Amazonでペルソナ5スクランブルがセールだったので買ってみました。たのちぃ。
決して、ゲームをやってたから遅れた訳ではないです。ホントダヨ
普通に難産でした。多分駄文(韻踏みレベル100)。
「そうかっ……!遂に無惨の居場所を突き止めたのか!」
かぽんと鹿威しが音を響かせる、産屋敷の庭園を一望出来る縁側で羽泰からの報告を受けた産屋敷の鎹鴉が輝哉へと報告した。それを聞いた輝哉は声を上げて、狂喜乱舞とまではいかないがテンションがぶち上がる。それによって、輝哉は軽い目眩を起こすがそれも直ぐに収まり、顔に満面の笑みを浮かべる。
長い間手掛かりを掴むことの出来なかった、鬼の首魁である鬼舞辻無惨の潜伏先が見つかったのだ。輝哉は、氷華と悲鳴嶼行冥と言う数百年に一度揃うか分からない強力な戦力に、氷華と鱗滝が育て上げた将来必ず柱にまで登り詰めるであろう二人の新人。更には、氷華と言う伝手で味方になるであろう千年の知識を持つ鬼の医者。
「流れが、私達鬼殺隊に間違いなく流れが向いている!私の代で、必ず、必ずだ。これから産まれてくる私の子の為にも――」
報告をくれた鎹鴉へ豆を与えながら、改めて輝哉は覚悟を固めて誓うのだ。
「――私の代で鬼舞辻無惨を討つッ!」
――――――
「…………ん、ここですね」
「ここか?壁しかないが」
無惨との邂逅を終えた氷華達は、
錆兎と、ついでに義勇は本当にここなのかと懐疑的な視線を氷華へと向ける。
「まぁ、見えないように隠されているみたいですからね。目も鼻もここに壁があるように見せられてますから。ですが、私の五感全てを誤魔化すことは出来なかったみたいですね。少しだけ違和感を覚えました」
「……は?すり抜けた?」
「…………!」
しかし、氷華はまるで道が繋がってるかのように、塀へと向かっていく。そして、普通であれば塀にぶつかる筈の氷華の身体は、そこに塀と言う障害がないとばかりにすり抜けた。驚愕に硬直する錆兎と義勇。すると、塀からぬるっと氷華の顔が出てくる。
「どうしたんですか?早く行きますよ?」
「お、おう」
氷華の急かすような言葉におっかなびっくりと言った様子で、二人は塀の先へと足を踏み入れる。踏み入れた先には、広めの庭と二階建ての木造の屋敷。それと、背中に隠していた日輪刀を引っ張り出して腰に差そうとしている氷華がいた。
「ん、来ましたね」
「なぁ、この塀は何なんだよ」
「血鬼術ですね、まぁ、私の記憶にある珠世さんの血鬼術ではありませんが」
「成る程なぁ、これが血鬼術か」
「……奇妙だな」
氷華に倣って日輪刀を取り出した義勇と錆兎が、遊ぶように幻の塀に手を突っ込んだ。
「二人とも、遊んでないで早く行きますよ」
「おう、悪いな。今行く」
庭を横切り、屋敷の扉の前に立った氷華は、内心で何気に初めて見る西洋式の大きな二枚扉にびくびくしながらこんこんと二度ノックする。
「や、夜分遅くにすみません。珠世さんはいらっしゃいますか?」
氷華が呼び出しの声を出す。だが……
「……出てきませんね」
「気配は感じるんだがな」
「……俺達が怪しい」
「成る程……それは盲点でした」
待ち人来ず。
「うーん、少々失礼ですが仕方ありません。お邪魔しましょうか」
来ないものなら仕方がないとばかりに、氷華はドアノブに手を添えて――
「あ、あれ?開かない?」
「おい、氷華。それは戸じゃなくて扉だ馬鹿」
引き戸の要領で横に必死こいてスライドさせようとした。まぁ、基本的に建物の入り口は引き戸が一般的だったから仕方ない気はする。(砦とかの門は開き戸なんだけどね)
氷華は錆兎の言葉に一瞬ムッとしたものの、すぐにドアノブを引っ張り始める。ガタガタと凄まじい音がするが、それでも扉は開かない。
「何なんですか本当に。錠前が着いてる気配はないんですけど」
「いや氷華、取手を捻れよ」
「捻る?……あ」
氷華が軽くドアノブを捻るとガチャッと音を立てて扉が開く。
「ごめんくださーい!珠世さんはいらっしゃいますかー?」
「いやいや来るわけがないだろ。と言うか、叫んだら逃げられるんじゃな……」
錆兎が氷華に諭すよう話していると、言葉を遮るように乾いた木が擦れるような音と共に扉が開いた。
「こんな夜更けに何用でしょうか?」
警戒するかのような声音と共に現れた一人の女性。いつでも逃げれるようにか、扉は開けたままに氷華達を見つめる紫紺の瞳が氷華の水色の視線と交錯する。
氷華はその女性の顔を見る。鬼と言う種族柄、永い時を経ても変わることのない姿。自身の記憶と合致した彼女の容姿に、氷華は喜びの感情が胸を満たすのを感じた。
