空と夢と星と青春   作:イメージの裏切り

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宵星の下の影、二つ

 随分と長い間歩いていると、幅広の下り階段が現れた。かなり長く続いているようで、降りきった先が見えない程だ。

 

「大分大きな階段だね。スバル、この先いる感じなの?」

「結構歩きましたよ?そろそろ本隊を掴んでもよさそうなんですけど?」

 

 スバルは辺りを見回して下に続きそうな道を探る。だがどうもここしかなさそうという顔で返答をする。

 

「ふむ、ある程度の大部隊で降りられそうなのはこの階段だけですね。この先にいると見ていいでしょう」

「底にはまだつかない感じ?」

「うーん何とも言えないですね、実際カイザーが『底』を目指しているのかも分からないので……」

 

 ではやはり直接本隊を掴んで質すしかないようだ。そうなるとやはりこの階段を降りていく必要があるだろう。

 

「じゃあ、行こうか」

 

 カヤもスバルも頷いて階段を降り始める。カンカンと鉄を踏み鳴らす音が辺りに反響していく。雨風に曝されることも無いのか、錆びついた音も、重さにギシギシという歪みも感じられない。だがやはり妙に人の手から離されていたにしては、この鉄の構造物には僅かな風化も無いように見える。

 

「しかしカイザーは一体何をそんなに期待しているんですかね?正直な話、兵器の類が眠っているって話は聞いたことがないんですけど」

 

 カヤが疑問を呈す。確かにここまで来て、具体的な発掘物の情報は胡乱(うろん)なままだ。

 

「どうですかね?実際のところ、何が埋まっていようとカイザーは使い所のアテはあるのだとは思いますが」

「いや、どうでしょう?私は正直なところ、ある程度どんな代物かの情報は掴んだ上で来てるんだと思いますね」

「そうですか?」

「まあ、個人的な経験に基づく話ではありますが、カイザーは表面的な動きがなんであれ、本来の目的はきちんと整理されている印象です。ただの噂だけで宝探しにくるというのは、ちょっと考えられないですね」

 

 確かにアビドス砂漠のウトナピシュティムの本船のときも、出処自体は黒服からの情報に基づいていたはずだ。いかにそれらしい情報だとしても、黒服という怪しい人間の情報を信頼する以上は、ある程度見当がついていたと考えるのが常道だろう。

 

「審査会なら何かしらの情報は握っていても不思議ではないんですが、何かそういう話は聞いたことありませんか?」

「うーん、私個人としては聞いたことがないですね。安全科としても審査会のあらゆる情報にアクセスできる訳ではないので、心当たりは正直……って感じですね」

「……あなたは、座長がこの件に噛んでいるとしたら、どうします?」

「なんですか?まさか座長が情報をカイザーに流したとでも?」

「はい、有り得る可能性としては、一番考えられる情報筋でしょう。安全科の監視を掻い潜って情報を盗むというのは非効率です。大勢を動かすにしても、何らかの手引きがなされたと考えるのが自然な気がします」

 

 やはりカヤは何度か手を組んだうえで、感覚として分かるものがあるのだろう。だが彼女たちを導いたであろうチエに疑いをかけるというのは、何の躊躇いもなく出来る訳ではないだろう。おそらく、カヤはスバルが肯定を返すことを期待している。しかし……

 

「ふむ……そうですね、私は正直、座長が何か企むにしても、それなりにプレローマに対して利益があると分かってやっているのだろうと思います。例え表面的には背信行為に見えても、長期的には得るものがあるのでしょう。何より──」

 

 スバルはカヤの推測には興味が無さそうだった。だがそれは盲信しているわけではなく──

 

「──座長がすることが善であれ悪であれ、私は見届けるのが役目です。本当にその場で必要なことはやりますが、特別座長に物申しに行くのは私の仕事ではありません」

 

 ──あくまで自らの役割に忠実であろうとしたからだろう。

 

