最強の妹   作:タニコウ

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今この作品のタグを考えてるところなんですけど、お兄ちゃんは出番があるから主人公最強タグつけられないんですよね。困りました。



#5 藤襲山への道その1

 

「では、行って参ります、先生」

「うむ、気を付けてな。義勇と錆兎も気を付けて行ってこい」

「行ってきます!鱗滝さん!」

「……行ってきます」

 

 翌朝、それぞれが鱗滝から貰った狐の面を被った氷華、義勇、錆兎は鱗滝の見送りの元出立した。氷華は後ろを振り返って手を振りながら、義勇はチラチラと後ろを振り返りながら、錆兎は振り返ることなく腰に佩いた日輪刀を気にした様子で歩き出した。

 

「藤襲山には栃の木があるんでしたよね?それにしても不思議な山ですよね。藤と栃、2つの木が特徴だなんて」

 

 そんな素っ頓狂なことを言いながら氷華は歩く。だが、藤襲山について知らない錆兎と義勇は氷華が勘違いしていることに気付かない。

 

「確か藤襲山があるのは栃木だったか、俺は孤児だったから行ったことないな。義勇はあるのか?」

「……俺もないな」

 

「そう言えば、氷華。お前は何故そんなに強いんだ?鱗滝さんの元に来る前は何かやってたのか?」

「うーん……やっていたと言えば、やっていましたね。やっていないと言えば、やっていませんが」

「何だ、その煮え切らない返事は」

「すみません、何と説明すればいいのか分からなくて」

 

「錆兎は強さに貪欲ですけど、何か理由があったんですか?」

「それはだな……」

「ごくり……」

「……男だからだ!」

「…………ええっと……なる、ほど?」

 

「……俺は弱い(からどうすれば良いか教えてくれないか?)」

「そうですね、義勇一人で全部出来るようになる必要はないんですよ?上弦や無惨……鬼の中でも上位の鬼は義勇一人では逆立ちをしても勝てません。勿論、錆兎でも勝てません」

「……そうか」

「そう、落ち込むものではありませんよ。上弦や無惨に単独で勝てるのは本当に一握りだけです。ですから、一人で出来ないのなら二人で、二人でも出来ないのなら三人で、三人でも無理なら数百人で、そうやって群れて完全な個として戦うのが私達鬼殺隊(戦国時代)の戦い方です」

「つまり、俺と義勇で完全な個になれってことか?」

「そう言うことです。錆兎が攻撃を、義勇が防御を担えば十分上弦にも通用すると思いますよ」

「俺が義勇の矛になるってことか。面白い!やってみようぜ、義勇!」

「俺は(錆兎の命を背負いきれないから)参加しない。氷華と二人でやるといい」

「いや、氷華と俺だと実力に差がありすぎるだろ。何時かは必ず追い付くが、今は俺の方が弱い。今はな!」

「期待してますね、錆兎。それに、義勇のことも期待してますよ」

「……錆兎、氷華。……分かった、取り敢えず(錆兎の為に出来ることを)考えておこう」

「任せたぞ、義勇」

 

 三人は藤襲山へ向かう道を雑談を交わしながら進んでいく。時には、戦いのこと。時には、自分のこと。時には、お互いのこと。そんな旅を続けること三日。

 

「ここどこ?」

「知らん、何処だここは?」

「…………山の中だな」

 

 名も知らぬ山で迷子になっていた。ことの発端は、鱗滝に示された方角を歩いている時に、目の前に聳えたった山を見た時のこと。鱗滝は氷華達へとこう伝えていた。

 

『この方角の道を進むと、藤襲山に辿り着く』

 

 だと言うのに、氷華は山の麓を回り込むように続いていた道を見てこう言ったのだ。

 

「恐らく、道は山の裏に続いていることでしょう。ですから、山を登って近道をするんです」

 

 愚かである。そして、氷華の言葉に異を唱える者はいなかった。その結果が、これである。

 

「すみません、私のせいですね」

「いや、俺達も何も言わなかったからな。氷華のせいではないだろ」

「……そうだな」

「そう言ってくださるのはありがたいですが、私の不始末であることには変わりありません。自分の尻は自分で拭きます」

 

 そう言って氷華は、視線を上へと向けて何かを探す。そして、ある一点で視線を止めると足を曲げて視線の先にある木の上まで跳び上がった。そこにいたのは一羽の鶯。

 

「もし、そこの鳥さん。少し良いですか?道を訪ねたいのですが……」

「氷華?何してるんだ、アイツは?」

「……俺は知らない」

「……はい、山の麓に藤の花が咲き誇る山なのだそうですが、何処かご存じですか?……え、知ってる?でしたら、道を案内して頂たいのですが。いいんですか?ありがとうございます!」

 

 氷華は、肩に鶯を乗せると枝から飛び降りて二人の元へと着地する。

 

「二人とも、この鶯が藤襲山まで連れてってくれるみたいです」

「…………」

「……氷華、お前鳥と喋れるのか?」

 

