岩手はやっぱりいいところ、涼しいし渋民の花火きれーだったし、海鮮が上手いし
めちゃくちゃ蚊に食われて腫れてるけどたのしかった!
「わ~っ!かなり騒がしいし臭いし眩しいですけど、本当に煌びやかな所ですね!時々遊びに来る分にはとてもいい場所な気がします!死んでも、ここでは暮らしたくないですけど」
「そうだな、確かに此処は色々な物が集まってて便利そうではあるが、この雰囲気は落ち着かないな」
「何ですか、あの鉄の鎧を纏ったような蓑虫は!?人間よりも速く動いてますし、お腹の中に人間がいますよ!?助けないと大変なことに、行きますよ錆兎、義勇!」
「……待て、自動車だ。馬車みたいなものだ」
「じどおしゃ。成る程、馬車みたいなものなんですね。通りでお腹の中の人から恐怖の感情を感じないわけです」
「と言うか、少しは落ち着け氷華」
完全とまでは言わなくとも外を出歩ける程度にまで回復した氷華を連れた錆兎と義勇。氷華は、初めての都会に視線をあっちこっちに彷徨わせて、足取りもあっちへフラフラ、こっちへフラフラとまるで酔っ払いのサラリーマンのように覚束ない。錆兎は、そんな氷華を危ぶんで、腕を掴んで迷子にならないようにした。
「あれは何なんですかね?キネマと書かれてる看板がある所です」
「キネマか。俺は見たことがないが、確か絵が動くんだったか」
「絵が動く?何馬鹿なことを言うんですか。幾ら私でも騙されませんよ?」
「失礼な奴だな。おい、義勇。氷華に教えてやれ」
「……錆兎の言葉の通りだ。(今度、一緒に行って実際に見てみれば)分かるだろう」
「いいですね、行ってみたいです!」
氷華が錆兎と繋いでいるのとは反対の手で義勇の手を握りながら言う。義勇はそんな氷華に頷き、「考えておこう」と言った。
因みに、今の氷華達は今回の任務が捜索任務であると言う点から、鬼殺隊であることがバレないようにそれぞれが隊服を脱いで普段着で、かつ日輪刀を羽織の中に入れて隠している。更には、鱗滝が三人のために彫った狐の面を側頭部に斜め掛けをしていた。
そんな格好で、氷華が迷子にならないように三人仲良くおててを繋いで浅草の町を歩く。そして、気になる屋台に近づき、三人で食べられるお菓子を買う。そんな三人の姿は、まるで――
「ん、いい匂いがしますね。お兄さん、ここでは何を作ってるんですか?」
「栗饅頭だ。10個で6銭だが、将来美人間違いなしな嬢ちゃんにはおまけもつけるぞ?お一つどうだい?」
「ふふ、お上手ですね。では、お一つ頂けますか?」
氷華はお世辞を言われてご機嫌だ!
「おう、毎度!すぐ用意するからちょいと待ってな!にしても、兄ちゃん達はこんな立派な妹さんがいて羨ましい限りだな!俺にも妹が一人いるんだが、嬢ちゃんくらいの時はそれは喧しくてな~」
「……へ?……妹?私が?一番年上なんですけど?」
「ハハハッ!あぁ、店主の言う通りだ。本当に出来た妹で助かってるよ」
「錆兎!?」
――まるで、とても仲の良い兄妹のようであった。前世含めて生きた年齢
因みに、義勇の誕生日が2月、錆兎の誕生日は8月上旬、氷華の誕生日は12月の下旬である。そして、三人は同い年だ。つまり、氷華は今生においては正真正銘の最年少なのだ。年上としてのプライドとは?
「むぅ……!絶対に大きくなって見返してやりますからね!」
「そんなひょろい身体で大きくなるだと?」
と、錆兎。
「笑止千万!」
と、義勇。
「はぁぁあああ!?」
紙袋に大量に詰められた栗饅頭を屋台の人から貰ってから、浅草の人ごみの中をぷんすかと怒りながら歩いていた氷華は、そんな錆兎と義勇のチーミング煽りにぶちギレた。
氷華のご機嫌は斜め下を通り越して垂直だ!義勇と錆兎には氷華による地獄の鍛練が約束されたのだった!!