「まあ、抗議ならお付き合いしますよ。とはいえまずやることはカイザーの首根っこを掴むことでしょうがね」

「ふん……まあそうですね」

 

 そうして2人は再び階段を降りていく。

 

 

 

 

 

 降りた階段の段数も300段に届こうかという頃、不意に足場に日が差し込む。鉄骨造りの通路に、沈みかけの太陽の熱が温かく伝わってくる。

 

「すごい……外が見えるよ」

「うわ……ここ崖に面してるんですね」

 

 相変わらず鉄の骨組みは錆1つないが、流石に峡谷に突き出た吹きさらしの通路には何とも心許ない。風は無いが、底も見えない切り立った壁は根源的な恐怖を呼び起こす。手すりは付いているものの、弱々しい鉄筋だけではなんとも歩みが鈍くなってしまう。

 

「ていうか、ここ完全に地下ってわけじゃないんだね」

「ここまで潜ると、運び出すのも手間ですからね、空輸ポートあたりでも用意があったのかもしれません」

「うーん……こんな自治区近郊に崖なんてありましたかねぇ?」

「案外分からないものですよ、鏡を使っても自分の背中は見えないのと同じですよ」

 

 コンコンコンコンと足音が鉄板に響く。開けているが故に反響はほとんど聞こえないが、他の環境音は全く無いためか、実際の音量以上に大きく聞こえる。こういう場所では強く吹き付けそうな風も予想に反して凪いでおり、生温い空気の温度と鉄の匂いも相まって不気味な雰囲気が漂っている。

 

「それにしても、もう夕方なんだね」

「昼過ぎに着いたはずなのに、大分歩きましたね」

 

 空の向こう、太陽が顔を見せる地平線の近くはすっかりオレンジ色に染まっている。私たちの周りの空気の淀みから目を離せば、広大なパノラマが目の前に広がっていることが分かる。それは多くの予想外に翻弄されつつあった午後の私たちに、1つの労いを手向けてくれているような気がした。

 

「皆さん、アレを見てください、もう星が出ています」

「うわ、本当だ!こんなに早くから星って出るんだね」

 

 夕焼けから少し外れたところの空にぽつねんと星が輝いているのが見える。まだ沈まない太陽の明るさに負けず、キラキラと存在感を示している。

 

「実はアレ、恒星ではないようです。夕暮れと明け方、薄暗い空の限られた時間に、太陽の光に照らされて光っているそうです。だから太陽が完全に沈んでしまった夜空には見えない星なんです」

 

 へえと感嘆しながら空を仰ぐ。カヤとスバルも歩みを進めながら、西の空に浮かんだ一番星を眺めている。何かを思い出すような、懐かしむような、そんな視線を注いでいる。

 

「2人とも星を見る趣味があるんだね、知らなかったなぁ」

「は?べ、別にそんなつもりで見てたわけじゃないですよ!」

「まあそうですね、正直好き好んで星空を眺めたりはしないですね」

 

 ほれほれ見ろ〜と言いたげなカヤの悪戯な表情を遮るようにスバルが話を続ける。

 

「ただ、あの日、座長が星を教えてくれたことがあったなあ、なんて、ちょっと思い出したりしただけです」

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

「スバル、見ろ、一番星だ」

 

 ああ、見えますね、などと淡白な返事に済ませたのは、しょうもない雑談に過ぎなかったからという理由が半分です。その日は座長に連れられて、自治区のあちこちを見て回っていたのですが、特段興味を惹かれた記憶はないですね。あの時空にあった星も、どんなふうに瞬いていたのか、よく思い出せません。

 

「これから夜がやってくる。この広い空の旅路において、アレが最初の灯台の火なのだよ」

 

 ふうん、などとポエティックな(たと)えは聞き流してしまおうとしていました。別に私にはいくら光があっても、その方へ進もうという気はなかったからです。ただ、そんな話を聞いていてちょっと気になったので、不意に、ほんの気まぐれに、尋ねてみたんです。

 