 錆兎が驚きながら氷華に言うと、氷華はこてんと首を傾けて口を開いた。

 

「私もにぃも……兄も出来てましたよ?二人も出来るのでは?」

「普通は無理だろ!?まさか、義勇お前も出来るとか言わないよな!?」

「さぁな。(やったこと無いから出来るかどうか分からない)」

「だよな、普通は試そうともしないよな」

「むぅ……私達は子どもの頃は話し相手が兄妹か動物かしかいませんでしたからね。そう言うものなんでしょうか」

 

 氷華は普通じゃないと言われた様に感じて、頬を膨らませて抗議するような視線を向ける。が、すぐに自分と兄の特異性を思い出して納得する。

 

「そろそろ日も暮れそうですし、山を下りましょうか」

「それもそうだな」

「……ああ」

「では鶯さん、お願いします。それと、鬼に襲われている人を見つけたら教えてくださいね?」

 

 氷華の言葉に鶯は一度頷くと、鳴きながら氷華の肩を離れて飛んでいった。鶯が飛んだ先を見た氷華は、錆兎と義勇を向いて声を掛ける。

 

「では、行きましょう」

「おう」

「……了解」

 

 氷華が駆け出すと、二人もそれに追従する。鶯を追い掛けて山を駆け下りる。木の根っこが剥き出しになった足場の悪い山道を苦もなく駆け抜ける。

 

「山を下りましたね」

「このまま、藤襲山まで向かえばいいんだな?」

「……」

「そうなりま――待ってください、鬼が出ました!」

「ぐっ……。鬼だと!?」

「がっ……。早く向かうぞ」

 

 鶯が飛んだ先にある藤襲山へ走ろうとする錆兎と義勇。その直後に響いた鶯の鳴き声に反応した氷華が二人の襟を掴み引き留める。首が絞まった二人の呻き声が聞こえたが、続く氷華の鬼の出現を告げた声で表情を引き締める。

 

「分かってます。鶯さん!鬼の場所へ案内して下さい!」

 

 氷華が鶯へ大声で頼むと、鶯は鳴き声と共に飛ぶ方向を切り替えて羽ばたいて行った。

 

「あっちです、急ぎましょう」

「ああ!」

「……分かった」

 

 ――水の呼吸 玖の型 水流飛沫・乱

 ――水の呼吸 玖の型 水流飛沫・乱

 ――水の呼吸 玖の型 水流飛沫・乱

 

 姿が掻き消えた三人は水飛沫の様な足跡を残して走り去っていった。

 





戦国コソコソ噂話
「鎹鴉の起源は遥か昔、始まりの呼吸と言われる日の呼吸を使っていたとされる日柱と、その妹が鬼を倒す為に雀や鴉、鼠などの動物を使って捜索させていたことが始まりと言われてるよ。何でも、当時のお館様が二人が使役している動物の中でも一番賢くて飛行能力もある鴉を選んで言葉を教えた結果、鎹鴉が生まれたらしいんだ(※注 捏造設定です)」

僕は、始まりの呼吸の剣士の時代って今の柱級がゴロゴロいたんだと思ってます。お館様は原作の柱達が始まりの呼吸の剣士達に匹敵すると言ってましたが、兄上と無惨様が殆どの記録を消したっぽいですし、全集中の呼吸が広まるまでの間は本当に生身の人間が戦ってた訳ですから十二鬼月レベルの……それこそ下弦の鬼でも超苦戦するどころかまず首を斬れないと思うんですよね、腕の力が足りなくて。なので、強すぎる鬼は全集中の呼吸が伝わるまでは放置せざるを得なかったんじゃないかと思われます。
つまり、無惨様が生まれてから始まりの呼吸の剣士が生まれるまでの数百年生きた十二鬼月レベルの鬼がそこら辺にうじゃうじゃいたんじゃないかと思います。それで、縁壱が呼吸を伝えて状況が変わって、当時の柱達(縁壱含む)が奮戦してある程度掃討した結果、無惨を追い詰めてリセットして今の状況になったんだと思ってます。だから、当時の柱達は上弦と一対一をして、最低でも相討ちくらいまでには出来たんじゃないかとも思ってます。隠も鎹鴉もいなかったと思いますし、医療知識も馬糞を傷口に塗るなど酷いものでしたから 環境が違いすぎて比較が出来ないですけど。
因みに、仮に始まりの呼吸時代の柱が今の柱と同程度の能力だった場合、殆どの鬼を縁壱が殺したことになっちゃって兄上の株がだだ下がりするんですよね。この世界線では氷華と二人でってことになっちゃって、氷華の戦績がえげつないことになりますね。



炭治郎も鎹雀のうこぎと話してたし、縁壱も出来るよね。だったら、氷華が出来ても大丈夫だってなった結果、氷華とお兄ちゃんは動物とお話出来るって設定が出来ました。
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