最強の妹   作:タニコウ

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ヒノカミ血風譚をまたまたやってて思ったんですけど、何でランクマに勝って、鱗滝さんの『勝負あり、そこまで』のボイスが入ったタイミングで切断された時に勝ちにならないんですかね?そもそも、切断されたらこっちの勝ちで良くないですか?だから、切断厨がアホみたいにいるんですよ。

とまぁ、再び不満が爆発した結果早く書き上がったので投稿します。

作中で出てくる技の表記は大体こんな感じになります。

全集中 ○の呼吸 ○の型 ○○
○の呼吸 ○の型 ○○

この2つが出てきます。違いは、全集中が付いているか付いてないかだけなんですけど、これら2つでは威力が変わります。
ゲーム風に言えば、全集中が付いていれば技ゲージを使う威力の高い技で連発しにくいっていうデメリットがあります。
逆に、全集中が無ければ威力は使用者の素の身体能力で出す技になります。その代わり、息切れでもしない限りは連発できるって感じです。

因みに、常中が出来ていないと全集中なしの技は使えません。呼吸の練度が上がれば上がる程、全集中ありの技を使える回数も増えていきます。前者はともかく、後者は原作通りですね。

それと、誤字報告ありがとうございます。冨岡さん、ごめんよ。冨の頭にちょんぼが付いてたのに気付かなかったよ。名前のミスだけはしないように気をつけて見返した筈なんですけどね……。


#3 狭霧山その2

 

「準備はよろしいですか?鱗滝さん」

「うむ」

「氷華はどうだ?」

「問題ありません」

 

 鱗滝の小屋を出た鱗滝一門四人は、鱗滝と残りの三人が一人ずつ手合わせをするために山の麓の丁度いい広さの空き地に来ていた。まず最初に鱗滝と向かい合ったのは氷華であった。錆兎は審判として二人の間に立ち、義勇は離れたところで体育座りをしながら見学だ。――何か、哀愁が漂っているように感じるのはきっと義勇の無表情のせいだろう。

 氷華と鱗滝は互いに六間(約10m)程離れて向かい合い、鱗滝は正眼の構えを取り隙のないように氷華を睨み付ける。対する氷華は、上段で構える天の構えを取り左足を引き何時でも鱗滝へと斬りかかれるように準備している。

 

「では、両者構えっ!――」

 

 ――全集中 水の呼吸……

 ――水の呼吸……

 

 錆兎の声と共に鱗滝は呼吸を深め技を繰り出す為に気を溜め、氷華もまた何時でも飛びかかれるように腰を落とす。

 

「――始めっ!!」

 

 ――壱の型 水面斬り

 ――弐の型 水車

 

 錆兎が開始の号令を下すと同時に、氷華は一足で鱗滝の元へと跳び、さながら大雨の時に高速で回る水車のように空中で勢い良く前回転をしながら鱗滝へと斬りかかる。鱗滝は、迫る氷華の縦の斬撃を渾身の横一閃で受け止め、鍔迫り合いへと持ち込む。

 

「っ……流石です、先生」

「抜かしよる」

 

 ――水の呼吸 参の型 流流舞い

 

 鍔迫り合いで押し負けたのは空中にいた氷華。鱗滝は氷華の木刀を押し返して自身の木刀を振り抜き、そのまま次の攻撃へと移る為に駆け出し、攻撃を弾かれ未だ空中にいる氷華へと斬りかかる。

 

 ――水の呼吸 壱の型 水面斬り

 

 氷華は何とか鱗滝の一撃を横一閃で防ぎ着地する。だが、鱗滝の攻撃は止まらない。むしろ、氷華の力を逆に取り込み勢いが強くなった。鱗滝は山の上流を流れる川のように激しくとも一直線にはならない曲線的な動きで舞い、縦横無尽に駆け回り氷華へと斬りかかる。

 

 ――ガッガガガガッ!

 

 氷華は、強くなった鱗滝の攻撃を木刀一本で弾いていくが、鱗滝は自身の木刀を弾いた氷華の力すらも利用して更に攻撃の勢いは増していく。

 

「このままでは押し切られかねません、仕切り直さないと!」

 

 氷華は一際強い力で鱗滝の攻撃を押し返し、その反動で大きく飛び退る。だが、氷華の考えを読んでいたとばかりに鱗滝が動き出す。

 

「好機っ、全集中!水の呼吸!拾の型!」

 

 鱗滝は、氷華によって加えられた力すらも呑み込むようにその場で一度回り、駆け出す。流れる川の水流の様だった動きが、まるで天へと昇る龍のようになった。

 

「くっ……」

 

 一瞬の内に氷華の目の前に迫った鱗滝は回転しながら氷華を斬り付ける。

 

 ――カッ……ガッ……ドカ……ドガッ……

 

 氷華が木刀で防ぎながら後退すれば、更に距離を詰めて回転斬りを繰り出す。その威力は攻撃すればするほど威力も上がっていた。そして、

 

「っ……しまっ……!」

 

 ついに氷華の防御を割り、体勢を崩させる。ここだとばかりに鱗滝は飛び上がり、今まで蓄えた力を全て解放させて袈裟斬りを放つ。

 

「生生流転ッ!!」

 