「座長は、あの星の方向へ進んでいるんですか?」

「お?質問か?ようやく自分から口を開いてくれたな。嬉しいから答えてやろう──」

 

 なんだコイツとは思いました。ずっと私に期待する素振りばかりしている座長には、さぞ輝かしい恒星が見えているんだろうな、なんて、御高説を賜る身構えをしていました。ですが……

 

「──我々にはな、もう星はあんまりよく見えないんだ」

 

 拍子抜けでした。でも衝撃は小さくありませんでした。大きな顔で私を導こうとするその人に、星が見えないなんて……私の視界に飛んでいた謳い文句が、煙のように消え去ってしまったように見えました。

 

「じゃあなんであなたは私に……」

「それはな、スバル……我々の代わりに星を見て欲しいんだ」

「それは、どういう……」

「我々は、もう既に目が(くら)んでしまったんだ、過去に立ち遅れてしまったんだ。星の在処は知っているのに、その方へ向かうことができないんだ。だから……」

 

 星の場所を教えるから、代わりに行って欲しい。私に託そうとする声は、遠くまで飛んでいかずに、地面の砂の上に落ちてしまいました。

 

「そんな、私にはできませんよ、あなたにできないのに」

「別に今すぐに、とは言わないさ、いつかでいい、星までの道のりを知っているなら、きっと行けるから……」

 

 それっきり、座長は星の話をすることはありませんでした。私はせっかく教えてもらった星の位置を、この目で確かめてみることはずっとしませんでした。

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

「そんな話を……」

「座長は、具体的に私に何をしてほしかったんでしょうか?未だによくわかりませんね」

 

 蟹江チエ、彼女に対する印象は、かなり二転三転している。(うやうや)しくも強かなリーダーとしての立ち振舞いの裏に、老獪にもカヤやスバルを飲み込もうとした妖しさがあった。そんな面の隙間から、僅かに諦観の籠もった弱々しさが覗いている。彼女は、スバルに何を託そうとしていたのだろうか……?

 

「そういえば、私もそんな話を座長としたことがありますね」

 

 カヤが口を挟む。

 

「あの日、座長が私の心を奪った日……」

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

「カヤ、見ろ、一番星だぞ」

 

 私はあの瞬間から、目の前に餌を吊るされた獣のように、フラフラと座長の後ろをついていった気がします。ですがその一言に、私は吸い寄せられるように空を仰いだんです。太陽と月の次に明るい星に、私の視線は釘付けになったのをよく覚えています。

 

「間もなく降りる帳に点る最初の灯火だ。よく見えるか?」

 

 ああとかうんとか、正真正銘の生返事を返した記憶があります。導かれるままに歩みを進めていた私には、どんな光にも首に繋がれたリードを引っ張られていたようなものでした。座長が示した空の1点、そこを目指せばよいのかと、寝ぼけた頭でそう思った記憶があります。

 

「座長、私はあの星の方へ行けばいいんですね?」

 

 安っぽい信念をぐちゃぐちゃにされた可哀想な意思を、座長は導いてくれると思っていました。そのための言葉をかけてくれると思っていました。でも……

 

「さあ?」

 

 ……そうしてはくれませんでした。

 

「え?」

「カヤ、まだ目が醒めきらないようだな、ならばヒントをやろう。今見えているあの星は、直に地平線の下へ見えなくなる。つまりあの星だけを追いかけることは出来ないのさ」

 

 ああ、思い出しました。座長の言葉は、私の手をずっととってくれる訳じゃなかったこと。あのときかけられた「超人」の一言は、本当に私に期待をかけてくれていたということ。

 

「時間と場所が変われば、お前に見える星は必ず見えてくる。勿論そこへ向かうのは楽じゃない、強い輝きに吹き飛ばされてしまうこともあるだろう。でもそれには意味があるのさ」

「座長……」

「今は我々かもしれないが、お前はきっと連邦生徒会(あの場所)で、一緒に星をみる奴を見つけるだろう、お前にとってのいい相棒をな……」

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

「座長……」

 