「にしても、珠世とか言う鬼は本当にこの町にいるのか?」
左手で氷華の手を握り、右手で栗饅頭の入った紙袋を抱えた錆兎が氷華に声を掛ける。
「いますね。ですが、困ったことに珠世さんに似た気配こそ感じるのですが、詳しい場所までは分からないんですよ。……あ、栗饅頭一つ下さい」
「ああ、ほらよ」
氷華は目を閉じて鼻をすんすんと鳴らしてから、目を開けて錆兎に答える。それと同時に、錆兎と繋いでいる手を離して、錆兎が寄せた紙袋から栗饅頭を一つ取り出して口に運ぶ。餡と栗の仄かな甘さに口を緩める。
「にしても、氷華でも分からないなら、誰が見つけられるんだよ」
「本来なら詳しい場所まで分かるのですが、最悪なことに
「他の鬼がいるのか?なら、先にソイツを片付けた方がいいだろ」
錆兎が辺りを見渡しながらそんなことを言う。路地裏や人ごみの中を探してみるが、それらしいモノを見つけられない。
氷華は考えるように、視線を空へと向けて唸り、やがて口を開いた。
「そうですね、片付けるのは実力的にも場所的にも無理ですが、遠目に見るだけでしたら問題ないと思うので、行ってみましょうか」
氷華が告げた言葉に、錆兎と義勇の足が止まる。氷華の実力で敵わない鬼。それは――
「……待て」
「氷華が実力で敵わないってことは……いるのか!?鬼舞辻無惨が!?」
――鬼の首魁・鬼舞辻無惨。氷華が勝てないと断言した鬼の存在を言外に告げたその言葉に、義勇と錆兎の間に緊張が広がる。
そんな二人を余所に、氷華は二人の手を引いて近くにあった路地へ入る。錆兎と義勇から出た緊張感が威圧感として周りに撒き散らされていたからだ。氷華は、薄暗い路地裏に入って、人気が無くなったことを確認してから、錆兎と義勇と向き合い言葉を紡ぎ始める。
「少し落ち着いて下さい、二人とも。ここからは一歩でも踏み間違えれば、即座に三人で仲良く三途の川を渡ることになります。鬼は強者以外の気配に疎いです。とは言え、そんな鬼でも強い殺気を向けられると、流石に気付きます。今、奴は人に扮してこの浅草に潜んでいます。鬼として存在している時ならまだしも、ただの人として過ごしている時にいきなり殺気を浴びせられたら、私達のことが露呈するのは確実です。ですから、なるべく怒りや殺意を押し留めるようにして下さい。そうすれば、鬼舞辻無惨に私達のことが気付かれることは絶対にありませんから」
「ああ、分かった」
「……」
錆兎と義勇が氷華の言葉に頷いたのを確認してから、氷華は少し深呼吸をして視覚と肌感覚だけを徐々に鋭くさせて、二つの超感覚を元に痣を出さないまま、透き通る世界へと入る。これにより、氷華から発せられる強者としてのオーラが極限まで薄くなった。
「っ……では、行きましょうか。私と肩がぶつかった人が鬼舞辻無惨です。羽泰も空から見ていてください」
増えた情報によって起きた目眩から、目を抑えて氷華は小さく告げる。それから、錆兎と義勇の前に立ってふらふらと歩き出した。
「おい、大丈夫なのかよ」
即座に錆兎が氷華の手を掴もうとするが、するりと氷華は錆兎の手を避ける。
「こっちの方が今は好都合ですから。離れて見ててください。あ!それと、今だけ私は錆兎と義勇の妹の……そうですね……今だけ私の名前は向日葵と言うことにして下さい」
それだけを言うと、氷華は路地裏から抜けて一人で浅草の人ごみの中へと潜り込んでいった。
「…………錆兎」
「ああ、行くか。義勇も合わせろよ」
「……分かっている」
氷華が路地裏を出て30秒ほど待ってから、錆兎と義勇は氷華を追い掛けて路地裏を出たのだった。鬼の首魁との遭遇まで、あと僅か。
明治コソコソ噂話
「氷華は前世ではそんなことはなかったけど、甘いものが大好き。特に、今回出てきた栗饅頭がお気に入り」
次回は汚物辻無残さまと会って、軽く回想を挟みます。つまり、お兄ちゃんが出てくるかも!まぁ、もう一つの方の小説を更新してからになりますが。本当に、毎日投稿してる猛者には頭が下がります
そう言えば、つい昨日に人生初めてのセミファイナルを食らいました。驚いたけど何か感動しましたね。岩手では死にかけのセミ自体、なかなかお目にかかれないですから。人間に見つかるところにいたら鳥やら動物やらに食われますからね。庭にいるタヌキから自由研究のために必死こいて捕まえたセミの下半身がはみ出てるのを見て小学生の時に泣きました。タヌキは虫かごを開けて持っていくんです。タヌキは本当に滅んで欲しいですね、この前も父がせっせこ汗水垂らして作ったとうもろこしを食べ頃になった瞬間に全部持ってかれました。カカシも置いたし、ネットも仕掛けたのに。これで4連敗です(恨み)食うならせめて、全部食べきって欲しい。齧って、ポイはやめて欲しい