この話のせいでタグに「クロスオーバー」を付けることになると思わねえだろ…
※設定だけのクロスオーバーがあります
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「ソレ」はもう半ば慣れ切った干渉という名の加護の中でも一際マズいと直感が叫んでいた。
列車の中、ムラクモに当てられた部屋の中にある「なんでも祭壇」から本日の神様ピックアップが抽選され、いざ交渉となる直前の走馬灯に近かった。
悪気は一切無い、それ故に余計に困るのが何も言えない事。これが仲間や対物案件につながるのであれば「帰って、どうぞ」でぶん殴って解決できるのだ。
脳内に出てくる本日の加護担当の神様。それを認識した瞬間、ムラクモは全力で扉をぶち開けて中央車両に駆け込んだ。
「──緊急連絡!星と丹恒、後一応デーさんは今日一日武器を持たないでいる事!!死にたくなかったら!!」
防災無線もびっくりの声量と共に扉を開け、衝撃でパムが舞い、そして目の前で───
「ねぇ、ムラクモ…あのさ」
「………」
「……………」
──尻に刺さるようにご立派に構えられたバット、床で「ころせ」と言わんばかりの雰囲気を露わにくたばる死体未満2人、その横に置かれた槍と聖典が手遅れであることを示していた。
ムラクモはその場で土下座した。
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「ケツバトラー」
かつてムラクモがムラクモとなる前の時代。それはただのゲームだった。漫画も出ていたがそれは後発であり、発端は本当にただの単純なゲームだったのだ。
だがソイツはインパクトが違った。なにせ初手で「尻で刀を挟んで」いたのだから。
詳細を省くが、手で持つよりも尻で挟む方が圧倒的に強い世界、そこにも一応剣技(?)があり、歴史があり、流派があった。そしてもちろんそれらを司る神も居たわけだ。
頭が見事に2つに割れた、桃の頭部を持つ神である。
何の因果か、あるいは前世があったが故の縁か、それとも悪戯なのか。
ともかく今回降臨してしまったのは「ケツバトラーの神」だったのだ。
武器を手に持つことは侮辱である、尻で挟むべし。それがこの度の加護であり、諸悪の根源であり、試練であった。
何が困るかと言うと、まぁ手で武器を握ると九割弱体になるのだ。代わりに尻で挟めば無敵モード、ただし動きは経験による状態なわけだが。
不幸中の幸いなのは、手で持つ武器でも弓などは判定外なことだろう。そうじゃなければ本当に列車は社会的に死んでいた。
「…今日一日、手でバットや槍などは持てないことを覚悟してください。持ったら多分すっぽ抜ける、最悪自分に刺さる」
「これからヤリーロで裂界関係の依頼があったけど…これもしかしなくてもアタシだけ!?」
「社会的尊厳を失ってもいいなら連れて行ってもいいけど。一応、見た目的に駄目なだけで戦力としてのカウントは10倍はあると思って」
「ねえなの!すごいよこれ!バットが尻から離れないのに威力はなんかすごいって分かる!」
「………これが、罰だと、言うのか…」
「……苦難の道を歩むと、誓いましたが…私は…」
姫子とヴェルトは諸事情によりステーション・ヘルタにいる為判定外。引っかかったのは星と丹恒とサンデーの3人。なのかとブラックスワンは武器の関係でセーフである。ちなみにグラスを持つシャラップも尻の判定に入っているが、戦力ではないため除外とする。
負傷したパムの手当てをし、事情説明をしていたが2名は戦線復帰が不可能ではないかと言わんばかりにショックを受けていた。それもそうだろう、いざ出ようとしたら手で己の物を持てずに尻に刺さったのだ。チュートリアルで刺さるのはいいが、完全にアウトだった。
興奮している星は戦力として動けるが、見た目的にアウトである。尻で挟まれたバットは黄金に輝いてめちゃくちゃ暑そうというのは分かる。だが尻に挟まれている。
次、丹恒。槍が逆に尻側に刺さりそうだが加護(呪い)のおかげでそんなことはなく、今までよりも速く、鋭い一撃を常に放てる様子である。ただし尻で持っている。(今は放している)
最後、サンデー。見た目は完全に尻で聖典を挟んでるだけの不審者だった。ただし光の輪っかは恐らくピノコニーにいた時よりもはるかに神々しく輝いている。多分週ボスの時より強い。(全てを諦めて聖典を床に叩きつけた)
死屍累々、と言うより死尻累々だろうか、前世的なマナーで言えばそうなる。
「……元凶がここに居ますが、どうされますか…皆さん…」
最悪ムラクモが前線に出ればいいのだが、その場合被害が裂界だけで済まない可能性が高い。全部危険判定からの存護爆撃がキまった瞬間ヤリーロは被害報告に頭を抱えることになることは間違いない。
尻か、尊厳か。
列車組が下したのは──
▽▽▽
ヤリーロⅥ 突発的に発生した裂界
シルバーメインの警邏が近くにいたのは幸いだったことだろう。突発的に発生した裂界は小さいことも相まって、ほとんどの民間人の避難は済んでいた。残っているのは裂界が発生した時に起きた事故でけがをした民間人とシルバーメイン数名、そして偶々休暇を取ったカンパニーの一般社員だった。
『救援がもう少しで到着するわ。そのまま怪我人と民間人を守りながら籠城戦で耐えて!』
「随分と無茶を言いますねゼーレさんは!」
「4時方向、3体!バリケードは限界!」
「ああクソッ!盾を前に、ごり押しで潰し返せ!」
救援が先か、くたばるのが先か。
バリケードが壊され、盾兵が押し返された。侵入してきた炎の人型が奥で隠れている怪我人を見つけた。
振りあがるハルバード擬きに、シルバーメインがその身をもって砕こうとしたとき。
一尻の槍が外の壁ごと、敵を貫いて翔んでいった。
「…は?」
シルバーメインは一瞬、自分の目を疑った。救援が来た、それは理解した。だが自分の幻覚だろうか、その人物は手ではなく尻で槍を持っていたように見えた。
今はもう壁ごとぶっ飛んで見えないが、少なくとも戦闘音が聞こえるという事は外で戦っているという事だろう。つまり幻覚、自分が疲れていて、かつ尻が好きだから見えたモノだろうと判断した。
気を取り直して、ぶち開けられた壁の向こうから続く援軍の姿を確認した。
女性が二人、男性が一人。だが武器らしい武器を持っているのは女性一人だけで、弓しか見えない。見た目的に殴って戦うスタイルではないのはほぼ確実。なら、素手の二人は一体?
その疑問は、目の前で解決した。
「ルールは!破る!為に!ある!」
「………茨を、超えて……!」
尻だ。尻が舞っている。黄金に輝く炎が尻の光跡を描く。だがその直後に後光が如く、太陽が優しく思える…と言うか物理的に目つぶしをしている光の影が尻を映している。
光る尻祭の方は最早「ころせ」と言わんばかりのうめき声となっていたが、それ以上に尻が強かった。
「うわまぶしっ」
観光に来ていたカンパニーの社員に心底同情した。
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【反省文】
私、ムラクモは迂闊な交信で星宆列車に社会的な被害をもたらしたことをここに証明し、1か月の間トイレ掃除と食事当番を担当します。(どうしても外せない場合はヴェルト・ヨウに依頼し、後日埋め合わせをします)
【突発的裂界の発生による被害の報告】
(前略)
『──また、援護に入った尻宆列車に対し、後日謝礼を持っていくことを提案』
シルバーメイン ──地区警邏担当 隊長
ケツバトラーで腰痛が治った私と、腰痛になった友人