聞いた瞬間、僕は【フルカウル】を纏ってエルちゃんと虹ヶ丘さんを守るように前に出た。
「渡すわけないだろ! それと、今日こそエルちゃんを狙う理由を吐いてもらう!」
「な~ら仕方ないのねん! カモン! 【アンダーグ・エナジー】!!」
カバトンは前と同じやり方で【アンダーグ・エナジー】を放出し、近くにある竹へと注ぎ込ませた。
すると竹は形を変え、頭部にはモヒカン。
腕と足を生やし、足先は紫、両手にはタケノコがグローブを付けるように生えた。
「ランボーグゥ!!」
「よぉ~し! 赤ん坊をゲットするぞ!!」
「ましろさんは隠れてください!」
「うん…!」
虹ヶ丘さんはエルちゃんを連れてこの場を離れ、ソラさんは僕の隣に来て『ミラージュペン』を構えた。だけど、ソラさんの手は震えていた。
「大丈夫だソラさん!」
「ッ!?」
「君は、1人じゃない! 一緒に戦おう、そして…虹ヶ丘さんとエルちゃんを守ろう!!」
「…はい!!」
僕たちは並び、ソラさんは『ミラージュペン』を構えなおした。
「ヒーローの出番です!!」
ヒロアカがもう完結しちゃうのいやなんですけど…!!それと8月2日からオールスターズFが応援上映されるの見たくて相がありません。
でもヒロアカの映画も…マ、マネーがががが……!!でもヒロアカの方は絶対見る。