ブルーアーカイブ ―宇宙に輝く黄金の螺旋―   作:まさみゃ〜(柾雅)

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すっかり更新忘れてたンナ……
あれもこれも全部アキラがすけべなのが悪いンナ!(責任転嫁)


03 空より来たる者

 刻門シシネに何から問おうと迷っていると、彼女から話しかけられる。

 

「ときに先生。貴公は無限に繰り返される日々はどう思う?」

「“無限に繰り返される日々……?”」

 

 日常のことだろうか?

 しかし、それなら『繰り返される』という表現は少しおかしく思える。

 

「日常では無い。終われば再び1から繰り返される、そんな日々だ。先生」

「余は飽きた。真新しいことなどウェスト……ヒカル以外に無い。

 余とかの渾沌のみが知覚出来るクラインの壺」

「余は此処、そして他校の数多の結末を観てきた」

「しかし、ある(トキ)に貴公が突如現れた」

 

「“わ、私!?”」

 

 突然話題に上がり思わず驚きを溢してしまう。

 そこでカンナ達はやっと私の隣にいたシシネの存在に気付く。

 

「なっ!? いつの間に先生の隣に!?」

「さっきまでそこには誰も居なかった筈では……」

「出やがったな、【マスターテリオン】!!」

 

 そこからのクロウの行動は早かった。

 彼女は変身した姿のままシシネに攻撃する。

 

「今、余は先生と話している。無粋な真似は、いくら我が愛き怨敵であろうと許しはせん」

 

 クロウから放たれた銃弾ははシシネに触れることはなく、見えなに何かに阻まれる。

 そして不可視の衝撃がクロウを吹き飛ばした。

 

「“ふ、2人とも落ち着──”」

「ふははははっ!! 我輩、復・活っ!! そしてざまぁなのである大翼クロウ!!

 今度こそは貴様の息の根を止めてやる!! ……ってことでポチッとな」

「ちぃっ! もう起きやがったかあのキチガイ!!」

「なっ!? いつの間に拘束を!?」

 

 気絶から回復したヒカルの居た場所には先程カンナとキリノが拘束に使った手錠が解錠された状態で落ちている。

 そしてどこからか取り出したスイッチを押すと、街の上空から大きな影が現れた。

 それはずんぐりむっくりとした、金色のドリルを持つ四つの腕のロボット。

 カイテンジャーやアバンギャルド君とも引けを取らない巨大なロボットが現れた。

 

「っと、ウェストが起きたか。どうする大翼クロウ? 貴公はこのまま街の破壊を良しとして余と闘争を行うか? それとも余との闘争を中止し街の破壊を止めるか?」

「……クソッ。アル!!」

『応ッ!!』

 

『憎悪の空より来たりて──』

 

『正しき怒りを胸に──』

 

「『魔を断つ剣を執る』」

 

「『汝、無垢なる刃──デモンベイン!』」

 

 クロウともう1人の掛け声と共に空にソレは現れる。

 機械の巨人。

 人を模る神々しき…… ──。

 

「「ロ、」」

 

 フブキとキリノは目を見開き、言葉を溢す。

 

「ロ、」

 

 遅れてカンナからも驚きが溢れる。

 

「“ロボットだー!?!?”」

 

 ヒカルが呼び出したロボットとは対照的に、完全に人型に近いロボット。

 それが苦もなく二つの足で地に立っている。

 カイテンジャーのような合体ロボでもなく、アバンギャルド君のようなキャタピラーでもない。

 ヒカルの呼び出した四足歩行のずんぐりむっくりとしたソレでもない。

 正真正銘の、機械の巨人がそこに立っていた。

 

「なんと! 今回の大翼クロウはもうデモンベインを呼べるのか!!」

 

 私の隣でシシネは嬉しそうにはしゃぐ。

 その目には今にもその身一つでデモンベインと呼ばれたロボットに挑もうとするほどに昂っているのが外から見ても分かる。

 

「“えっと、あのロボットは……”」

「デモンベインだ、先生。そうか、そう言えば貴公らは鬼械神(デウス・マキナ)も魔術も知らぬか」

 

 シシネが、私たちの聴き慣れない単語を宙に並べる。

 【鬼械神】、【魔術】、【魔導書】。

 クロウとヒカルの巨大ロボ対戦を背景に彼女は私たちに丁寧にそれぞれの解説をしてくれた。

 

「そうだな……まずは【魔術】が先か。これは簡単に言えば我が自治区特有の神秘体系だ。余は勿論、適性のある者ならば一般の住民でも扱うことができる。と言っても、常人なら正気を保つ事は叶わぬのだが」

 

 神秘といえばキヴォトスの生徒が此処に持つモノと考えていたが、どうやら魔術とはそれを更に一般化させた代物と言いたいのだろう。

 けれど代償として適性がないと一回きりでそのまま廃人……恐ろしすぎる。

 

「そして【魔導書】と【鬼械神】だが……魔導書は今は銃の姿だがコレだな。そして今、クロウが搭乗しているのがデモンベイン。アレが鬼械神……の模倣だ」

 