「お久しぶりです、珠世さん。十五年……いえ、五百年ぶりですね」
氷華はゆっくりと扉の影から覗く女性……珠世の元へ歩きながら、左手で右の額に掛けられた狐の面に手を掛け外す。そして、右手を着物の襟に添えて肩を見せる。
「……! その声、それに、その痣は……まさか……!」
天野氷華が持つ六連星と雪の結晶の痣。前世と変わることのない容姿と、痣と言う絶対的な特徴を認めた珠世は驚愕に目を見開く。あり得ないと。例え、輪廻転生と言う概念があれども、五百年前と同じ姿で声で蘇る筈がないのだと。
「氷華さん、なんですか……?」
「えぇ、そうですよ。天野氷華、黄泉ノ國から蹴り飛ばされて戻ってきてしまいました。因みに――」
微笑みを携えて珠世の元へ近づく氷華。そして、徐に腰に佩いた日輪刀に手を添えて抜き放つと、氷華の右後方へとその純白の刃を突き出して止める。
「この鬼は血鬼術を使うようですが、何れだけの数の人を喰っているのか、理由と合わせて教えて貰ってもいいですか?よもや、五百年前の不食の契りを忘れたなどとは言わせませんよ、珠世さん?」
「出てきなさい、愈史郎」
「…………」
氷華が珠世へ問い詰めるように告げる。そして、珠世の言葉に呼応するように、氷華の日輪刀の切っ先を喉元に突き付けられ、氷華を鬼の形相で睨み付ける一人の青年が現れる。氷華は現れた青年を見て、少しだけ目を瞪る。
「? 人を喰ってない?」
「はい、私と愈史郎は身体を弄って少量の血液で生きれるようになっています」
「なら、どうして血鬼術が?」
氷華の頭の中は凄く混乱していた。そもそも氷華の認識では、血鬼術とは人を多く喰らわないと発現しない代物。今の珠世は五百年と言う年月を重ねたため人喰いの気配は手鬼よりも少ない本当に微々たるものだが、昔に人を喰っていて血鬼術である『惑血』を過去に使用しているのを見ていたので除外する。
だが、愈史郎は珠世とは違って人を喰った気配が全くしない。微かに気配のある珠世よりも短い時間しか生きていない愈史郎が人を喰った気配を消すことが出来ないのは明らか。なのに愈史郎は血鬼術が発現している。氷華はさっぱり理解出来ないこの問題に――
「まぁ、いいです。私は珠世さんの言葉を信じましょう」
「いいのかよ!?」
「……!」
「だって、詳しく説明されたところで、多分私には分からないもん」
「お、おう。なら仕方ないな」
――考えるのを辞めた。これには錆兎と義勇もびっくり。でも、氷華が問題にしてないなら大丈夫だろうと氷華と同じく思考停止させるのだった。だって、氷華よりも知識がない錆兎達には分からないんだもん。
こうして、シリアスの気配は霧散した。
「改めて、私は珠世と言います。そして、あちらが愈史郎です。私の助手をして貰っています」
「鱗滝錆兎だ。こっちが冨岡義勇」
「……よろしく頼む」
応接間へと通された錆兎と義勇は、珠世と話を始める。珠世が話すのは、愈史郎を鬼にした経緯と自分たちが少ない血液のみで生きていけること。そして、五百年前に珠世と氷華が出会った時のことを、無惨と縁壱、氷華兄妹の決戦も含めて話した。
「成る程な、それで珠世さんが鬼殺隊に協力する代わりに見逃して貰ったということで良いのか?」
「はい、その通りです。私は、鬼舞辻無惨を殺す為の薬を研究しています」
そして、珠世は錆兎と義勇に話を続ける。無惨を殺す為の薬を作るのに、無惨に近い強力な鬼の血液が必要であること、強力な鬼とは十二鬼月であること、錆兎達鬼殺隊にはこの十二鬼月の血を採取して欲しいこと。
そこまで話すと珠世は軽くタメ息を吐くと共に、視線を錆兎達からズラした。そして、たった今吐き出したタメ息なんか比較ならないほどに重たいタメ息を吐き出した。珠世の視線の先では――
「ふっふっふ、私は貴方よりも早く珠世さんと出会っているんですよ?頭が高いのでは?五百年前ですよ?五百年前」
「何だと貴様!お前なんかよりも俺の方が長く珠世様と共にいたんだ!お前の二年に比べて俺は十年と七月だぞ」
「ぷふっ、珠世さんに血を吸われたこともない癖に、よく回る口ですねーw」
「は?殺すぞ貴様ッ!醜女の癖にッ!」
「は?いいでしょう、受けて立ってやりますよ!」
――氷華と愈史郎が互いに珠世との思い出を元にマウントを取り合い、果てには取っ組み合いの喧嘩へと発展しそうになっていた。やれ、珠世さんが記憶を取り戻して不安定だった時に支えたのは自分だ。やれ、珠世様の苦悩が分かるのは同じ鬼である俺だけだ。etc.etc...