 やはり、チエはカヤやスバルといった下の世代に何かを託そうとしているのだろう。所謂「普通の生徒」に収まらなかった生徒達を引き上げて何かをさせようとしている。それが具体的に何なのかは、皆目見当がつかないが……。

 

「それはそうと、カヤは連邦生徒会で一緒に星を見る人はいたの?もしかしてリンちゃん?」

「ふぇ?は?いや……そうですね……いや……いませんよ。先生も分かってるじゃないですか、私は自分の手で全部めちゃくちゃにしたんですから……ハハハ……」

 

 ヤバい、かける言葉を間違ったか……、少しでも今現在の話に持ってこれるかと思った一言が、思いの外カヤを抉ってしまった。微妙な雰囲気が漂い始めていたが、そこをスバルが割って入る。

 

「もし席が空いているなら、そこに座ってもいいですか?カヤさん」

「え?ちょっと……いきなり何を言うんですか?」

「さっきも少し言いましたが、私たちはきっと仲間です。プレローマで座長に誘われた人間は何人もいますが、その多くは元々真面目な連中です。悪ガキは長らく1人だけでしたが、こうして巡り会えました」

 

 悪ガキ呼ばわりに、カヤの表情は困惑と怒りが混ざり合う。だがスバルはそこに畳み掛ける。

 

「座長が何をさせたかったのかはよくわかりませんが、確かなのは、1人でいた奴らを引き合わせたかったことだと思います。ですからこれが終わったら、一緒に星を見ましょう、そういう運命ですよ」

 

 じゃあ、考えておきます、とカヤは小さく呟く。思いがけずにかけられた言葉に、頬が赤く染まっていたような気がした。夕陽の色に隠れてはいたが……。

 

「スバル、ありがとね」

「ん?別にフォローしたわけじゃないですよ」

 

 私たちの歩みは少しだけ速く、不器用な沈黙を心地よくさせたのだった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 鉄橋を長く歩いてると、崖側に開けた空間と道が見えた。同時にスバルが何かを察知したのか、足を止めて緊張の色を見せる。

 

「カイザーがいます、しかもそれなりに大人数ですね」

「奴等の本隊かな?」

「にしては空気が違いますね、重要な道を押さえておいているというのが適切でしょう」

 

 隠れて行けるか問うと、スバルは言葉を濁す。比較的広くなっているが、遮蔽物に乏しいようだ。

 

「それじゃあ強行突破ですか?」

「人数的には不利と言わざるを得ませんが……」

 

 スバルはニヤリと笑って私たちに持ちかける。

 

「……私とカヤさんになら、出来ないことはないでしょう」

「……じゃあやりますか」

「ええ」

 

 そうして私たちは襲撃の算段を整える。

 

 

 

 

 

 ザッザッザッ……

 

 スバルは悠々と道の先へと進み出る。カイザーの部隊もその影を見ると徐ろに迎撃姿勢に入る。

 

「やはり安全科は追ってきたか、連絡は来てなかったんだがな」

「ああ、道中のあいつらのことですか?程度が低かったので知らせる間もなかったですよ」

「ほう、言うじゃないか」

 

 カイザーの兵は陣形を広げて銃を構える。

 

「それじゃあコイツはどうかな?」

 

 ズガガガガッッッ!

 

 機関銃の掃射がスバルに襲いかかる。しかしスバルはひらりひらりと踊るように躱していく。さながら力任せに網を振り回す虫取り少年を弄ぶ蝶のようだ。

 

「あら?お終いですか?では反撃と行きましょう」

 

 スバルは強く地を蹴って飛び上がる。頭上を取られたカイザー兵は迎え撃つために視線を上へと向ける。しかし、その隙はスバルの思う壺だ。

 

 ズバァーンズバァーンズバァーン!!

 

 スバルの背後からカヤが大口径弾を放つ。不意を突かれた兵士の顎を1つ1つ撃ち抜いていく。6発、リボルバーの装弾数を撃ち切ったところに、カイザーは反撃を試みるが──

 

 スタタタタタタァーン!!