 氷華の目の前に鱗滝の木刀が迫る。さながら、水で出来た龍が氷華を喰らい尽くさんと噛みついてくるかのような苛烈さだった。氷華の頬に一筋の冷や汗が流れる。だが、氷華もただでは転ばない。

 

「全集中!」

 

 氷華は大きく息を吸い、身体中に力を張り巡らせる。そして、氷華は防御するでもなく鱗滝の方へと飛び込み、しゃがみながら身体を捻り、木刀を下段で構える。

 

「水の呼吸!陸の型!」

 

 そして、捻った身体を戻しながら軽く飛び上がる。それと同時に木刀を渦潮のように回転しながら思いっきり振るった。

 

「ねじれ渦ッ!!」

 

 限界まで捻られた身体を勢い良く戻すことで衝撃波が発生し、鱗滝の攻撃を押し返さんとばかりにぶつかった。そして勢いを落とした鱗滝の生生流転と、氷華のねじれ渦がぶつかり、立ち位置が入れ替わった最初の一幕の焼き直しだとばかりに鍔迫り合いとなった。

 そして、結果も最初と同様に上にいた鱗滝が弾かれたのだった。水で出来た龍が渦潮に弾き飛ばされたように霧散した。

 

「まだだッ!」

「やはり、先生はこれでは終わりませんよね」

 

 だが、鱗滝は空中で霧散した龍の欠片を集めるように回転し力を集め、落下しながら自分の下にいる氷華へと渾身の兜割りを繰り出す。そして、氷華も迎撃の為に木刀を構える。

 

 ――全集中 水の呼吸 捌の型 滝壷……

 ――全集中 水の呼吸 肆の型 打ち潮

 

 氷華は先刻錆兎が使ったそれよりも激しい一撃を受け流し、崖にぶつかった波のように刃を返すと、隙を晒している鱗滝へと斬りかかる。だが、鱗滝は受け流された直後に地面を蹴り、もう一度刀を振り氷華の攻撃を弾いた。そして、もう一度地面に着くと同時に地面を蹴り、滝壷を繰り出したのだった。

 

「三連!仕舞いだ!」

「……まだです」

 

 氷華は目の前に迫った木刀を見据えながら、自身の木刀を右手に持ち替え、右腕を引き突きの構えを取る。

 

 ――全集中 水の呼吸 漆の型 雫波紋突き

 

 引き絞った右腕から放たれた鋭い突きが鱗滝の木刀とぶつかる。ガキンと、到底木刀から放たれたとは思えない音を出しながら膠着する。だが、鱗滝は両手で木刀を持っているが、氷華の片手は空いていた。氷華は鱗滝との距離を一歩詰めて胸ぐらを掴む。そして、

 

「よいっしょぉ!」

「むっ……見事なり。降参だ」

「勝負あり!そこまで!勝者、氷華!」

 

 背負い投げの要領で鱗滝を地面へと叩き付け、鱗滝の肩を足で踏みつけて動けなくし、右手に持った木刀を眼前へと突き付けた。敗けを認めた鱗滝は降参を口にする。それを聞き届けた錆兎が氷華の勝利を宣言した。

 

「まさか、一月と経たずにここまで水の呼吸を自分の物と出来るとはな」

「先生のご指導の賜物です」

「ハッ……よく言う。正直、今すぐにでも水柱に推薦したいところだな」

「ふふっ……まだ私は鬼を十体斬ってないのでなれませんよ?」

 

 和やかムードで話していたのだが、今氷華はとんでもないことを言ってしまった。もはや転生したことを隠すつもりのない氷華の言葉に流石の鱗滝も待ったを掛ける。氷華の言葉には誤りがあったからだ。

 

「待て氷華。柱になるには階級が甲であること。かつ、鬼を50体滅殺するか、十二鬼月を滅殺することだ」

「えっ?私の時代ではそうだったのですが……」

「お前、本当に隠す気があるのか?」

 

 またもや、ジェネレーションギャップである。全集中の呼吸が広まる前と、広まった後の今とでは柱になる条件が変わるのも妥当だろう。それはそれとして、もう答えを言ったも同然な氷華。これには、鱗滝も真顔で突っ込んでしまう。

 吹っ切れたのであろうが、もし吹っ切れてないのならば、おっちょこちょいにも程がある。

 

「……その、取り敢えず錆兎が待ちきれないようなので、後でにしません?」

「……はぁ……そうだな」

 

 目を泳がせながら氷華が言えば、深いため息を吐いて鱗滝が立ち上がり、木刀を手に錆兎の方へと向かって行った。

 

「始め」

 

 義勇の合図で動き出した錆兎と鱗滝を見ながら氷華はため息と共に一言。

 

「ふぅ……危ないところでした」

 

 既に手遅れである。

 




明治コソコソ噂話
「氷華は外面は取り繕っているけど、本来の性格は天真爛漫で自由奔放な性格らしい。前世で柱になった時に威厳を出すために使い始めたんだって。親しい人の前ではふとした時に本来の口調が出てくることがあるみたい」

原作では鱗滝さんの戦闘描写が年号さんの回想でしか出てこなかった上に、まともな説明が無かったから考察でしかないけど、鱗滝さんって五体満足で柱を定年退職してるし絶対滅茶苦茶強かったんでしょうね。

前回の後書きを大正から明治にサイレント修正したのは誰にもバレて無い筈……。ご唱和ください。

年号がぁ!年号が変わってるー!
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