遂には、愈史郎が氷華へと向けて拳を振り下ろし、それを顔面で受け止めて愈史郎の首を切り落とそうと氷華が日輪刀に手を掛けた時。
「やめなさい、二人とも」
「「はい!」」
鶴の一声、改め珠世の一声が飛んだ。それによって、氷華の顔面をぶん殴って、その代償に首が半分くらい切れて赤い血液を流した愈史郎。それと、愈史郎の拳によって鼻先がほんのちょっぴり赤くなった氷華は仲良くお座りをした。
「はぁ……これから、私達は仲間として戦うのですから、もう少し仲良くしなさい」
「だって、珠世さん。
「ですが、珠世様。この
「「はぁっ!?」」
珠世の諭す言葉に二人は互いに相手へと責任を押し付けるような言葉を並べ、互いの言葉に怒りが再燃し、再びメンチを切り合う。
「お黙りなさい」
「「はい!」」
「珠世さん、すげぇな。氷華を一言で止めやがった」
「……全くだ」
返事だけはいい氷華と愈史郎の二人に、珠世はまたまた深い深いタメ息を吐いたのだった。そして、暴走した氷華をたったの一言で止めて見せた珠世を見て、錆兎と義勇は珠世に尊敬の念を送るのだった。
「それで、氷華さん。私達は何処へ行けばいいのでしょうか?」
「……さぁ?分かりません」
「おい、お前!いい加減にも程があるだろ!」
珠世の質問にさっぱりとした口調で答える氷華。その様子に愈史郎の額に青筋がピキッた。だが、そこから喧嘩に発展することはなかった。
「それでしたら私から」
その声は、開け放たれた窓から聞こえた。氷華達全員が声の聞こえた方を向く。そこには、窓縁に止まる三羽の鎹鴉。氷華と錆兎、そして、お館様こと産屋敷輝哉直通の鎹鴉のうちの一羽。
「こんばんは、珠世さん。私は産屋敷輝哉の使いの者です。しかし、いくら氷華さんがいるとは言え、夜中に窓を開けているのは無用心と言えますね」
氷華達は目の前の鎹鴉の話を聞く。続く言葉は凄く端的なものだった。
「五百年前の約束を果たして頂きたいです。珠世さん、鬼舞辻無惨を倒すために協力してください。産屋敷邸へ招待しましょう」
それは、鬼殺隊への招待の言葉。鬼である珠世と愈史郎を鬼殺隊の頭が住む産屋敷邸への招待と言う、産屋敷輝哉から珠世への最上級の信頼の現れ。その言葉から輝哉の覚悟の大きさを理解した珠世は。
「分かりました。すぐに準備しましょう」
迷いなく頷いたのだった。
因みに、義勇の鎹鴉こと寛三郎はと言うと。
「義勇、助ケテクレェ……」
間違えて、閉めきられた窓へと向かい、窓ガラスにぶつかって地面に落ちていたのだった。程なくして、助けに来た義勇に救助された。
明治コソコソ噂話
「氷華の暴走を止められるのは現在では四人しかいない。鱗滝さんと珠世さんとお館様、それと、まだ本編では出てきてない竈門家のパパこと炭十郎だけ」
多分、パパ十郎はこの小説には出てこないです。だって、生存しちゃったら、ストーリーが氷華のせいで既にイージーモードなのに、もっと簡単になっちゃうもん。何なら、原作一話の時点で話が終わっちゃうもん。
それと、この小説では人間は歳を取るけど、ご都合主義により鎹鴉は不老になって貰います。僕は、寛三郎がお爺ちゃんじゃないとイヤなんです。