 

 上空からスバルが隙を埋めるように発砲する。憐れにも注意を散らばらせた兵士は次々と餌食になる。一度崩れてしまえば、あとは仕掛けた側の思惑通りだ。

 

 ドカァーン!

 

 スバルの飛び蹴りが部隊中央に炸裂し、一気に警戒を集めると、装弾を済ませたカヤが追い討ちをかける。見事な波状攻撃にカイザーの部隊は総崩れになり、有効な反撃もままならず無力化されてしまった。

 

「本隊!本隊!こちらポイントJ2!プレローマ安全科に襲撃された、応援もと……グアァッ!!」

「ふむ、これで最後かな」

 

 見事だ、一面が死屍累々と化す。

 

「やりましたね」

「ええ、お疲れ様です」

 

 スバルとカヤはグータッチでお互いを労う。

 

「凄いね!もうベストコンビじゃん!」

 

 そう声をかけると、2人は少し照臭そうに笑う。

 

「まあ、そうかもしれませんね」

「あの……少しは謙遜して欲しいんですけど?」

 

 カヤは少し考えて、言葉を絞り出す。

 

「あの……すみません、実は私……言ってなかったことがあって……大丈夫ですか?」

「うん、いいよ、言ってみて」

 

 私は、カヤが言い出そうとしたことを受け止める準備をする。

 

「私、座長からチャンスを貰っていたんです。私のやることの『意義』を示せって、それが出来れば、処分内容を考えておくって……」

 

 カヤは自らの腕を抱き、恐る恐る言葉を重ねる。

 

「だから、いかにあのクーデターが正当だったかとか、私が役に立つ人材だとか、そういうのを証明しないといけないと思っていました。今日ここへ来たのも、そのための機会だと思っていました。でも──」

 

 もう一度だけ、思い上がってもいいですよね、と、カヤは自らを勇気づけて口を開く。

 

「──でも、もうそんなもの無くても良いと思うんです。私は、実は1人じゃないんだなって思えたので……日陰者でも大丈夫だって、その……スバルさんがいてくれたので……勿論先生も……」

 

 私たちの名前を出すと、カヤはさらに一回り小さくなってしまう。そんな肩をスバルは抱き寄せる。

 

「湿気たこと言わないでください、カヤさん、あなたはもう一度日の当たる場所に出るべきですよ。私も力を貸します」

 

 同胞を得た2人には、きっと怖いものは無いだろう。そんな気がして、私は彼女たちに同意の笑顔を向ける。

 

「そうだ!せっかくだから2人でカイザーにお礼参りに行きましょう!あなたに恥をかかせた分、奴等の顔を潰してしまいましょう!」

「え!?ええ!?急に何を言うんですか?それにそんな大事なんてちょっと……」

「なんですか?クーデターまでやっておいて怖気づいたんですか?私たち2人なら、勝てない相手はいませんよ!しかもどうせ処分を受けるなら、思いっきり悪いことをしましょう!ハイ!決まりです!」

「そ、そんなぁ、先生も何とか言ってください!」

 

 困惑するカヤに思わず笑みが零れる。

 

「まぁいいんじゃない?責任なら私が取るよ」

「くっ、くそぉ……」

 

 壮大な悪巧みに笑う声が辺りに響く。カヤは苦虫を噛み潰したような顔をしていたが、どことなく、自由になったような、そういう表情が伺えた。




お読みいただきありがとうございます。

私は曇らせた後は晴らせるべきという考えの人間なので。ハッピーエンドにはします。そこに至るまでにちょっと苦しんでもらうだけです。

それはそうとリアルの一番星は金星らしいのですが、執筆中にキヴォトスって地球なんだっけ?となってしばらく文体に悩みました。明示されていたら突っ込んでください。調べが甘い……、本船もウト"ナピ"シュティムかウト"ピナ"シュティムか分からなくなりかけました。

次回もよろしくお願いします。
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