 シシネが言うに、鬼械神と言うのはどうやら神を模したものらしく、デモンベインはそれの模倣。つまり神を模倣する者の模倣。

 

「……っと話が若干逸れてしまったな──」

『フハハハハッ!! アトランティス・ストライクなど所詮はただの跳び蹴り。我輩のこの、スーパーウェスト無敵ロボ21號〜魂よ叫べ、命を燃やせ、熱き漢の戦いは今此処に始まる〜の機動力には及ばん!!』

 

 背景のロボット対戦は白熱していた。

 いつのまにか自分の召喚したロボットに搭乗したヒカルはクロウを煽るようにエレキギターを掻き鳴らす。

 

「クソッ……こうなったら! ナアカルコード、アクセス!!」

 

 ──3Dアニメーションシーンに移行

 

 瞬間、デモンベインが両腕を球を持つように空に掲げる。

 そしてそこに向かって優しく風が集まってくる。

 徐々に風は強くなり、最高潮に達したかと思うと今度は凪が訪れた。

 黒く、不思議な紋様を走らせる球をデモンベインは展開する。

 

「光射す世界に、汝ら闇黒棲まう場所無し!」

 

 不思議と、その光景に釘付けになる。

 目標はヒカルの搭乗するロボット。

 

「渇かず、飢えず、無に還れ!」

 

 そして急接近するデモンベイン。

 ヒカルはそれに反応出来ず、デモンベインの接触を許してしまった。

 

「レムリアァァアア・インパクトォオオ!!!!」

「NNnnooOOOO!!」

 

 決まったと思った瞬間、デモンベインは技を当てたロボットから距離を取る。

 その数秒後、ロボットは黒い半球に包まれた。

 

『昇華!』

 

 ──3Dアニメーションシーン終了

 

「ふふっ、またこっ酷くやられたなウェスト」

「ちょ、ちょっと! 地面抉れてるけど無事なの!?」

 

 巨大ロボの居た場所には半球の下部分とちょうどと思われるほど抉れてる。

 

「“今の技って──”」

「《レムリア・インパクト》。ウェストのロボットを捕らえたあの黒い球体は結界となっていてな、あの結界内を無限熱量を叩き込む技だ。

 余も以前に一度受けてみたことがあるが、余よりも格下の者ならば結界から抜け出す事は叶わずそのまま焼かれる」

「そ、それでは西ヒカルは……!!」

 

 キリノが慌てて窪みへ駆け寄ろうとするが、カンナが彼女の襟元を掴んで止める。

 そしてその状態でシシネに問い掛けた。

 

「部下が蒸発した割には随分と落ち着いているようだな」

「落ち着いている……? 嗚呼、なるほど。余がウェストの心配をせん理由を今から見せてやろう」

 

 

 

 

 

 シシネに連れられて私たちは一つの校舎へたどり着いた。

 それは瑪瑙が使われているような外観の建造物で、またデザインが少々不気味だ。

 

「お帰りなさいませ大導師〜♡  ご飯にする? それともお風呂にする? それともワ・ガ・ハ・イ?♡

 っと、その背後にいるのはシャーレの先生とヴァルキューレの面々では無いか! なに亡霊が目の前に現れたような反応をしているのだ? ははぁーん、さては先生、昔ついうっかり痴情の縺れで勢い余って殺めてしまったパートナーが夢枕にでも現れたのだなあ? いやぁ、先生も中々のワルで御座いますなぁ。しかし安心しててくだされよ! この正義の科学者たる我輩がその罪を赦してやろう……そう、このデジタル化された免罪符を買えば!! ちなみにお電話での購入も可。電話番号は多分下あたりのいい感じの場所に流れる帯みたいな感じで表示していると思うぞ!」

 

 突然、クロウの放った必殺技で死んだかと思われたヒカルが元気よく現れる。

 テンションも激しく、一つのセリフの内容は相変わらず濃い。

 

「ウェスト、ご苦労であった」

「で、ですがまたもやデモンベインを仕留める事は叶いませんでした……」

「いや、貴公は充分に仕事をこなしている。と、言うよりも此度の敗北は想定の範囲内ではあったが、成果としては重畳だ。まぁなんだ、そう気負う必要はない。何せ全ては戯れにすぎぬのだからな」

「し、しかし……」

 

 シシネはよく「戯れ」と言う単語を使う。

 何度も同じ内容の映画を観てきたように、幼い頃から手元にあった玩具で遊ぶように、毎日同じ物を決まった時間に食すように、飽きを感じさせる。

 

「“ほ、本物……?”」

「我輩は我輩であるぞ先生! あ、もしかしてクローンとかそんなの考えてる感じ?

 我輩にかかればクローンやホムンクルスなぞ朝飯前どころか昨日の夜ご飯前……いや、それよりも容易すぎる故それに割く時間は無いのである!!」

「ウェストはあの時脱出は完了していたのだよ、先生。ま、“めた”く言うのならウェストは“ぎゃぐきゃら”というものだ」

「えっと……誰に向かって言っているの……?」

 

 フブキがそう呟いた後、暫く気不味い空気がその場にあった。

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