最強の妹   作:タニコウ

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久し振りにヒノカミ血風譚ランクマ6戦やって5戦を勝ち確切断され、1戦普通にボコボコにされてストレスぶっちして一時間で書きました。後悔はしていません。


鬼殺隊入隊前
#1


 

 

 春の陽射しが当たる暖かな縁側に、星空のような青みがかった黒髪を肩口まで伸ばして、水色の瞳の大きな目を持つ美しい女がいた。また、女の右側の額には六連星とその下に雲の形をした痣、首筋の左側にも雪の結晶をちりばめたような水色の痣がある。

 

「私も今日で25を迎えることになります。例に漏れなければ、私はまもなく死ぬのでしょう」

 

 女はぽつぽつと溢すように呟く。女は続けて言葉を口にしながら、隣に腰掛ける嚇灼の髪と瞳を持った剣士の方を見る。

 

「ですが――って、何て顔をしているんですか」

 

 愛する妻を失い、そして今から妹分である女をも失うのだ。悲しくない筈がないだろう。嚇灼の剣士は悲痛な顔を見せながらそんなことを言った。

 その言葉を聞いた女は、少しでも嚇灼の剣士の心を癒せるようにと思い言葉を紡ぐ。

 

「大丈夫ですよ、他の方々はともかく貴方だけは30を越えても生きているじゃないですか。私も30を越えるまでは生きてみせますよ」

 

 そんな言葉を告げる女もまた、剣士と同じく悲しげな顔を浮かべていた。自分が吐いた言葉が真実になることがないと分かっているから。嚇灼の剣士は曖昧に、そうか。と返事を返す。

 

「私は、うたねぇを殺した鬼舞辻無惨をこの手で滅殺するまでは、黄泉の国へと行けませんから。それに、貴方を一人残しては死ぬに死にきれません」

 

 そんな強い意志の籠った言葉とは異なり、女の目は眠気を覚えたかのように微かな痙攣を始める。

 

「ふわっ……眠い、ですね。話せるうちに話しておかない、と……」

 

 思わず漏れた欠伸。うとうとと船を漕ぎ始める女は、眠気に支配された頭を回して言葉を紡ぎ続ける。

 

「あの日、私はにぃに助けられたよね。家を追われて、まだ小さかった私は飢えて死ぬのを待つだけだった。にぃに貰った握り飯の味は今も覚えてる」

 

 嚇灼の剣士は黙って女の言葉を聞いている。

 

「私がにぃにお願いして、刀の使い方を教わって、戦い方も教わって……その時だったよね、私に痣が出てきたのは」

 

 嚇灼の剣士はすまない。と、謝罪を口にする。

 

「んーん、にぃは悪くない、よ?にぃがいたから、うたねぇにも会えたし、炭吉さんとも会えて私の生きた証を遺せた。……にぃ」

 

 もう殆ど光を映さない女の瞳が、嚇灼の剣士を中心に収める。

 

「私に命をくれてありがとう。私に戦う術をくれてありがとう。私を――」

 

 その時、女の身体から力が抜けて、嚇灼の剣士へと倒れる。剣士が抱き抱えて女の名前を呼ぶが女は答えない。

 

 ――愛してくれてありがとう

 

 その言葉を剣士へと告げることが出来ていたのなら、未来は大きく変わっていたのかもしれない。

 

 

 

 

 ――――――

 

 

 

 

 それから約500年もの月日が流れる。

 

「どうやら、仏様は私に再び機会を下さったみたいですね」

 

 星空のような青みがかった黒髪を肩口まで伸ばして、水色の瞳の大きな目を持つ小さな少女がいた。少女は水面を見ながら額に手を添える。

 少女には生まれつき、右側の額には六連星とその下に雲の形をしたような痣、首筋の左側にも雪の結晶をちりばめたような水色の痣がうっすらと浮かんでいた。

 

「生まれつきの痣。些か薄い気はしますが、貴方に少しは追い付けたということでしょうか?」

 

 少女は深い呼吸をする。ビュォォオオオオという独特な呼吸音と共に少女の身体に力が漲る。

 

「痣のせいで、先ほど家を追い出されてしまいましたし、まずは……そうですね……珠世さんの所でもいいのですが今何処にいらっしゃるのかは分かりませんし、藤の家紋の家に行きましょうか。もしかしたら、取り次いで貰えるかもしれません」

 

 少女はしゃがみ、力を溜める。

 

「幾ら呼吸を使って12年間鍛え続けたと言えども、奴らを殺すことは出来ません。まずは、鬼殺隊に入って日輪刀を貰いに行きましょう、かっ!」

 

 溜めた力を解放して宙に舞った少女は、木々の上を跳びながら山を下りる。

 

 

 

 少女の名前は、天野氷華。始まりの呼吸の剣士の一人にして――

 

「女ァッ!テメェを喰ってやる!」

「邪魔ですよ」

 

 氷華は自分の前に立った悪しき鬼を軽く蹴り跳ばして走り抜ける。鬼はべちゃっと音を立てて潰れた。

 

 ――最強の男に次ぐ実力者である。




設定纏まったらまた書きます
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