ブルーアーカイブ ―宇宙に輝く黄金の螺旋―   作:まさみゃ〜(柾雅)

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05 アル・アジフの断片02

 クロウの携帯端末に存在するAI。

 少女の姿で画面に写り【アル・アジフ】と名乗る彼女は、初めて見た時はアロナと似た存在だと思った。

 しかし、話を聞いているとどうやらアロナとは違うらしい。

 

『して、汝にはあの【バルザイの新月刀】を捕らえるのか?』

「おいアル、先生を巻き込むのは──」

『では汝は1人でアレを考え無しで捕まえられると?

 クロウ、こう言う時こそ大人を頼るべきなのだぞ』

「“そ、そこまで言われるほど私は偉くないよ……”」

 

 軽くお互いを知った段階でここまで言われるとは思わなかった。

 そのためか、少し面映ゆさがある。

 

「“でも、君たちの期待を裏切らない様に精一杯手を尽くすよ”」

 

 

 ──イベントバトル開始

 

 

 先ほどよりかは眼が慣れてきたのか、それとも【アル・アジフ】と名乗るAIが言っていた【バルザイの新月刀】の回転数が落ち着いてきているのか、その飛び回る剣の姿がハッキリと見える様になった。

 アル・アジフが言うに本来の用途は剣ではなく儀礼剣……杖みたいなものらしい。

 いや、それだったら余計にあの剣切れ味に恐怖を覚えるのだが。

 カンナたちは今までに無い存在との対峙で流石に戦闘には参加させられないため、今回はヒカルとクロウの2人で剣の相手をする。

 2人には簡単に自分の出来ることを教えてもらったのだけれど、正直不安だ。……主にヒカルが。

 

「“クロウ”」

「『応ッ!!』」

 

 私がクロウに合図を送ると、彼女は何かを口ずさみながら二丁のハンドガンで一気に攻め始める。

 その間にヒカルには援護を任せておくのだが、どうしてかクロウを狙おうとするのは今はやめてほしい。

 そして口ずさむのを止めたかと思うと、今度は姿が変わった。

 

「チェンジ:マギカスタイルってなァ!!」

 

 銀色混じりの黒い髪だった彼女は今、腰まで伸びた銀髪の、左目の白い部分が赤くなっている。

 そして探偵として活動いていた白い服装から変わり、黒っぽい、SFチックではあるが形容するならば魔術師を連想させるようなものになっていた。

 今まではただの実弾だったのだが、姿が変わってから被弾した【バルザイの新月刀】がよくのけぞるようになったように見える。

 しかしそれでも決定打にはならない。

 

「“……ヒカル”」

「フーハハハハハッ!! やはり我輩の力が必要の様であるなぁあ!?

 よかろう、ならば我輩のとっておきを見せてやるのである!! ェェエエルザァッ!!」

「はいはーい♪  無敵ロボ転送ロボ♪」

 

 その瞬間、上空から一つの塊が落ちてくる。

 それにヒカルとエルザはいつの間にか搭乗し、土煙の中からは二つの光が見えた。

 

「ゆけぇ! スーパーウェスト無敵ロボ53號〜これぞ未来へ導くサーキット!今こそ風を掴むのだ!〜!!」

 

 四本のアームにドリルが装着されたずんぐりむっくりなロボットの姿が次第に現れる。

 そして土煙が晴れた瞬間ロボットからは大量のミサイルが射出された。

 

「ちょっ、おま、ヒカル、てめぇ!!」

 

 ミサイルに巻き込まれない様に避けるクロウ。

 無意味に破壊される街。

 ……いざと言う時は私が責任を取ろう。

 

「フーハハハハハッ!! 街がゴミのようである!!」

「無敵ロボいっけぇ〜ロボ!」

 

 さらに四本のアームにあるドリルを射出して道路を掘削する。

 ご丁寧にワイヤーに接続されているため、射出されたドリルは回収できるらしい。

 

「“ごめん、クロウ”」

「こうなったら……アル!!」

『応ッ』

 

 招喚される巨大なロボット【デモンベイン】。

 そして同時に爆破し彼方へ吹き飛ぶヒカル。

 しかし、その出来事が【バルザイの新月刀】の動きを止めた。

 まるでそれに意思があるかのように、驚く様にピタリと、彼方へと吹き飛んだヒカルの方を向いて止まった。

 

「アトランティス……ストラィィイイク!!」

 

 そしてデモンベインの蹴りが当たる。

 

 

 

 ──イベントバトル終了

 

 

『これで【バルザイの新月刀】の蒐集完了だな』

「いやぁ助かったぜ、先生」

 

 クロウの姿が元の姿に戻る。

 そしてヒカルはと言うと、吹き飛んでから見かけていない。

 

「……普段からこの様な戦闘を?」

 

 一連の景色を見ていたカンナたちがこぼす。

 そしてその問いに返答したのは1人の少女だった。

 

「いえ、今回は異例の共闘でした……っと、お疲れ様ですクロウ」

「姫さん!?」

 

 いつの間にか元の姿に戻ったクロウが叫ぶ。

 現れたのは黒い髪のハーフツインテールの少女。

 令嬢という存在なのか、モノクルを装着した執事が直ぐ側にいる。

 

「お初お目にかかります、シャーレの先生。アナタのお噂は予々(かねがね)……」

「“は、はじめまして”」

 

 クロウとはそこまで身長が変わらないはずなのだが、何処か大きく見える。

 そんな彼女が綺麗な一礼をしながら私に名乗る。

 

「私は豊穣ルリ、ここアーカム隠秘学院の2年生、かつそこの貧乏探偵の現在のパトロンですわ。以後、お見知り置きを」

「び、貧乏じゃねぇ! たまたま今金が無──」

「誰がこの学区の修繕費を出しているかお忘れですか?」

「ナマ言ってすんませんしたぁっ!!」

 

 靴を舐めそうな勢いのままルリに土下座を見せるクロウ。

 アルはそんな彼女の行動に呆れている様だ。

 

「さて、このバカは放っておいてゆっくりできる場所でお話をしましょうか、先生?」

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